防水塗料の基礎知識!選び方から塗り替えタイミングまで一挙解説

防水塗料の基礎知識!選び方から塗り替えタイミングまで一挙解説

外壁や屋根の塗り直しをお考えならば、ぜひ防水塗料の使用を検討してみてはいかがでしょうか。防水塗料というのは、通常の塗料よりも外壁に雨水が浸み込みにくくなっている塗料のこと。

雨量の多い地域や、ひび割れを起こしやすく雨漏りのリスクが高い箇所によく用いられる塗料でもあります。

ですが、「そもそも防水塗料とはどのようなものなの?」「どのような種類や機能があるの?」と疑問に感じている方も少なくないことでしょう。

そこでこの記事では防水塗料の基礎知識に加えて、その種類や費用の目安、塗料や塗り替え時のポイントなどについて徹底解説しています。

防水塗装工事をお考えの方はもちろん、塗料選びで迷っている方もぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかること
  • 防水塗料について知っておきたい基礎知識とは?
  • 防水塗料の種類や費用の目安は?
  • 防水塗料の塗り替えのタイミングとは?
  • 防水塗料の選び方のコツと注意点とは?
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防水塗料の基礎知識

防水塗料の基礎知識
塗料と一口に言っても多種多様であり、種類によって機能もメリット・デメリットも異なってきます。では、それらの中でも防水塗料とはどのような特徴をもっているのでしょうか?

ここではまず、防水塗料について知っておきたい基礎知識についてチェックしていきましょう

防水塗料とは

簡単に言うと、防水塗料とは水の浸入を防ぐために通常の塗料よりも耐水性が高い塗材のことです。

防水塗料は主に2種類にわけることができ、外壁のように壁面に使われるものと、屋上などの平坦な床面に使われるものがあります。

防水塗料はなぜ必要?

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そもそも、なぜ通常の塗料ではなく防水塗料が必要になってくるのでしょうか?その理由は、雨漏りのリスクにあります。

ひび割れしやすい場所は通常の塗料で塗装しても雨水が浸み込みやすく、雨漏りする危険性が高いため、防水塗料が必要です。

とりわけコンクリートのようにひび割れを起こしやすい素材ならば、防水塗料を使用したほうがよいと言えるでしょう。

また、雨漏りを起こさずとも浸み込んだ雨水によってカビやコケが発生したり、気づかないうちに内部の腐食が進んで素材の耐久性が低下してしまう恐れも…。

外壁などの寿命を長持ちさせるために、防水塗料は重要な役割を果たしてくれているのです。

防水塗料の機能のメカニズム

では、防水塗料はどのようなメカニズムで水の浸入を防いでいるのでしょうか?防水塗料には、「防水層」と「トップコート」の2層があります。

防水層は水の浸入を防ぐ機能をもち、トップコートは防水層を紫外線や劣化から保護する塗装であるため、ひび割れを起こしやすい箇所でも防水効果を発揮してくれるのです。

まとめると…
  • 防水塗料は、通常の塗料よりも雨水の浸入を防ぐ効果が高い
  • ひび割れを起こすと雨漏りのリスクが高くなるので、防水塗料の使用が必要
  • 防水層とトップコートの2重構造で雨水の浸入をしっかりとブロックしてくれる
  • コンクリートのようにひび割れしやすい素材には防水塗料がおすすめ

防水塗料の種類と特徴

防水塗料の種類と特徴
防水塗料は、外壁用と床用の2種類に大きくわけられます。そこで以下では、防水塗料の種類2つとそれぞれの主な特徴について詳しく見ていきましょう

外壁用の防水塗料

広義では、外壁用塗料全体も防水塗料にカテゴライズされます。弾力性がある塗料のことで、塗膜自体が延びることでひび割れに追従する機能をもっているため、弾力塗料と呼ばれることも。

コンクリートやモルタルなどでできた外壁はひび割れを起こしやすいため、こうした弾力塗料で塗装するのが一般的です。

ただし、外壁用塗料の防水機能は低く、雨水の浸入を完全に防ぐことは難しいと言われています。

床用の防水塗料

塗料 白
防水塗料と呼ぶ場合は、基本的には床用の防水塗料を指すのが一般的。雨水を完全にシャットダウンすることを目的とした塗料であり、外壁用の防水塗料に比べて高性能です。

というのも、雨水が当たっても地面に落ちやすい外壁と違い、屋上やベランダなど平坦な床面には雨水がたまりやすく、傾斜によって排水できないからです。

だからこそ、高い機能をもった防水層とトップコートの2重構造をもつ防水塗料で塗装をする必要があります。

防水層とは?
床用の防水塗装では、FRP防水やウレタン防水で防水層を形成した後、それを紫外線などから保護するトップコートを施します。

外壁用と床用はどう見分ける?

「専門業者に塗装を依頼するのは費用がかかるから、DIYで防水塗装をしたい」と考えている方もいることでしょう。では、外壁用と床用の防水塗料はどのように見分ければよいのでしょうか?

外壁と床用は塗料缶に明記されているので、まずはその表記を確認しましょう。「壁用」と書かれているならば外壁に、「ベランダ」「屋上」「床用」といった記載があれば床に使います。

「弾性塗料」という記載が場合は外壁用で確定、「FRP」とあった場合は床用で確定です。なお、床用にはほかにも「ウレタン」があります。

まとめると…
  • 防水塗料は外壁用と床用の2種類に大別できる
  • 雨水がたまりやすい床用の防水塗料は、外壁用よりも高性能
  • 外壁用か床用かどうかは、塗料缶の表記で見分けられる

防水塗料の目安価格は?

防水塗料の目安価格は?
「外壁がひび割れを起こしているのが気になる」「雨漏りに備えて防水機能のある塗料で塗り直しをしたい」と考えている方も少なくないことでしょう。

そこで気になってくるのが、どれくらいの費用がかかるのかということです。以下では防水塗料の価格の目安について解説していきますので、ぜひ参考になさってみてください。

外壁用塗料

DIYで塗装をおこなう場合、安いもので1平方メートルあたり800円ほどから外壁用塗料を見つけることができます。

プロに依頼すると人件費等がかかるため、1平方メートルあたり2,000円前後が目安になるでしょう。

床用塗料

価格
床用塗料の場合、DIYで使う安いもので1平方メートルあたり800円ほどです。

高所での作業となるため、プロに依頼すると外壁よりも費用が高く、1平方メートルあたり4,000円ほどかかります

まとめると…
  • DIY(1平方メートル):外壁用・床用ともに800円ほど
  • 業者に依頼(1平方メートル):外壁用は2,000円、床用は4,000円ほど

防水塗料の塗り替えタイミング

防水塗料の塗り替えタイミング
一度防水塗装を施したからと言って、その防水機能が永続的に保たれるわけではありません。通常の塗料と同様に防水塗料も経年劣化をするため、適切なタイミングで塗り替えをすることが必要です。

メンテナンスを怠ると、ひび割れなどを起こした箇所から水が浸み込み、雨漏りの原因になってしまうこともあるでしょう。

そこでここからは、防水塗料の塗り替えのタイミングについてチェックしておきましょう

防水塗料は5年に1度は塗り替えを

FRP防水やウレタン防水で形成された防水層は、一般的には長持ちする傾向にあります。他方で、防水層を保護するために表面に施されたトップコートは、定期的なメンテナンスが不可欠です。

トップコートは5年〜7年で塗り替えをすると、雨漏りのリスクを減らせるでしょう。

塗り替えが必要な劣化症状

防水
トップコートのメンテナンスは6年前後を目安に推奨されていますが、その年数に満たずとも、以下のような劣化症状が出はじめたならば塗り替えが必要になります。

  • チョーキング
  • ひび割れ
  • 浮き
  • 塗膜剥がれ

チョーキングとは、塗装が劣化して表面を触ると粉状になっている状態のこと。浮きはその字のとおり塗膜が浮いている劣化症状で、放置しておくと塗膜剥がれにつながってしまうため注意が必要です。

塗膜剥がれに加えて、ひび割れを起こした箇所からは雨水が浸み込みやすくなってしまうので、できるだけ早く塗り直しをしたいところでしょう。

劣化症状の程度によって必要な対処法も異なってくる上に、素人では塗り直しが必要な症状を見落としてしまうことも少なくありません。

できるならば定期的に業者に点検をしてもらうと安心でしょう。

まとめると…
  • 防水層は長持ちしやすいが、トップコートは5~7年ほどで塗り直しが必要
  • 劣化症状が出はじめたら、塗り直しの時期を待たずともメンテナンスをする
  • 定期的に点検をしておくと劣化サインを見逃しにくい

防水塗料の塗り替えはDIYでも可能?

防水塗料の塗り替えはDIYでも可能?
たとえば外壁用の防水塗料の場合、業者に塗装を依頼すると1平方メートル当たり2,000円ほどかかるのが一般的です。

面積が広ければ広いほど費用が高額になるため、できるならばDIYで塗装をしたいと考えている方もいることでしょう。

では、防水塗料の塗り替えはDIYでも可能なのでしょうか?

防水塗料の塗装は難しい

結論から言うと、防水塗料を自分で塗り替えるのはやめておいたほうがよいでしょう。

一般的な外壁塗装と違って防水塗装では厚みがある特殊な塗装をするため、適切に施工するのが難しいからです。

ある程度DIYでの塗装経験があっても、塗りムラや膨れ・剥がれなどの施工不良を起こすリスクが高いと言えます。

きれいに仕上げたいなら業者に依頼を

業者
費用を抑えるためにDIYで防水塗装をしても、仕上がりが悪ければ雨漏りを起こしてしまいます。

そうなると結局は専門業者に塗り直しをしてもらわなければならないため、基本的にははじめから業者に依頼をしたほうがよいでしょう

まとめると…
  • 防水塗装の難易度は高いため、DIYはおすすめできない
  • DIYでは施工不良によって雨漏りを起こしやすいことに要注意
  • 業者に依頼して防水塗装をしてもらうのが無難

防水塗料の選び方のポイント

防水塗料の選び方のポイント
できるだけ長く防水効果を発揮させるためには、適切に防水塗料を選ぶことが必要です。

防水塗料と言っても多くのメーカーからさまざまな製品が販売されていますが、何を基準にして選べばよいのでしょうか?

ここからは、防水塗料の選び方のポイントについて解説していきますので、ぜひ参考になさってみてください。

塗装面積を確認する

まず重要なのが、面積に適した量の塗料を購入するということ。防水効果を発揮するためには、適切な量を塗布して塗膜に厚みを出す必要があるからです。

製品によって必要な量は異なってくるので、塗装面積を把握した上で適切な量を準備するようにしましょう。

耐用年数や性能を確認する

防水塗料によって耐久性や性能が異なるため、特に耐用年数はあらかじめ確認しておく必要があります。

一般的に、費用が安ければ安いほど耐用年数は短くなりやすいため、長期的な視点から考えると安すぎる塗料は選ばないほうがよいでしょう。

色選び

色
複数のカラーがあるため、何色にしたいかも考えながら防水塗料選びをおこなってください。汚れが目立ちにくく、清掃などのメンテナンスの手間が省けるおすすめの色としてはグレーが挙げられます

他方で、ホワイトに近い色は明るく清潔感のある外観を実現できますが、その反面汚れが目立ちにくくなることに注意が必要です。

まとめると…
  • 塗装面積に適した量を購入する
  • 商品によって性能や耐用年数が異なることに注意が必要
  • 汚れの目立ちにくさを重視するならば、色はグレー系がおすすめ

おすすめの防水塗料を紹介!

おすすめの防水塗料を紹介!
多くの防水塗料が販売されているため、「どれを選べばいいのか迷ってしまう」と感じている方も少なくないはず。

そこで以下では、特に評判のよいおすすめの防水塗料を6つピックアップしてご紹介していきます

それぞれ特徴や価格・用途が異なるため、塗料選びの際にぜひ参考になさってみてください。

水性床用ツヤ消し塗料 床・ベランダ防水(ツヤなし) 4Kg / ロックペイント

ロックペイントから販売されている「水性床用ツヤ消し塗料」は、上塗材のみの床用つや消し塗料です。

有機溶剤と違ってシンナーが配合されていないため、悪臭・刺激臭が少なく、安全性も高い防水塗料だと言えるでしょう。

耐候性も高く、紫外線などによる経年劣化を受けにくいのもおすすめのポイント。また、カラーはグレー、ブラウン、モスグリーンと落ち着いた定番色3つです。

価格 2,970円
塗装面積 4〜5平方メートル(1平方メートルあたり660円)
カラー 3色
用途 コンクリート、陸屋根、ベランダの簡易防水及び防塵など

水性屋上防水塗料セット 8.5kg / ニッペ

ニッペの「水性屋上防水塗料セット」は、下塗り材がセットになっているお得な屋上用防水塗料です。

価格 9,481円
塗装面積 4〜5平方メートル(1平方メートルあたり2,106円)
カラー 2色
用途 屋上・ベランダなどの簡易防水・防じん・美装

屋根・屋上用防水3KG / アサヒペン

塗料
防水性能が高い油性の屋上用防水塗料をお探しならば、アサヒペンの「屋根・屋上用防水3KG」がおすすめ。

石油系の成分と合成樹脂が配合されており、塗膜に厚みを出して防水性・耐久性を高めてくれます。

微細なひび割れ(ヘアークラック)程度ならばシーリング補修などをする必要がなく、そのまま塗装をすれば補修代わりにもなるので一石二鳥です。

価格 2,719円(1平方メートルあたり1,087円)
塗装面積 2〜3平方メートル
カラー 1色(ブラックのみ)
用途 陸屋根・屋上・トタン屋根の防水、

コンクリート目地・アスファルト面の接着・防水補修

水性ベランダ・屋上床用防水遮熱塗料 3kg / ニッペ

ニッペの「水性ベランダ・屋上床用防水遮熱塗料」は、高耐久でひび割れしにくい水性の上塗りと下塗りのセット塗料です。

赤外線を反射させる機能があるため、遮熱効果が高いところが魅力的。

熱を吸収しにくく、表面温度の上昇を防いでくれるので、夏場に高温になりやすい地域にお住まいの方や、ベランダ等に直射日光が当たる場合におすすめできるでしょう。

耐候性も高く、すべり止め成分が配合されている点もお得です。また、カラーはライトテラコ、クールグリーン、クールライトグレーの3色から選べます。

価格 5,819円(1平方メートルあたり1,293円)
塗装面積 4〜5平方メートル
カラー 3色
用途 屋上・ベランダなどの簡易防水・防塵・美装

EC-5000PCM / 株式会社アステックペイントジャパン

株式会社アステックペイントジャパンの「EC-5000PCM」は、外壁用の弾性塗料としては弾力性が非常に高いという特徴をもっています。

万が一外壁がひび割れを起こしても、雨水をしっかりブロックしてくれると評判です。そのため、ひび割れしやすいコンクリートやモルタル製の外壁におすすめしたい塗料だと言えるでしょう。

またピュアアクリル樹脂塗料で耐候性・伸縮性が高く、遮熱効果があるのも魅力的です。

価格 1平方メートルあたり3,800円
成分 ピュアアクリル樹脂
カラー 68色
耐用年数 15年以上
用途 窯業系サイディング、コンクリート、モルタル、ALC等

DANシリコンセラ / 日本ペイント株式会社

塗料
外壁用のシリコン塗料で弾力性が高い水性塗料をお探しならば、日本ペイント株式会社から販売されている「DANシリコンセラ」もおすすめです。

ひび割れに強く、耐候性・耐久性も高いためメンテナンスの頻度や手間を抑えられます。

また防藻・防かび効果も兼ね備えているため、こまめに掃除せずとも美しく清潔な外観を保ちやすいというメリットも。

高温多湿でカビが生えやすい地域にお住まいの方や、日光が当たりにくかったり近くに川があるなど立地的にコケが生えやすい場合にもおすすめです。

価格 1平方メートルあたり3,000円
成分 シリコン樹脂
カラー 28色
耐用年数 10〜12年
適用下地 コンクリート、モルタル等

防水塗料を使用する際の注意点

防水塗料を使用する際の注意点
ここまでは防水塗料の選び方のコツやおすすめ商品についてご紹介してきましたが、実際に塗料を使用するにあたっては、いくつか知っておくべき注意事項があります。

そこで以下では、防水塗料を使用する際の注意点についてチェックしていきましょう

塗料によって仕上げ方法が異なる

まず注意したいのが、外壁用と床用とで塗装の回数や工程が異なるということです。

外壁の場合は下塗り1回、上塗り2回の合計3回が一般的です。他方で床の場合は防水層で3回塗り、トップコートで合計5回塗りをします。

窯業系サイディングへの使用は要注意

バツ
弾性塗料の場合、蓄熱性が高い窯業系サイディングに塗装するとふくれといった劣化が起こりやすくなることに要注意。

そのため、窯業系サイディングに防水機能をプラスしたいときには塗料選びを慎重におこなう必要があるでしょう。

まとめると…
  • 外壁用塗料と床用塗料では塗装回数が異なる
  • 窯業系サイディングに弾性塗料を使用するのはNG

防水塗料の基礎知識を得ておこう

今回は防水塗料について特集してきましたが、いかがでしたでしょうか。防水塗料は外壁用と床用の2種類があり、塗装方法も特徴も異なります。

ベランダや屋上は雨水がたまりやすいことから、床用は外壁用塗料よりも防水機能が高くなっています。

ただし、通常の塗料と同じように防水塗料も経年劣化を免れないため、適切な時期に塗り直しなどのメンテナンスが不可欠。

色褪せ程度ならばそこまで心配する必要はありませんが、塗膜剥がれなどの劣化症状を放置していると雨漏りのリスクが高くなってしまうことに注意が必要です。

また、防水塗料を適切に塗装するためには高い技術力と適切な知識が必要なため、DIYではなく専門業者に依頼しましょう

優良で信頼できる業者を見つけるために、施工実績が豊富かどうかを調べてみてください。また相見積もりを通じて、費用や施工内容を比較するのもおすすめです。

 
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