野地板とは住宅の屋根を構成する部分のひとつです。
野地板とは具体的にはどの部分を指すのでしょうか。また、その主な役割はなんでしょうか。
今回の記事では、野地板の詳細な場所や主な役割などについてお伝えしていきます。野地板について興味がある方は、ぜひご一読ください。
- 野地板とは?
- 野地板の主な役割
- 野地板の種類とその特徴
- 野地板の耐用年数とその上げ方
- 屋根材別野地板のメンテナンス時期
- メンテナンスの方法
- 野地板選びのポイント
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目次
野地板とは?
野地板とは屋根の部位のひとつで、屋根を支えるための下地の板のことです。
「野」は目に見えないという意味で、屋根材に隠れて外から見えないことから「野地板」と呼ばれます。
屋根は最初に木材で骨格を作ります。その骨格の上に、瓦やスレートなどの屋根材を乗せるための板を貼っていくのです。それが野地板と呼ばれるもので、形状や厚みなどは屋根材やその他の条件で変化します。
- 野地板とは垂木に乗せる下地となる板材
- 野地板の上に防水紙や瓦などの屋根材を固定する
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野地板の役割
野地板は、目につかないような部分ですが、必要な存在です。それでは、野地板の主な役割はどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、野地板の主な役割についてお伝えしていきます。
垂木・防水紙・屋根材を繋ぐ
垂木とは、屋根の骨格を形作る材木のひとつで、屋根の斜面に垂直に一定間隔で並んでいる材木のことです。野地板はこの一定間隔に並んでいる材木、垂木の上に固定されます。
垂木とは垂直方向に貼られていくことが多いですが、近年では四角い野地板の素材などもあるため、野地板の乗せ方はさまざまです。野地板はこの垂木に固定され、野地板は野地板の上に乗る防水紙や屋根材を固定します。
耐震性や耐風性にも影響する
野地板は屋根を支える重要な素材です。そのため、野地板が劣化すると屋根の耐震性や耐風性が劣化します。
野地板が雨水などで腐食してしまうと、屋根材などを支えられなくなり、雨漏りや屋根の変形が起こりやすくなります。強風や雨水に強い家屋を作るためには、劣化していない野地板の存在は欠かせません。
- 野地板とは垂木の上に貼られる板材で防水紙や屋根材を固定するための板
- 野地板が劣化すると雨漏りが起こるなど家全体に影響が及ぶ
野地板の種類と特徴
野地板にはさまざまなサイズがあり、サイズごとに特徴が異なります。
ここでは、野地板のサイズの種類やその特徴についてお伝えしていきます。
サイズの種類
野地板のサイズは厚みと縦寸法、横寸法で分けられ、厚みと縦寸法、横寸法のサイズの組み合わせは用途に合わせて変わります。
厚み
厚みは主に9mm、12mm、15mmです。用途に合わせて厚みは変わりますが、例えば太陽光パネルを乗せる場合は12mm以上の厚みの野地板が使用されます。
- 9mm
- 12mm
- 15mm
縦寸法
縦寸法は縦の部分、つまり野地板の幅です。主なサイズは105mm、135mm、165mm、180mmとなっています。
- 105mm
- 135mm
- 165mm
- 180mm
横寸法
横寸法は野地板の長さですが、概ね1820mm、1980mm、2000mmとなっています。
- 1820mm
- 1980mm
- 2000mm
ホームセンターで入手できる主なサイズ
野地板はホームセンターでも購入できます。ホームセンターで購入できるサイズは、厚み12mm×縦105mm×横1820mmと、厚み12mm×縦180mm×横1820mmが多いです。
- 厚み12mm×縦105mm×横1820mm
- 厚み12mm×縦180mm×横1820mm
- 主な厚みは9mm、12mm、15mm
- 主な縦寸法は105mm、135mm、165mm、180mm
- 主な横寸法は1820mm、1980mm、2000mm
- ホームセンターで入手できるサイズは厚み12mm×縦105mm×横1820mmと、厚み12mm×縦180mm×横1820mm
素材の種類
野地板の素材は木材で、かつては乾燥しやすい杉材が使われていました。
しかし近年は合板技術が発達し、野地板に合板を使用することが多くなっています。
杉板
杉板はかつて人気だった素材です。防水紙がまだなかったころは野地板にまで雨水が到達することがよくあったため、乾燥しやすい杉材が使用されていました。
近年は防水紙が使用されるようになったのと、後程ご紹介する合板が出てきたために、野地板に使用されることは少なくなっています。
- 素材:杉
- 価格:750~17,500円/平方メートル
合板
合板とは、薄い木材の板をプレスして張り合わせた板です。現在の主流となっている野地板素材で、雨漏りの危険が少なく施工もしやすいという特徴があります。
杉板に比べると軽量で扱いやすいため、近年多くの住宅で使用されています。価格が安定して安いというのも魅力のひとつです。
- 素材:合板(薄い木板の繊維方向を交互に直交させて何枚かをプレスして張り合わせた板)
- 価格:900~1,500円/平方メートル
耐火合板
耐火合板とは、火災に強い特徴を持つ合板のことです。火災の際には30分以上耐えられます。準防火地域、または防火地域や屋根不燃地域では、施工が義務付けられいます。
耐火合板の使用が義務付けられているかどうかは、自治体に問い合わせればわかります。また、地元の業者に依頼するときなどは、業者に尋ねても良いでしょう。
- 素材:耐火性のある合板
- 価格:2,600~9,500円/平方メートル
板の種類 | 主な特徴 | 素材 | 価格 |
杉板 | 乾燥しやすい
かつては多く使われていた素材 |
杉 | 750~17,500円/平方メートル |
合板 | 薄い木材の板をプレスして張り合わせた板 | さまざまな木材 | 900~1,500円/平方メートル |
防火合板 | 火災に強い特徴を持つ合板 | さまざまな木材 | 2,600~9,500円/平方メートル |
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野地板の耐用年数はどれくらい?
野地板の耐用年数はどれぐらいあるのでしょうか。
ここでは、野地板の耐用年数についてお伝えしていきます。
野地板の耐用年数
野地板の耐用年数は、一般的に約30年とされています。30年経過したら、交換やメンテナンスが必要です。
また耐用年数は素材や環境によっても変化します。
野地板は雨漏りで耐用年数が短くなる?
野地板は素材が木材なので、雨水が染み込むと劣化が進んで耐用年数も短くなってしまいます。
野地板の上には防水紙が貼られているため、雨水が直接当たることはありませんが、なんらかの理由で防水紙や屋根材が破損していると危険です。
野地板にまで雨水が到達してしまう前に、屋根のメンテナンスを定期的に行うことが大切です。
- 野地板の耐用年数は一般的に30年ぐらいと言われている
- 雨漏りを放置すると耐用年数が少なくなる
- 野地板や屋根材の破損を放置すると劣化しやすくなる
野地板の耐用年数を上げるには
野地板の耐用年数を上げることは可能なのでしょうか。
ここでは、野地板の耐用年数を長く保つための方法をご紹介していきます。
インシュレーションボードと組み合わせる
インシュレーションボードとは、木材繊維を接着剤などで貼り付けたボードのことで、防音性や吸湿性に優れたボードのことです。
野地板とこのインシュレーションボードとを組み合わせることで、野地板の耐用年数を引き上げる効果が期待できます。
またインシュレーションボードの効果で防音効果や吸湿効果のほか、耐久性や断熱性も高めることができます。
通気層の確保
野地板の間に隙間を開けて、通気層を確保することで、屋根内部の湿度を低く保つ効果が期待できます。
屋根内部の調湿性を高めて結露を防止するため、野地板の劣化を抑えることが可能です。その場合、防水紙も透湿性の高いタイプのものを使用するとより調湿性が高まります。
- 防音性吸湿性に優れるインシュレーションボードと組み合わせて施工する
- 湿気を逃す通気層を確保して施工する
野地板のメンテナンス時期【屋根材別】
野地板のメンテナンスのどのようなタイミングで行えば良いのでしょうか。
野地板のメンテナンスは、基本的に野地板だけメンテナンスすることはなく、その上の屋根材などと一緒にメンテナンスを行います。
ここでは、屋根材ごとに野地板および屋根全体のメンテナンスの時期をお伝えしていきます。
粘土瓦
粘度瓦とは、粘土を焼成して作る瓦のことで、日本に古くからある屋根材です。メンテナンスは基本的に必要なく、50年以上交換不要なのでメンテナンス後も再利用することができます。
ただし重量があるので、屋根内部の防水紙や野地板の劣化も早まる可能性があります。概ね30年程度が経過したら、野地板や防水紙などをメンテナンスしたり交換したりする必要が出てくるでしょう。
スレート
スレートとは、薄い板状の屋根材のことで、近年多くの住宅で使われている屋根材です。素材も様々で金属性のものから窯業系のものまであります。
どのスレートも概ね塗装が必要なので、10年に1度は塗り直しのメンテナンスが必要です。スレートを含めた屋根の交換作業は、スレートの耐用年数によっても変わりますが、20年から30年程度経過したら必要だと言われています。
金属屋根
金属屋根とは、金属素材でできた屋根材を使用した屋根です。近年ではガルバリウム鋼板のスレートが主流となっています。こちらの表面には塗装が必要なため、10年に1度は塗装の塗り直しメンテナンスが必要です。
トタンが素材の金属屋根は劣化が早く、5年に1度は塗り直しを検討する必要があります。金属屋根を交換する場合は、ガルバリウム鋼板の場合30年に1度、トタンの場合は10年に1度必要と言われています。
- 粘度瓦自体は50年以上メンテナンス不要だが野地板は30年程度で交換が必要
- スレートは10年に1度は塗り直しが必要
- スレートの耐用年数は20年から30年と言われている
- 金属屋根も10年に1度の塗り直しが必要
- 金属素材の場合はガルバリウム鋼板で約30年、トタンで15年ほどの耐用年数と言われている
野地板のメンテナンス方法
屋根の表面に出ていない野地板は、どのようにメンテナンスをすれば良いのでしょうか。
ここでは、野地板の主なメンテナンスの方法についてお伝えしていきます。
重ね張り
重ね張りとは、既存の屋根材の上から新しい屋根材を張り付ける工法のことです。既存の屋根の上にさらに屋根材を乗せていくため、新しい屋根材はガルバリウム鋼板などの軽量な屋根材である必要があります。
重ね張り工法では野地板までは修理しないため、野地板のメンテナンスはできません。野地板のメンテナンスも必要な場合は、重ね張り工法はできません。
張り替え
張り替えとは、既存の屋根を解体して新しい屋根に張り替える工法です。屋根の大部分を工事するため、野地板の補修も可能になります。
野地板や垂木など、屋根の根幹部分の補修を行う場合は、カバー工法ではなく張り替え工法で工事を行うことになります。
- カバー工法では野地板まで補修することはできない
- 野地板など屋根の内部まで補修するときは張り替え工事が必要
野地板で注意すべきポイントは?
野地板を選ぶときには、どのようなポイントに注意するべきなのでしょうか。
ここでは、野地板を選ぶときのポイントについてお伝えしていきます。
太陽光パネルの設置には12㎜以上が必要
太陽光パネルを屋根に設置したいときは、厚みが12mm以上の野地板を使用します。
太陽光パネルの重量を支えるため、固定する野地板も厚みがある丈夫なものにする必要があるためです。
野地板の不具合は早めに対処を
野地板が湿気などの影響で腐食したり、雪の重みなどで変形したりした場合は、早めに対処しておくことが大切です。
野地板は屋根を支える根幹の部分なので、その部分が損傷したままだと建物全体に影響が及びます。
また、野地板の不具合を放置すると、雨漏りの危険が大きくなるため危険です。雨漏りが野地板の内部に入り込むと、家の中にまで浸透し家全体の建材の劣化を早めてしまいます。
- 太陽光パネルを屋根に設置するなら12mm以上の厚みの野地板を使う
- 野地板の腐食や変形は雨漏りなどの不具合の原因になるので放置しない
野地板は屋根を支える重要な部分
野地板は垂木という屋根の骨組みに固定する板材です。野地板の上には防水紙や屋根材を固定します。
野地板の素材はかつては杉材が使われていましたが、現在は合板や防火合板が主流となっています。太陽光パネルを取り付けたり、屋根材の種類によっても、使用する野地板の種類は変わるので注意が必要です。
また、野地板が劣化すると家全体に影響が及んだり雨漏りが起こったりするので、早急に補修するようにしましょう。野地板の劣化を早めないためには、屋根のメンテナンスを定期的に行うことが大切です。
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