外壁の補修をするときに代表的な工事が外壁のカバー工法(重ね張り)です。カバー工法には、外壁の遮音性・断熱性の向上、メンテナンス費用が安い、工期が短いなど多くのメリットがあります。
ただし、外壁の総重量が増え耐震性に不安がある、外壁内部の補修ができないなどのデメリットもあり、建物の状態によってはカバー工法で失敗する可能性もあります。
今回の記事では、外壁のカバー工法で失敗しないポイントやメリット・デメリット、費用や工期について解説しています。カバー工法について知りたい、興味がある方はぜひご一読ください!
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目次
外壁のカバー工法(重ね張り)とは
外壁カバー工法とは、既存の外壁に新しい外壁材を重ねて張りつける工法です。外壁カバー工法で用いる素材は大きく2つあり、樹脂サイディングと金属サイディングがあります。
さらに、金属サイディングには、ガルバリウム鋼板、エスジーエル鋼板、アルミニウムの3種類があります。それぞれ特徴と単価は以下の通りです。
商品 | 特徴 | 価格 |
---|---|---|
樹脂 | 施工が簡単で安価 | 6,000円台/㎡ |
ガルバリウム鋼板 | シェアNo1屋根などにも利用されている | 9,000円台/㎡ |
エスジーエル鋼板 | 錆びにくく改良されたガルバリウム鋼板 | 10,000円台/㎡ |
アルミ | 防錆で耐久性がいい。軽量。 | 11,000円台/㎡ |
外壁カバー工法のメリット
外壁に厚みが生まれるため断熱性や遮音性が高くなる
既存外壁を撤去しないため、遮音性・断熱性のみならず、防水性、壁面の耐久性も向上します。
外観の印象を大きく変えることができる
主にカバー工法で使われるサイディング外壁材は、意匠性が高くレンガ調やタイル調など様々なデザインがあります。
外壁塗装は外壁材の材質を変えることはできませんが、カバー工法なら張り替え工事をすることなく外壁の材質を変えることが可能です。
長期的にメンテナンスコストの削減が可能
住宅に同じ年数居住するのであれば、メンテナンス費用は外壁塗装よりも安くできます。
外壁カバー工法のデメリット
外壁カバー工法の主なデメリットには、以下のような点があります。
- 外壁の劣化状況によっては施工できないこともある
- 使える素材が限られる
- 外壁が重くなりすぎないよう軽い素材(金属)しか使えない
- 外壁内部の補修ができない
- カバー工法は既存の外壁材を撤去しないため、外壁内部の補修はできない
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外壁のカバー工法で失敗するケース
外壁カバー工法で工事できない場合もあります。ここでは、カバー工法で外壁を補修できないケースについてお伝えしていきます。
ALC外壁の場合
既存の外壁がALC外壁の場合は、強度が確保できないため規定により施工することはできません。
既存の外壁が激しく痛んでいる場合
既存の外壁がひどく傷んでいる場合は、外壁内部の補修が必要なため、カバー工法だけでは補修しきれないことがほとんどです。このようなケースでは、既存の外壁を撤去する葺き替え工事が必要になります。
高層階がある、耐火構造の基準がある建物
集合住宅や商業地域にある住宅などには、火災被害を抑えるため法律によって建物の構造や用いる材料などが定められています。金属サイディングなどのカバー工法で使用する建材の中には、そのような建物に必要な要件を満たせないことがあります。
法律に定められた要件を満たせない建材は、「耐火構造」「防火構造」の建物には使用できません。
これらの条件に当てはまっていてカバー工法が使えない!という方はぜひこちらの張り替えの記事をチェックしてみてください。
外壁のカバー工法で失敗しないポイント
外壁の状態を正確に診断する
外壁のカバー工法で失敗しないポイントは、外壁の状態を正確に診断するのが重要です。カバー工法では外壁内部の補修ができないため、外壁診断を誤ると再度張り替え工事が必要なケースが生じます。
カバー工法で失敗したくない方は、外壁診断士の資格を保有していたり、赤外線診断やドローン診断など、最新の技術で外壁を診断してくれる業者を選びましょう。
軽量のサイディング材を選択する
軽量のサイディング材を選択するのも、カバー工法で失敗しないポイントの1つです。カバー工法は既存の外壁にサイディング材を貼り付けて施工するため、外壁の総重量が増加します。
外壁は総重量が増えるほど、建物の耐震性が弱くなるデメリットがあります。そのため軽量で安全性を確保できるサイディング材を選択するのが重要です。おすすめは、金属系の中でもトップクラスの軽さを誇るアルミサイディングです。
相見積もりで優良業者を探す
カバー工法で失敗したくない方は、相見積もりで優良業者を探しましょう。カバー工法に限らず、業者に施工を依頼する際は、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」が重要です。
相見積もりを行えば、適正価格の判別のほかに、業者の対応や見積書の内容をチェックできるため、優良業者を見極められます。
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外壁のカバー工法を検討するのはいつ?
カバー工法による外壁の補修はいつ行うのが良いのでしょうか。ここでは、カバー工法を行う時期の目安についてお伝えしていきます。
経年劣化によるメンテナンスの場合
外壁塗装を定期的に行っていても、外壁材の耐用年数を超えると外壁の内側が劣化している可能性もあるので、張り替えもしくはカバー工法による補修を検討しましょう。
外壁材別の耐用年数
外壁材ごとに耐用年数は変わります。以下にまとめましたので参考にしてください。
種類 | 耐用年数 |
---|---|
窯業系サイディング | 30〜40年 |
金属系サイディング | 30〜40年 |
木質系サイディング | 30〜40年 |
樹脂系サイディング | 30〜40年 |
モルタル | 30〜40年 |
タイル | 40年以上 |
ALC | 50年以上 |
漆喰 | 50年以上 |
板張り | 30〜50年 |
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外壁のカバー工法にかかる費用と工期
外壁のカバー工法をする場合、一般的にはどれぐらいの費用と工期が必要になるのでしょうか。ここでは、カバー工法に必要な費用と工期についてまとめてあります。
なお、ここでの費用や工期は30坪の住宅を想定したものです。
- 必要な費用は20〜50万円
- おおよその工期は1~2日
- 必要な費用は12〜20万円
- おおよその工期は3~4日
- 必要な費用は80〜120万円
- おおよその工期は6~12日
- 必要な費用は20〜30万円
- おおよその工期は2〜3日
- 必要な費用は清掃や廃材処理等諸経費含み10万円から
- おおよその工期は1日
サイディングを横方向に張るか縦方向に張るかで、施工するときの人数や技術力に差があるため料金が違います。一般的に横張の方が簡単に施工できるため、安く施工が可能です。
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「塗装」「張り替え」「カバー工法」どれがいい?
外壁の工事には、主に塗装と張り替え、カバー工法の3種類があります。どの工事で外壁を補修するのが良いのでしょうか。
外壁リフォーム 3つの方法を比較
外壁リフォームの3つの方法を「コスト」「意匠性」「性能の向上」「手軽さ」で比較しました。
費用で比較
費用での比較を細かく見ていきましょう。初期費用は張り替え工事が最も高く、塗装が一番安価です。
しかし外壁は定期的なメンテナンスが必要不可欠。だからこそ先々のコストまで考える必要があります。カバー工法は将来のメンテナンスコストを含めると一番安く済む可能性が高いです。
工事内容 | 価格帯 |
---|---|
塗装 | 90〜180万円 |
カバー工法 | 200〜250万円 |
張り替え | 300~350万円 |
施工期間で比較
張り替え工事は既存の外壁を撤去するため、工期も長くなります。
工事内容 | 施工期間 |
---|---|
塗装 | 1~2週間程度 |
カバー工法 | 2~3週間程度 |
張り替え | 1か月程度 |
デザイン性で比較
デザイン性でも新しい外壁材に交換できる張り替え工事が優れています。
工事内容 | デザイン性 |
---|---|
塗装 | 材質は既存外壁材のものになるためカラーチェンジが基本。 |
カバー工法 | 金属および樹脂サイディング外壁からデザインを選ぶ。デザインは豊富 |
張り替え | サイディング・塗り壁など様々な外壁材に変更することができる。※基礎に依る |
外壁塗装がオススメの場合
コストを抑えて短期間でメンテナンスしたいときにおすすめです。
- 外壁材を変えず、メンテナンスとカラーチェンジが目的の場合
- コストを安く抑えたい場合
外壁カバー工法がおすすめな場合
張り替えほどのコストをかけたくない場合におすすめです。
- 外観を変え、先々のメンテナンスコストを抑えたいとき
- 断熱性や遮音性など機能性を高めたいとき
外壁張り替えがおすすめな場合
外壁の状態が悪いとき、耐用年数を大幅に超えているときは張り替え工事が必要です。
- 外壁の耐用年数を超え、内部の劣化も気になる場合
- 外観を大幅に変えたい場合。
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カバー工法の施工費用を抑える方法は?
外壁張り替えの費用は高いことが多いです。ここでは、外壁張り替え工事のコストを抑える方法についてお伝えしていきます。
火災保険を利用する
災害によって破損した場合は、火災保険が適用になることもあります。ケースによっては全額補償されることも。
外壁の補修が火災保険によってカバーできるかどうかは、保険によっても異なります。補修する前に保険が適用されるか確認しておくと良いでしょう。
複数の業者に見積もりを依頼する
業者に作業を依頼するときは、複数の業者に見積もりを取って比較検討することが大切です。価格だけではなく、見積書の中身や業者の対応などもあわせてチェックしておきましょう。
補助金が受給できないか確認する
工事の内容によっては、自治体から補助金が支給されることもあります。支給の条件は自治体によって異なるので、補助金の要件に当てはまっているかを事前に確認しておくと良いでしょう。
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10秒でわかるおさらい!
外壁カバー工法のポイントをおさらいしましょう!
外壁のカバー工法のメリット・デメリットとは?
カバー工法の主なメリットは、遮音性が高くなり耐久性もアップする。主なデメリットは施工できない外壁もあるほか、重さが増すという点。詳しくはコチラ。
外壁のカバー工法の費用相場は?
カバー工法の費用は、使用する外壁材などによっても変わってくる。費用について詳しくはコチラ。
外壁のカバー工法ができない外壁は?
ALC外壁はカバー工法ができない。そのほか耐火構造の基準がある建物もカバー工法できないことが多い。そのほか損傷の激しい外壁もカバー工法では補修できない。詳しくはコチラ。
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