自宅の屋根の見栄えが悪くなったり、購入から10年が経過してそろそろ塗装かなと考えたりして、屋根塗装を考える人もいるでしょう。その時に気にかかるのが屋根の塗装費用ではないでしょうか。
塗装面積や屋根材の材質、使用する塗料によって前後するものの、坪数と施工単価が分かれば概算で費用を算出できるのです。
本記事では、30坪の住宅の屋根塗装の費用相場と内訳、業者から適性費用の見積もりをもらう方法を解説します。
当サイトでは、外壁・屋根塗装の見積もりシミュレーションを無料で行っています。初めて外壁塗装を検討している方は、まず下記ボタンより、最新料金相場を確認しましょう。
目次
30坪の屋根塗装の費用相場
屋根塗装に必要なおおよその費用は、以下の条件で決定されます。
- 塗装面積
- 塗料の種類
- 2階建てか3階建てか
- 外壁塗装も同時に行うか
注意したいのは、同じ坪数でも住宅の構造や使用する塗料、外壁塗装の有無で変動する点です。以下に、屋根塗装のみの費用相場と外壁塗装も抱き合わせた場合の費用相場をまとめました。
なお、屋根材はストレート屋根で使用する塗料はシリコン塗料の場合でシミュレーションしています。
坪数 | 屋根塗装のみの 費用相場 |
外壁塗装と同時に行う 場合の費用相場 |
---|---|---|
20坪 | 2階建て:30~65万円 3階建て:45~80万円 |
2階建て:70~120万円 3階建て:90~140万円 |
25坪 | 2階建て:35~80万円 3階建て:65~100万円 |
2階建て:90~140万円 3階建て:110~150万円 |
30坪 | 2階建て:40~90万円 3階建て:80~115万円 |
2階建て:110~160万円 3階建て:130~180万円 |
35坪 | 2階建て:45~95万円 3階建て:85~120万円 |
2階建て:130~180万円 3階建て:150~190万円 |
40坪 | 2階建て:50~100万円 3階建て:90~125万円 |
2階建て:140~190万円 3階建て:170~210万円 |
30坪の場合、屋根塗装だけで見ると100万円前後に収まることが多いようです。相場であるため、表の金額よりも高いくなる場合もあります。
外壁塗装と組み合わせると額面上は大きくなりますが、別々で施工するよりも30~40万円ほど安くなる場合がほとんどです。足場や人件費を別で手配しなくて済む分、ディスカウントされます。
30坪の住宅で外壁塗装を行う場合の費用相場は、こちらの記事を参考にしてください。
30坪の外壁塗装の価格相場は?工程・塗料別の費用の目安を紹介 |
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【30坪】屋根塗装の費用の計算方法
屋根塗装の費用を算出するには、次の計算式を使用します。
屋根塗装の費用(円)=屋根の塗装面積(㎡)×塗料の単価(L/円)+その他工程の費用(円) |
上記の式で使用する「塗装面積」は、坪数ではなく延べ床面積で算出しなければなりません。また、坪数をもとに屋根の塗装面積を算出するには、傾斜の係数である1.2を掛ける必要があります。以上を総合すると、屋根の塗装面積の算出方法は以下のとおりです。
屋根の塗装面積=坪数×坪数の係数3.3×傾斜の係数1.2 |
上記の計算式を、30坪の建物に当てはめると、次のとおりになります。計算式では、塗料の単価を2,000円、その他工程の費用を25万円とします。
(30坪×3.3×1.2)×2,000円+25万円=約48.8万円 |
繰り返しになりますが、上記の計算式は概算です。実際には屋根の材質や傾斜、住宅の構造で変化します。あくまでも概算の算出方法として覚えておきましょう。
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【工程別】30坪の屋根塗装の工事費
「【30坪】屋根塗装の費用の計算方法」でも触れましたが、屋根塗装には塗料の費用だけではなくその他の工程で必要な費用も計算に含まなければなりません。また、2階建てか3階建てかで費用が変わる項目もあります。
以下の表で、各工程に必要な費用相場をまとめました。住宅の階数などによって変化しますが、参考数値として覚えておきましょう。
項目 | 単価 | 30坪の場合の費用目安 |
---|---|---|
足場設置 | 700~950円/㎡ | 10~15万円 |
養生設置 | 350~450/㎡ | 5~8万円 |
高圧洗浄 | 150~250/㎡ | 2~5万円 |
下地処理 | 塗料の種類による | 塗料の種類による |
下塗り | 塗料の種類による | 塗料の種類による |
仕上げ塗装 | 塗料の種類による | 塗料の種類による |
縁切り | 250~360円/㎡ | 5万円 |
付帯塗装 | 塗料の種類による | 塗料の種類による |
諸経費 | 工事費の5~15% | – |
幅があるものは業者によって単価に差があるもの、階層によって費用が異なるものです。一概に2階建てだからいくら、3階建てだといくらと言いにくいものの、おおよそ上記のとおりだと思っておけばいいでしょう。
それぞれの詳細などについて、次の章で詳しく解説します。
足場設置
足場は屋根塗装を実施するうえで欠かせない工程です。一般的には足場屋と呼ばれる業者が組み立てと解体を担当します。金属製の足場を1日程度で組み上げることがほとんどです。外壁塗装や屋根塗装と同じように、以下の計算式で概算を算出できます。
足場設置費用(円)=延べ床面積(㎡)×1.3 |
単価は700~950円/㎡で、床面積に1.3の係数を掛けて算出します。係数で1.3を掛けるのは床面積よりも外側に設置しなければならないため、外壁・屋根塗装より大きな数字を掛けなければなりません。
また、階層によっても価格は変動します。詳細な金額は見積もりを出してもらうといいでしょう。
養生設置
屋根塗装で足場に使用する養生シートの費用です。塗料がかかってはいけない場所を保護する目的で使用されます。
屋根全体を覆うのではなく、屋根の上にある塗ってはいけないものに対して使用するのが特徴です。相場は350~450円/㎡で、塗装を行うのには必須のアイテムです。
高圧洗浄
屋根の汚れなどをきれいにするために行う工程です。汚れをそのままにして塗装をしても長持ちせず、早く色が褪せてしまう場合もあります。
相場は150~350円/㎡です。なお、業者の中にはトルネード洗浄と呼ばれる方法を採用している場合もあります。相場は300~500円/㎡とやや高くなりますが、一般的な高圧洗浄よりも汚れを落とすことができる違いがあります。
下地処理
「下地調整」「素地調整」とも呼ばれる工程で、さび落としやケレン作業のことです。目的は高圧洗浄と同じですが、下地処理の段階でクラック(ひび割れ)などが見つかれば補修を行うという違いがあります。
下地処理自体は400~700円/㎡程度です。ただし補修が必要な箇所がある場合は、別途費用が加算されるため注意しましょう。
下塗り
サビ止めや本番の塗料を美しく見せるために行う作業です。多くの場合、先に塗装されている塗料があるはずです。この旧塗料が新塗料の発色を妨害しないために、下塗りを行わなければなりません。
下塗りにはシーラー、プライマーと呼ばれるものがありますが、一般的なもので600~900円/㎡です。旧塗料の都合で微弾性フィラーを使用することもあり、この場合は900~1,200円/㎡とやや高額になります。顧客自身で選択できる場合もあります。
仕上げ塗装
中塗りと上塗りの作業を合わせて「仕上げ塗り」と呼びます。この費用が上記の計算式で使用する「屋根塗装に使用する塗料」にあたります。単価も1,500~3,500円/㎡と幅があってなおかつ高い割合を占めます。
使用する塗料によっては相場以上の金額になる場合もあるため、一概にいくらと言いにくい項目です。使用する塗料については「【塗料別】30坪の屋根塗装の費用目安」で説明しています。
縁切り
屋根には隙間が存在しており、この部分まで塗装してしまうと通気性などに問題が発生します。隙間を埋めてしまわないためには「縁切り」と呼ばれる工程を踏まなければならず、相場が250~360円/㎡となっています。
基本的にはカッターで行われますが、時間がかかるなどのデメリットもあります。縁切りの代替策として、隙間に挿しこむタスペーサーを使用することもありますが、こちらは1枚当たり300~900円。縁切りよりも高額になることが多いため、検討が必要です。
付帯塗装
破風板や軒天場など、屋根の付帯部分の塗装でかかる項目です。分割することもできますが、外壁塗装を抱き合わせると安くなるのと同様、一緒に施行すれば価格を下げることができます。
相場は500~1,500円/㎡ですが、こちらも使用する塗料や付帯部分の面積によって変動します。
諸経費
その他、産業廃棄物などのごみ処理にかかる費用や職人の人件費などが含まれている項目が諸経費です。項目が細かいため詳細は控えますが、屋根塗装費の総額の5~15%程度だと思っておきましょう。
ここまでが、屋根塗装にかかるその他工程の費用項目です。屋根塗装の詳しい作業工程については下記リンクで解説しています。ぜひ参考にしてください。
屋根塗装にかかる日数は?工程・手順を詳しく解説! |
【塗料別】30坪の屋根塗装の費用目安
屋根塗装に使用する塗料には大きく分けて5つの種類があります。耐用年数や機能に差があり、業者によって取り扱いの有無があることも珍しくありません。
以下に塗料ごとの特徴や単価をまとめました。なお下塗りは900円/㎡で、下地処理と付帯塗装はないものとします。
塗料 | 耐用年数 | 単価(㎡) | 30坪の屋根塗装の費用 |
---|---|---|---|
ウレタン塗料 | 5~7年 | 2,500~3,200円 | 2階建て:約75~95万円 3階建て:約85~100万円 |
シリコン塗料 | 6~12年 | 2,800~3,500円 | 2階建て:約95~110万円 3階建て:約100~120万円 |
フッ素塗料 | 8~15年 | 3,600~4,100円 | 2階建て:約110~120万円 3階建て:約115 ~130円 |
遮熱塗料 | 5~15年 | 3,400~4,600円 | 2階建て:約110~125万円 3階建て:約115~135 万円 |
断熱塗料 | ベースによって異なる | 3,800円+下塗り費用 | – |
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ウレタン塗料
合成樹脂が主成分の塗料です。発色がよく価格もリーズナブルであることから、昔は塗り替えでもよく採用されていまいた。
しかし、耐用年数が短いこと、性能のいい塗料が出回り始めたことであまり使われなくなっています。1回の塗装費用が抑えられる以外のメリットがないため、あえて選ぶ理由もないでしょう。
塗料の単価(㎡) | 2,500~3,200円 |
---|---|
耐用年数 | 5~7年 |
メリット | 発色がいい 単価が安い |
デメリット | 耐用年数が短い 塗り替えのサイクルが早い |
塗装費用の相場 | 2階建て:約75~95万円 3階建て:約85~100万円 |
シリコン塗料
コストパフォーマンスを重視するのであれば、シリコン塗料がおすすめです。熱や紫外線に強いという機能面でも優れています。耐用年数と単価のバランスがいいというメリットもあります。
一方で、ほかの塗料と比較するとひび割れしやすいといったデメリットがあることも忘れてはいけません。
塗料の単価(㎡) | 2,800~3,500円 |
---|---|
耐用年数 | 6~12年 |
メリット | 熱や紫外線に強い 汚れが付着しにくい 単価と耐用年数のバランスがいい |
デメリット | ひび割れしやすい 塗装時の付着力が弱いため職人の腕に左右される |
塗装費用の相場 | 2階建て:約95~110万円 3階建て:約100~120万円 |
フッ素塗料
虫歯の治療で塗布されるものと同じ成分を配合した塗料です。単価が高い反面、非常に高機能で、単価に見合った耐用年数を誇っています。
デメリットとしては、次回の塗装の際に使用できる塗料が限定されることです。ただ、1回フッ素塗装を使用すると、そう簡単に塗り替えることはないため、あまり気にしなくてもいいかもしれません。
塗料の単価(㎡) | 3,600~4,100円 |
---|---|
耐用年数 | 8~15年 |
メリット | ウレタン塗料より熱や紫外線に強い 強い風雨でも劣化しにくい |
デメリット | 単価が高い 次回塗装の際に使用できる塗料が限定される |
塗装費用の相場 | 2階建て:約110~120万円 3階建て:約115 ~130万円 |
遮熱塗料
太陽光を反射する機能を持った塗料です。厳密には塗料の種類ではなく、その機能に特化している「アクリル塗料」「ウレタン塗料」という言い方が正しいでしょう。
単価が高いことに加え、お住まいの地域によっては推奨できない場合もあります。後述する断熱塗料と比較してどちらがいいかを検討しましょう。
塗料の単価(㎡) | 3,400~4,600円 |
---|---|
耐用年数 | 5~15年 |
メリット | 屋根から室内にくる熱を遮断する ベースにシリコンやウレタンなどの塗料を使用するため、それぞれのメリットを受けやすい |
デメリット | 単価が高い 冬の室内の気温上昇を妨げるため、地域によってはおすすめできない |
塗装費用の相場 | 2階建て:約110~125万円 3階建て:約115~135万円 |
断熱塗料
遮熱塗料と同じく、断熱機能に特化したものを断熱塗料と言います。遮熱との違いは、熱を家の内外に通すか通さないかであり、断熱塗料は完全に熱の通過をシャットアウトします。そのため冬場でも室内の熱が外へ放出されることはなく、温かさをキープできるのです。
決まった単価がないため、見積もりを出してもらわないと価格がわからないのがデメリットです。比較的高額になりがちですが、自治体によっては遮熱・断熱塗料による助成金や補助金を用意している場合もあります。
外壁塗装と抱き合わせになっている自治体もあるため、一緒に塗り替えをしようか検討している方は、ぜひ活用しましょう。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
塗料の単価(㎡) | 3,800円+下塗り費用 |
---|---|
耐用年数 | ベースによって異なる |
メリット | 外からの熱を完全にシャットアウトする 室内からの熱も通さないため、寒冷地で高い効果を発揮する 自治体によっては助成・補助を受けられる(要申請) |
デメリット | ベースによって単価が異なる メーカーによって効果を実感できないことがある |
塗装費用の相場 | – |
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30坪の屋根塗装を適正費用で行うポイント
屋根塗装には明確な基準がなく、業者によってさまざまです。中には割高な金額を示す業者や、見積もりが極端に低い代わりにのちにいろいろな理由をつけて追加請求をしてくる業者もいます。
本章では屋根塗装の適正価格を確認するための方法や、気を付けるべきポイントを解説します。
複数の業者から見積もりをとる
適正価格を知るためには、屋根塗装業者に見積もりをもらう必要があります。それも一社だけではなく複数の業者から見積もりをもらわなければなりません。
一社だけで業者を決めることもできますが、本当に適正価格かどうかはわからないままです。これでは正しい費用なのか悪意があるのかがわかりません。複数業者から見積もりを取ることで、先述のリスクを回避できる確率が高くなるでしょう。
複数業者から見積もりを取るには、以下の方法が考えられます。
- 一括見積もりができるサイトから見積もりをもらう
- 一社ずつ問い合わせて見積りをもらう
手間を考えれば一括見積もりサイトを経由したほうが良いでしょう。電話などがかかってきて対応に時間がかかるものの、この点は一社ずつ問い合わせるのとあまり変わらない可能性があります。
最終的には見積もりの項目や費用が明確に記載されている業者に絞りましょう。電話などの対応も考慮して決めるといいかもしれません。
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相場との差が大きすぎないか確認する
本記事で紹介した相場を参考に、もらった見積もりと一般的な費用と大きく離れすぎていないかを確認しましょう。もらった見積もりが相場よりも高額であればおかしいとわかるかもしれませんが、安すぎる場合も注意が必要です。
具体的には以下の費用が相場とかけ離れていることが多いようです。
- 利益を出すために足場代や塗料の単価を高く設定している
- 詳細をわからないようにあいまいに項目を記載している
- 追加費用を請求するため安く設定している
すべての業者が適正価格とは限りませんが、見積もりを見比べた時に相場と離れすぎている場合は要注意です。複数の業者から見積もりをもらっていれば、それと見比べるのもひとつの方法です。
屋根塗装は外壁塗装と同時に行うのがおすすめ
屋根塗装を少しでも安く抑えるのであれば、外壁塗装と同時に行うのがおすすめです。別々に塗装することもできますが、同時に施行することで費用や工期を抑えられます。
以下に30坪の建物の塗装費用について4パターンをまとめました。
費用 | 工期 | |
---|---|---|
屋根塗装のみを行う場合 | 2階建て:40~90万円 3階建て:80~115万円 |
約7~10日 |
外壁塗装のみを行う場合 | 2階建て:80~110万円 3階建て:100~130万円 |
約7~10日 |
屋根塗装と外壁塗装を 同時に行う場合 |
2階建て:110~160万円 3階建て:130~180万円 |
約10~14日 |
屋根塗装と外壁塗装を 別々に行う場合 |
2階建て:120~200万円 3階建て:180~245万円 |
約14~20日 |
屋根塗装と外壁塗装を同時に行うと、30~50万円程度安くなります。これは足場や人件費、業者の交通費が1回で済むために実現できる価格です。逆に言えば、屋根と外壁を別々でやれば、改めて足場代や人件費を算出して手配しなければなりません。
トータルで見れば金額は大きいものの、同時に施行してしまえば節約になるでしょう。屋根も外壁も塗装を検討しているのであれば同時に行うことも視野に入れるといいかもしれません。
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まとめ
30坪の屋根塗装は、住宅の階層や使用する塗料によって費用が異なります。しかし、劣化しているものをそのまま放置していては、建物そのものに悪影響があるかもしれません。決して安くはない買い物であり、それでいて大事な工事ですが、適正価格で施工してもらえるよう本記事を参考に依頼する業者を選択してください。
面倒でも複数社から見積もりを取るなどの対策も重要です。大きな買い物で失敗できないものだからこそ、面倒だと思わずに業者の比較もするといいでしょう。
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