しかし、「サイディングの補修方法や費用はどのようなものなの?」「DIYでも補修ができるの?」と疑問に感じている方も多いことでしょう。
そんな方のためにこの記事では、サイディングの補修方法について徹底解説しています。また、種類別の補修費用や業者の選び方のポイントについてもご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
- サイディングの補修を怠るとどうなるの?
- サイディングの補修の目安となる劣化症状とは?
- DIYでもサイディングの補修はできる?
- サイディングの補修の費用と業者の選び方は?
目次
そもそも「サイディング」とは?
建築関係の仕事をしていない限り、「サイディング」という言葉を聞いてもピンとくる人は少ないはず。
サイディングの補修について詳しく見ていく前に、ここではまず、サイディングの基本情報からおさえておきましょう。
サイディングの基礎知識
サイディングとは外壁に使う板状の素材のことです。耐用年数は20~40年ほどであり、紫外線や潮風の強さと言った立地条件でも寿命は異なってきます。
材質によって耐用年数に差があるとは言え、ほとんどのサイディングは耐用年数内であっても定期的にメンテナンスを行い、劣化症状が出た時に修繕を行う必要があるのです。
日本住宅の9割がサイディング外壁
普通の人からすると「サイディング」という言葉はなじみがないものに感じられることでしょう。ですが、おそらくほとんどの人が、サイディング外壁を目にしたことがあるはず。
というのも、日本の住宅の9割ほどがサイディング外壁を使っているからです。つまり、サイディング外壁は私たちにとってとても身近な存在だと言えるでしょう。
サイディングの種類とは?
サイディングと一口に言っても、実はその種類はさまざま。大きく分けると、金属系、窯業系、木質系、樹脂系の4つの種類があります。
種類によってメリット・デメリットも価格も異なるのが、サイディングの特徴。たとえば金属系サイディングは安価で耐熱性が高い反面、サビやすくデザイン性には乏しいというデメリットがあります。
また、木質系は天然木を使用しているため質感の優れた木目調のデザインに仕上げられますが、防水性・防火性が低く、価格もメンテナンスの頻度も高いという特徴があるのです。
他方で、窯業系は低価格ながらデザイン性が高くバリエーションも豊富。また、樹脂系は基本的にメンテナンス要らずですが、日本国内のシェアが1%ほどしかなく、取り扱い可能な業者が少ないため、まさに一長一短だと言えるでしょう。
- サイディング=日本で最もメジャーな外壁材
- サイディングの種類は金属系・窯業系・木質系・樹木系の4つ
- 種類によって仕上がりの質感もメリット・デメリットや価格も異なる
サイディングについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
サイディング外壁とは?種類やメリット&デメリットまで徹底解説!
サイディングの補修の必要性
種類によって異なるとは言え、「耐用年数が20~40年もあるのならばサイディングを補修する必要はないのでは?」と感じる方も少なくないことでしょう。
ですが、結論から言うと、耐用年数内であってもサイディングの補修は必須なのです。それは一体なぜなのでしょうか?
ここからは、サイディングの補修を行う必要性について詳しく見ていきましょう。
劣化を放置すると内部に影響を及ぼす
耐用年数内であっても、紫外線や雨風の影響でサイディングは年々劣化していきます。劣化したサイディングを修繕せず、放置してしまうと外壁内部に悪影響を及ぼしてしまうでしょう。
たとえば、塗装の剥がれやひび割れといった劣化症状を放置していれば外壁内部に雨が浸み込み、カビが繁殖して浸食が進んでしまいます。
また、それが原因で雨漏りや外壁材の短命化を招いてしまいかねません。
こまめに修繕していれば40年ほど使用できていたサイディングであっても、修繕を怠れば十数年ほどで外壁の作り直しを余儀なくされてしまうのです…!
補修することで外壁の寿命が延びる
補修を怠れば外壁が短命になってしまうということは、裏を返せば、適切な時期に適切な方法で補修をすることで外壁の寿命を延ばせるということでもあります。
補修と言っても、大掛かりで高額な塗装工事を行う必要はありません。塗装や部分補修といった比較的低コストな補修を行うことで外壁を延命でき、結果的に将来のリフォーム費用やメンテナンス費用を節約できるのです。
- サイディングの補修は必須!
- サイディングの劣化症状を放置するとさまざまな弊害が生じる
- 定期的に補修を行って外壁を延命化することが必要
サイディングの補修が必要な劣化症状
定期的にサイディングを補修することで外壁の寿命を延ばせると言っても、素人からすると、どのタイミングで修繕が必要になるのか判断が難しく感じることでしょう。
では、サイディングの補修が必要となるケースは具体的にどのようなものなのでしょうか?ここからは、サイディングの補修を行うべき劣化症状を5つピックアップしてご紹介していきます。
チョーキング
サイディングの補修の目安となる劣化症状としてまず知っておきたいのが、チョーキング現象。チョーキングとは、外壁の塗装が劣化して粉状になる現象のことです。
手や指で外壁を触るとザラザラとした粉がつくので、すぐにチョーキングを起こしていることがわかります。
この状態を放置しておくと見栄えがよくありませんし、何より外壁そのものが脆くなってしまうので危険。外壁を触って粉がついたら塗り替えの目安だと判断しましょう。
ひび割れ
ひび割れとは、塗装がひび割れる現象のこと。外壁表面の塗装のみにひびが入っている場合もあれば、サイディング材まで割れていることもあります。
放置しておくと、ひび割れた部分から水が内部に浸み込み、カビが根を張って腐食を加速させることも…。そうなると外壁の耐久性に問題が生じてしまうので、補修を行いましょう。
ふくれ・剥がれ
サイディングの劣化症状をチェッカするためには、外壁表面の塗装を定期的にチェックしてみましょう。塗装がふくれたりはがれたりしているならば、修繕が必要なタイミングです。
塗装が剥がれた部分から雨漏りが生じるなど、他のトラブルを誘発してしまうことも少なくないので、できるだけ早く補修を行いたいところです。
シーリングの割れ
シーリングがひび割れている状態も、補修が必要な劣化症状のひとつです。
シーリングは数年ほどで劣化症状が表れやすいので、定期的に異常がないかどうかチェックし、ひび割れを確認したならば補修を行いましょう。
シーリングの剥がれ
シーリングが剥がれている状態を放置しておけば、外壁の寿命そのものが縮まってしまいかねません。剥がれといった劣化症状に対しては、シーリングの再充填が必要です。
補修方法としては、打替え工法や拡幅工法といったものがあります。
サイディング材の反りや変形
サイディング自体が反ったり割れたりしている状態も、早急に補修が必要な劣化症状のひとつ。
サイディングの表面が傷ついたり破損しているわけではなく、サイディング材そのものが著しく劣化している状態になるので、本体そのものの交換が必要です。
そのためDIYでは対処が難しく、専門業者に依頼をすることになるでしょう。
- サイディングの劣化症状が出たらすぐに補修をしよう
- チョーキングやふくれ・剥がれ→塗り直しの目安
- シーリングの割れや剥がれ→シーリング補修の目安
- サイディング材の反り→サイディング自体を交換
もちろんチェックは完全無料&匿名。
いくつかのチェック項目を入力するだけで、塗装にかかる適正価格が簡単にわかりますので、ぜひお気軽にチェックしてみてくださいね!
サイディングの補修方法①ひび割れ補修
サイディングを補修するタイミングや劣化症状がわかったところで、具体的にどのような方法で補修を行うのでしょうか?
ここではまず、ひび割れに対する補修方法の流れと費用について解説していきます。
補修の流れ
外壁材のひび割れの補修方法としては、外壁の塗装がひび割れた部分のみを修繕するために部分塗装を行うのが一般的です。
ただし、ひび割れの範囲が広かったり状態がひどい場合には、部分塗装ではなくシーリングでひび割れを埋めることもあります。
補修にかかる費用
ひび割れの補修にかかる費用は、3~20万円程度です。少しだけひび割れ
ている状態ならば、その部位だけを部分塗装すればよいので数万円ほどで済むでしょう。
ただし、ひび割れの状態が広範囲に及んでいると20万円近くかかる場合もあります。
- ひび割れの補修方法は部分塗装が一般的
- 費用はひび割れの状態や範囲によって異なり、2~30万円ほど
サイディングの補修方法②塗装
では、塗装でサイディングを補修する場合、どのような流れになるのでしょうか?また、費用も気になるところでしょう。
以下では、サイディングを塗装で補修する場合の流れと費用についてご紹介していきます。
補修の流れ
塗装で補修を行うにあたっては、ひび割れやチョーキング、ふくれ、剥がれなどの劣化症状のメンテナンスを行っていきます。
外壁全体を高圧洗浄してから下地の補修とケレンを行い、下塗りをして、最後に仕上げ塗り2回を行えば完了です。
補修にかかる費用
部分塗装と違って、外壁全体を塗装する場合には70〜100万円ほど費用がかかります。
高額に感じられるでしょうが、こうした方法で補修を行うことで、結果的には外壁の寿命を延ばすことができるので将来的な節約につながるでしょう。
- 高圧洗浄後に下地の補修や下塗り・仕上げ塗りを行う
- 費用は70~100万円が相場
サイディングの補修方法③シーリング補修
サイディングの補修方法のひとつとして挙げられるのがシーリングの補修です。ここからは、シーリングの補修の流れと費用相場について詳しく見ていきましょう。
補修の流れ
シーリング補修とは、シーリングのひび割れや剥がれといったれか症状に対して行うメンテナンスのことです。
既存のシーリングを剥がしてから、再度シーリングを充填することで比較的簡単に補修が完了します。
補修にかかる費用
シーリング補修にかかる費用は10~30万円ほどです。再充填はさほど大掛かりな作業ではないので、そこまで高額にはならないでしょう。
- シーリング補修では既存のシーリングを剥がして再充填する
- 費用は10~30万円前後が一般的
サイディングの補修方法④カバー工法
サイディングの補修方法としては、比較的簡単なシーリング補修に加えて、より本格的なカバー工法と呼ばれるものもあります。
では、カバー工法はどのような流れで行われ、またどれくらいの費用がかかるのでしょうか?
補修の流れ
カバー工法とは、外壁全体が劣化している場合に行う補修方法のことです。つまり、シーリングの再充填では状態を改善できない時に取る方法だと言えるでしょう。
具体的な工程としては、既存の外壁の上から下地処理をして、新しいサイディングを張り付けることになります。ただし、外壁の重量が重い場合は家本体に負担がかかり、耐震性が弱くなるため、カバー工法を行うことはできません。
ちなみに、家に負担がかからないようにしたい時には、サイディングの中でも最も軽量な金属系を張るのがおすすめです。
補修にかかる費用
下地処理に加えて新しいサイディングの張り付けを行うカバー工法の費用はやや高めであり、平均で160〜260万円程度です。
- カバー工法は外壁の劣化が進んだ場合に補修方法
- 外壁の重量が重いと耐震性に問題が出るため不可
- 費用は160~260万円ほど
サイディングの補修方法⑤サイディングの張替え
カバー工法でも外壁の劣化を補修できない場合には、サイディングそのものの張替えを行うことになります。
以下では、サイディングの張替え工事の流れと費用についてチェックしていきましょう。
補修の流れ
外壁の内部まで劣化が進んでいる場合に行う補修方法が、サイディングの張替えです。
カバー工法とは異なり、既存の外壁を解体した後、下地処理をして新しいサイディングを張り付けます。
補修にかかる費用
既存の外壁を解体するのにも費用がかかりますし、新しいサイディングの購入と貼り付け作業にも費用がかかります。そのため、総額で180〜280万円ほどかかるでしょう。
- カバー工法で補修できない状態ではサイディングを張替える
- 費用は180~280万円とやや高額
サイディングのメンテナンスをもっと詳しく知りたい方には、こちらの記事もおすすめです!
サイディングのメンテナンス時期はいつ?方法や費用も詳しく解説!
サイディングの補修はDIYでも可能?
ここまで見てきたように、劣化症状の種類や程度によってサイディングの補修方法も変わってきます。
「何十万円も何百万円も外壁の補修にお金をかけたくない」「どうにかしてサイディングの補修費用を節約できないだろうか?」と考える方も多いはず。
では、サイディングの補修はDIYでもできるのでしょうか?
簡単な補修であればDIYでもできる
結論から言うと、ひび割れ程度の簡単な補修ならばDIYでも可能です。塗装やシーリングに関しては「絶対に無理」というわけではありませんが、高度な技術が求められるので素人がDIYをしようとしても難しいでしょう。
なお、高度かつ専門的な技術と知識が必要となるカバー工法や張替えは、DIYは不可です。
DIYでの補修に必要な道具
では、簡単な外壁の補修をDIYで行う場合、どのような道具が必要なのでしょうか?
外壁の劣化症状の種類や程度によって必要な道具は若干変わってきますが、絶対に必要なアイテムは以下の通りです。
- シーリング
- 塗料
- ハケ
- ローラーとローラーバケット
- 汚れてもいい服や軍手
- 養生道具(マスカー、マスキング、養生テープ)
- ハシゴや脚立
パテ塗りと呼ばれる下地の処理などDIYで行うにあたっては、服も作業箇所周辺も汚れてしまうため、汚れてもよい服や軍手を着用したり、しっかりと養生をして周囲の汚れを防ぎましょう。
養生作業を怠ると、周辺に塗料が飛び散ってしまい、見た目的によくありません。なお、シーリングや塗料は専門店に行けば購入することができます。
DIYで補修する際の注意点①高所は避ける
塗装のアルバイト経験などがない場合、DIYで補修を行う際にはさまざまな点について注意する必要があります。
たとえば、足を滑らせて怪我をする可能性があるので、高所は自分で工事するのは避けましょう。
怪我だけで済まず、命を落とす重大事故に発展する可能性もあります。
DIYで補修する際の注意点②塗料の飛沫を防止する
事故以外でも近隣住宅への塗料の飛散に注意する必要があるでしょう。塗料を物に付着させると高額な賠償金を請求されてしまうことも…。
そうなるとDIYで修繕費を抑えるつもりが、かえってお金が出て行ってしまいます。養生作業を徹底して行うことで、近隣住宅や車・バイクなどに塗料が飛び散らないように注意しましょう。
住宅が密集した地域にお住いの場合、気をつけて作業をしていても近隣の迷惑になる場合もあります。念のため、作業前に挨拶に伺っておけば安心でしょう。
- 簡単な補修であればDIYも可能
- あらかじめ補修に必要な作業道具を揃えておく
- 高所での作業や近隣への塗料の飛沫には要注意
サイディング補修を依頼する業者の選び方
無理に自分でDIYをするよりも、プロに頼んだほうが簡単かつ費用を抑えられることもあります。しかし、中には悪徳業者に引っかかってしまいトラブルに巻き込まれるケースもあるでしょう。
サイディング補修を依頼するにあたって、業者選びではどのような点に気をつければよいのでしょうか?
複数の業者に見積もりを依頼する
まず大切なのは相見積もりをするということ。複数の業者に見積もりをしてもらうことで、価格や工事内容を比較してよりよい業者を選ぶことができます。
ただし、安すぎる見積もりを出す業者には注意。他者が見積もりに含めているような施工をあえて省き、見積もりを安く見せているだけで、後になってプラスアルファの費用を請求してくるケースもあるからです。
自社で工事をしている業者を選ぶ
自社で工事をしている業者ならば、工事費が安い傾向にあるのでおすすめです。
他方で、ハウスメーカーなどは下請けを使っているため、自社工事をしている業者に比べると価格が高い傾向にあります。
誠実な対応かどうかをチェックする
お手ごろな価格で外壁の補修を行ってくれる業者を選びたいものですが、「安ければよい」というわけでは必ずしもありません。気持ちよく補修を依頼できるように、誠実な対応をしてくれる業者を選びましょう。
良い業者かどうかを見抜くためのひとつの指標になるのが、営業マンの質です。親切な営業マンがいる業者は、信頼できることが多いと言えるでしょう。
わからないことがあった時、些細なことでも質問をすればきちんと誠実に教えてくれるかどうかをチェックしてみてください。また、こちらの連絡に対してきちんと返事をしてくれるかどうかも重要です。
返事が遅すぎる業者の場合、補修を依頼しても工期が遅れるといったトラブルが発生することも…。
- 相見積もりをして複数の業者を比較する
- 下請け業者を介すハウスメーカーより自社工事できる業者のほうがお得
- 営業マンが誠実な業者を選ぼう
サイディングの適切な補修方法と業者の選び方を確認しよう
今回はサイディングの補修をテーマに、補修が必要となる劣化症状の種類や補修方法別の流れや費用についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
サイディングは経年劣化の影響を受けるため、耐用年数内であっても定期的に補修を行うことで、外壁としての寿命を延ばすことが必要です。
そのためには、補修が必要となる劣化症状を見逃さないようにしましょう。また、簡単な補修であればDIYでも可能ですが、素人では難しい補修であればきちんとした業者に依頼したほうがかえって安くすみます。
サイディングの費用について気になる方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
外壁サイディングの価格を徹底比較!費用を抑えるポイントとは?
しかし、外壁塗装の「価格相場」というのはとても複雑。外壁の状態や使用する塗料によって金額が大きく変動するため、素人がその適正価格を見極めるのはとても難しいのです。
中にはその複雑さに付け込み、不当な価格を要求したり手抜き工事をする悪質な業者も…
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