コーキングのやり方とは?きれいに仕上げるコツも一挙解説【保存版】

コーキングのやり方とは?きれいに仕上げるコツも一挙解説【保存版】

外壁や屋根のひび割れや窓の隙間風などの劣化症状が気になりはじめたときには、コーキングで補修をおこないましょう。

コーキングとは外壁や屋根の寿命を延ばし、美しい外観を維持する上で欠かせない補修方法のこと。

業者に依頼して作業をしてもらうのが一般的ですが、必要な道具を揃えれば自分でコーキングをするのも不可能ではありません。

「きれいに仕上げるためのコーキングのやり方のコツが知りたい」と考えている方も多いことでしょう。

そこでこの記事ではコーキングの基礎知識に加えて、自分でもきれいに仕上げる方法や業者に依頼した場合の費用の目安について徹底解説しています。

外壁や屋根の劣化サインが気になりはじめたときに、ぜひご覧ください。

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コーキングの基礎知識

コーキングの基礎知識
「コーキング」という言葉を聞いても、ピンとくる人はそう多くないはず。外壁塗装や屋根のリフォーム工事でよく耳にするコーキングとは、いったいどのようなものなのでしょうか?

ここではまず、コーキングの役割や種類などの基礎知識についてご紹介していきます。

コーキングとは

コーキング(caulking)とは、「水漏れを防ぐ」「隙間を塞ぐ」といった意味をもつ英語の動詞「caulk」に由来する言葉です。

建築用語でのコーキングは、外壁や屋根で目地や隙間を補修するためのゴム状の素材(充填剤)のことや、それを使った補修作業を意味します

なお、コーキングと似たような言葉としてシーリングというものがあります。業者やメーカーによってはコーキングとシーリングを独自に区別しているところもありますが、同じ意味で使われることがほとんどです。

コーキングの役割

知識
コーキングの主な役割は3つあります。

  • 外壁の目地の隙間を埋める
  • 窓と外壁の隙間を埋める
  • ひび割れを補修する

サッシの隙間や外壁・屋根のひび割れによって雨漏りを起こしている場合、コーキング補修によって雨漏りを解消することも可能です。

ただし、雨漏りの原因を特定するのはプロであっても難しく、その原因が複合的であるケースも珍しくありません。

隙間やひび割れの箇所をコーキング補修することで一時的に雨漏りをとめることは可能ですが、根本的な原因を解消しなければすぐに雨漏りが再発してしまうリスクもあることを知っておきましょう。

コーキングの種類

コーキングと一口に言っても実はその種類は豊富で、用途や使用箇所によって適切に使い分ける必要があります

  • 湿気硬化型
  • 乾燥硬化型
  • 非硬化型
  • 混合反応硬化型

種類によって、どのようにコーキング剤が硬化するのか異なってきます。たとえば湿気硬化型は空気中の水分と反応して硬化するのに対して、乾燥硬化型は乾燥によって硬化します。

また、表面に酸化皮膜を形成し、内部は硬化しない非硬化型のコーキング剤もあれば、主剤と硬化剤を混ぜ合わせることで生じる化学反応によって硬化する混合反応硬化型のコーキング剤もあるのです。

このように多くの種類のコーキング剤が発売されているため、隙間やひび割れをきちんと補修するためには、症状や箇所にあった適切なコーキング剤を選ぶことが大切です。

コーキングの劣化症状

リスク 劣化
コーキングの耐久年数は製品や箇所によって異なり、たとえば外壁の場合、コーキングは5~10年前後で劣化症状が出始めると言われています。

知っておきたいコーキングの主な劣化症状は、以下の3つ。

  • ひび割れ
  • 剥離
  • 肉やせ

ひび割れとは、コーキングにヒビが入ってしまう現象のこと。剥離は、外壁との接合部が剥離してコーキングが剥がれ落ちる現象のことです。また、コーキングがやせてへこむ現象を肉やせと呼びます。

こうした劣化症状を放置しておくと、見栄えが悪くなるのはもちろんのこと、雨漏りなどのトラブルの原因になってしまうことも…

特に、古いコーキング剤を使用していると紫外線によるダメージを受けやく、劣化症状が早期に出やすいと言われています。

コーキングの補修方法

では、古くなったコーキングはどのようにしてメンテナンスすればよいのでしょうか?コーキングの補修方法には、「打ち替え」と「増し打ち」の2つの方法があります

打ち替えでは既存のコーキングを剥がしてから新しいコーキング剤を使用して補修をするため、費用は1メートルあたり900〜1,200円とややお高めです。

他方で、増し打ちは既存のコーキングの上から充填するため、費用は打ち替えよりも安く1メートルあたり500〜900円ほど。

古いコーキングの劣化症状が軽度ならば増し打ちでも補修可能ですが、損傷などがひどい場合は打ち替えを採用するのが一般的です。

外壁のコーキングのやり方とは?

外壁のコーキングのやり方とは?
外壁に軽度のひび割れなどの劣化症状が出た場合、コーキングで補修をすることも可能です。では、その作業方法が具体的にどのようなものなのでしょうか?

以下では、外壁のコーキングのやり方について詳しくチェックしていきましょう

準備するもの

コーキング補修に必要な道具は、ホームセンターなどで手に入ります。DIYでコーキング補修をしたいという場合は、まずは以下の道具を準備しておきましょう。

  • コーキング剤
  • コーキングガン
  • マスキングテープ
  • プライマー
  • ハケ
  • カッター

コーキング補修には正しい知識と一定の技術力が必要です。まったくの初心者にとっては作業のハードルが高く、失費して業者に依頼してやり直しをしてもらわねばならないケースも珍しくありません。

古いコーキングを取り除く

必要な道具を揃えたならば、コーキング補修のための下処理としてまずは作業箇所の清掃をおこないましょう。

古くなったコーキングを丁寧に除去し、洗浄ブラシなどを使用して周囲の汚れやカビ・コケなども綺麗に取り除いていきます

劣化しているコーキングや汚れをしっかりと除去しておかないと、新しいコーキング剤を充填してもすぐに剥がれてしまうので要注意。

なお、高圧洗浄機を使用すれば手っ取り早く既存のコーキングや汚れ等を除去できますが、水圧が高いため外壁のひび割れを悪化させてしまうリスクもあります。

また、水を使用して洗浄作業をおこなった場合は1日以上時間を置いてしっかりと乾燥させましょう。十分に乾燥していない状態でコーキング剤を使用しても、硬化せずに施工不良を起こしてしまうからです。

マスキングテープで周囲を養生する

コーキング
外壁のコーキング補修では、粘着性が高くて広い面積があるマスキングを使うのが鉄則。普通のマスキングテープを使用すると外壁にしっかりと密着せず、養生作業が不完全になってしまうからです。

他方で、室内では粘着性が低く面積が広いマスキングテープを使い、狭い場所のみ面積が狭いものを使いましょう。

外壁に使用するような粘着性の高いマスキングテープを室内の養生作業で使用すると、剥がす際に壁紙などを損傷してしまう可能性があるからです。

なお、マスキングテープを使用する際には真っすぐと隙間ができないように貼りつけるのがポイントです。歪んだり隙間がある状態だと、コーキング剤が他の場所に漏れ出てしまう可能性があるので要注意。

プライマーを塗る

養生作業を終えたならば、補修箇所にプライマーを塗布していきましょう。

プライマーは外壁とコーキング剤の密着性を高める接着剤的な役割をもち、プライマーを使用しなければコーキング剤を充填してもすぐに剥がれなどのトラブルが起きてしまいます。

プライマーの塗布作業は、コーキングの耐久性や仕上がりの審美性を大きく左右するとても重要な工程だと言っても過言ではありません。

プライマーを適切に塗布すればコーキングの持ちがよくなり、見た目も綺麗になります。反対に、プライマーを雑に塗布したり十分に乾燥させずに上からコーキング剤を重ねると、施工不良を起こしやすくなるでしょう。

下地作業と侮らずに、丁寧かつ正しい方法でプライマーを塗布することが大切です。

コーキングを充填する

プライマーをしっかりと乾燥させたならば、コーキングガンを使用してコーキング剤を充填しましょう

コーキングガンを使用しなければ空気が入り込んで内側に空洞ができてしまい、コーキングの耐久性や機能性に問題が生じるので要注意。

コーキングを平らにする

道具
コーキングガンで充填した直後はコーキング剤が波打っているため、ヘラを使って平らにならす必要があります。

すぐに硬化がはじまるコーキング剤もあるので、段差や凸凹感が出ないように気をつけながら、丁寧かつスピーディーに作業しましょう。

養生を剥がして乾燥させる

充填作業が完了した後は、養生のためのマスキングテープを剥がし、少なくとも1日は乾燥させてください

気温が低い日や湿度の高い日は、より時間をかけて乾燥させます。しっかりと乾燥させて硬化させることで、施工不良を防ぐことができます。

せっかく丁寧にプライマーを塗布したりコーキング剤を充填しても、雨の日に作業をすると乾燥が上手くいかず、雨水とコーキング剤が混じってしまいトラブルが起こりやすいので、湿度が低く晴れた日を選んで作業しましょう。

まとめると…
  • 手順1:作業箇所の清掃と古いコーキングの除去
  • 手順2:マスキングテープを使用して養生作業をおこなう
  • 手順3:プライマーの塗布
  • 手順4:コーキング剤の充填
  • 手順5:ヘラでコーキング剤をならす
  • 手順6:マスキングテープを剥がして乾燥させる

外壁のコーキングを上手に仕上げるコツ

外壁のコーキングを上手に仕上げるコツ
ある程度DIY経験があり、腕に自信があるならば外壁のコーキング補修を自分でおこなうのも可能です。DIYが上手くいけば、業者に依頼するよりもずっと施工費用を抑えることもできます。

DIYをお考えの方のために、ここからは外壁のコーキングを綺麗に仕上げるコツについてご紹介していきます

マスキングテープは少し離して貼る

マスキングテープを溝にピッタリと合わせて養生すると、補修作業完了後に剥がした時にコーキングも一緒に剥がれてしまうため、作業箇所から少し離して貼りましょう。

溝から3ミリほど離れた箇所にマスキングテープを貼るのがポイントです。

塗装をする場合は種類に注意する

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一部のシリコン系コーキング材は塗料を弾くため、塗装もする場合は使用しないようにしましょう。

塗装もしたい場合は、塗料と相性のよい種類のコーキング剤を選ぶ必要があります。

塗装をする場合はノンブリードを使う

コーキング剤の種類によっては、塗装すると黒色に変色してしまうブリード現象を起こしてしまうものもあります。

こうしたトラブルを防ぐために、変色の心配のないノンブリードタイプのコーキングを使用することをおすすめします。

まとめると…
  • ポイント1:溝から3ミリほど離れた箇所にマスキングテープを貼る
  • ポイント2:塗装する場合は塗料と相性のよいコーキング剤を選ぶ
  • ポイント3:ノンブリードタイプを使用すれば変色を防げる

外壁のコーキングについての注意点

外壁のコーキングについての注意点
コーキング補修を適切におこなう上で、いくつか気を付けるべきポイントがあります。以下では、外壁のコーキング補修の注意点についてチェックしていきましょう

マスキングテープは早めに剥がす

コーキング剤の充填と「ならし」が完了したならば、速やかにマスキングテープを剥がしましょう。

コーキング剤が乾燥してからマスキングテープを剥がすと、コーキングも一緒に剥がれてしまうので要注意。

乾燥するまで塗装はしない・さわらない

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コーキングは乾燥に最低1日、長ければ3日以上かかるため、それまでは絶対に触らないこと、塗装しないことが鉄則です。

表面が乾いているように見えても、内部は十分に乾燥が進んでいないことも多いので、塗装などをする場合は念には念を置いて乾燥時間をおきましょう。

まとめると…
  • 乾燥する前にマスキングテープを剥がす
  • 完全に乾燥するまで触ったり塗装したりしない

外壁のコーキングにかかる費用とは?

外壁のコーキングにかかる費用とは?
外壁の劣化サインが出始めたならば、できるだけ早くメンテナンスをしてあげることが大切です。ですが、「できるならば工事費用を抑えたい」と考える方がほとんどでしょう。

そこで以下では、DIYをおこなう場合と業者に依頼した場合の外壁のコーキング補修の費用目安をそれぞれご紹介していきます

DIYで行う場合

自分でコーキング補修をおこなう場合、費用の目安は30坪の住宅全体で1〜10万円程度。ただし、足場を使う場合はさらに費用がかかります。

業者に依頼する場合

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業者に依頼すると、30坪の住宅全体で7〜20万円程度の費用がかかるのが一般的。足場を使う場合には足場設置代かかるので、さらに費用がかさみます。

コーキングはDIYと業者どっちがおすすめ?

結論から言うと、コーキング補修は業者に依頼したほうがよいでしょう。というのも、DIYをするには作業難易度が高く、失敗すると雨漏りなどのトラブルが起きてしまうからです。

DIYで適切にコーキング作業ができる人は少なく、失敗すれば業者にやり直しをしてもらうことになります。

そうなるとかえって費用がかかってしまうので、最初から業者に依頼したほうがベターだと言えるでしょう。業者選びの際には相見積もりを活用して施工内容や費用を比較したり、実績数を尋ねるなどしてみてください。

まとめると…
  • DIYの費用目安:住宅全体で1〜10万円ほど
  • 業者による施行費用目安:住宅全体で7〜20万円
  • DIYで適切にコーキング補修をするのは難しいので、業者に依頼するのがおすすめ

外壁のコーキング材の選びかたとおすすめ商品

外壁のコーキング材の選びかたとおすすめ商品
コーキング剤にはさまざまな種類・製品があります。ここからは、外壁補修に適したコーキング剤の選び方とおすすめ製品について見ていきましょう

コーキング材の種類の選びかた

コーキング剤の主な種類は、以下の通りです。

  • シリコン系
  • 変成シリコン系
  • ウレタン系
  • アクリル系

シリコン系コーキング剤はお風呂やキッチン、洗面台など室内用のものであり、対する変形シリコン系はサイディングの目地や窓サッシ周辺など外壁用のものです。

また、ウレタン系はモルタルやコンクリートのひび割れに使用し、アクリル系は内装の壁紙やクロスの接着用に使用するのが一般的。

コストパフォーマンスを重視するのであれば、安価なウレタン系やアクリル系のコーキング剤を選んでもよいでしょう。

ただし、耐久性を重視するのであれば変形シリコン系のコーキング剤を選ぶことをおすすめします。

1液と2液の選びかた

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コーキング剤には1液と2液がありますが、DIYをするにあたって「両者の違いがわからない」「どちらを選べばいいの?」と疑問に感じる方も多いことでしょう。

簡単に言うならば、コーキングガンを使うのが1液で、丸缶に入っているのが2液です。

より専門的に言うと、1液は湿気硬化タイプと呼ばれ、充填面積が小さい場合に使います。2液は反応硬化タイプと呼ばれ、硬化剤を使用しなければ硬化しません。充填面積が多い場合によく使われます。

1液ならば作業効率がよく、コーキングガンを使用して充填できるためDIYにおすすめです。他方で、2液は基本的にはプロ用であり、機械を使って硬化剤を混ぜなければならないため、DIYには向いていません。

POSシールマルチ/セメダイン

では、DIYでコーキング補修をおこなう場合、具体的にどのような製品を選べばよいのでしょうか?

数あるコーキング剤の中でも特に人気が高いのが、セメダインから販売されている「POSシールマルチ」です。

おすすめのポイントとしてまず挙げられるのが、変成シリコン系のコーキング剤なので耐久性が高いという点。ホワイトとライトグレーの2色あり、外壁の色に合わせて選べるのも人気の理由です。

外壁のコーキング補修に適した製品ですが、内外装の各種目地で利用できるほど汎用性が高く、防カビ性・耐候性に優れているところも魅力的だと言えるでしょう。

Amazonなどのネット通販サイトなどで入手可能であり、1000円前後で購入できる安価なところもおすすめのポイントです。

まとめると…
  • 外壁のコーキング補修には変形シリコン系がおすすめ
  • 1液:DIY向けでコーキングガンの使用が可能
  • 2液:プロ向けで撹拌機を使用する必要があるのでDIYには不向き
  • DIY用製品としてはセメダインの「POSシールマルチ」が人気

コーキングについての正しい知識を得よう

今回はコーキングの基礎知識からDIYで綺麗に仕上げるコツまでご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

ひび割れなどの軽度の劣化症状ならば、コーキングで適切に補修することで他の大掛かりなメンテナンスが必要なくなります。

コーキングに必要な道具はホームセンター等で手に入るため、腕に自信があるならばDIYも不可能ではありませんでしょう。

自分でコーキング補修をおこなう場合は、正しい知識にもとづき作業箇所に適した種類を選ぶこと、適切な手順で作業をすることが必須です。

とりわけプライマーの塗布とコーキング剤充填後の乾燥はコーキングの仕上がりを大きく左右するため、正しいやり方やコツを事前にしっかりと調べておくことが大切。

ただし、DIY初心者の場合は失敗する可能性が高いので、最初から専門業者に依頼したほうが無難だと言えます。相見積もりを活用したり口コミをチェックしたりして、信頼できる優良業者を見つけましょう。

 

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