アスファルト防水は古くからある防水工法です。他の防水方法に比べて、信頼性が高く防水効果も高いと言われています。
今回の記事ではアスファルト防水の概要やその特徴、メリット・デメリットの他、他の防水方法との比較などについてもお伝えしていきます。アスファルト防水について興味がある方は、ぜひご一読くださいね!
- アスファルト防水とは?
- アスファルト防水の工法と特徴
- アスファルト防水の施工費用や耐用年数
- アスファルト防水のメリット・デメリット
- 他の防水工法との比較
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目次
そもそも「アスファルト防水」って何?
アスファルト防水は古くから施工されてきた防水工事です。ではアスファルト防水とは、具体的にどのような防水方法なのでしょうか。
ここではアスファルト防水の概要や種類などについてお伝えしていきます。
アスファルト防水とは
アスファルト防水とは、溶融窯で溶かした防水工事用のアスファルトに防水シートを張り重ねて施工する工法のことです。工法によっては大型の設備が必要になることもあります。
防水工法は主に3種類ほどあり、工法によってメリットやデメリットが異なります。場所や広さなどを考慮して、施工する方法を選ぶことが大切です。
アスファルト防水は広い場所におすすめ?
アスファルト防水は工法によっては大がかりな設備が必要になります。狭い場所で施工すると臭いや手間などの問題があるため、面積が小さい場所にはあまり採用されない工法です。
基本的に大規模な設備が必要なことから、ビルの屋上など面積が広い場所の防水に採用されることが多い工法でしょう。狭い場所をアスファルト防水する場合は、熱を使わないアスファルト防水が向いていることもあります。
- アスファルト防水は古くからある防水工事のひとつ
- 火を使うことが多いので悪臭がすることもある
- 広い場所に向いており、防水機能は高い
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アスファルト防水の工法の種類
先ほども少しお伝えしましたが、アスファルト防水には主に3種類の工法があります。
ここではアスファルト防水の工法の概要を種類ごとにお伝えしていきます。
熱工法
熱工法とは、現場に設置した熔解釜でアスファルトを220℃~270℃に熔解し、アスファルトルーフィングと呼ばれる防水シートを複数枚貼り付けていく工法です。
高温で工事をするために、臭いや煙などが拡散しやすいというデメリットがある一方で、熱を冷ましながら防水層を作っていくため高い防水機能を発揮することができます。また、防水層を完成させるまでの工事期間に養生にかんする時間を必要としないため、早く工事が終わるのもメリットです。
ただし溶解窯は大型の設備なので、広い場所の防水工事には向いているものの、狭い場所には工事できない場合もあります。
常温粘着工法
常温粘着工法とは、常温でも使用可能な防水シートを張り重ねていく工法です。
熱を使用しないので、臭いや煙の問題も起こらず狭い場所でも工事することができます。冷工法とも呼ばれる工法です。
ただし熱工法に比べて防水層の密着度が低いため、防水効果が低くなるというデメリットもあります。
トーチ工法
トーチ工法とは、あらかじめ防水シートの裏面に張り付いているアスファルトを大型のガスバーナーを使用してあぶりながらアスファルトを溶かし、張り重ねていく工法です。
熱を冷ましながら密着させる工法なので、防水効果は常温粘着工法よりも高くります。また大型の溶解窯が必要ないので、広さがない場所でもアスファルト防水を施工することが可能です。
かなりコストパフォーマンスのいい工法ですが、業者の腕が試される工法でもあります。
- 熱工法は大きい溶解窯を使ってアスファルトを溶かしシートと密着させる工法
- 常温粘着工法は熱を使わないので悪臭はないが密着度が低くなる可能性がある
- トーチ工法は大型のバーナーで熱を加えながらシートを密着させる工法
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工法別!アスファルト防水の費用と工期
アスファルト防水の費用と工期は、工法の種類によっても異なります。
ここでは、アスファルト防水の工法ごとの費用や工期についてお伝えしていきます。
熱工法
大型の溶解窯を使って工事をする熱工法では、費用が1平方メートルあたり7,740円程かかります。また工期は6日~10日ほどで、1~2週間ほど必要です。
広い場所を工事する工法なので、工事する面積によっても工期は異なります。
常温粘着工法
常温粘着工法では1平方メートルあたり8,900円と熱工法よりもやや高めです。工期は6日から10日と熱工法とあまり変わりません。
狭い場所は臭いが出ると困る場所で採用されることが多い工法なので、面積が少なければそれだけ工期も短くなるでしょう。
トーチ工法
大型バーナーを使うトーチ工法の場合は、1平方メートルあたり8,200円ほどかかります。熱工法と常温粘着工法の中間ぐらいの価格です。
工期は6日から10日ほどが想定されますが、広さや形状などによっても変動します。
工法 | 費用と工期 |
熱工法 | 費用:1平方あたり7,740円
工期:6~10日 |
常温粘着工法 | 費用:1平方あたり8,900円
工期:6~10日 |
トーチ工法 | 費用:1平方あたり8,200円
工期:6~10日 |
アスファルト防水の耐用年数とは?
アスファルト防水はどれぐらいの耐久性があるのでしょうか。アスファルト防水は他の防水方法に比べて耐久性が高い傾向がありますが、工法や環境によっても変動することがあります。
ここでは、アスファルト防水の耐用年数について、工法や環境の違いも含めてお伝えしていきます。
アスファルト防水は工法によって耐用年数が違う?
アスファルト防水は工法によっても耐用年数が異なり、一般的には熱工法が15年~25年ほど、トーチ工法が15年~20年ほどと言われています。
また同じ工法で工事を行っても、施工業者の技術力や商品の品質によっても耐用年数が変動することもあります。様々な条件によって耐久性は変わりますが、概ね15年から25年程度でメンテナンスは張り替えが必要です。
アスファルト防水は屋根によって耐用年数が違う?
屋根の素材によってもアスファルト防水の耐用年数が違ってくることがあります。屋根の素材がアスファルト防水に不向きな場合は、防水の耐久性自体にも影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。
屋根の下地とアスファルト防水との相性は、複雑な点も多いので詳しくは業者に相談してから進めるようにしてください。
アスファルト防水は既存の防水層によって耐用年数が違う?
既存の防水層が違うことでも、アスファルト防水の耐用年数が変わってきます。屋根の素材と同じく、アスファルト防水と相性が良い防水層であれば、耐用年数も上がりますが逆の場合は耐用年数が少なくなる可能性もあり注意が必要です。
アスファルト防水と既存の防水層との相性を判断するのは、専門的な知識が必要な場合があります。詳しい情報を確認したいときは、専門の業者に相談するのが確実です。
- 工法によって耐用年数が異なるものの15年から25年程度と言われている
- 屋根の形状や素材によっても耐用年数が変わる可能性がある
- 既存の防水層との相性によっても耐用年数は変わる
アスファルト防水のメリット
古くからある防水工法のアスファルト防水ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここではアスファルト防水のメリットについて、主なものをいくつかご紹介していきます。
耐用年数が長い
アスファルト防水は、他の防水処理方法に比べて耐用年数が長いというメリットがあります。一般的に他の防水処理方法の耐用年数は10年から15年ほどですが、アスファルト防水はだいたい15年以上の耐用年数があり長持ちです。
防水機能の高さのほか、耐用年数の長さも重視したい場合は、アスファルト防水で防水工事を行うのが良いでしょう。なお耐久性が高い工法は熱工法と言われています。
信頼性が高い
アスファルト防水は昔から多くの屋根で使用されてきた防水工法です。そのため施工実績も多く、ノウハウも確立された安定した防水技術と言えます。
また、アスファルトルーフィングは工場で生産されてから出荷され、一定の厚みが確保されており、その面でも防水層に対する信頼が高くなっています。
確実に防水処理を施したい場合は、信頼性の高いアスファルト防水で防水工事を行う方のがおすすめです。中でも熱を使った熱工法、そしてトーチ工法での防水工事を行うとより漏水防止の効果を高めることができます。
水密性が高い
アスファルト防水は防水処理工事の中でも水を通しにくい工法です。水密性が高いという特徴があるので、高い品質で防水処理を施したい場合は、アスファルト防水での防水処理が向いています。
工事のときの悪臭を望めば、先ほどもお伝えした通り熱工法で工事を行うのが一番漏水防止に効果が期待できるでしょう。
工期が短い
アスファルト防水はどの工法を選んでも工期が1週間から1週間半程度と、かなり短期間で工事することが可能です。そのため短期間で防水工事を完了させたいときにもおすすめの防水工法となっています。
- アスファルト防水は他の防水工法よりも耐用年数が長い傾向がある
- 古くからおこなわれている工事なので信頼性が高い
- 熱を使って密着させる工法が多く水密性が高い
- どの工法でも6日から10日と比較的工期が短い
アスファルト防水のデメリット
アスファルト防水には水密性が高いなどのメリットがある一方、デメリットもあります。どのようなデメリットがあるのでしょうか。
ここではアスファルト防水の主なデメリットについて、いくつかご紹介していきます。
工法によっては施工が難しい
アスファルト防水の工事は、工法によっては施工の難易度が高いものもあります。例えば「BANKS工法」と呼ばれる工法は、耐用年数が20年以上と長いものの、工事できる業者が限られる工法です。
また屋根の広さや形状によっては、適用できない工法もあるなど場所などの条件を選ぶ工法もあります。工法に対するこだわりが強い場合は、業者選びも合わせて行う必要があるでしょう。
工法によっては臭いがする
熱工法などアスファルト防水の工事には、熱を使って処理を行う工事が多くあります。そのため、熱を使ったときの臭いが強く周辺から苦情が出る可能性もあり注意が必要です。
臭いが少ない工法は常温粘着工法です。水密性については劣りますが、熱を使わないので周囲に悪臭をまき散らすことがありません。
工法によっては火災の危険がある
アスファルト防水は熱や火を使った作業が多い工法です。そのため燃えやすいものが近くにあると、火が燃え移る可能性もあります。
火災の危険があるため、近くに住宅や建物、木材などがある場合は細心の注意が必要です。特に木造の建物が密集している地域では、火災を起こさないよう防災を心がけるようにしましょう。
経験豊富な業者を探す必要がある
アスファルト防水は、工法によっては施工が難しい場合もある他、火災の危険があるものがあったり、熱工法におけるアスファルトの温度管理や、トーチ工法におけるアスファルトの溶け具合など、施工時の管理が防水品質に直結したりします。
そのため、アスファルト防水の経験の少ない業者だと、施工不良を起こしてしまう可能性があります。
経験豊富な業者を探し、依頼する必要があります。
- 工法によっては施工に技術が必要で受注できる業者が限られることもある
- 熱を使う工法の場合、悪臭が発生することが多い
- 高熱で工事を行うので火災が発生する恐れもある
- 経験豊富な業者に依頼しないと施工不良を起こす可能性も
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アスファルト防水と他の防水を徹底比較!
防水のための工法はアスファルト防水以外にもあります。ここでは、アスファルト防水と他の防水工法の違いについて、それらの特徴を比較しながらお伝えしていきます。
シート防水
シート防水はシートを屋根に張ること防水する防水工法です。最も簡単で価格も安いですが、防水効果はアスファルト防水よりも劣ります。
家の屋根の防水に用いることもありますが、防水シートの上にさらに屋根を作ることがほとんどです。確実に防水したい場合は防水シートだけでは難しいでしょう。
ウレタン防水
ウレタン防水とは、ウレタン樹脂を塗る防水工法です。塗る場所の形状や広さを問わないのがメリットですが、耐久性はアスファルト防水どころかシート防水にも劣ります。
簡易的な防水処理を施すのには向いていますが、確実にしっかり防水したい場合は向いていません。また乾燥するまでに時間がかかるので、屋外で作業する場合は天候にも気を付ける必要があります。
FRP防水
FPR防水とは、プラスチック塗料を塗る防水工法です。プラスチック塗料なので、乾くとガラスのような光沢が出て美しい仕上がりになります。また塗料なので塗る場所や形状を問わないというメリットも。
ウレタン防水より摩擦や紫外線に強いですが、耐久性はアスファルト防水よりも劣ります。またひび割れしやすいというデメリットもあります。
- シート防水は費用も安く難易度も低めだがアスファルト防水より防水性は劣る
- ウレタン防水は場所を選ばず防水できるがシート防水よりも防水性が劣る
- FRP防水は光沢のある仕上がりにできるがシート防水よりも防水性は劣りひび割れを起こしやすい
防水層についての情報は次の記事でもご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
アスファルト防水は古くからある工法で信頼性が高い
アスファルト防水は昔から行われてきた防水工事です。熱を使うことが多いので、施工時に悪臭がすることもありますが、他の防水方法に比べて高い防水効果を期待できます。
アスファルト防水にも様々な工法がありますので、場所や形状などの環境に合った工法を選んで工事することが大切です。向いている工法を選ぶときは、専門の業者に相談しながら決めるとスムーズです。
信頼性の高いアスファルト防水で、雨漏りを確実に防止していきましょう!
屋根塗装の際にかかる費用について気になる方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
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