コンクリートのひび割れパターンと補修方法を徹底解説

コンクリートにひび割れ(クラック)が!原因と補修方法を徹底解説!!

コンクリートのひび割れ(クラック)は、乾燥や凍結による収縮、外部からの負荷など、様々な原因により生じます。

今回の記事では、コンクリートにひび割れが起こる原因をパターン別に紹介し、補修方法や費用相場についてお伝えしていきます。

コンクリートのひび割れにお困りの方や、詳しく知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • コンクリートのひび割れが起こる原因
  • ひび割れを補修する主な方法
  • DIYでひび割れを補修する方法
  • ひび割れの補修に必要な費用
  • ひび割れの対策と防止方法
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コンクリートのひび割れの原因

ひび割れの原因と症状とは?

コンクリートのひび割れの主な原因

  • 乾燥や凍結による収縮
  • 荷重作用によるコンクリートの疲労
  • コンクリート成分の化学反応

コンクリートのひび割れは、乾燥や凍結による収縮、荷重作用による疲労、化学反応など、原因は様々です。コンクリートは、圧縮には強い一方で引っ張る力には弱いという性質を持ち、固まった後でも引っ張る力により、ひび割れます。

また、ひび割れは、進行性のあるものと無いものに分かれます。進行性のあるひび割れは、年月の経過とともに悪化していく傾向にあり、進行性のないひび割れは基本的に悪化しません。

0.3mm以上のひび割れは補修が必要

コンクリートのひび割れは、幅が0.3ミリメートル以上の場合は応急処置や補修などの対策が必要です。ひび割れの幅が0.3ミリ未満の場合、補修の必要はなく、3ミリ以上だと業者への依頼が必要です。

0.3ミリ以上のひび割れを放置すると、ひび割れから雨水などが浸入します。雨水の侵入により、コンクリート内部や内部の建材などの劣化が進み、雨漏りの原因となるので、ひび割れを発見したら早めに対処しましょう。

ひび割れの測り方

ひび割れの幅はクラックスケールやクラック針ゲージペンなどの道具を使って計測します。ひび割れの深さについては、これらの道具では計測できないので、超音波で計測できる機器が必要です。

また内部のひび割れはスケールや超音波でも計測ができないので、コンクリートに衝撃を与える衝撃弾性波法を使って計測をしていきます。

コンクリートのひび割れパターン一覧

コンクリートのひび割れパターン

  • 乾燥・収縮
  • 沈下
  • 型枠のはらみ
  • セメントの水和熱
  • 外気温などの環境
  • 荷重・構造物の不等沈下
  • コンクリートの疲労
  • 凍結融解作用
  • コンクリートの中性化
  • 塩化物の浸透

乾燥・収縮

乾燥・収縮

原因 大気が乾燥することでコンクリートの水分が蒸発する
症状 不規則な形のひび割れが起こる
対策 誘発目地や構造スリット目地で施工

コンクリートのひび割れは、乾燥や収縮によって起こります。大気が乾燥すると、コンクリートに含まれる水分が蒸発し、コンクリートの体積が縮んで引っ張られるため、ひび割れが発生するという流れです。

また、外気温が氷点下になるとコンクリート内部の水分が凍結し膨張することでも、ひび割れを起こします。乾燥や収縮によるひび割れは、施工時に目地を調整してひび割れ箇所を指定すれば、被害を最小限に抑えられます。

沈下

沈下

原因 コンクリートの水分が過剰なために起こる
症状 規則性のある直線状のひび割れが起こる
対策 余剰水をなるべく抑える。コンクリートが固まる前に、コンクリートの追加やタンピングでひび割れを消す

コンクリートのひび割れは、沈下によっても起こります。沈下とは、コンクリートに余剰水(ブリーディング水)が含まれることで発生する現象です。

症状として、コンクリートの打ち込み後に、規則性のある直線状のひび割れが起こります。沈下によるひび割れは、打ち込み後、早期に発生するので、コンクリートの追加やタンピングで対処可能です。

型枠のはらみ

型枠のはらみ

原因 コンクリートの型枠に不具合がある
症状 型枠の近くで規則性のないひび割れが起こる
対策 コンクリートの扱いに慣れた業者を選ぶ

コンクリートのひび割れは、型枠のはらみにより起こります。コンクリートを打ち込む際に、型枠に不具合があり内圧に耐えられないのが原因です。

症状としては、型枠の近くで規則性のないひび割れが発生します。型枠のはらみによるひび割れは、外側からはらんだ型枠を押し付けたり、型枠を再度組み立てた後、打ち込み直して除去可能です。

セメントの水和熱

セメントの水和熱

原因 化学反応によるコンクリートの発熱で起こる
症状 部材軸に対して垂直かつ直線状にひび割れが起こる
対策 水和熱の低いセメントを使ってコンクリートを成形する

コンクリートを水と混ぜて硬化させる際に発生する、セメントの水和熱もひび割れの原因です。コンクリートが水と反応して水和熱が発生すると、コンクリートが熱によって膨張し、冷えた際にひび割れが発生します。

水和熱によるひび割れは、部材軸に対して垂直かつ直線状に入ります。水和熱の低いセメントを使ってコンクリートを成形すれば、水和熱によるひび割れの抑制が可能です。

外気温などの環境

外気温などの環境

原因 外気温によるコンクリートとの温度差で起こる
症状 不規則な形のひび割れが起こる
対策 誘発目地や構造スリット目地で施工

コンクリートのひび割れは、外気温などの環境も要因の一つです。外気温によってコンクリートの温度差が大きくなると、内部と外側との温度差も大きくなり、外側だけが収縮や膨張を起こしてひび割れが生じます。

特に氷点下にまで外気温が冷え込む環境の場合、コンクリート内部の水分が凍結して融解することで膨張と収縮を繰り返し、ひび割れが起こります。施工前に目地を調整し、ひび割れ箇所を指定して、被害を最小限に抑えましょう。

荷重・構造物の不等沈下

荷重・構造物の不等沈下

原因 建物の傾斜による一部分への荷重のかたよりで起こる
症状 基礎や外壁に不規則な形のひび割れが起こる
対策 複雑な形状の建物にしない

建物が一部分だけ沈むなどして、傾きが起こる不等沈下もひび割れの原因です。建物の傾斜が起こることで、予期しない負荷がコンクリートの一部だけにかかり、不規則な形のひび割れが生じます。

不等沈下によるひび割れが起きてしまうと、地震などの災害で最悪、建物が倒壊する可能性があります。不等沈下によるひび割れを発見したら、修理業者などの専門家に相談して、適切な処置を行いましょう。

コンクリートの疲労

コンクリートの疲労

原因 コンクリートが繰り返し荷重作用を受けて疲労する
症状 不規則な形のひび割れが起こる
対策 コンクリートを表面強化剤でコーティングする

コンクリートが繰り返し荷重作用を受けることで、コンクリートが疲労しひび割れが発生します。荷重作用の例としては、車の往来などが挙げられます。

また、積雪による重みなども、コンクリートに繰り返し荷重作用を与える原因です。疲労によって起こるひび割れは、不規則な形のひび割れとなって現れます。コンクリートを表面強化剤でコーティングして、疲労を最小限に抑えましょう。

凍結融解作用

凍結融解作用

原因 コンクリート内部の水分が凍結し、融解すると起こる
症状 亀甲状の細かいひび割れ後、クレーター状になる
対策 単位水量を低減する。密度の濃いコンクリートを使用する

コンクリートの内部の水分が、凍結して融解することでもひび割れは発生します。コンクリートの内部の水分が凍ることで、凍結した部分が膨張し、その後、水分が溶けると収縮しひび割れが発生するという流れです。

凍結融解作用によるひび割れは、亀甲状の細かいひび割れが起こり、その後クレーターのような形に変形します。寒い地域でコンクリートを取り扱う場合は、コンクリートの単位水量を減らせば凍結によるひび割れを抑制できます。

コンクリートの中性化

コンクリートの中性化

原因 二酸化炭素がアルカリ性を中性化する
症状 不規則な形のひび割れが起こる
対策 コンクリートを表面強化剤でコーティングする

アルカリ性のコンクリートに大気中の二酸化炭素が浸透することで酸化し、コンクリートが中性化してひび割れが起きます。

中性化が起こるとコンクリート内部の鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートに内圧がかかり、ひび割れを発生させます。コンクリートを表面強化剤でコーティングすれば、大気中の二酸化炭素の影響を軽減可能です。

塩化物の浸透

塩化物の浸透

原因 コンクリート内部の鋼材が錆びる
症状 不規則な形のひび割れが起こる
対策 コンクリートを表面強化剤でコーティングする

塩化物がコンクリート内部に浸透すると、内部の鋼材が錆びてひび割れを起こします。

内部の鋼材が錆びると膨張するため、内部からコンクリートを圧迫してひび割れが発生します。コンクリートを表面強化剤でコーティングすれば、塩化物の浸透を抑制可能です。

アルカリ骨材反応

原因 アルカリが溶け出して特定の骨材と化学反応を起こす
症状 コンクリートが膨張してひび割れが起こる
対策 良質な骨材を使用する

コンクリートは、アルカリ骨材反応により、骨材が膨張してひび割れが起こります。

アルカリ骨材反応とは、セメントに含まれているアルカリが溶け出すことにより、特定の骨材と化学反応を起こすことです。骨材が化学反応を起こして膨張すると、コンクリートに多大な負荷がかかりひび割れが生じます。

コンクリートのひび割れの補修方法

ひび割れの補修方法

コンクリートのひび割れの補修方法

  • ひび割れ被覆工法
  • 注入工法(コーキング)
  • 充填工法(コーキング)

コンクリートのひび割れ(クラック)を補修するときは、主に「ひび割れ被覆工法」「注入工法」「充填工法」の3つの方法で行われます。

ひび割れの状態にもよりますが、ひび割れ被覆工法であれば、初心者の方でもできるため、DIYにおすすめの方法です。

ひび割れ被覆工法

ひび割れ被覆工法

ひび割れ被覆工法とは、ひび割れの上から塗膜弾性防水材やポリマーセメントモルタルなどでひび割れを覆う工法です。幅0.2ミリ以下の小さなひび割れの補修に用いられます。

DIYでも補修できる範囲なので、DIYで補修するときはひび割れ被覆工法で補修工事を行います。DIYで補修工事を行ってもなおひび割れが大きくなる場合は、業者に依頼して補修してもらいましょう。

注入工法(コーキング)

注入工法(コーキング)

幅0.2ミリを超えるひび割れの場合は、注入工法が使われます。注入工法とは、ひび割れに樹脂系やセメント系の補修材を注入する工法です。

ひび割れの中にゆっくりと補修材を浸透させることで、ひび割れによって断裂したコンクリートを再び接着させる効果があります。

充填工法(コーキング)

充填工法(コーキング)

充填工法とは、幅が1ミリを超えるひび割れに対応する工法で、コンクリートの表面を1センチほどの幅でUカットまたはVカットをして補修材を充填する工法です。手作業でカットしていくので曲がりくねったひび割れにも対応できます。

内部の鋼材が腐食している場合は、鋼材を切除した後コンクリートを充填します。腐食がない場合は、コーキング剤や可とう性エポキシ樹脂、ポリマーセメントモルタルなどを充填していきます。

コンクリートのひび割れをDIYで補修

DIYでのひび割れの応急処置!
コンクリートのひび割れ補修はDIYできます。ただし、DIYでは完全な補修は不可能で、幅3ミリメートル以下のひび割れに対して、応急処置ができる程度です。3ミリ以上のひび割れは、業者に依頼しましょう。

ひび割れが3ミリ以上の場合、DIYで応急処置すらできません。下手にDIYを行うと、何度もやり直しが発生し、業者依頼よりも費用がかかってしまうため、適正価格で完全に補修してくれる業者に依頼するのがおすすめです。

DIYの補修方法

手順 補修方法
ひび割れた表面の汚れを落とす
ひび割れに補修材を強く押し込む
はみ出た補修材を拭き取る

幅が3ミリ以下の小さいひび割れをDIYで補修する場合は、汚れを落としたのち、補修材を強く押し込みます。その後、はみ出た補修材を拭き取れば完了です。

補修材はコンクリート補修用に作られたモルタルで、ホームセンター等で購入できます。DIY以降、ひび割れの範囲が広がっていくようなら、改めて業者に依頼しましょう。

DIYで補修するときの補修材の種類

補修材の種類

  • コンクリート用補修剤(基本的な補修材)
  • 水中用補修剤(濡れた施工部位用)
  • 簡易補修剤(パテタイプで、手でこねて貼り付ける)

コンクリートのひび割れをDIYで補修するときに必要な補修材は、コンクリート用、水中用、簡易補修材の3つが一般的です。どのタイプの補修材も約500~1,000円程度の価格で購入できます。

補修材はセメント、水、砂で構成されたモルタルで、粘土やパテ、ペーストタイプなど、用途に合った形状のものが販売されています。そのほか必要になってくる道具については、補修する内容に合わせて適宜揃えましょう。

DIYで補修するメリット・デメリット

メリット ・費用が安く済む
・悪徳業者に騙されない
デメリット ・自分で作業する手間がかかる
・失敗する可能性がある

DIYで補修する際の主なメリットは、費用が安く済むことや悪徳業者に騙されて高額な工事費用を要求されないことが挙げられます。

一方デメリットは、自分で作業をしなくてはいけないので手間がかかる、経験と知識不足から失敗する可能性も高い、また作業に時間がかかるなどといったことが挙げられます。

コンクリートのひび割れの補修費用

【20坪】外壁塗装の工事の費用目安

コンクリートのひび割れの補修費用の相場は、1メートルあたり約2,500円程度と言われています。ひび割れや劣化の仕方、工事の種類によっても違うため、詳細を知りたい方は業者に見積りをもらいましょう。

DIYで補修する場合は、約1,000円ほどの価格で行えます。ただし、DIYでは0.3ミリほどの小さいひび割れを補修できる程度なので、一概に安いとは言い切れません。

業者に頼む際は相見積もりを取る

工事業者の中には、高額な工事費用を請求したり、施工不良を起こして放置してしまう悪徳業者がいます。そういった業者に騙されないためにも、最低3社に相見積もりを取ることが大切です。

見積もりを取って、価格を比較することのほか、工事の質や見積書の内容、営業担当の対応の仕方などを確認し信頼できる業者か判断しましょう。値段が安くても質の悪い工事をする業者もいるので、値段以外のポイントも確認するのが重要です。

3ミリ以上のひび割れは業者に依頼する

ひび割れの幅が3ミリを超えるようなクラックについては、業者に依頼すべき範囲です。大きなひび割れになると、見た目以上にダメージが進んでいる可能性があります。

専門の業者に依頼して、ひび割れや劣化の程度を詳しく調査してもらい、しっかりと補修してもらいましょう。

コンクリートのひび割れの対策方法

コンクリートのひび割れ補強のやり方

  • コンクリートを表面強化剤でコーティングする
  • 誘発目地や構造スリット目地を利用する
  • 複雑な形状の建物にしない
  • 単位水量を低減する
  • 水和熱の低いセメントを利用する
  • 良質な骨材を使用する
  • コンクリートを分割して施工する

コンクリートのひび割れは、コンクリートを補強することで防止できます。補強や予防に関しては、主に施工前や施工中に行うため、建物の設計段階で業者への相談が必要です。

ひび割れを予防する方法は様々ですが、環境や材質によって補強のやり方が異なります。業者に相談して、環境や材質に合った工法で防止しましょう。

コンクリートを表面強化剤でコーティングする

コンクリートを表面強化剤でコーティングすれば、施工後のコンクリートを長持ちさせられます。表面強化剤は、コンクリート内部のモルタルや石灰と一体化し、コンクリートの強度を高める特徴を持ちます。

表面強化剤は、ホームセンター等で購入できDIYも可能です。価格は約1,000~30,000円と幅広いですが、DIYでの補修であれば1,000円程度のもので大丈夫です。また、業者依頼も可能なので、DIYが不安な方は業者に相談しましょう。

ひび割れに関するよくある質問

コンクリートの劣化補修はDIYできる?

コンクリートの劣化補修はDIYできますが、あくまで応急処置しか行なえません。コンクリートが劣化した場合、劣化部分の撤去や鉄筋の錆び落としなど、専門知識が必要な作業を行わないと短い頻度で再発します。

そのため、コンクリートが劣化した場合は、業者に依頼して補修を行うのがおすすめです。

土間コンクリートのひび割れ補修はDIYできる?

土間コンクリートのひび割れ補修はDIYできます。土間コンクリートのひび割れた部分に補修材を流し込んだ後、均すだけで完了です。ただし、ひび割れの幅が大きい場合は、DIYで修復するのが難しいので業者に頼むのがおすすめです。

土間コンクリートは、駐車場や玄関など、地面に使用されるコンクリートです。

コンクリートのひび割れの補修痕は目立たない?

コンクリートのひび割れの補修痕は、目立たなくできます。

ただし、DIYでは目立たなくさせるのは難しいため、補修痕をなるべく残したくない方は業者に頼みましょう。

コンクリートが欠けたときの補修方法は?

コンクリートが欠けた場合は、モルタルを使って補修します。欠けた部分にコンクリート用のパテタイプのモルタルを埋め込んで、乾くまで待てば完了です。

欠けた部分が大きく、水漏れや鉄筋が見えるような状態だと、DIYでの補修が難しいので、業者に頼みましょう。

コンクリートがボロボロでも補修できる?

コンクリートはボロボロでも補修できます。ただし、コンクリートの内側が傷んでいる可能性が高いので、業者などの専門家に見てもらう必要があります。

コンクリートがボロボロの場合、DIYで補修できる範囲ではないので、業者に補修依頼をしましょう。

コンクリートのひび割れ補修は業者に依頼するのがおすすめ

ひび割れは、気温の変化や経年劣化、中性化など、さまざまな原因で起こります。ひび割れは放置すると建物の劣化を早めてしまうため、発見したらプロの業者に補修してもらうのがおすすめです。

特にひび割れが3ミリ以上の場合は、DIYで修繕できないため、業者に補修を依頼しましょう。ただし業者に依頼する場合は、悪徳業者に騙されないように3社以上に相見積もりを取って比較検討することが大切です。

また、補修する工法にも様々な方法があるので、補修するひび割れや建物のタイプに合わせた補修方法で工事してもらいましょう。

 
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