アルミは、窓枠や玄関ドアから手すりに至るまで、住居の至るところに使用されているとても身近な建築資材です。
錆びに強く軽量であるといった長所をもつものの、塗装が定着しにくいという性質ゆえに、アルミ建材は定期的に塗装のメンテナンスをおこなわなければなりません。
しかし、「そもそもどうしてアルミに塗装が必要なの?」「どのようなタイミングで塗り直しをおこなえばよいの?」と疑問に感じている方も多いことでしょう。
そこでこの記事では、アルミの塗装に関する基礎知識からそのメンテナンス方法、DIYでの塗装方法に至るまで徹底解説しています。
ご自宅に使用されているアルミの塗装の剥がれが気になったときに、ぜひご参考ください。
- アルミに塗装が必要な理由とは?
- 塗装をおこなうべきアルミの劣化症状とは?
- DIYでもアルミの塗装はできる?
- アルミ塗装の費用目安と業者の選び方のコツは?
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目次
アルミに塗装は必要なの?
普段生活している中ではあまり気づくことがないものの、意識してあたりを見回してみると、お住まいの至るところにアルミが使われていることに気づくはずです。
しかし、外壁や屋根のようにアルミにも塗装をおこなう必要はあるのでしょうか?ここではまず、アルミの基本情報や塗装の必要性についてチェックしていきましょう。
そもそもアルミとは
非常に軽量で錆びにくい金属であるアルミは、私たちの生活になくてはならないとても身近な存在です。
たとえばアルミホイルや1円玉にも使用されていますし、また住居に関して言えば手すりやドア、サッシ部分などさまざまな箇所でアルミが用いられています。
万能に思えるアルミではありますが、表面に傷がつきやすい、傷から錆が発生しやすいといったマイナスの特徴も併せ持っています。
こうした状態を放置すると住宅の美観を損ねますし、何よりアルミそのものの耐久性が低下してしまうことに…。
だからこそ、建材としてアルミを使用する場合は傷や錆から守るため、また経年劣化や汚れを目立たなくするために塗装をおこなう必要があるのです。
また、無機質で面白みのないアルミ建材であっても、塗装することでおしゃれなデザイン・カラーに変身させることもできます。
アルミの塗装は剥がれやすい?
アルミは塗装がつきにくい性質をもっているため、基本的には短期間で塗装が剥がれることを覚悟すると考えておいたほうがよいでしょう。
また、木材や鉄などの建材と違い、アルミは専用の下塗り材を使わないと塗装できないうえに、その難易度も高いのです。
適切に下塗り材を使用し、適切な方法で塗装をおこなわなければ、すぐに剥げてしまいます。
- アルミ=軽量で使い勝手がよいが、傷がつきやすく錆が発生しやすい
- アルミの保護や耐久性アップのために塗装は必須
- アルミは塗装をしてもすぐに剥げる
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アルミ建材の種類
マンションやアパートにせよ、戸建てにせよ、住居の多くの箇所にアルミ建材が用いられています。
アルミは塗装が剥げやすいため、適切なスパンで塗り直しなどのメンテナンスをおこなう必要があります。
ここからは、住宅に用いられるアルミ建材の種類やそのメンテナンスの目安について見ていきましょう。
アルミサッシ
多くの住宅では、窓部分にアルミが使用されています。窓枠の周りのサッシ部分に使用されているアルミは、基本的に錆に強いものが用いられています。
しかし、それでも年数が経てば錆や塗装の剥がれが生じるため、基本的にアルミサッシは10年おきに塗装のメンテナンスが必要です。
玄関ドア
玄関ドアをアルミで作っている家も少なくありません。
毎日の開け閉めによってアルミに傷がついたり剥がれが生じたりしやすいため、見栄えが悪くなってきたならば塗装を検討しましょう。
手すり
ベランダなどの手すり部分にも、アルミが使用されているケースが多いでしょう。手すりはどうしても接触回数が多くなるため、塗料が剥げやすくなってしまうもの。
傷もつきやすく、その部分から錆がどんどん発生することもよくあります。手すりのアルミに関しても、10年おきに塗り直しをおこなう必要があります。
サイディング
家の外観を大きく左右する外壁部分に、アルミで作った軽量のサイディング材を使用するケースもあります。
アルミのサイディング材は軽量なため外壁に負担をかけず、また金属製ならではのスタイリッシュで洗練された外観を実現してくれるというメリットも。
ただし、アルミのサイディング材は傷や錆がつきやすいため、基本的には10〜15年おきに塗り直しなどのメンテンナンスをおこなうことになります。
- 住居の多くの箇所にアルミ建材が使用されている
- アルミサッシ:10年ほどで塗装メンテナンスをおこなう
- 玄関ドア:剥がれが目立ってきた時に塗り直しをおこなう
- 手すり:10年ほどで塗装メンテナンスをおこなう
- サイディング:10~15年ほどで塗装メンテナンスをおこなう
アルミ塗装が必要な症状とは?
ここまで見てきたように、普段気づかないだけで住宅の至る箇所にアルミ建材が使用されています。
アルミは塗料が剥がれやすい性質をもっているため、基本的には塗り直しのメンテナンスが必須ですが、具体的にどのようなタイミングでおこなえばよいのでしょうか?
以下では、アルミ塗装が必要な劣化症状についてご紹介していきます。
錆びや腐食
アルミは傷に弱く、そこからすぐに錆が発生してしまうという性質をもっています。錆を放置するとアルミそのものの耐久性が低下してしまうので要注意。
とりわけ、接触頻度が高い場所や水場にあるアルミは錆びやすくなります。錆や腐食が生じたならば、早めに塗装のメンテナンスをおこないましょう
また、沿岸地域にお住いの場合は潮風の影響を受けて塩害が起こりやすく、耐用年数内であっても早々にアルミに白錆が発生することもよくあります。
傷ついた部分から生じる赤錆と比べると、白錆のほうがアルミ本体の強度を低下させやすいため、できるだけ早く塗り直しをおこなってください。
放置しておくと大きなひび割れなどを起こし、塗り直し程度のメンテナンスではなく、アルミ本体を新しいものに取り換えなければならなくなってしまうことも…。
汚れ
表面のくすみや汚れが目立ってきた場合も、早めに塗装のメンテナンスをおこなう必要があります。
たとえばアルミサッシには白い斑点状の汚れ(酸化被膜)がつきやすく、これを放置しておくと剥がれや腐食などの劣化症状を招くことになるでしょう。
傷
傷ができるとすぐに腐食が生じるため、早急にメンテナンスなどの対処が必要です。
剥がれなどのほかの劣化症状が起きておらず、耐用年数内であったとしても、複数個所を傷つけてしまったり、また傷の度合いがひどい場合は業者に依頼をして補修をしてもらいましょう。
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アルミの塗装方法
ここまではアルミの塗装が必要になる主な劣化症状についてご紹介してきました。
では、これらの症状が起きた場合、どのような手順でメンテナンスをおこなうことになるのでしょうか?
以下では、アルミの塗装メンテナンスの方法について詳しく見ていきましょう。
下地の処理
塗装をおこなう前の下準備として、まずはメンテナンスをおこなうアルミのクリーニングからはじめましょう。補修箇所以外に影響が出ないように、マスキングテープやビニールシートなどを使用して養生をおこないます。
その上で専用のクリーナーやサンドペーパーなどを使って汚れの除去・研磨をおこない、後から使用する塗料が付着しやすい状態を整える必要があるのです。
また、傷やひび割れ、へこみなどの劣化症状が起きている場合は重鎮材を使用して、「パテ埋め」と呼ばれる補修作業をおこないま、表面を整えていきます。
下地処理を適切かつ丁寧におこなうか否かによって、塗料の仕上がりや耐久性が大きく左右されるもの。
汚れや錆などを十分に除去しておかなければ、塗装をしてもすぐに剥がれなどのトラブルが生じてしまうため注意したいところです。
下塗り
下地処理の次におこなうのは下塗り作業です。建材の中でもアルミは特に塗料が定着しにくいので、注意が必要。
アルミ専用の下塗り材を使用して、上から重ねる塗料が密着しやすい状態を作ることが大切です。
中塗り
下塗り作業が終わった後は、十分に時間をとって乾燥させましょう。乾燥しきれていない状態で中塗りをおこなっても塗料が密着せず、また仕上がりが汚くなるからです。
中塗りは上塗りと同じ塗料を使います。中塗りと上塗りの2回塗りをしなければ塗装の耐久性が低くなるため、中塗り作業は必須です。
上塗り
中塗り後にしっかりと乾燥をおこなってから、同じ塗料を使って上塗りをします。
上塗りの塗料を乾燥させた後には、雨水や紫外線による劣化症状や錆の発生を抑えるために、仕上げとしてコーティング剤を使用するとよいでしょう。
- 手順1:養生作業とクリーニング
- 手順2:傷やへこみなどの補修して下地処理をおこなう
- 手順3:下塗りを通じて塗料が密着しやすい状態を整える
- 手順4:同じ塗料を使って中塗り・上塗りをおこなう
アルミ塗装はDIYでも可能?
以上ではアルミ塗装の具体的な手順についてご紹介してきましたが、中には「自分でも塗装ができそう」と感じる方がいるかもしれません。
最近ではDIYがブームになっていることもあり、「業者に依頼して高い費用を支払うよりも、DIYが可能ならば自分で塗装をおこないたい」と考える方も少なくないことでしょう。
では、アルミ塗装はDIYでも可能なのでしょうか?
アルミの塗装は難易度が高い
結論から言うと、アルミ塗装のDIYはおすすめできません。DIYで塗装をおこなうと、高確率ですぐに塗装が剥がれてしまうからです。
木材や金属製の建材とは異なり、アルミは塗料が定着しにくく、適切な技術と知識をもった職人が塗装をおこなっても短期間で剥がれることも珍しくありません。
素人が塗装をした場合は、なおさらでしょう。とりわけ、適切な下地処理はセルフでおこなうにはハードルが高いと言えます。
時間をかけてDIYをしても、場合によってはアルミ本体を傷つけてしまい、新品と交換せざるを得なくなることも…。
また、玄関ドアのような場所ならばDIYでの塗装も可能ですが、ベランダや2階部分の窓サッシなどの塗装は高所での作業になります。
足場を適切に設置した上で十分に気をつけて作業しなければ、転落などの事故を起こしてしまうため、仕上がりだけでなく安全面のリスクを考えてもDIYはおすすめできません。
専門業者への依頼がオススメ
アルミ塗装やそのメンテナンスは、塗装業者であっても難易度が高いため、引き受けてくれない場合もあります。
そのため、アルミ塗装に関する確かに技術と実績のある専門業者を見つけ出して依頼するようにしてみてください。
専門業者に施工してもらえれば美しい仕上がりになりますし、塗装の耐久性もアップするはずです。
- 基本的にDIYでのアルミ塗装はおすすめできない
- アルミ塗装は難易度が高く、技術面・安全面の両方においてDIYは難しい
- 高い技術と実績のある専門業者に依頼するのがベスト
アルミ塗装を依頼する業者の選び方
満足のいくアルミ塗装を求めるならば、確かな知識と技術のある専門業者を見極めることが大切。では、具体的にどうすればよいのでしょうか?
ここからは、アルミ塗装を依頼するにあたって知っておきたい業者選びのコツについてご紹介していきます。
アルミに適した塗料を使用しているか
施工直後は綺麗な塗装に仕上がっていたとしても、数週間ほどですぐに剥がれなどのトラブルが生じてしまうケースも珍しくありません。
アルミ塗装を成功させるカギは、適切な下地処理と下塗りにあります。とりわけ、アルミの種類や劣化症状に適した下塗り材を使用することが大切。
アルミ専用の塗料であっても、使用箇所や劣化症状によっては相性が合わずにすぐに剥がれてしまうことがあるため、施工箇所のアルミに適した塗料を見極め、適切に使用できる業者を選ぶことが肝要です。
たとえば、見積もりの段階で塗料選びや下地処理について丁寧な説明をおこなってくれる業者がおすすめです。
また、複数の業者に見積もりを依頼して比較・検討をおこなう「相見積もり」を通じて、適正な価格と施工内容かどうかをチェックしましょう。
アルミ塗装の実績が豊富か
アルミ塗装は塗装業者であっても難しい施工内容であるため、塗装実績が多い業者を選ぶことも大切です。公式ホームページなどがあれば、今までどれくらいの施工実績があるのかをチェックしてみましょう。
あるいは、見積もりの際にこれまでの施工例として写真などを見せてもらい、技術と実績が確かなものかどうかを確認するのもひとつの手です。
- 塗装業者であってもアルミ塗装は難しい
- 判断材料1:適切な下塗り材や塗料を選んで施工できるかどうか
- 判断材料2:施行実績が豊富かどうか
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アルミ塗装にかかる費用はどれくらい?
DIYでのアルミ塗装がほぼ不可能であり、業者に依頼せねばならないとなると気になるのがその費用です。
業者によっても若干の差がありますが、アルミ塗装の費用の目安は以下の通りです。
塗装箇所 | 費用の目安 |
サッシや玄関など1か所のみ | 4~6万円 |
広範な部位の塗装 | 10万円以上 |
アルミ塗装におすすめの塗料を紹介!
DIYでの難易度はかなり高いものの、塗装のメンテナンスをおこなった経験があり、正しい知識や技術を身につけているならばセルフでアルミ塗装をすることも不可能ではありません。
では、どのような塗料を選べばよいのでしょうか?ここからは、アルミ塗装に適したおすすめの塗料を2つピックアップしてご紹介していきます。
日本ペイント株式会社「パーフェクトプライマー」
「パーフェクトプライマー」は金属サイディング用の下塗り塗料であり、アルミにも対応しています。
色は白とダークグレーの2色で、気になる価格は1平方メートルあたり720円ほど。錆止め成分が含まれているため、錆が発生しやすい箇所の塗装にもおすすめです。
エスケー化研株式会社「SK#1000プライマー」
「SK#1000プライマー」は二液溶剤形エポキシプライマーで、下地処理や下塗りの際に用いるため色は白のみです。
価格は1平方メートルあたり900円で、塗料が剥がれにくいアルミ建材であっても密着しやすいのが特徴的。
適切なスパンでアルミ塗装のメンテナンスをおこなおう
今回はアルミ塗装をテーマに、その必要性やメンテナンスの目安となる劣化症状や費用などについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
アルミは軽量で建物に負担をかけにくいため、使い勝手のよい建材ではありますが、傷や錆に弱く、塗装が短期間で剥がれてしまうというデメリットも。
家の外観を保つためにも、またアルミ本体の耐久性を維持するためにも、劣化症状が生じた時には塗り直しなどのメンテナンスをおこなうようにしましょう。
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