マイホームの建築や屋根のリフォームの際に悩むのが、屋根の形をどのような種類にするかということでしょう。
屋根の形と一口に言っても、その種類や和風スタイルから洋風スタイルまでそのバリエーションは非常に豊富です。
「希望する外観の家を実現するためにはどのような種類の屋根の形を選べばいいの?」「屋根の形状によって機能性や耐久性にどのような違いがあるの?」と疑問に感じている方も多いはず。
そこでこの記事では、屋根の形状の種類とそれぞれの特徴に加えて、種類別の機能性比較に至るまで徹底解説しています。
- 屋根の形にはどのような種類があるの?
- 屋根の形状の種類によってどのような違いがあるの?
- 屋根の形状の種類別のメリットとデメリットとは?
- 屋根の形状を種類別に比較するとどうなる?
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目次
屋根の形選びに迷う…どれを選ぶべき?
屋根は、家の外観を大きく左右するとても重要なパーツです。だからこそ、希望通りの外観を実現するために屋根の形を吟味して選びたいもの。
「近隣の住宅から悪目立ちしない無難な屋根にしたい」という人もいますが、頭の中で描いたイメージ通りのおしゃれな屋根にしたいと思う人も多くいます。
とは言え、屋根の種類は非常に多種多様。色も形状も、実にバリエーションが豊富なのです。
また、どの種類の屋根の形状を選ぶかによって耐久性やメンテナンスの頻度も異なるため、屋根の形状選びは今後の家の寿命に直結するとも言えるでしょう。
また、家が建つ地域によっても相性のよい屋根の形状は異なります。
風の強い地域、強い紫外線を浴びる地域、沿岸近くで潮風に恒常的にさらされる地域など、その地域の特性にあった屋根の形状を選ぶことが大切です。
逆に言えば、地域の自然環境と相性の悪い種類の屋根の形状を選ぶと、メンテナンスの頻度が増えて金銭的な負担も増えてしまう可能性も…。
だからこそ、それぞれの屋根の形状の特徴とお住まいの地域との相性を理解しておくと、施工業者との相談もスムーズにいくでしょう。
- 屋根の形状の種類はさまざま
- 地域の自然環境によって相性のよい屋根の形状も異なる
- 屋根選びを適切に行えば、家の寿命が長くなる
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屋根の形の種類と特徴①切妻屋根
そもそも、屋根の形の種類として具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
ここではまず、最もポピュラーであり、なおかつコストパフォーマンスに優れた切妻屋根の特徴とメリット・デメリットについて解説していきます。
切妻屋根のメリット
切妻屋根は、日本では最も一般的な屋根の形状のひとつであり、多くの地域・幅広い世代で高い人気を誇っています。
切妻屋根の最大の特徴は、シンプルな形状であるということ。和風はもちろんのこと、今流行りのおしゃれな洋風スタイルの建築様式にもマッチしてくれます。
華美にならず、近隣の外観にしっくりと溶け込むシンプルさゆえに、無難な外観の屋根にしたいという方から圧倒的な支持を集めているのです。
シンプルな形状ゆえにコストも低く、施工費用を抑えられるというメリットも。メンテナンス費用も安く、基本的にはどの屋根材とも組み合わせが可能なため、経済性を重視する方にピッタリです。
また、切妻屋根は他の屋根の形状と比べて屋根裏に広い空間を確保できる構造になっているため、換気性が高く、湿気が溜まりにくいという特徴も。
高温多湿でカビやコケが生えやすい、日本の気候に適した屋根の形状だと言えるでしょう。
切妻屋根のデメリット
シンプルなデザインゆえに使い勝手がよく、なおかつ安価であるという長所をもつ切り妻屋根ですが、デメリットがないわけではありません。
どんな建築様式にもマッチしやすいシンプルな形状をしているということは、逆に言えば個性がなく面白みやデザイン性に欠けるということでもあります。
シンプルさを好む人にとっては長所に映りますが、個性的な外観を望む人にとっては短所に映るでしょう。
屋根の形状にこだわっておしゃれな外観を実現したいという人は、切妻屋根はあまりおすすめできません。
また、切妻屋根は雨風にやや弱く、適切なスパンでメンテナンスを行わなければ雨漏りなどのトラブルが発生しやすいと言われています。
- 切妻屋根=日本で好んで用いられるポピュラーな屋根の形状
- メリット1:シンプルな形状なので和風・洋風問わずマッチしやすい
- メリット2:安価でコストパフォーマンスがよい
- デメリット1:シンプルゆえに個性やおしゃれさに欠ける
- デメリット2:メンテナンスを怠ると雨漏りリスクが高くなる
屋根の形の種類と特徴②寄棟屋根
切妻屋根と同様に、どんな建築様式の家とも比較的相性のよい屋根の形状こそが寄棟屋根。
では、寄棟屋根にはどのような特徴があり、いかなるメリット・デメリットがあるのでしょうか?以下で詳しく見ていきましょう。
寄棟屋根のメリット
寄棟屋根は左右上下の4つの方向に屋根が流れる形状をしているため、風の影響を受けにくいという特徴をもっています。
そのため耐風性が高く、台風被害が少ない傾向にあります。風が強い地域や台風の通り道になりやすい地域にピッタリな屋根の形状だと言えるでしょう。
同時に、4つの方向に屋根が流れているため、外壁を紫外線や雨風から守りやすく、住宅そのものが劣化しにくくなるのも寄棟屋根のメリットのひとつ。
また、寄棟屋根を用いると落ち着いたシックな雰囲気の外観に仕上がります。和風・洋風のどんなスタイルの家ともマッチしやすいところも魅力です。
上品さと重厚感があり、飽きがこないベーシックな外観をお望みの方におすすめできます。
寄棟屋根のデメリット
寄棟屋根は、他の形状の種類と比べると屋根の接合部分が多くなるため、その分メンテナンス費用がかかるというデメリットがあります。
適切にメンテナンスを行わなければ、雨漏りのリスクが高くなってしまうでしょう。
また、4方向に広がる形状をしているため屋根裏のスペースが狭くなり、換気性が悪く湿気が溜まりやすいというデメリットも。
屋根裏の面積が小さければ太陽光パネルの取り付けが難しくなります。取り付けができた場合でも、他の形状と比べると設置できる数が限定されてしまうため、太陽光パネルの設置をお考えの方は業者とよく相談したほうがよいでしょう。
- 寄棟屋根=和風・洋風問わずあらゆるスタイルと相性がよい
- メリット1:強風や紫外線に強い
- メリット2:落ち着いたシックな外観に仕上がる
- デメリット1:接合部分が多いためメンテナンス費用が高くなる
- デメリット2:屋根裏が狭いため太陽光の設置がやや難しい
屋根の形の種類と特徴③片流れ屋根
屋根のメジャーな形状のひとつとして挙げられるのが、片流れ屋根。
一般的な屋根が左右バランスの取れた形状をしているのに対して、片流れ屋根はその名の通り、片方にのみ傾いた独特の形状をしています。
そのため、モダンでスタイリッシュな外観をお好みの方にピッタリだと言えるでしょう。
ここからは、片流れ屋根のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
片流れ屋根のメリット
片流れ屋根の最大のメリットとして挙げられるのが、狭小住宅に採用できるということ。面積の小さい住宅であっても、片流れ屋根を用いれば広々とした印象を与えることができます。
シンプルでベーシックな形状をしているため、モダンな雰囲気を演出しつつも、安価でコストをおさえられることも可能。施工時はもちろんのこと、メンテンナンス時も他の形状と比べると安価です。
また、屋根の継ぎ目がなく雨漏りがしにくい点や、普通の形状の屋根と比べると面積を広く確保できるため、太陽光パネルを設置や椅子いという点も片流れ屋根ならではのメリットだと言えるでしょう。
太陽の向きに合わせて片流れ屋根を設計することで、効率的にパネルが太陽光を吸収できるようになるので、まさに一石二鳥です。
片流れ屋根のデメリット
低価格にもかかわらずスタイリッシュでおしゃれな外観を実現できる片流れ屋根ではありますが、屋根のない方角の壁が傷みやすいというデメリットも…。
というのも、屋根のない方角の壁は紫外線や雨風にさらされやすく、劣化しやすくなるからです。また、一般的な形状の屋根と比べると屋根裏のスペースが十分に確保できず、湿気が溜まりやすいという特徴も挙げられるでしょう。
加えて、片流れ屋根の向きによっては太陽光パネルを設置しづらくなるため、施工時に建築士や業者とよく相談をおこなう必要があります。
- 片流れ屋根=片方のみに傾いたモダンな形状の屋根
- メリット1:極小住宅でもOK
- メリット2:低コストな上に太陽光パネルが設置しやすい
- デメリット1:屋根のない方角の外壁が劣化しやすい
- デメリット2:屋根の向きによっては太陽光パネルの設置が不可
屋根の形の種類と特徴④陸屋根
陸屋根は、東北や北海道などでよく用いられる屋根の形状の種類です。では、いったいどのような特徴があるのでしょうか?
ここからは、陸屋根のメリット・デメリットについてチェックしていきましょう。
陸屋根のメリット
陸屋根は「陸」という言葉が使われていることからも分かるように、傾斜のある一般的な屋根とは異なり、陸のようにフラットな形状をした屋根のこと。
つまり、陸屋根を選べば屋上が利用できるようになるのです。屋上部分にエアコンの室外機を設置したり、洗濯ものを干すスペースを設けることも可能でしょう。
陸屋根の最大のメリットは、強風時に屋根に影響を受けにくいということ。強風地域にお住まいの方におすすめできます。
また傾斜した一般的な形状の屋根と違い、屋根に積もった雪が落ちてしまう心配がありません。そのため、雪国では好んで陸屋根を選ぶ人が多くいるほどです。
陸屋根のデメリット
一般的な斜面のある屋根と異なり、陸屋根は雨や雪が降るとそのまま屋根に留まってしまうため、排水や排雪がしにくいというデメリットがあります。
したがって防水対策などをおこなわねばならず、メンテナンスに費用がかかってしまうというデメリットが…。
定期的に適切なメンテナンスをおこなわなければ、雨漏りのリスクが高まってしまうことに注意が必要です。
- 陸屋根=傾斜のないフラットな形状の屋根
- メリット1:屋上スペースを利用できる
- メリット2:強風の影響を受けにくく落雪のリスクがない
- デメリット1:雨水や雪が屋上にたまりやすい
- デメリット2:防水対策などに費用がかかる
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屋根の形の種類と特徴⑤方形屋根
方形屋根とは、4方向に傾斜したデザインが特徴的な形状の屋根のこと。日本では古くから寺院などで用いられてきた、歴史のある屋根でもあります。
ここからは、そんな方形屋根のメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
方形屋根のメリット
方形屋根は雨が降った際、バランスよく雨水が4方向に流れていくため、排水がスムーズであるという特徴があります。
また、4つの方向に屋根がかかっているため、どの方角の外壁も紫外線や雨風から守られ、傷みにくいというメリットも。
方形屋根のデメリット
4つの方向に屋根が配置されているため、方形屋根では太陽光パネルは設置しづらいということを知っておく必要があります。
また、ピラミッド状の形になっているため、てっぺんが点となり、雨漏りのリスクが高いというデメリットも…。
- 方形屋根=4つの方向に屋根が配置されたピラミッド型の形状
- メリット:排水がしやすく外壁が傷みにくい
- デメリット1:太陽パネルが設置しづらい
- デメリット2:雨漏りのトラブルが発生しやすい
屋根の形の種類と特徴⑥入母屋屋根
入母屋屋根は、オリエンタルな雰囲気が感じられるデザインが特徴的。純和風建築でよく用いられる種類でもあります。
ここからは、そんな入母屋屋根の特徴についてチェックしていきましょう。
入母屋屋根のメリット
入母屋屋根は日本で昔から用いられてきた伝統的な形状の屋根であるため、瓦屋根などとも相性がよいのが特徴的。
通気性が高く、高温多湿な日本の風土に合っているというメリットも。昔ながらの家で採用されているケースが多く、和風の建築様式とマッチします。
入母屋屋根のデメリット
入母屋屋根は継ぎ目が複雑になっているため、雨漏りする可能性が高いのが欠点です。
また施工難度が高く、メンテナンスにかかる費用も高くなってしまうことも知っておきましょう。
- 入母屋屋根=伝統的な和風スタイルの屋根
- メリット:通気性が高く和風の建築様式と相性がよい
- デメリット:雨漏りのリスクが高くメンテナンス費用も高い
屋根の形の種類と特徴⑦はかま腰屋根
はかま腰屋根とは、切妻屋根と寄棟屋根を合体させたような独特な形状が特徴的な屋根のこと。以下では、はかま腰屋根の特徴について見ていきましょう。
はかま腰屋根のメリット
はかま腰屋根は「半切妻」「ドイツ屋根」などの別名でも呼ばれています。メリットとしては、高さ制限など、建設時に法的な規制があるとき採用しやすいという点が挙げられるでしょう。
はかま腰屋根のデメリット
はかま腰屋根は屋根の繋ぎ目が増えるため、どうしても雨漏りのリスクが増えてしまいます。
こうしたトラブルを防ぐためにはメンテナンスをしっかりとおこなう必要があり、その分頻度も費用も増えてしまうでしょう。
- はかま腰屋根=「半切妻」とも呼ばれる形状の屋根
- メリット:法的な制限があるときでも採用しやすい
- デメリット:雨漏りのリスクが高い
屋根の形の種類と特徴⑧招き屋根
スタイリッシュで個性的な外観を実現したいならば、招き屋根をチョイスしてみてはいかがでしょうか?
以下では、招き屋根の特徴について解説していきます。
招き屋根のメリット
招き屋根は「差しかけ屋根」とも言われる形状の屋根で、屋根の通気性が高く、耐風性にも優れています。
洒落た外観を実現できるにもかかわらず、比較的設置コストをおさえられる屋根形状でもあります。
また、屋根裏空間が広めに確保できるため湿気が溜まりにくく、カビやコケが発生しにくいというメリットも。
招き屋根のデメリット
招き屋根は適切にメンテナンスをおこなわなければ雨漏りしやすいのが欠点。
また、施工が悪いと雨漏りが起こりやすいため、招き屋根の施工実績の多い信頼できる業者を選ぶことが大切です。
- メリット:通気性・耐風性が高く比較的低コスト
- デメリット:雨漏りのリスクがある
屋根の形の種類と特徴⑨ギャンブレル屋根
ギャンブレル屋根とは、欧米でよく見られる屋根形状のこと。屋根上部は切妻に似ていて、途中から傾斜が急になります。
そのため、「腰折れ屋根」と呼ばれることも。以下では、そんなギャンブレル屋根のメリット・デメリットについてチェックしていきましょう。
ギャンブレル屋根のメリット
ギャンブレル屋根を採用すれば、洋風スタイルのおしゃれな外観の屋根が実現できます。
加えて、敷地に合わせ勾配を変えた屋根にできる上に、急勾配で水の流れがよいというメリットも。
ギャンブレル屋根のデメリット
ギャンブレル屋根は屈折している部分の処置をしっかり行わなければ、屋根材の接続部から雨漏りが起こりやすいというデメリットがあります。
定期的にメンテナンスを行わなければならないため、費用がかかると言えるでしょう。
- メリット:おしゃれな洋風スタイルが実現できる
- デメリット:雨漏り対策のメンテナンスが必須
屋根の形の種類と特徴⑩腰屋根
腰屋根とは、築年数のかなり古い住宅で見られることの多い屋根形状のこと。
屋根の上に小さめの屋根を設ける独特のスタイルです。ここからは、腰屋根の特徴についてご紹介していきます。
腰屋根のメリット
腰屋根は採光の役割が大きく、室内が明るくなるというメリットがあります。また、室内に風が入り込みやすい構造になっているため、換気がスムーズにできるという特徴も。
高温多湿な地域におすすめしたい屋根形状だと言えます。
腰屋根のデメリット
屋根の構造が複雑であるため、腰屋根は設置時もメンテナンス時も費用がかかるのがデメリット。
また、屋根材の接続面が増えるので雨漏りのリスクも高くなってしまいがちです。
- メリット:光が入りやすく風通しがよい
- デメリット:費用が高い
屋根の形で変わる?機能性を徹底比較!
ここまでは屋根主な形状の種類について解説してきました。では、形状の違いによって機能性にどのような差が生じるのでしょうか?
以下では、屋根の形状別に機能性を比較していきます。
屋根の役割を考えてみよう
まず、「屋根とはどんな機能を持つか」を再確認しましょう。屋根の第一義的な役割は雨や風、太陽からの紫外線など自然の刺激から家を守ることにあります。
日本は木造住宅が多いため、雨から家屋を守ることは絶対的に必要な屋根の役割だと言えるでしょう。
屋根の形状で機能性も変化する
屋根の機能が失われると、雨漏りの危険があることを知っておく必要があります。雨漏りで木材が湿ると家が劣化するだけでなく、建物の寿命がかなり早まる可能性すらあります。
屋根の形状によっては、雨漏りのリスクも高まるでしょう。だからこそ、「メンテナンスしやすい」「コストが安い」などのメリットだけを重視せず、デメリットも比較することが大事。
「見た目がカッコいい」などデザインや形状だけで選ぶと、屋根の機能性の変化を十分に考慮できず後悔してしまいかねません。
とりわけメンテナンス不足は家の劣化の原因にもなり得るので、事前にメンテナンスの頻度や費用を確認することも必要でしょう。
重視する要素 | おすすめの屋根形状 |
コストの安さ | 切妻、片流れ、招き屋根 |
耐風性の高さ | 寄棟、陸屋根、招き屋根 |
断熱性の高さ | 入母屋など |
屋根材別!相性の良い屋根の形とは?
屋根の形状を選ぶ際には、屋根材との相性を考える必要があります。以下では、屋根材別に相性の良い屋根の形状についてチェックしていきましょう。
スレート屋根
スレート屋根は、日本では多く用いられている屋根材のひとつ。切妻、寄棟、片流れ、招き屋根などと相性がよいと言われています。
日本瓦
日本瓦は重量があり、和風建築でよく用いられる屋根材のこと。
和風の切妻や入母屋と相性がよいですが、他にも寄棟屋根・招き屋根ともマッチしやすいです。
トタン屋根
トタンは築年数の古い家に多く見られる屋根材のこと。メンテナンスのサイクルが短いので、塗装を怠る錆びやすいというデメリットがあります。
屋根の形状としては切妻、片流れなどと相性がよいです。
セメント瓦
セメント瓦は日本瓦よりもコストが安く、洋風の家ともマッチする屋根材のこと。
切妻、片流れ、招き屋根などと相性がよいと言われています。
ガルバリウム鋼板
近頃人気の金属製の屋根材が、ガルバリウム鋼板。軽量であるため、屋根はもちろんのこと、住居そのものにも重量負担をかけにくく耐震性に優れています。
寄棟、切妻、片流れなどと組み合わせるとよいでしょう。
-
- スレート屋根→切妻、寄棟、片流れ、招き屋根
- 日本瓦→切妻や入母屋
- トタン屋根→切妻、片流れ
li>セメント瓦→切妻、片流れ、招き屋根
li>ガルバリウム鋼板→寄棟、切妻、片流れ
屋根の形を選ぶ際のポイントは?
「どの形状の屋根を選べばよいのか迷ってしまう」という方も多いはず。そこで以下では、屋根の形を選ぶ際に考慮したいポイントについて解説していきます。
軒の出
まず考慮したいのが軒の出です。壁よりも突き出している部分が、屋根の「軒」にあたります。
軒の出の幅が小さいと雨の影響を受けやすく、逆に軒が出過ぎると風の影響を受けやすいので要注意。
軒の出をどのくらいにするかも屋根選びのポイントなのです。
勾配
勾配とは屋根の傾斜のこと。急な勾配の場合、おしゃれな外観にはなりますがコストが高くなりやすいことを知っておきましょう。
他方で緩すぎる勾配は雨が流れにくく、雨漏りのリスクも…。雪が多い地域は落雪等のリスクがあるため、勾配は特に注意する必要があります。
地域性
台風が多い地域にお住まいならば、耐風性のある屋根形状を選ぶのがベスト。沿岸部の地域も風の影響を受けるので、屋根選びは慎重に行いたいところです。
なお、雪が降る地域ならば落雪時も想定した屋根形状を選びましょう。
迷った場合は業者と相談を
屋根の形状や特徴など、事前にインターネットなどで情報を収集しておきましょう。屋根の形状は素材や地域性などとも関わります。
「これがいい!」という絶対的なものはないため、慎重に考えることが大事です。設計をする前にしっかりと業者や建築士に相談し、適切なアドバイスをもらいましょう。
- ポイント1:軒の出を考慮して選ぶ
- ポイント2:雨量や積雪量などから勾配を考慮する
- ポイント3:地域の自然環境に応じた屋根形状について業者に相談する
屋根の形には制限もあるため注意!
必ずしも、自由に屋根の形状を選べるというわけではありません。お住まいの地域によっては、屋根の形状に法律的に制限があることも…。
ここからは、屋根の形状に関する主な制限を4つピックアップしてご紹介していきます。
①隣地斜線制限
隣地斜線制限とは、隣地への日光や通風に関係する制限のこと。
屋根の形状によっては建物の高さが高くなりますが、こうした建物が建つことで隣地が日照や風通しが悪くならないために規制が行われています。
②絶対高さ制限
絶対高さ制限とは、地面から屋根のてっぺんまでの高さを規制するもの。
第1種もしくは2種低層住居専用地域は、建物は「10mまで」もしくは「12mまで」と規定されています。ただし、場合によっては緩和要件もあるので業者に確認を取ってもらいましょう。
③北側傾斜制限
北側傾斜制限とは、北側の隣地への配慮のための規制のこと。
高さと勾配を制限し、北側の隣地の日当たりを損なわないようにするために設けられています。
④道路傾斜制限
道路側の屋根の高さを規制するものが、道路傾斜制限。道路への日あたりや通風、見通しなどを確保するためのものです。
- 隣地斜線制限:隣の住居の日照権等を確保するための制限
- 絶対高さ制限:地域によって制限が異なることがあるため要確認
- 北側傾斜制限:北側の隣地の日照権を守るための制限
- 道路傾斜制限:道路の見通し・日当たり等に配慮するための制限
希望する仕上がりにあわせて屋根の形状を選ぼう
今回は屋根の形状の種類とそれぞれの特徴について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
屋根の形状は多種多様であることがお分かりいただけたはず。形状ごとに異なる特徴とメリット・デメリットがあります。
屋根の形状選びにあたっては、家のデザイン性だけでなく、設置時のコストやメンテナンス費用なども総合的に考えることが必要です。
また、屋根材との相性もチェックすることも大切。施工業者任せにせず、自分である程度リサーチを行い、相談に乗ってもらいながらベストな屋根の形状を選びましょう。
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