外壁の塗装工事を行うと、まれに塗装後間もなく塗料が剥がれてしまうこともあるのだとか…。プロの業者に塗装してもらったのに、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
水性塗料を使用する際は、乾燥時間との関係が重要なポイントになります。完成したばかりの塗装が剥がれ落ちるのも、乾燥時間と大きな関係があるのです。
この記事では水性塗料の基本をはじめ、乾燥時間の重要性や塗料が剥がれた場合の対処法についてご紹介します。現在、水性塗料の利用を検討中の方は、必読です!
目次
「水性塗料」の基礎知識
そもそも、「水性塗料」とは何でしょうか?
水性塗料と乾燥時間の関係についてご紹介する前に、水性塗料の基礎知識についてまとめました。
水性塗料とは?
「水性塗料」とは、水で希釈して使用する塗料の総称で、臭いが少ない、価格が安いなどの特徴があります。
「希釈」とは、塗料を塗りやすくするために水を混ぜ、薄めること。希釈にはメーカーが定めた「希釈率」があり、塗料に対してどの程度の水を混ぜるかの割合が決まっています。この希釈率を守らないと塗料本来の耐久性が得られないので、とても重要なポイントなのです。
「希釈」の重要性について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
水性塗料と油性塗料の違い
希釈が必要なのは水性塗料だけではありません。油性塗料にも希釈剤が必要です。
水性塗料の場合は水で希釈しますが、油性塗料はシンナー(溶剤)で希釈します。
油性塗料との違いをさらに詳しく比較したい方には、こちらの記事もおすすめです。ぜひご一読ください。
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水性塗料の乾燥時間、目安はどれくらい?
塗装工事を終えたばかりでも、塗料が剥がれてしまうことは少なくありません。
水性塗料が剥がれる原因として考えられるのが、「塗料の乾燥時間を誤った」ということ。実は、塗装の専門家にとっても、塗料が乾燥したかを判断するのは難しいことなのだそうです。
では、外壁に塗った水性塗料を完全に乾燥させるには、どの程度の時間が必要なのでしょうか?
水性塗料が乾く時間
水性塗料が乾燥するには、一般的に23℃の環境下では3〜4時間かかるとされています。
塗料の商品やメーカーによって乾燥の目安は異なるため、必ず商品の取扱説明書で乾燥時間の確認が必要です。
水性塗料が乾燥するまでのメカニズム
水性塗料が乾燥する仕組みは以下の通り。
- 水性塗料を塗る
- 水分が乾燥してきて、表面が乾く
- 内部が乾燥する
塗ってから内部の乾燥までに3〜4時間程度かかります。
水性塗料が乾きやすい気候
水性塗料を使用するのに適した気候があります。具体的には
- 気温23℃以上
- 湿度65%以下
水性塗料と油性塗料の乾燥時間の比較
水性塗料の乾燥時間は3〜4時間が目安ですが、油性塗料の場合はどうでしょうか?
一般的な油性塗料の乾燥時間は6時間程度といわれています。ただし、強化剤を混ぜ合わせる塗料だと、3時間程度で乾燥するケースもあるようです。
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水性塗料VS油性塗料
塗料には、水性塗料と油性塗料があります。それぞれ特徴が異なるため、用途に合わせて使うのがおすすめです。
メリットとデメリットの比較
水性塗料の主なメリットとデメリットは、以下です。水性塗料は油性塗料に比べて使いやすい一方、耐久性の面では劣るという特徴があります。
水性塗料のメリット | 水性塗料のデメリット |
においが少ない | 耐久性・密着性がやや低い |
1液性のものが多く施工が簡単 | 工事の際天候の影響を受けやすい |
価格が安い | 艶が長持ちしにくい |
人体への有毒性が少ない | 塗装できる下地が限られる |
燃えにくいので安全 |
また、以下は油性塗料のメリットとデメリットです。水性塗料に比べると使う手間がありますが、耐久性は高くなります。
油性塗料のメリット | 油性塗料のデメリット |
耐久性・密着性が高い | においが強い |
艶がしっかりでる | 人体への有毒性が高い |
対応する下地が多い | 引火性があり注意が必要 |
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水性塗料が向いているパターン
水性塗料が向いているのは以下のようなケースです。
DIYで作業を行う
DIYで塗装作業を行うときは、耐久性よりも使いやすさが求められることが多いです。水性塗料の方が油性塗料よりも塗りやすく、また作業性も高いため、DIYに適していると言えます。
換気しづらい場所
換気は塗料を使うときには必要な作業です。とは言え、水性塗料は油性塗料に比べて有毒性が低いため、換気が難しい場所でも使用することができます。
価格を抑えたい場合
水性塗料は、油性塗料よりも一般的に価格が安いです。工事費用を抑えたい場合は、水性塗料の使用が適しています。
シックハウス症候群を避けたい場合
水性塗料の方が油性塗料よりも有毒性が低いため、シックハウス症候群を起こしにくいとされています。
油性塗料が向いているパターン
耐久性を高めたい
近年では水性塗料の耐久性もかなり向上していますが、多くの場合油性塗料の耐久性の方が優れています。より高い耐久性を求めるなら、油性塗料がおすすめです。
雨の日に施工したい
水性塗料は水溶性なので、雨の日の施工は向いていません。雨の日でも施工したい場合は、油性塗料を使用した方が良いでしょう。
金属に塗装したい
金属への塗装は水性塗料には不向きなことが多いです。金属に塗装する場合は、溶剤系塗料を選んだ方が仕上がりが良いでしょう。
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水性塗料を乾燥する際の注意点
水性塗料を使用する場合、時間をかけて完全に乾かさないと施工不良になることがあります。せっかく塗装工事をして外観を美しくしたのに、塗装が剥がれたのでは悲しいですよね。
そのようなことにならないよう、水性塗料を乾燥させる際にはこれから紹介するポイントに注意しましょう。
天気をチェックしておく
一般的な水性塗料は希釈剤として水を使用します。そのことからも分かるように、水性塗料は水と混ざりやすいという性質があるのです。
水性塗料を使用中に雨が降ると、雨の水分と混ざり合って塗料の濃度が保てず、塗装が失敗に終わる可能性が高くなります。つまり、そもそも雨が降りそうな日の屋外での塗装工事には向いていない塗料なのです。
水性塗料で外壁塗装する場合は、あらかじめ天気をチェックして雨が降りそうな日の使用を避けるようにしましょう。
完全に乾くまで触れない
水性塗料が完全に乾燥しているかを確認するのは、塗装の専門家にとっても難しいところ。「完全に乾燥した」と判断できるようになるには、相当な経験が必要なのです。プロですらそうなのですから、一般の私たちが目視だけで判断するのは至難の技。だからといって、触って確認するのは禁物です!
気温も湿度も理想的な日で、塗料を塗ってから3〜4時間以上経過したからといっても、すぐに触るのはやめましょう。表面は乾燥して固まってるように見えても、内側はまだ水分が残っている可能性もあります。実際、この時点で触って表面を凹ましたり、傷をつけてしまうケースも多いようです。
せっかくの作業を台無しにしないためにも、すぐには触らずにもうしばらく様子を見るようにしましょう。
気温は高すぎても低すぎてもいけない

前述した通り、水性塗料を使用する際の理想的な気温は23℃以上。だからといって、気温が高ければ良いとは一概にはいえません。気温が35℃以上になると気泡が生じやすくなり、施工不良になることもあるのです。
また正常に乾燥しないため、気温が5℃以下の日も避けた方が無難です。
暑すぎず寒すぎない、適度な気温の日を選んで塗装するようにしましょう。
窓は閉める
水性塗料は臭いが少ないとはいえ、塗料の臭いに慣れていない人にはちょっとクセのある悪臭に感じるかもしれません。
いくら人体に悪影響が少なくても、塗装中ずっと臭いに悩まされるのも困りますよね。塗装時はできるだけ窓を閉め、室内への臭いの侵入を防ぎましょう。
水性塗料を重ね塗りするタイミング
工事のプロセスによっては、下塗り材を塗った後に2度塗り・3度塗りをする場合があります。このように重ね塗りをする時は、次に塗料を塗るタイミングがとても重要です。
重ね塗りのタイミングは6時間〜7日以内が理想とされています。6時間より早いと下塗り材が完全に乾いていなくて施工不良の恐れがあり、7日より遅いと下塗塗料の表面に汚れが付着し、上から塗る塗料が剥がれやすくなるためです。
水性塗料の乾燥に失敗!対処法はある?
水性塗料を使用した外壁が、乾燥に失敗した場合は次のような症状が起こります。
- 表面に跡がついたり、形が変形する
- 塗りムラやシワが発生する
- 表面の色が白く濁ったようになる
- ピンホールが発生する
見栄えだけで済む場合から、劣化の原因となる深刻な症状までさまざま 。
乾燥の失敗によってこのような症状が生じたら、どのように対処したらいいのでしょうか?
跡がついてしまった場合
乾燥中に物が当たって表面が傷ついたり、乾燥しているかを確認するために触った跡がついてしまった場合は、部分的な塗り直しが必要になります。
外側は乾いていても、内側までしっかり乾燥していない時に重荷がかかると、内部から剥がれてしまいます。形が大きく変形してしまった場合は、該当箇所を削って表面を整えてから再塗装が必要です。
ムラやシワができた場合
乾燥不良により塗りムラやシワができた場合は、基本的に塗り直しが必要です。
シワの凸凹が激しい場合にはその部分を削って表面をならし、再塗装します。
白く濁ってしまった
水性塗料の塗装には、湿度65%以下が理想とされています。もし湿度が大幅に高い時に塗装すると、白く濁った仕上がりになることも。
しかし見栄えだけの問題なので、家の持ち主が気にならないようであれば、そのままにしておいても外壁自体に悪影響はありません。もし、美観を損なうようなら塗り直すだけでOK。削る必要もないので、簡単に補正ができます。
ピンホールが発生した
水性塗料は水で希釈する必要がありますが、希釈が十分でないと塗料の粘度が高すぎてピンホールの原因になることも。同様に、気温が高すぎる際にも発生します。
対処法は穴を埋めるように塗り直しが必要となります。ピンホールは再発しやすいため、塗り直したら仕上がりもしっかりチェックするようにしましょう。
ピンホールの原因や見つけた時の対処法については、以下の記事で徹底解説しています。ぜひ参考にしてください。
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水性塗料は雨で落ちたりしないの?
水性塗料を希釈するには水を使用しますが、このために「水性塗料は水に弱い」というイメージを抱くことはありませんか?
たとえば、水性塗料を塗った外壁に大雨が当たったら、塗料が流れ落ちてしまうことはないのでしょうか?
水性なのに、雨にさらされる外壁に塗っても平気な理由を説明します。
完全に乾燥していれば水で落ちることはない
最近では、遮熱性・耐候性などさまざまな性能が備わっている塗料が増えました。しかし、塗った直後からその性能が発揮されるわけではありません。塗料の性能は、塗料の中の溶剤や水分が乾燥することによって強固な塗膜となり、本来の性能を発揮するのです。
水性塗料も同様で、完全に乾燥して塗膜となれば防水性能が作用します。きちんと乾かしてさえいれば、どんな大雨でも剥がれたり流れることはないのです。
逆にいえば、しっかり乾燥していなければ、塗料本来の効力を十分に発揮させることはできません。
お住いを健全な状態で保つためにも、水性塗料を完全に乾かすことは非常に大切なのです。
塗装時に雨が降っていても利用できる塗料がある
基本的には、雨が降っている間の水性塗料の使用はおすすめではありません。雨の水分と混ざったり、湿気で乾燥不良を起こす可能性が高いからです。
しかし、関西ペイントの「アレスダイナミックTOP」は、特殊機能を備えているため雨の日でも塗装が可能。雨の多い地域や季節での外壁塗装の強い味方なのです!
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水性塗料の施工はDIYでも可能?
最近では、ちょっとした修理ぐらいならDIYで直してしまう人も多いようですね。
専門業者に依頼すれば、実際の作業だけでなく下見や見積もりで時間がかかり、さらにDIYより費用も高くなります。しかしその分、プロに任せた方が仕上がりも美しく、確実なのは確かでしょう。
水性塗料を使用した場合は、DIYで直すのと業者に任せるのではどちらがいいのでしょうか?
水性塗料はDIYに適している
結論からいうと、「水性塗料はDIYに適した塗料である」といえます。
水性塗料をDIYで使用する主なメリットは以下の通り。
- 価格が安い
- 塗りやすく、素人でも扱いやすい
- 臭いが少なく、人体へ悪影響を与える可能性も低い
簡単な塗装ならば、水性塗料はDIYにぴったりの塗料なのです。
しかし、DIYできないケースも少なからずあります。
- 足場を設置する場合
- 特殊な場所の塗装で専門資格が必要な場合
- 作業員が複数必要な場合
このような場合は、プロの塗装業者に依頼するようにしましょう。
また、基本的に大規模な塗装はすべて業者に依頼するのがおすすめ。DIYだと時間や手間がかかるだけでなく、作業にムラが出て1年も持たずに剥がれる恐れがあるためです。
塗装箇所や状況によって適切に判断をしてください。
なお、屋根や外壁のDIYでの修理について詳しくはコチラをご覧ください。




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場所別!おすすめ水性塗料
屋根におすすめの水性塗料
断熱性と遮熱性を兼ね備えた日進産業の水性特殊塗料です。JAXAの宇宙ロケット技術を応用しています。価格相場は下塗りなしで、1平方メートルあたり3,800円ほどです。
エスケー化研が販売する屋根用水性シリコン塗料です。安価で塗料実績も豊富なため、信頼性が高い人気商品となっています。価格は下塗り込みで1平方メートルあたり3,450円です。
日本ペイントが販売する屋根用水性ラジカル塗料です。価格は下塗りなしで1平方メートルあたり2,620円となっています。価格が安いながらも耐久性が高いといったコストパフォーマンスの高さが特徴です。
ラジカル塗料は販売されてから10年に満たない新しい塗料のため、耐用年数に対する信頼性が低いというデメリットもあります。
外壁におすすめの水性塗料
エスケー化研が販売する水性ラジカル塗料です。価格は下塗りなしで、1平方メートルあたり2,050円です。耐用年数は14年から16年。ラジカル塗料の中でも人気商品の1つとなっています。
日本ペイントが販売する水性ウレタン塗料です。価格は下塗りなしで1平方メートルあたり1,610円。耐用年数は非公開となっています。安価で外壁を塗装するのに適した塗料です。
エスケー化研が販売する2液型の水性フッ素塗料です。価格は下塗りなしで1平方メートルあたり2,600円、耐用年数は15年から20年となっています。高い耐久性によって外壁のメンテナンス頻度を減らすことができる、高性能な塗料です。
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どのような業者に依頼する?優良業者の探し方は?
沢山の業者の中から、希望に合った施工ができる地元の業者を見つけることは素人では難しいです。
なぜなら、住宅リフォームにおいて『何でも屋さん』はいないからです。
業者によって施工の得意不得意があり、対応できない施工もあります。
それを知らず近くの業者に依頼したらこんな面倒なことが起きたケースも…
しかしその業者は防水工事を扱っていなかったため、別の業者を探さなければいけなくなった。
条件にあった良い業者がなかなか見つからず、何社も相見積もりをする羽目になった。
お家の状況に合わせて、必要な施工が可能な地元の優良業者をご紹介いたします。
お客様が無用な相見積もりを行わなくてもいいようにご協力させてください!
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まとめ
水性塗料のポイントをおさらいしましょう!
水性塗料と油性塗料は何が違うの?
水性塗料は水で希釈するのに対し、油性塗料はシンナーなどの溶剤で希釈します。水性塗料と油性塗料の違いについて詳しくはコチラ。
水性塗料はどのくらい乾燥させるの?
気温23度の環境では3時間から4時間ほどが目安です。水性塗料の乾燥時間について詳しくはコチラ。
水性塗料のおすすめは?
プレミアムシリコン、水性ファインウレタンU100、水性セラタイトFがあります。おすすめの商品について詳しくはコチラ。
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地域別!外壁塗装の優良業者を探す
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