弾性塗料の全てを解説!メリット・デメリットや機能を活かす工法も

弾性塗料の全てを解説!メリット・デメリットや機能を活かす工法も

弾性塗料とは、伸縮性があってひび割れしにくい塗料のことです。今回の記事では、弾性塗料の基本的な知識のほか、メリットやデメリット、相性の良い下地などについてお伝えしていきます。

弾性塗料について興味がある、下地に合った塗料を知りたいという方は、ぜひご一読ください。

この記事でわかること
  • 弾性塗料とはどのような塗料か
  • 弾性塗料のメリットとデメリット
  • 弾性塗料がモルタルの塗装に向いている理由
  • 弾性塗料の機能を活かす工法とは
  • 主なメーカーと商品をご紹介
  • DIYでの作業は可能?
  • 業者に依頼する際の注意点
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そもそも「弾性塗料」ってなに?

そもそも「弾性塗料」ってなに?
弾性塗料とは塗料の種類のひとつですが、どのような特徴を持つ塗料なのでしょうか。

ここでは、弾性塗料の基本的な知識をお伝えしていきます。

弾性塗料とは

弾性塗料とは、塗膜という塗料を塗り終わった膜に弾性、つまり柔軟性や伸縮性を持たせた塗料のことをいいます。柔軟性や伸縮性がほかの塗料よりも高いので、ひび割れを起こしにくいというメリットがあります。

一方で通気性が悪いなどのデメリットもあるほか、塗料によっては、湿気を通過させる透湿性、防カビ防藻性、耐候性、遮熱性を持つ塗料もあります。

弾性塗料を選ぶときは、目的に合ったタイプの塗料を選ぶことが大切です。

塗料の硬さは三種類

塗料の硬さについては、硬質、微弾性、弾性の3種類があります。硬質塗料とは、塗料の主流で一般的に塗料と言えば硬質の塗料のことです。

弾性塗料は、JIS規格で定められている伸び率が20℃で120%以上の塗料の総称です。また微弾性塗料には厳密な基準はなく、硬質塗料と弾性塗料の中間程度の弾性がある塗料を言います。微弾性塗料は2〜3年程度で弾性が失われてしまいます。

弾性塗料の希釈はどうする?

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弾性塗料の希釈方法は、通常の塗料と同じです。水性塗料であれば水で希釈、溶剤系塗料であればシンナーで希釈します。

弾性塗料にも様々な種類があるので、パッケージに記載された方法で正しく希釈することが大切です。

まとめると…
  • 弾性塗料とは、塗膜に弾力性がある塗料のこと
  • 塗料の硬さは硬質、微弾性、弾性、の三種類ある
  • 希釈方法は商品によって違う

弾性塗料のメリット

弾性塗料のメリット
弾力性が高い弾性塗料には、さまざまなメリットがあります。

ここでは、弾性塗料の主なメリットをいくつかご紹介していきます。

ひび割れが起きにくい

弾性塗料は、柔軟性や伸縮性が高いのでひび割れを起こしにくいというメリットがあります。下地が割れたり、伸びたり縮んだりしても、上に塗られている塗料に弾性があるので塗膜が割れることが少ないのです。

振動により下地が割れたり、寒暖差から下地が伸縮したりする場合に、弾性塗料を使用するとひび割れを起こしにくくなります。

防水機能が向上する

結露
弾性塗料は塗膜が水を通さないので防水性が高く、水が入り込みにくいというメリットもあります。風雨にさらされる場所や、水を多く使用する場所での使用に向いているでしょう。

また透湿性も高い塗料であれば、外部からの水を防ぎながら内部の湿気も逃がし壁内部に結露を発生させません。

雨が多く湿度が高い日本のような地域では、割れやすい下地の塗装に向いている塗料です。

モルタルの劣化防止

モルタルの表面を塗装するときは、多くの場合弾性塗料を使用します。モルタルはひび割れを起こしやすい下地なので、弾性塗料で塗膜を作ることでモルタルを雨や風から保護できます。

モルタルがひび割れを起こしても、弾性塗料であれば壁に追従して塗料が伸びるので、壁の割れ目から雨が染み込みません。

まとめると…
  • 弾力性が高い塗料なのでひび割れが起きにくい
  • 水を通しにくいので防水性が高い
  • ひび割れを起こしやすいモルタルの塗装に向いている

弾性塗料のデメリット

弾性塗料のデメリット
弾性塗料にはメリットも多いですが、デメリットもあります。ここでは、弾性塗料のデメリットについてお伝えしていきます。

通気性がないため塗膜が膨れやすい

弾性があるためひび割れを起こしにくいというメリットがある一方で、水や空気を通さないため塗膜が膨れやすくなるというデメリットもあります。

特にサイディングに弾性塗料を塗装すると、ふくれが起こりやすいため注意が必要です。ふくれが起こると壁から塗料が剥がれやすくなり、剥がれた部分から劣化が進んでしまいます。

工法によっては費用が高額になる

価格で選ぶ
弾性塗料ではない通常の塗料を塗装するときよりも、弾性塗料での塗装は施工費用が高くなることもあります。工事費用をなるべく抑えたい場合は、塗料の施工費用についても気にしておくことが大切です。

どれぐらいの耐久性が必要なのか、どの工法が適当かなどについては、業者と相談して決めていった方が安心です。費用と耐久性のバランスを考慮して、目的に合った工法を選ぶと良いでしょう。

まとめると…
  • 通気性がないので塗膜のふくれが起きやすい
  • 工法によっては塗装費用が高額になることもある

弾性塗料はモルタル外壁に適している?

弾性塗料はモルタル外壁に適している?
モルタルの塗装には、一般的に弾性塗料が使われています。

ここでは、モルタルと弾性塗料の相性についてお伝えしていきます。

弾性塗料とモルタル外壁は相性がいい

弾性塗料とモルタル外壁は、基本的に相性が良い組み合わせです。モルタルは性質上ひび割れが起こりやすい外壁材なので、弾性があってひび割れを起こしにくい弾性塗料が向いています。

モルタルが何らかの原因でひび割れを起こしたとしても、弾性塗料で作られた塗膜は弾力があるので塗膜が伸びてひび割れを起こしません。防水性なども保たれるので、ひび割れを起こしやすい下地には、弾性塗料での塗装が向いているでしょう。

弾性塗料が使えない壁も

デメリット
モルタルとの相性が良い弾性塗料ですが、一方でサイディングとの相性は良くありません。サイディングに弾性塗料を塗ると、塗料がはがれて膨れてくる膨れという現象が起きやすくなります。

サイディングは断熱材が含まれていることが多く、熱を帯びやすい構造です。そのため弾性塗料を塗装すると、熱で弾性塗料が劣化しやすくなります。

また、サイディングはもともとひび割れしにくい構造なため、弾性塗料でひび割れ対策をする必要性がありません。サイディングに塗装を行うときには、弾性塗料ではない塗料を選ぶと良いでしょう。

まとめると…
  • モルタルはひび割れを起こしやすい下地なので、ひび割れしにくい弾性塗料との相性は良い
  • サイディングのように弾性塗料が使えない外壁材もあるので注意する

弾性塗料の機能を活かす工法

弾性塗料の機能を活かす工法
弾性塗料には、複数の塗り方があります。塗り方によって耐久性などに違いが出るので、ここでは塗り方による違いをご昇華していきます。

複層弾性塗料仕上げ

複層弾性塗料仕上げとは、下塗りに続いて、中塗り2回(弾性塗料)、上塗り2回の5工程を経る塗り方です。

塗料を塗り重ねる回数が多いため、費用がかかりますが、そのぶん耐久性も高くなります。高い防水性能や弾力性を期待したい場合は、複層弾性塗料仕上げで塗装してもらうようにしてください。

単層弾性塗料仕上げ

メリット
下塗りと中塗り(弾性塗料)、上塗り(弾性塗料)の3工程で塗る塗り方が単層弾性塗料仕上げです。

複層仕上げよりもコストが安く、微弾性塗料を使ったときよりも弾性が高くなります。高い防水性能よりも、コストを抑える方を優先させたい場合は単層弾性塗料仕上げでの塗装がおすすめです。

微弾性+上塗り塗料仕上げ

微弾性プラス上塗り塗料仕上げとは、下塗りに微弾性塗料を使用し、続いて中塗り、上塗りを行う3工程の塗装方法です。

微弾性塗料を使用しているため、他の工法よりも弾力性に劣ります。微弾性塗料は弾性塗料よりも短期間で弾性を失ってしまうため、メンテナンスの頻度も高めです。

高い耐久性と長い耐用年数を求めるのであれば、あまりおすすめできない塗装方法と言えます。

まとめると…
  • 複層弾性塗料仕上げは塗り重ねる回数が多いのでコストが大きくなるが耐久性も高い
  • 単層弾性塗料仕上げは3回塗り重ねるだけなので複層塗装よりも耐久性は低いが、コストが安い。
  • 微弾性と上塗り塗料仕上げは微弾性塗料を使っているだけに、他の工法よりも弾力性に劣る

弾性塗料の主なメーカーと代表商品をご紹介!

弾性塗料の主なメーカーと代表商品をご紹介!
弾性塗料はどのようなメーカーで作られているのでしょうか。ここでは、弾性塗料を製造販売している主なメーカーと、商品名についてお伝えしていきます。

アステックペイント「EC-5000PCM」

600%という圧倒的な伸び率の高さを誇る弾性塗料です。オーストラリア企業であるアステックペイントが販売しています。

優れた防水性を誇るほか、高い耐候性や遮熱性も備えている塗料です。防水性や耐候性、遮熱性を重視する方に向いています。

エスケー化研「セラミクリーン」

耐用年数8~10年の、単層の弾性セラミックシリコン系樹脂塗料です。施工がシンプルなので工期やコストを削減できます。

そのほか優れた低汚染性、防カビや防藻性もあり、透湿性能も備えているため建材内部の結露を抑える効果が期待できる塗料です。

日本ペイント「DANフレッシュ」

塗料 白
日本ペイントが販売するアクリル樹脂系の低汚染性単層弾性仕上げ塗材です。コンクリートやモルタル、ALCパネルなどで使用されます。

環境にやさしい水性塗料で、高い柔軟性のほか、防カビ防藻性、低汚染性の塗料です。また、透湿機能もあるので壁内部の結露も防ぎます。

関西ペイント「セラMフッソ弾性」

フッ素樹脂系の弱溶剤2液形塗料で、耐久性の高さが特徴です。また耐候性も高いので、台風などが多い地方にも向いています。

低汚染性能もあるため汚れがつきにくく、高い防カビ性能や防藻性能もある塗料です。

商品名(メーカー) 特徴
アステックペイント「EC-5000PCM」 600%という圧倒的な伸び率の高さを誇る弾性塗料

オーストラリア企業であるアステックペイントが販売

エスケー化研「セラミクリーン」 耐用年数8~10年の、単層の弾性セラミックシリコン系樹脂塗料
日本ペイント「DANフレッシュ」 日本ペイントが販売するアクリル樹脂系の低汚染性単層弾性仕上げ塗材
関西ペイント「セラMフッソ弾性」 フッ素樹脂系の弱溶剤2液形塗料で、耐久性の高さが特徴

弾性塗料の使用はDIYでも可能?

弾性塗料の使用はDIYでも可能?
弾性塗料は自分で塗装することができるのでしょうか。

ここでは、弾性塗料を自分で塗装する場合の方法や注意点などについてお伝えしていきます。

知識と道具があればDIYは可能

弾性塗料の塗装は、知識や道具があればDIYは可能です。弾性塗料の使い方や塗り方を知っていて、ローラーなどの道具もあり、それらの洗浄道具なども持っていれば対応できるでしょう。

ただし塗装に失敗すると、最初からやり直さなくてはいけないなど、コストや労力が余分にかかってしまう可能性があります。

DIYで塗装を行う場合は塗装範囲が小さいなど、失敗したときの被害が少ない場合にとどめておくのが無難でしょう。

弾性塗料はどこで購入できる?

DIY
弾性塗料はホームセンターで購入するのが基本です。ホームセンターのほか、塗料を販売している通販サイトでも購入できます。

比較的入手しやすい塗料ですが、塗料によって特徴や使い方が異なるので、自分で購入する際には塗料の特徴や使い方を調べて購入するようにしましょう。

また、モニターを通して見る色は実際の色とは違っている場合も。できれば色見本サンプルなどを入手して、慎重に色を決めた方が失敗が少なくなります。

弾性塗料での塗装は業者に依頼するのがおすすめ

弾性塗料を使った塗装作業を、自分で行うことは可能です。しかし、DIYで失敗すると塗膜を全部剥がすなど、工事を最初からやり直さなくてはいけないこともしばしばです。

さらに塗り直しを業者に委託する場合は、処理費用や再塗装の費用など余計に費用がかかってしまいます。

DIYでの塗装は失敗したときのコストが高くなってしまうため、塗装にかなりの自信がある人以外は最初から業者に依頼した方が無難です。

まとめると…
  • 知識と道具が揃っていればDIYでの塗装は不可能ではない
  • 弾性塗料はホームセンターでの購入が基本
  • 弾性塗料での塗装は失敗すると余計に費用がかかるので、業者に依頼した方がベター

弾性塗料での塗装を依頼する際の注意点!

弾性塗料での塗装を依頼する際の注意点!
弾性塗料での塗装を依頼するときには、どのような点に注意したら良いのでしょうか。

ここでは、弾性塗料の塗装を依頼するときに気を付けるべきポイントについてお伝えしていきます。

悪徳業者に注意する

多くの業者は優良業者ですが、中には施工不良を頻繁に起こしている、相場よりも高い工事料金を請求してくるなどの悪徳業者が存在します。

悪徳業者に工事を依頼するのを避けるためには、複数の業者から見積もりを取って金額以外の対応や工事方法なども比較検討して選ぶことが大切です。

また口コミや実績数、実績事例などの情報を事前に確認することも有効でしょう。悪徳業者に依頼して施工不良を起こさないためにも、業者の情報はできる限り取得しておくようにしましょう。

訪問営業の業者は危険

訪問
訪問営業をしてくる業者は、悪徳業者の可能性が高い業者です。いきなり訪問してきて「工事が必要」などと言ってくる業者には、作業を依頼しない方が良いでしょう。

工事を依頼する業者を選ぶときは、ホームページや電話相談などで優良な業者を選ぶことが大切です。

また見積もりは金額だけではなく、工事の内容や質問に対する対応などについても判断基準にすると優良業者を見分けやすくなります。

まとめると…
  • 悪徳業者に騙されないように複数の業者に見積もりを依頼して比較検討する
  • 訪問営業の業者は悪徳業者が多いので依頼しない方が安心

弾性塗料はひび割れしにくい塗料

弾性塗料は、柔軟性や伸縮性がある塗料なのでひび割れを起こしにくいというメリットがあります。一方で、通気性が悪く塗料の内部に湿気がたまりやすくなるといったデメリットも。

ひび割れを起こしやすいモルタルとの相性が良く、多くのモルタルには弾性塗料が使われています。一方でサイディングとは相性が悪く、膨れを起こしやすいので注意が必要です。

塗料にはそれぞれ特徴があるので、下地との相性や塗料の特徴などを考慮して、目的に合った塗料を選ぶようにしましょう!

 
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