2液型塗料とは?1液型との違いやメリット・デメリットを一挙公開

2液型塗料とは?1液型との違いやメリット・デメリットを一挙公開

塗料には1液型と2液型があります。1液型はそのまま使える塗料ですが、2液型は2つの材料を混ぜ合わせて使います。

今回の記事では、この2液型塗料の特徴や、メリット・デメリット、おすすめの商品などについてお伝えしていきます。2液型塗料に興味がある方は、ぜひご一読ください。

この記事でわかること
  • 2液型塗料とはどんな塗料?
  • 2液型塗料のメリットとデメリットとは
  • おすすめの大手メーカーの2液型塗料をご紹介
  • 2液型塗料で外壁塗装をするときの注意点
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塗料の基礎知識

塗料の基礎知識
塗料は色を塗るための材料ですが、素材も様々でかつ種類も複数あります。

ここでは、塗料の主な素材やその種類、またグレードなどについてもお伝えしていきます。

塗料の成分

塗料は、合成樹脂(主材)、顔料(着色料)、添加物(機能性の追加)の3つから作られています。これらの材料が異なると、色が違ったり性質が違ったりしてきます。

塗料に何も混ぜることなく単体で塗装できる塗料が1液型塗料で、2つの塗料を混ぜてから塗る塗料が2液型塗料です。

1液型は水性塗料が多く、2液型はシンナーなどで希釈する溶剤系塗料がほとんどです。塗料の耐久性を高めたいときは、2液型の塗料を使います。

塗料のグレード

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塗料には耐久性によってグレードが異なります。

主にアクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料があり、左から右の塗料ほど耐久性が高く価格も高価です。

この中で塗料の耐久性と価格のバランスが一番取れているのはシリコン塗料なので、多くの塗装工事ではシリコン塗料が使われています。

耐久性を重視したい場合はフッ素塗料、耐久性よりも初期コストを抑えたいときはアクリル塗料やウレタン塗料が使われることが多いです。

塗料種類 特徴
アクリル塗料 もっとも安価だが耐久性が極端に低いため外壁ではほとんど利用しない
ウレタン塗料 低価格で耐久性が低い。外壁で使う一般的な塗料の最低グレード
シリコン塗料 価格と耐用年数の費用対効果がもっともよい塗料。現在の主流
フッ素塗料 耐用年数が長いが価格は高い塗料

塗料の薄め方と分類

塗料はほとんどの場合、水かシンナーで薄めて使います。水で薄めるのが水性塗料で、シンナーで薄めるのが溶剤や弱溶剤塗料と呼ばれる塗料です。

水性塗料は耐候性が溶剤系塗料より低い傾向にありますが、異臭が少なく健康被害が起こりにくいというメリットもあります。

一方溶剤系の塗料は、耐候性が水性よりも高い傾向にありますが、刺激臭が強くて健康被害が起こりやすいというデメリットも。

水性塗料はDIYでも使いやすい塗料なので、屋内の家具を塗装するときによく使われます。溶剤系塗料はDIYで使うには難易度が高めですが、耐久性や耐候性は水性塗料よりも上です。

塗料の種類 特徴
水性塗料 耐候性が溶剤系より低い傾向にあるが異臭が少なく健康被害が起こりにくい
溶剤系塗料 耐候性が水性よりも高い傾向にあるが刺激が強く、健康被害が起こりやすい
まとめると…
  • 2つ以上の成分を混ぜ合わせて使うのが2液型塗料
  • 塗料は合成樹脂(主材)、顔料(着色料)、添加物(機能性の追加)の3つからできている
  • 塗料にはシリコンやフッ素などのグレードがあり、グレードによって耐久性が違う
  • ほとんどの塗料は水かシンナーで薄めて使う
  • 水で薄める水性塗料は耐久性が低いものの健康被害が少ない
  • シンナーで薄める溶剤系塗料は耐久性は高いが健康被害が起こりやすい
  • 水性塗料は使いやすいのでDIYに向いている

2液型塗料とは?

2液型塗料とは?
塗料には主に1液型と2液型の2種類があります。1つの塗料だけで塗装できるのが1液型塗料で、主剤と副材の2つの素材を混ぜ合わせて使うのが2液型塗料です。

2液型塗料は指定された通りの材料を混ぜて使わないと、塗料が定着しないなどの施工不良が起こります。また、2液型塗料は基本的に溶剤系の塗料でもあります。

1液型の塗料は価格が安いですが、耐久性はやや低い傾向があります。2液型塗料は価格は高めですが、耐久性も高いです。

外壁など環境が過酷で塗料が劣化しやすい場所には、2液型塗料が使われます。業者が使用する塗料も、ほとんどの場合2液型塗料です。

とは言え、近年は水性塗料でも2液型の溶剤系塗料に劣らない耐久性がある商品も販売されています。環境にやさしい、臭いが少ない塗料で塗装したいという施主の希望が強いときは、水性塗料で塗装されることもあります。

塗料の種類 特徴
1液型塗料 価格がやや安い。耐久性はやや低い傾向にある
2液型塗料 価格はやや高い。耐久性はやや高い傾向にある
まとめると…
  • 2液型塗料とは、主剤と副材を混ぜ合わせて使う塗料のこと
  • 多くの2液型塗料が希釈にシンナーで行う溶剤系の塗料
  • 1液型塗料に比べると価格が高い傾向がある
  • 1液型の水性塗料に比べると、耐久性と耐候性が高い
  • 近年は水性塗料でも耐久性や耐候性が高い商品もある

2液型塗料のメリット

2液型塗料のメリット
2液型塗料にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、2液型塗料の主なメリットをご紹介していきます。

耐久性・耐候性が高い

2液型塗料は、1液型塗料に比べて耐候性や耐久性が高い傾向があります。塗装を長持ちさせたいときは、1液型塗料よりも2液型塗料で塗装した方が良いでしょう。

特に直射日光や風雨にさらされる屋根や外壁の塗装は、2液型の塗料を使って塗装されることが多いです。水性塗料の中にも耐久性や耐候性が高いものもありますが、コスト面などを考慮すると2液型の塗料を使った方が合理的です。

塗装時に天候の影響を受けにくい

緑
2液型塗料は水に溶けにくいので、水性塗料よりも天候に左右されにくいというメリットがあります。そのため、軽い雨程度の天候で工事ができるので、工期が遅れにくくなります。

天候によって工事期間を延ばしたくない場合も、2液型塗料で塗装した方が良いでしょう。ただし大雨などの天候の場合は、2液型塗料であっても工事期間は延びます。

乾燥が速い

2つの材料を混ぜて作る2液塗料は、乾燥が早いというメリットもあります。塗装から数時間程度で乾燥が終わり、工事の期間を短縮する効果が期待できます。

一方で乾燥が速いというのは、作業を手早く済ませる必要もあるということです。DIYでゆっくりと塗装したいという場合には、不向きなこともあるのでDIYで塗料を選ぶときは注意した方が良いでしょう。

塗装の密着性が高い

1液型塗料に比べて、2液型塗料は下地への密着性が高く、塗れる下地の種類が多いのもメリットのひとつです。そのため、屋外の塗装には2液型塗料が多く使われています。

特に屋根や外壁は直射日光や風雨の影響を直に受けるので、耐久性や耐候性が高い塗料での塗装は必須です。そのため屋根や外壁は2液型の塗料で塗装されます。

保管性が高い

塗料
2液型塗料は材料を混ぜてから使いますが、混ぜる前の状態の塗料は密封状態であれば1液型塗料よりも長持ちします。保存期間が長いので、長期にわたって塗料を保管することができます。

ただし混ぜてしまった塗料は保管ができないので、使いきりです。使用する面積に合った容量を見積もって購入することで、塗料やコストの無駄を抑えることができます。

まとめると…
  • 2液型塗料は耐久性と耐候性が高いので屋外などの過酷な環境でも長持ちする
  • 水性塗料よりも屋外での作業時の天候に影響を受けにくい
  • 硬化剤を混ぜるので乾燥が早く作業が早く終わる
  • 下地との密着度が高いのではがれにくい
  • 2液を混ぜ合わせる前の段階では水性塗料よりも長期間保存ができる

2液型塗料のデメリット

2液型塗料のデメリット
2液型塗料にはメリットがある一方で、デメリットもあります。

ここでは、2液型塗料の主なデメリットについてお伝えしていきます。

使用するのに手間がかかる

1液型塗料と違って、2液型塗料は使うときに材料を混ぜ合わせなくてはいけません。混ぜる作業が増えるので、塗装の難易度や手間が上がります

塗装に慣れていない人がDIYで作業するには、あまり向いていないタイプの塗料です。DIYでマイペースに作業を楽しみたいときは、1液型の水性塗料を選んだ方が失敗が少ないでしょう。

混ぜたあとは保存ができない

2液型塗料は混ぜる前は長く保存できますが、材料を混ぜた後はすぐに乾燥するため保存ができません。また、乾燥も早いので作業も手早く行う必要があります。

使いかけの塗料を保存することができないので、使う量を予想して購入することも大切です。塗装する面積に必要な塗料を事前に計算しておくと、塗料が無駄になりません。

価格がやや高い

価格
1液型塗料に比べると、2液型塗料の方が価格が高い傾向にあります。耐久性もその分高いですが、コストを抑えたい場合にはデメリットになるでしょう。

1液型か2液型かを決めるときは、どの程度の耐久性や耐候性が必要かを考えて決めると失敗が少なくなります。屋内の家具などをDIYで塗装するといった場合は、1液型で十分ですが、屋根や外壁を塗装する場合はコストをかけてでも耐久性が高い2液型を選んだ方がベターです。

まとめると…
  • 2つ以上の材料を混ぜて使うので塗装するときの手間がかかる
  • 材料を混ぜた後は保存ができないので残った分を使えない
  • 1液型塗料に比べると価格が高い傾向がある

大手メーカーの2液型塗料を紹介

大手メーカーの2液型塗料を紹介
2液型塗料にはさまざまなメーカーの商品があります。

ここでは、おすすめの2液型塗料の商品をご紹介していきます。

クリーンマイルドシリコン/エスケー化研

クリーンマイルドシリコンは、エスケー化研の販売する2液型シリコン塗料です。シリコン塗料の中では代表格の塗料と言えます。

価格は1平方メートルあたり2,200円ほどで、適用下地もコンクリートから金属まで幅広く使い勝手の良い塗料です。

商品名 クリーンマイルドシリコン
メーカー エスケー化研
特徴 エスケー化研が販売する2液型シリコンとしては代表的商品
塗料グレード シリコン
価格 2,200円/平方メートル(複層塗材の上塗りに用いる場合)
適用下地 コンクリート、セメントモルタル、ALCパネル、スレート板、GRC板、押出成形セメント板、各種サイディングボード、各種旧塗膜(活膜)など。鉄部、亜鉛メッキ鋼、アルミニウム、ステンレスなどの金属
混合比率(主材:硬化剤) 9:1

ファインSi/日本ペイント

ファインSiは日本ペイントが販売するシリコン塗料です。こちらの商品も代表的なシリコン塗料の一つと言えるでしょう。

価格は1平方メートルあたり2,700円ほどで、適用下地もコンクリートから鉄部まで幅広いです。この塗料は、主剤と硬化剤の割合が7:1となっています。

商品名 ファインSi
メーカー 日本ペイント
特徴 日本ペイントが販売する2液型シリコンとしては代表的商品
塗料グレード シリコン
価格 2,720円/平方メートル(3工程・下塗りがパーフェクトプライマーの場合)
適用下地 コンクリート面(現場打ち)、セメント系建材、塗り替え改修用(アクリルリシン、吹付けタイル、その他旧塗膜)、モルタル仕上げ面、ALCパネル、鉄部、カラー鋼板(トタンなど)
混合比率(主材:硬化剤) 7:1

クリーンマイルドシリコン/エスケー化研

業者
クリーンマイルドシリコンはエスケー化研の2液型シリコン塗料です。シリコン塗料の中でも人気があります

価格は非公表ですが、適応下地が広くて使いやすい塗料と言えるでしょう。

商品名 クリーンマイルドシリコン
メーカー エスケー化研
特徴 2液型のシリコン塗料としては人気の塗料。
塗料グレード シリコン
価格
適用下地 コンクリート、セメントモルタル、ALCパネル、スレート板、GRC板、押出成形セメント板、各種サイディングボード、各種旧塗膜(活膜)など。鉄部、亜鉛メッキ鋼、アルミニウム、ステンレスなどの金属
混合比率(主材:硬化剤) 9:1

セラMシリコン2/関西ペイント

セラMシリコン2は関西ペイントの販売する2液型のシリコン塗料です。こちらもシリコン塗料の代表的な商品の一つとなっています。中塗り、上塗りで色が異なるという特徴もあります。

価格は1平方メートルあたり3,000円から3,450円とやや割高です。

商品名 セラMシリコン2
メーカー 関西ペイント
特徴 関西ペイントが販売する2液型のシリコン塗料としては代表的存在。中塗り・上塗りで色が異なる特徴もある
塗料グレード シリコン
価格 3,000~3,450円/平方メートル(3工程)
適用下地 コンクリート、モルタル、スレート、サイディングボード、ALC、木部、FRPなど
・上塗りの混合比率(主材:硬化剤)
混合比率(主材:硬化剤) 9:1

外壁塗装の塗料についての注意点

外壁塗装の塗料についての注意点
外壁塗装に2液型塗料を使うときは、どのような点に注意したら良いのでしょうか。

ここでは、2液型塗料で外壁塗装をするときの注意点についてお伝えしていきます。

硬化剤は劣化しやすい

2液型塗料で使う硬化剤は、劣化しやすいという特徴があります。紫外線が当たる場所や、高温になる場所で放置するとすぐに劣化してしまうので注意が必要です。

ただし、適切な保管を心がければ1液型の塗料よりも長持ちします。長期間保管する場合は、日が当たらない冷暗所に保管すると良いでしょう。

また2液型塗料は一度混ぜると保管ができません。使う分だけの塗料を購入すると、塗料を無駄にせずに済みます。

何型塗料を使用するか業者に確認する

相談
使用する塗料を選ぶときは、最初に1液型か2液型かを確認しておくのがおすすめです。1液型2液型それぞれにメリット、デメリットがあるので、なぜそのタイプを使うのかを確認します。

耐久性がそれほど必要なく、DIYでも使用できる塗料が欲しい場合は1液型の水性塗料が便利でしょう。耐久性や耐候性が高い塗料が良い場合は、2液型の塗料がおすすめです。

業者に依頼する場合は、どのような塗装にしたいかを伝えて、要望に近い塗料を選んでもらうと要望に近い塗料を提案してもらえます。目的に合った塗料を選ぶことが大切です。

まとめると…
  • 2液型塗料に使う硬化剤は劣化しやすいので紫外線の当たる場所で保管しない
  • 塗料を選ぶときに1液型か2液型かを事前に確認しておくと失敗が少ない
  • 耐久性よりも使いやすい塗料が良い場合は1液型がおすすめ
  • 耐久性や耐候性を求める場合は2液型がおすすめ
  • どのような塗料が良いかわからない場合は業者に相談すると良い塗料を選んでくれる

2液型の塗料は価格が高いが耐久性も高い

2液型の塗料は1液型塗料に比べると、価格はやや高めですが、耐久性も高い塗料です。対応する下地も幅広く、様々な用途や場所で使用することができます。

また2液型塗料は、2つの材料を混ぜ合わせてから塗装をするため、1液型塗料よりも塗装に手間がかかりDIYでの使用にはあまり向きません。外壁を塗装するなど、広い範囲を本格的に塗装するときはだいたい2液型塗料が使われます。

塗料を選ぶときは、目的に合った塗料かどうかを事前に確認しておくことが大切です。目的に合った塗料を選んで、満足度の高い塗装に仕上げましょう。

 
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