「ケラバ」という言葉を聞いてもピンとくる人はそう多くないことでしょう。
屋根の両端部分に位置するケラバは、強い紫外線や太陽光を遮り過ごしやすい環境を整えてくれるなどのさまざまな役割をもち、住宅のトラブルを防いでくれる大切なパーツです。
ですが、ケラバが原因で雨漏りが発生してしまうことも…。「ケラバを使用すると雨漏りがしやすくなるって本当?」「屋根材によってケラバが雨漏りしやすくなるの?」と疑問に感じている方も少なくないはず。
そこでこの記事ではケラバの基礎知識から、雨漏りを発生させる原因や費用を抑えて補修工事をおこなう方法について徹底解説しています。
ケラバの劣化症状が気になりはじめた方や雨漏りでお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
- そもそもケラバとは何?
- ケラバの重要な役割とは?
- ケラバは雨漏りの原因になりやすい?
- 火災保険を利用してケラバの補修はできる?
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目次
ケラバってなに?屋根のどの部分?
そもそも、ケラバとは何なのでしょうか?住宅関係の仕事でもしていないかぎり、ケラバについての知識がある人は多くありません。
ケラバとは屋根にあるパーツですが、具体的にどの部分にあるのでしょうか?ここではまず、ケラバについて知っておきたい基礎知識について確認しておきましょう。
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ケラバの基礎知識
屋根のうち端にある軒より外に出ている部分のことを、ケラバと呼びます。
ケラバは切妻と呼ばれる箇所の先端に位置し、雨どいがついておらず、瓦などの屋根材や金具で覆われた状態になっているのが一般的です。
瓦屋根とスレート屋根のケラバはどう違う?
瓦屋根にはケラバ専用の瓦がついているのに対して、スレート屋根では「ケラバ包み」と呼ばれる金属で雨仕舞(浸水防止)をしています。
このように、ケラバと一口に言っても屋根材によって若干の差がありますが、ケラバはそのままのむき出しの状態で設置されることはなく、ケラバ唐草と呼ばれる水切りや破風板によって雨仕舞されるのが一般的。
そのため、ケラバ水切りや破風板が経年劣化等で破損したり、納まりが不適切だった場合は雨漏りの原因になってしまうことに…。
- ケラバとは屋根の切妻の先端部分のこと
- 屋根材によってケラバの雨仕舞方法が異なる
- 瓦屋根:ケラバ専用の瓦を使用
- スレート屋根:ケラバ包みで雨仕舞する
ケラバの主な役割
「なぜケラバを屋根に設置する必要があるの?」と疑問に感じている方も少なくないことでしょう。
実は、ケラバには快適な住居を実現するためのさまざまな役割があるのです。以下では、ケラバの主な役割についてチェックしていきましょう。
紫外線の影響を受けにくくする
屋根にケラバを設置することで屋根の面積が大きくなるため、紫外線や太陽光を遮り、日焼けによるフローリングの色褪せや外壁の劣化を防ぐことにつながります。
逆に言えば、ケラバがなければ住居内はもちろんのこと外壁の大部分が強い紫外線にさらされるため、紫外線によるダメージを受けやすくなるでしょう。
雨水の防止
ケラバは紫外線だけでなく、雨水が直接当たる外壁部分を減らす役割をもっています。
塗料によっては耐久性が高く、雨水によって表面の汚れを自動で落とす機能をもったものもありますが、一般的な塗料は長年雨水にさらされることで耐久性が低下し、剥がれやカビ・コケの発生、腐食といった劣化症状を起こしてしまうもの。
だからこそ、ケラバによって雨水が当たる部分を減らすのは、外壁の寿命を延ばす上で大切なのです。
室温調節
ケラバがあることで2階部分に日が当たりにくくなるため、室温の上昇を抑える効果も期待できます。
立地的に西日が強くあたる住宅や、夏場に高温になる地域にお住まいの場合には、ケラバによる室温調整機能が欠かせません。
ケラバには過度の日当たりを防ぐ機能があるのであって、日当たりが悪くなるわけでは決してないので安心できます。
適切にケラバを設置することで、暑い夏場も過ごしやすく快適なものになるでしょう。
- 役割1:強い太陽光を遮り紫外線による経年劣化を防止
- 役割2:外壁に雨水が直接当たるのを防ぐ
- 役割3:夏場に高温になりやすい2階部分の室温を調整する
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ケラバは雨漏りしやすいって本当?
雨漏りの原因はさまざまです。一箇所だけの破損が原因ではなく、複合的な要因によって雨漏りが発生することも少なくありません。
屋根のパーツの中でも、特にケラバが雨漏りの原因になるケースが多いと言われていますが、果たして本当なのでしょうか?
以下では、ケラバが雨漏りしやすいと言われる原因やその対処法についてご紹介していきます。
ケラバの雨漏りの原因
瓦屋根と比べると、スレート屋根のケラバでは特に雨漏りしやすいと言われています。
というのも、スレート屋根のケラバでは土汚れが堆積して水の流れが阻害され、スレート内部に雨が入り込んでしまいやすいから。
スレート屋根では雨仕舞をしていても、構造的にケラバ内部に雨水が入りやすく、それによって内部の腐食が進んで雨漏りの原因になってしまいやすいのです。
ケラバの耐用年数は10年前後と言われており、10年ほど経つと上記のような理由から雨漏りの発生リスクが高まってしまいます。
ケラバの雨漏りを防ぐには?
では、ケラバが原因の雨漏りを防ぐためにはどうすればよいのでしょうか?まず実践すべきは、クッション性のシール材つきの水切りを使うということ。
クッション性があるシール材ならば屋根材との密着性が高くなるので、雨水や埃、土汚れなどが内部に侵入しにくくなり、効果的な雨漏り対策になるのです。
水切りの交換はさほど費用もかからず比較的短期間で工事が完了するため、ケラバが原因の雨漏りにピッタリな対処法だと言えるでしょう。
- スレート屋根のケラバは雨漏りの原因になりやすい
- 理由:スレート内部に雨水や土埃が入り込みやすいから
- 対処法:クッション性に富んだシール材の水切りを使用して雨水等の侵入を防ぐ
ケラバ修理には火災保険が適用される場合も
一般的にケラバは屋根材よりも耐用年数が低く、経年劣化による症状を放置しておくと雨漏りの原因になってしまいます。
対処療法的なものであれば短期間の工事で費用を抑えることも可能ですが、根本的な解決を目指すとなると費用が高くなってしまいがち…。
ですが、一定の条件を満たせばケラバ修理に火災保険を利用できるということをご存知でしたか?
以下では、火災保険でケラバ修理ができるケースやその申請方法について解説していきます。
火災保険が適用できる理由
火災保険という言葉を聞くと、「火事が起こったときにしか利用できない」というイメージを持っている方も少なくないはず。
一概には言えませんが、火災保険は火事以外の自然災害をカバーします。そのため、契約条件によっては風災や雪災、水災などによるケラバの破損を火災保険で補修することも可能です。
ただし、たとえば経年劣化や人為的な破損など、自然災害以外の原因の場合はケラバの修理は火災保険の適用外になるので要注意。
火災保険を利用できる条件
火災保険を利用するためには、以下の条件を満たしていることが必須です。
- 破損から3年以内に申請をする
- 自然災害が原因で破損していることが明白である
まず、保険の申請期限は3年であることを知っておきましょう。破損が発生してから3年以上を過ぎると、原則として申請をしても保険金が受け取れません。
電話一本でもよいので、早めに保険会社に連絡を入れて申請の意志を伝えておくことが大切です。
なお、3年以内であっても時間が経過すればするほど保険金を受け取れるハードルが高くなってしまうことに要注意。経年劣化によるものか自然災害によるものか判断しにくくなり、保険金が下りにくくなるからです。
また、風や雪、ひょう、台風などによる自然災害が原因で破損したことが明白でなければ、火災保険は適用できません。
加えて、保険のプランにもよりますが、被害額が20万円以下の場合は自然災害による破損であっても保険金が下りない場合もあります。
火災保険の申請方法
火災保険を利用するにあたっては、以下の手順で申請をおこないます。
- 工事する業者探し
- 火災保険の申請書作成
- 保険会社による現地調査
- 業者との契約後に工事の開始
まずおこなうべきは、補修工事を依頼する業者探しです。業者に依頼して被害状況を調査してもらい、見積書を作成してもらいましょう。
火災保険を利用した工事実績が豊富な業者ならばスムーズにいきやすいですし、申請書の作成などについてアドバイスをもらうこともできるのでおすすめ。
実績豊富な業者に調査してもらうことで、自分では気づかなかった箇所の被害がわかり、被害額が20万円を超えて火災保険が適用できるようになるケースもあります。
その後、保険会社に連絡をして提出書類について教えてもらい、申請書を作成したり被害状況のわかる写真や報告書などを準備して送付しましょう。
リフォーム業者によっては、サービスで申請書の作成を代行してくれるところも。また、保険の申請代行を専門とした業者もありますが、費用が割高であったり解約の際に多額の違約金をとられるといったトラブルも報告されています。
そのため、申請代行業者を利用する際には事前に契約条件や費用についてしっかりと確認しておく必要があるでしょう。多くの場合、申請書の作成・準備は数日ほどでおこなえるため、できるならば自分でおこなったほうがベターです。
書類の送付後、保険会社によって派遣された調査人によって現地調査がおこなわれます。被害状況の確認や保険金の請求額・見積書の妥当性などについてチェックされ、保険金額が決められることになります。
業者との契約は保険金額が確定してから
保険金額が確定したら、指定した口座に直接振り込まれます。請求した通り満額で保険金が下りれば御の字ですが、減額されたり保険金の申請そのものを却下されることもあります
そのため、保険金が振り込まれるまでは業者と契約をしないようにしましょう。あてにしていた保険金が下りなかった場合は工事費用を全額負担せねばならず、契約を解除するにしても違約金を支払わねばならなくなるので要注意。
ケラバについての正しい知識をもとう
今回はケラバの雨漏りの原因や対処法などについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
ケラバの経年劣化のサインを見落としたまま放置しておくと、屋根の内部に雨水が入り込んで雨漏りの原因になってしまうので要注意。
納まりのよい水切りなどで補修をおこなえば、効果的な雨漏り対策になります。
また、経年劣化ではなく自然災害が原因でケラバの雨漏りが生じた場合には火災保険を利用できる可能性があるので、契約内容を確認してみましょう。
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