換気棟とは?設置方法・費用・メンテナンス方法を紹介【屋根裏換気】

換気棟とは?設置方法・費用・メンテナンス方法を紹介【屋根裏換気】

昔ながらの日本家屋は風通しや通気性がよく、寒さには弱いものの、湿気に強い造りになっていました。

それに対して近年の住宅は密閉性・断熱性が格段にアップし、快適に過ごせるようになった反面、湿気も住居内にこもりやすくなってしまっています。

だからこそ、換気棟などを設置して適切に換気をすることが大切なのです。ですが、「そもそも換気棟って何?」「設置方法や費用はどれくらい?」と疑問に感じている方も多いはず。

そこでこの記事では、住宅の換気に欠かせない換気棟の基礎知識に加えて、その設置方法や費用、メンテナンスの目安などについて徹底解説しています。

ご自宅の結露やカビにお悩みの方は、ぜひ換気棟の設置を検討してみてはいかがでしょうか?

この記事でわかること
  • 換気棟の役割と必要性とは?
  • どのような方法で換気棟を設置するの?
  • 換気棟のメンテンナンス方法とは?
  • 換気棟の設置をしたほうがいいケースは?
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換気棟とは?なぜ必要なの?

換気棟とは?なぜ必要なの?
「換気棟」という言葉を聞いてもピンとくる人は多くないはずです。そもそも換気棟とはどのようなものなのでしょうか?

ここではまず、住宅における換気の必要性と換気棟の役割についてチェックしておきましょう

住宅には換気が必要

昔ながらの日本家屋と違って近年の住宅は気密性が高く、屋根や天井に設置された断熱材などのおかげで夏も冬も快適に過ごしやすくなっています。

ですが、その分室内外の温度差によって結露が生じやすくなるというデメリットも…。

日本は高温多湿な気候にあり、ただでさえ結露が発生しやすいため、部材が腐食し、住宅そのものの寿命が縮まってしまいかねません

また、腐食に至らずとも天井裏や壁紙、家具などにカビが生えやすくなり、健康被害の原因になってしまうこともあります。

こうしたトラブルを未然に防ぎ、気密性・断熱性の高い住居の快適さを維持するためには、適切な換気が不可欠。

換気をすることで室内外の温度差が生じにくくなるので、結露やカビの原因を取り除くことができるのです。

住宅の換気設備

通気
結露による部材の腐食やカビの発生を防ぐために、近年の住宅では以下のようなさまざまな換気設備が設けられています。

  • 換気扇
  • 通気口
  • 軒裏換気
  • 換気棟

換気扇とは、キッチンなどにあるファンによって強制的に換気をする道具のこと。

通気口は室内の換気のために取り付けられた空気のとりいれ口で、最近のアパートやマンションには「24時間換気システム」の一部として必ず設置されています。

スイッチを入れて必要なときにだけ使用する換気扇と違い、通気口は基本的に常に自動で空気の入れ替えをおこなってくれるため、何もせずとも住宅の換気性を高めてくれる優れものだと言えるでしょう。

また、軒裏換気は屋根裏にこもった湿気を排出するために軒につける換気口のことで、換気棟は屋根の頂上(棟)に取り付けられた換気のシステムになります。

換気棟とは

上述のように、換気棟とは住宅の換気設備のひとつであり、屋根の棟にある換気システムのこと。

通気口や軒裏換気などを設置していても、どうしても屋根裏には湿気や熱がこもりやすいもの。換気棟は住居内の温かい空気や湿気を排出して、結露やカビの発生を防ぐ役割を担っています

棟下に換気口を設けているため、換気扇のようにわざわざスイッチを入れて電気を使用せずとも、自然と換気ができるのです。

換気棟を設置すれば住宅が湿気の影響を受けにくくなるので、部材が腐食して耐久性が低下したり、壁紙や家具にカビがこびりついたりするのを防ぐ効果が期待できます。

換気棟は人気が低い?

考える
換気扇や通気口といったメジャーな換気設備と違って、換気棟はどの住宅にも設置されているわけではありません。

換気棟には自然に屋根裏の湿気を排出できるというメリットがあるにも関わらず、なぜ人気が低いのでしょうか?

その理由は、雨漏りのリスクにあります。換気棟は屋根裏に穴をあける必要があり、それゆえに雨漏りしやすいと考えられているため、あまり普及していません。

ただし、これはあくまでイメージに過ぎません。実際には雨水が内部に侵入しないような構造になっており、施工不良や老朽化がなければ雨漏りの心配はないのです。換気棟の施行実績が豊富で、確かな技術力のある業者に依頼すれば、雨漏りのリスクなしに換気棟を設置して住居の換気性をアップさせることができます。

まとめると…
  • 換気棟:屋根の頂点(棟)にとりつける換気設備のこと
  • 「雨漏りのリスクがある」という誤ったイメージゆえに換気棟は人気が低い
  • 近年の住宅は気密性が高いため換気設備による適切な換気が必須
  • 屋根裏の換気性を効果的に高めたいならば換気棟がおすすめ

換気棟を設置する方法

換気棟を設置する方法
「雨漏りしやすい」という誤ったイメージから、他の換気設備と比べると人気の低い換気棟ですが、住宅の湿気対策にお悩みならばぜひ導入してみてはいかがでしょうか。

電気を使わずに自然に熱や湿気が排出されるため、効果的な結露・カビ予防になるでしょう。換気棟に関心のある方のために、以下では換気棟の設置方法についてご紹介していきます

棟板金の撤去

まずは、屋根の棟部分にある棟板金と貫板を取り外します

高所での作業になり、足場の設置や安全帯の使用など適切な安全対策をおこなう必要があるため、DIYでの作業は避けましょう。

棟板金とは
屋根の頂点にあるパーツで、屋根材を固定すると同時に、雨水が入り込む屋根材の隙間をカバーして雨漏りを防ぐ役割をもっています。

屋根に穴をあける

屋根 施工
棟板金と貫板を撤去したら、換気棟を取り付ける箇所に穴をあけます。穴をあけることで屋根裏の空気を逃がすための通気口ができるのです。

換気棟を設置する

屋根の頂上に換気口を作るということは、適切な防水対策をしなければ雨漏りのリスクが高まってしまうということでもあります。

雨漏りを防ぐためにひび割れなどはシーリングで補修をしたり、防水シートなどを使用したりして万全な防水対策をおこなってから換気棟を設置することが大切です。

施工不良が起こると雨漏りを起こしてしまうため、とても重要な作業だと言えるでしょう。ただ、施工実績が豊富で熟練の職人を抱えている業者ならば、特に問題なく作業をおこなえます。

まとめると…
  • 作業1:棟板金と貫板を撤去する
  • 作業2:通気口となる穴をあける
  • 作業3:万全な雨漏り対策をしてから換気棟を設置する

換気棟の設置にかかる費用

換気棟の設置にかかる費用
換気棟の設置を検討するにあたって気になるのが、どれくらいの費用がかかるのかということでしょう。換気棟の設置費用の目安は、1箇所あたり25,000円前後

軽量で耐久性が高いのに、安価でコストパフォーマンスのよいガルバリウム鋼板を素材として用いるのが一般的です。

なお、取り付ける個数は、天井裏の面積と換気棟の種類によって異なってきます。

通常は2〜4個程度を設置しますが、大きな戸建ての場合は換気性を確保するために、より多くの換気棟の取り付けが必要になるでしょう。

まとめると…
  • 設置費用:1箇所につき25,000円ほど
  • 2~4個ほどの換気棟を取り付けるのが一般的
  • 天井裏の面積などによって取り付け個数が異なってくる

換気棟のメンテナンス方法とは?

換気棟のメンテナンス方法とは?
換気棟は一度取り付けてしまえばそれでよいというものではなく、経年劣化を起こすため、定期的にメンテナンスをおこなう必要がります。

そこでここからは、換気棟の具体的なメンテナンス方法についてチェックしていきましょう

定期点検

普段の生活の中で特に不具合を実感することがなくても、気づかないうちに劣化症状が進行している場合もあるので、定期的に点検することが大切です。

屋根は目が届きにくく、外壁のように直接劣化サインを目視しにくいため、業者に依頼して、釘やビスなどが固定されているかを確認してもらいましょう

また、屋根は風圧が強く換気棟はダメージを受けやすいため、激しい台風の後には念のために点検をしたほうが無難です。

早い段階で劣化サインを発見し、適切な補修をおこなえば換気棟の寿命が長持ちしますし、結果的にメンテナンスにかかる費用も抑えられます。

シーリング補修

コーキング
シーリング材が劣化するとひび割れや肉痩せなどが生じ、隙間ができて雨漏りが起こってしまいます

定期点検でシーリングの劣化症状が認められたならば、シーリングの打ち直しが必要です。

ご自宅の立地条件や天候、製品などにもよりますが、一般的にシーリングは5年前後で劣化症状が出始めるので、それを目安にメンテナンスをおこないましょう。

錆止め塗装

換気棟にはガルバリウム鋼板を素材として用いるのが一般的です。ガルバリウム鋼板は安価で軽量かつ耐久性が高いものの、金属製のため錆に弱いというデメリットも。

錆びると雨水が浸み込みやくなり、雨漏りのリスクが高まるため、錆止めで塗装する必要があります。

まとめると…
  • 定期的に点検して劣化サインを見逃さない
  • シーリング材は5年前後で劣化しはじめるので適切に補修する
  • 錆びると雨漏りを起こすので錆止め塗装をおこなう

棟換気以外の屋根裏の換気方法

棟換気以外の屋根裏の換気方法
換気棟は屋根裏の換気性を高める上で効果的ですが、それ以外に選択肢がないわけではありません。

ここからは、換気棟以外で屋根裏を喚起する方法を2つご紹介していきます

軒裏換気

軒裏換気とは、軒に換気口を取り付けて屋根裏の湿気を逃す湿気対策のこと

軒裏換気は主に吸気用のため、併せて排気用の換気口を設置する必要があります。

妻換気

瓦
風通しが良い妻側に取り付ける換気口のことを、妻換気と呼びます。雨や鳥が入り込みやすいものの、デザイン性が高く、吸気と排気の両方ができるのが特徴的。

まとめると…
  • 軒裏換気:軒裏に吸気用と排気用の喚起口の両方を取り付ける
  • 妻換気:妻側に換気口を取り付けることで吸気と排気の両方が可能

換気棟の設置はどんな人におすすめ?

換気棟の設置はどんな人におすすめ?
ここまで見てきたように、換気棟以外にも軒裏換気や妻換気など、屋根裏の換気性を高める方法はいくつかあります。

では、それらの中でも換気棟の設置が推奨されるケースとは具体的にどのようなものなのでしょうか

2階が妙に暑い

1階はそうでもないのに2階に行くと熱がこもって妙に暑く感じるならば、換気棟の取り付けがおすすめ。

2階部分が暑く感じるのは屋根裏に熱がこもって室温が上昇している可能性が高いため、換気棟を設置して通気性を確保するとよいでしょう。

エアコンの利用を減らしたい

エアコン
換気棟は屋根裏にたまりやすい熱や湿気を上手に外に逃がしてくれるため、室温を調整しやすくなります。

直射日光があたりやすい立地であったり夏場に高温になりやすい地域にお住まいならば、換気棟を設置することでエアコンの利用頻度や費用を抑えられる可能性があるでしょう。

まとめると…
  • 屋根裏に熱気がこもって2階にいると暑く感じる
  • エアコン代を節約したい

換気棟の設置は業者に依頼を

換気棟の設置は業者に依頼を
換気棟の設置は原則としてDIYができません。ここでは、換気棟の設置を業者に依頼すべき理由について詳しく見ていきましょう

取り付け作業に失敗すると雨漏りの危険がある

換気棟の設置は高所での作業となる上に、高い技術力がなければ雨漏り等のトラブルを起こしてしまうため、必ず業者に依頼しましょう。

取り付け工事でミスがないように、実績豊富で技術力に定評のある業者を見つけることが大切です。

自宅に適しているかどうかを判断できる

業者
換気設備にはさまざまな種類があり、お住まいの立地環境や住宅の構造などにもとづき、相性の良し悪しを判断しなければなりません。

換気棟を取り付けることで湿気や室内の暑さが劇的に改善されることもあれば、何の効果も感じられない場合もあります。

素人では換気棟が自宅に必要かどうかわからないため、プロに適切な判断を仰ぎましょう

まとめると…
  • 棟換気の取り付け工事は難易度が高いのでDIYは不可
  • 取り付けに失敗すると雨漏りのリスクがあるので、信頼できる業者を見つける
  • 棟換気が必要かどうかを経験豊富なプロに判断してもらおう

結露や高温にお悩みならば換気棟の設置を検討してみよう

今回は換気設備の一種である換気棟について特集してきましたが、いかがでしたでしょうか。換気棟は屋根裏の熱気や湿気を自然に排出してくれるため、換気性を高めるのにもってこいです

近年の気密性の高い住宅では良くも悪くも換気性が低く、湿気がたまって結露やカビが発生してしまいがち。換気棟を取り付ければ、こうしたお悩みを解消できるでしょう。

適切に取り付けをおこなえば、雨漏りの心配もありません。換気棟の実績数が多く、評判のよい業者を探して換気棟の取り付け工事について相談してみてはどうでしょうか。

 
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