ベランダの補修はなぜ必要?防水塗装の修理方法やDIYまで解説!

ベランダやバルコニーはお家の中でも常に雨風にさらされる部分ですが、外から見える外壁に比べると、ついついお手入れを怠ってしまいがち。

しかし、ベランダの補修を放置しておくと、結果的にお家そのものの寿命を縮めてしまうことにつながりかねません。

この記事では、ベランダの補修にまつわる基本的な知識や具体的な補修方法まで詳しく紹介していきます。

この記事でわかること
  • そもそもベランダの補修って必要なの?
  • ベランダの劣化症状と補修方法は?
  • ベランダの補修にかかる費用や工期は?
  • ベランダの補修はDIYでもできる?

ベランダの補修は必要?

そもそもベランダの補修はなぜ必要なのでしょうか?まずは、ベランダの補修の必要性について簡単にご説明します。

ベランダを補修する時期の目安とは

ベランダ防水の耐用年数は、施工方法によっても異なりますが、平均して10~13年程度です

耐用年数の長いものでは13~20年といったものもありますが、日照条件や日々の使用状況によって劣化の進行具合は異なります。耐用年数はあくまで目安と考え、劣化症状に応じた補修を行いましょう

ベランダを補修する必要性

ベランダは雨・風・直射日光の影響を強く受ける場所です。さらに、洗濯やガーデニングなど、日々の使用でも劣化が進んでいきます。最初は小さなひび割れも時間の経過とともに広がり、雨漏りにつながります。

雨漏りを引き起こす前に補修工事を行うことで、補修費用の節約や家の景観を長く美しく保つことができるのです。

ベランダを放置するとどうなる?

はじめは小さな劣化症状ですが、それがベランダ全体に広がり、いずれは建物全体に大きな負担をかけることになります。

建物全体に影響が出てしまうと、早めに対処していれば数万円で済むはずの工事が数百万円になってしまうかもしれません。

そうならないためにも、小さな劣化の段階でも放置せず、早めの補修を心掛けましょう。

ベランダの床の基本的な構造

常に雨風にさらされているベランダでは、雨水などが外壁内部に侵食しないための「防水機能」がもっとも重要です。

続いては、ベランダの防水機能がどのような構造になっているのか、その仕組みと材質の種類を詳しく解説していきます。

防水層とトップコート


ベランダの床面は下地材の上に、雨水が建物内部へ侵入することを防ぐ「防水層」とその防水層を保護する「トップコート」が塗られています。

ベランダの補修を行う際には、ダメージがトップコートまでなのか、防水層まで及んでいるかで補修工事の内容が変わってきます。

このベランダの防水層は、大きく分けると「FRP防水」「ウレタン防水」「シート防水」の3種類。次の見出しから、それぞれの特徴を見ていきましょう。

ベランダ防水の種類①FRP防水

まず1つ目のFRPとは、「Fiberglass Reinforced Plastics」の省略で、繊維強化プラスチックのことです。

FRPは防水性のほか、耐熱性・耐食性・耐候性も高く、ベランダの床以外にも船や車のボディ、浄化槽、太陽光発電の基礎架台などさまざまな場所で使われています。

ただし材質の性質上紫外線に弱く、紫外線を受け続けるとひび割れを起こしやすくなってしまうというデメリットがあります。

詳細



・非常に軽く(3~5㎏/㎡)、建物への負荷が少ない
・高強度である
・耐摩耗性に優れている(=はがれにくい)
・すぐ乾く(=工期が短い)




・紫外線に弱く、ひび割れしやすい
・塗装時のにおいが強い
・伸縮性に欠けるため、木造のベランダには不向き
・下地材が鉄の場合には使えない

ベランダ防水の種類②ウレタン防水

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ウレタン防水は、ウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法です。

ゴム状で弾性のあるウレタン防水は、継ぎ目のないきれいな防水層をつくることができ、狭小部や複雑な形状のベランダにも適しています。

詳細



・既存の防水層に重ねて塗る工法のため、費用を安く抑えることができる
・さまざまな下地に対応可能




・経年劣化でひび割れを起こしやすい
・コテで塗っていくため、ムラなく均一に仕上げることが難しい

ベランダ防水の種類③ゴムシート防水

シート防水は、防水シートを下地に貼って防水層を形成する工法です。

シート防水には「ゴムシート防水」と「塩化ビニールシート防水」の2種類があります。

1つ目のゴムシートは耐候性や伸縮性に優れており、気温変化が大きく地震の多い日本に適している施工法です。

塩化ビニールシートに比べて安価であるため、施工面積が広い場合には工費を抑えることができます

詳細



・伸縮性に優れ、ひびや亀裂が入りにくい
・温度変化に強い
・施工がしやすく、工期・費用を抑えることができる




・複雑な形状のベランダ床面には適さない
・紫外線に弱い
・厚みがないため、衝撃に弱い

ベランダ防水の種類④塩化ビニールシート防水

一方の塩化ビニールシートは寿命が長く、現在主流となっているシート防水施工です。ゴムシートよりも厚みがあり、軽歩行が可能なためベランダに適しています。

詳細



・ゴムシートに比べて耐久性に優れている
・耐摩耗性が高く、穴があきにくい
・燃えにくい性質




・ゴムシートよりも高価
・複雑な形状のベランダ床面には適さない
・寿命により割れやすくなる

ベランダ塗装の劣化症状

ベランダに補修が必要かどうかは劣化状況によって判断します。

次のような劣化が見られた場合、ベランダに補修が必要なタイミングといえるでしょう。

劣化症状①塗装のひび割れ

ベランダの塗装表面や下地にひびが入っている状態です。放置していると隙間から雨水が入り、雨漏りの原因となります

ひび割れが多数の部位で起こっている、下地材まで深くひびが入っている場合には補修が必要です。

劣化症状②塗装の剥がれ

ベランダの塗装が剥がれてしまっている状態です。

塗装が剥がれた壁や床は、雨水が染み込みやすい、紫外線を十分に防ぐことができないなど塗装の役割が十分機能していない状態になります。

ベランダの床面は防水加工が施されているため、剥がれた箇所から雨漏りが発生しやすくなってしまうのです。

劣化症状③塗装のふくれ

ベランダの塗装内部がはがれ、表面がふくらんでいる状態です。

内部に水がたまり、下地を侵食してしまう恐れがあるため、剥がれよりも注意が必要な状態といえます

劣化症状④外壁や床の破損

ベランダの壁や床面に亀裂や欠けがある状態です。破損した部分から雨水が入ってしまうため、早急に補修が必要となります

破損状態によっては、塗装だけでなく下地素材から直さなければなりません。

劣化症状⑤水たまり


ベランダには、水が自然に流れていくよう勾配が付けられています。本来水たまりができないはずのベランダに、水たまりが発生するのには

・施工不良
・排水管のつまり
・防水効果の低下

などが原因と考えられます。

新築・改修したばかりで水たまりができる、排水管がつまっていないのに水たまりができる場合は、施工不良または防水効果の低下している可能性が高いです。

この状況を放置しておくと、水たまりができるだけでなく、劣化をさらに進め、雨漏りを引き起こす原因になります。

まとめると…
  • 塗装のひび割れ・剥がれ・膨れは塗装の保護機能が低下している証拠
  • 床や外壁が破損している場合は下地から補修が必要な場合も
  • 水たまりができる場合は排水管をチェック、異常がなければ補修のサイン

ベランダの床を補修する方法とは?

ここまでにご紹介したような劣化症状が起きていた場合、どのように補修を行えばよいのでしょうか?

ここからは、ベランダのトップコートや防水層の種類ごとにその補修方法を具体的に解説していきます。

トップコートの補修方法

トップコートにはポリエステル系とウレタン系があります。

ポリエステル系のトップコートは硬い素材で耐摩耗性が高い反面、経年変化で割れやすくなる性質があります。また、重ね塗りすることでも割れやすくなるため、新築時に使われることの多いトップコートです。

反対に、ウレタン系のトップコートはリフォーム時によく使われます。伸縮性に優れているため割れる可能性が低く、また、FRP・ウレタン・ゴムシートどの防水層にも使うことができます。

トップコートの補修は、次のような手順で行います。

  1. 高圧洗浄(高圧洗浄機を使って、塗装面の汚れを落とす)
  2. 表面研磨(塗膜の剥がれている箇所を磨き、表面の凸凹を均す)
  3. 溶剤拭き(アセトンという溶剤を使って、表面の油分を除去する)
  4. 下地塗装(プライマー(下地)を塗ることで、トップコートの付着性を高める)
  5. トップコート塗装(防水層を守るためにトップコートを塗る)

FRP防水の場合

FRP防水の場合は、次のような手順で行います。

  1. 下地(プライマー)を塗る
  2. 防水用ポリエステル樹脂と硬化剤を規定量調合し、均一に塗布
  3. 再度、防水用ポリエステル樹脂を塗り、施工部位に合わせた防水用ガラスマットを貼る
  4. 防水用ポリエステル樹脂を再度塗り、樹脂内部に残った気泡を除去する
  5. トップコートを塗る

FRP防水は継ぎ目のない美しい仕上がりが特徴です。また、人の歩行にも耐えうる強度を持っているため、洗濯物を行いたいといったベランダならではのニーズにも対応可能です。

ウレタン防水の場合

ウレタン防水の工法には、「密着工法」と「通気緩衝工法」があります。ベランダの状態に合わせて、適切な工法を行います。

まず、密着工法の場合は次のような手順で行います。

  1. 下地(プライマー)を塗る
  2. ガラス繊維のメッシュ状補強布を貼り付ける(衝撃によるひび割れの抑制効果がある)
  3. ウレタン樹脂の防水材を塗る
  4. トップコートを塗って仕上げ
密着工法は、軽量で建物への負担が少ない工法です。下地への密着性も高く、既存の防水層への重ね塗り補修が可能です。

もう一方の通気緩衝工法の場合は、次のような手順で行います。

  1. 下地(プライマー)を塗る
  2. 通気緩衝シートを貼る
  3. 脱気筒を取り付ける(取付個数は床面積によって異なります)
  4. ウレタン樹脂の防水材を塗る
  5. トップコートを塗って仕上げ
通気緩衝工法はシートに穴があいており、付着していない箇所が通気口の役割を果たすことで、下地の水蒸気を輩出しふくれを防ぐ効果があります。

コンクリート材でできた下地など、下地が水分を含みやすい環境に適した工法です。

シート防水の場合

シート防水の場合は、次のような手順で行います。

  1. 下地(プライマー)を塗る
  2. 接着剤の塗布
  3. 防水シートを施工場所の大きさに合わせて裁断し、空気やしわの入らないよう貼る
  4. ローラーでシートを密着させる
  5. シート結合部、ベランダ立ち上がり部分の処理を行う
  6. トップコートを塗って仕上げ
シートをかぶせて防水層を形成するシート防水施工は、広範囲に防水工事の必要なビルやマンションの屋上などに適しています。

ベランダの壁を補修する方法とは?

ここまでベランダの床に焦点を当ててその補修方法を解説してきましたが、ベランダの外壁や内壁を補修したいという場合にはどのように対処すればよいのでしょうか?

続いてはベランダの壁を補修する方法についてご紹介します。

ベランダ外壁の補修方法

ベランダの壁部分に限っていえば、補修方法は他の外壁面の塗装工事と全く変わりません

というのも、ベランダの外壁は家のその他の外壁部分と同じ仕様・塗装仕上げをしていることがほとんどのため、補修に関してもこれと同じような手順となるのです。

補修の流れは、

  1. 足場の設置
  2. 養生(塗料の飛散を防ぐ)
  3. 高圧洗浄(壁の汚れを落とし、塗料の密着度を高める)
  4. 下地処理(ひび割れ等の補修作業)
  5. 塗装(通常、下塗り・中塗り・上塗りの3回行う)
  6. 足場の撤去
となります。

ベランダ内壁の補修方法

内壁部分には防水加工が施されているため、外壁とは施工内容が異なります。

ベランダの床と同様、新しく家を建てる場合はFRP防水で施工されることが多く、反対に補修の際はウレタン防水による施工が多く採用されています

ウレタン防水の施工法は以下の通り。

  1. 高圧洗浄(壁の汚れを落とし、塗料の密着度を高める)
  2. 下地の塗装(ウレタン塗料の密着度を高める)
  3. ウレタン塗料の塗装(2、3回重ね塗りすることで防水性・耐久性を高める)
  4. トップコートの塗装(紫外線からの影響を防ぐ)

ベランダ補修の工期・費用はどのくらい?

ベランダの補修を業者に依頼する場合、その施工にかかる日数や費用はどの程度が相場なのか気になるところですよね?

ここからはベランダ補修にかかる費用や工期を補修の種類別にご紹介します。

ベランダ補修にかかる費用

ベランダ補修にかかる費用は、補修の程度や用いる材質によって大きく異なります。

◇トップコートの塗装で完了する場合
ポリエステル系 1,550~3,000円/㎡
ウレタン系 1,700~3,000円/㎡

◇防水層まで修繕が必要な場合
FRP防水 4,000~8,000円/㎡
ウレタン防水 3,000~7,500円/㎡
塩化ビニールシート防水 3,500~7,500円/㎡
ゴムシート防水 2,500~7,500円/㎡

上記の価格はあくまで目安であり、ベランダの劣化状況によってかかる費用は異なります。

自己判断するよりも、専門業者に見積もりを出してもらう方が早くて正確です

ベランダ補修にかかる工期

トップコートの塗り替え塗装のみの場合は、1日で施工が完了しますが、防水工事を行う場合、およそ2~3日で完了します(面積が10㎡以下の場合)。

FRP防水の場合は1~2日、ウレタン・シート防水の場合は下処理によっては3~4日かかります。

防水塗料は乾きやすい性質をもっているため、比較的短い時間で施工が完了します。

ベランダの補修はDIYで可能?

補修にかかる費用は少しでも安く抑えたいもの。そこで思い浮かぶ対策といえばやはり「DIY」ではないでしょうか?

塗装をするだけであれば自分でもできそうなものですが、実際のところはどうなのでしょうか…?

防水層からの補修は困難

ベランダ防水のDIYは、結論からいうと可能です。ただ、専門的な道具や技術も必要なため、初心者にはハードルの高いDIYといえるでしょう

特に、防水層から補修が必要となった場合、最適な工法の見極め、材料を正確に計って混ぜる、決められた時間内に塗るなど、専門知識と経験が必要になります。

DIYを行う場合は、こまめなメンテナンスの必要なトップコートの塗装までにとどめておくことをおすすめします

ベランダのトップコートをDIYで補修する手順については、次の記事でさらに詳しく解説しています。
ベランダ防水工事の費用は?塗料の種類やDIYのコツまで詳しく紹介!

プロに頼んだ方が結果的にお得?

専門業者に依頼するとコストがかかるので、DIYで済ませたいと考える方も多いでしょう。

日頃からDIYに親しんでいる方であれば、時間をかけて丁寧に行えば、できるかもしれません。しかし、

・道具と材料をそろえていくうちに意外と費用がかかってしまった

・適切な材料の選択ができず、本格的な修理の際にコストがよりかかってしまう

・修理すべきところを見落としてしまい、雨漏りになってしまった
など、判断を誤ると費用を抑えるどころか、余計な出費につながってしまうだけでなく、大切な家の劣化を助長してしまう可能性もあります。

DIYは確実に行うことができれば、補修費用を抑え、自分の家にさらなる愛着をもつことができますが、不安を感じる場合はまず専門業者に相談する方が安心でしょう。

まとめると…
  • トップコートの補修ならDIYでも補修は可能
  • 防水層からの補修はDIyに慣れていても難しい
  • DIYで補修すると質が落ちてしまい、結果的に出費がかさむ可能性も

ベランダの補修で大事なマイホームを長持ちさせよう!

ベランダの補修を定期的に行うことで、ベランダをきれいに保つだけでなくお家そのものの寿命を長持ちさせることができます。

ご自宅のベランダに今回ご紹介したような劣化症状がみられる場合には、放置せずにぜひ一度プロに状態をチェックしてもらいましょう!

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