垂木とは、屋根を構成する一部の名称です。垂木は屋根の部分のどこのことを指すのか、また、どのような役割を果たしているのでしょうか。
今回の記事では、垂木の場所や主な役割などについてお伝えしていきます。垂木について知りたいという方は、ぜひこの記事をご一読くださいね。
- 垂木とは何?
- 垂木の取り付け場所や間隔について
- 垂木のサイズの違い
- 購入方法や目安の価格
- 垂木の劣化原因や修理方法
- 修理の費用
- 垂木の修理には火災保険が適用される?
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目次
そもそも「垂木」ってなに?
「垂木」とは、そもそも何を指すのでしょうか。
ここでは、垂木とは何かといったことを簡単にお伝えしていきます。
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垂木とは
垂木は「たるき」と読みます。小屋組の一部で、屋根の野地板のすぐ下に、屋根の一番高い箇所である棟木(むなぎ)から軒桁(のきけた)にかけて、斜めに取り付けられる部材のことです。
屋根の斜面に一定間隔で設置された木材のことで、屋根材を乗せる野地板という板を乗せる骨組みのような部位になります。屋根材や屋根の形状によっても、サイズなどが変わってきます。
垂木の役割
垂木は、一定間隔で屋根の斜めになっている部分に棒状の材木を張り付けることで、屋根全体の強度を高める役割を果たします。
また、屋根材という一番上に設置するための屋根の建材を乗せる下地となる、野地板を固定するための場所でもあり、屋根にとっては欠かせな基礎的な部位です。
- 垂木とは屋根の斜めの部分に縦に一定間隔で並んでいる材木
- 野地板や屋根材を乗せるために重要な役割を果たす
垂木の取り付け場所と間隔
垂木はどのように取り付けるのでしょうか。また、その場所や間隔は?
ここでは、垂木の取り付け方や間隔などについてお伝えしていきます。
垂木はどこに取り付ける?
垂木は屋根の骨組みを構成する、母屋(もや)という建材に垂直に寄り掛かるようにして垂直に取り付けられます。屋根の斜めの部分に垂直に貼り付けられる材木が垂木です。
垂木として使われる材木は松などが使われます。屋根材を取り付けるための重要な基礎部分なので、しっかりとした材木で構成します。
垂木を取り付ける間隔
垂木を取り付ける間隔は、一般的に455mmで設定されます。かつての尺度を使って300mmで設定される場合もありますが、455mm間隔で設置されることがほとんどです。
一定間隔に設置することで、屋根の野地板と垂木を固定しやすくなります。野地板と垂木を固定しないと、強風などであおられやすくなるのでしっかりと固定してもらうようにしてください。
- 屋根を構成する母屋という建材に垂直になるように等間隔に設置
- 一般的な感覚は455mm
- 家屋によっては300mm間隔で設置されることもある
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垂木のサイズの選び方
垂木は屋根の形状や屋根材によって、形状やサイズが変わります。
ここでは、状況ごとに異なる垂木のサイズについてお伝えしていきます。
垂木のサイズは屋根材と軒の長さで変わる?
垂木のサイズは、屋根材や軒の長さによって異なります。スレートや金属屋根、瓦屋根、テラスでは適したサイズが異なるので、適したサイズの垂木を設置することが大切です。
このように、一般的なサイズは厳格に決まっているわけではありません。軒の出には垂木による支えがないため、屋根の垂木を太くします。
スレートや金属屋根
屋根材がスレートや金属屋根の場合は、垂木のサイズは一般的に幅4.5センチ×高さ(厚み)6センチです。軒の出が長い場合は、幅4.5センチ×高さ(厚み)7.5センチとなります。
スレートや金属屋根は瓦屋根などに比べると軽量なので、垂木のサイズは小さめとなっています。軒の出が長いと軒を支える必要があるため、厚みは増えます。
瓦屋根
瓦屋根は瓦が重いので、垂木のサイズは太目に作られます。屋根材が瓦屋根の場合の垂木のサイズは、一般的に幅6センチ×高さ(厚み)7.5センチです。
また、軒の出が長い場合は幅6センチ×高さ(厚み)9~10.5センチと、厚みを増したサイズの垂木を使用します。
テラス
テラスの場合の垂木のサイズは、一般的に垂木のサイズは幅4.5センチ×高さ(厚み)4.5センチです。軒の出が長い場合は、幅4.5センチ×高さ(厚み)6センチの垂木が使用されます。
テラスは一般的な屋根ほど屋根材などの重量がないため、垂木のサイズも小さくなります。
一般的 | 軒の出が長い | |
スレート・金属屋根 | 幅4.5センチ×高さ(厚み)6センチ | 幅4.5センチ×高さ(厚み)7.5センチ |
瓦屋根 | 幅6センチ×高さ(厚み)7.5センチ | 幅6センチ×高さ(厚み)9~10.5センチ |
テラス | 幅4.5センチ×高さ(厚み)4.5センチ | 幅4.5センチ×高さ(厚み)6センチ |
垂木の購入方法と目安価格
垂木はどのように購入し、目安価格はどれぐらいなのでしょう。
ここでは、垂木の購入方法や目安の価格についてお伝えしていきます。
垂木を購入できる場所
垂木はホームセンターでも購入することができます。ただし4メートルを超える垂木の場合は、工務店でないと購入できないこともあるので気を付けましょう。
ただし購入する木材などの知識が少ないと、垂木に向かない種類の木材を購入してしまう可能性があります。垂木を自分で購入する場合は、工務店などのアドバイスをもとに購入した方が失敗が少なくなるでしょう。
垂木の目安価格は?
目安の価格はサイズによっても異なります。幅4.5ミリ×高さ(厚み)4.5ミリ×長さ4000ミリの垂木は、1本あたり600円から800円程度、幅4.5ミリ×高さ(厚み)6.0ミリ×長さ4000ミリの場合は、1本あたり1,000円から1,100円程度です。
サイズが大きい方が材料費が高くなる傾向があります。重量が大きい屋根材を使う場合は、垂木の単価も上がるので注意が必要です。
サイズ | 価格(1本あたり) |
幅4.5ミリ×高さ(厚み)4.5ミリ×長さ4000ミリ | 600円~800円 |
幅4.5ミリ×高さ(厚み)6.0ミリ×長さ4000ミリ | 1,000円~1,100円 |
- 垂木はホームセンターでも購入できる
- 4メートルを超える場合は工務店でないと入手できないことがある
- 価格はサイズによっても異なるが概ね1本あたり1,000円程度
垂木が劣化してしまう原因
垂木も環境が悪ければ劣化が早まってしまいます。垂木が劣化する主な原因には、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、垂木が劣化する主な原因についてお伝えしていきます。
雨漏り
雨漏りは垂木が劣化する主な原因です。雨が屋根の内部にまで侵入すると、垂木も腐食して屋根の劣化が急速に早まります。
垂木の劣化が起こると大規模な屋根の工事が必要になるので、垂木に劣化が進む前に屋根を補修するのが望ましいです。
雪の重み
雪が多く降る豪雪地帯などで屋根に降った雪を放置しておくと、雪の重みで屋根が歪んで垂木が損傷してしまう可能性があります。
垂木が折れ曲がってくると屋根材の下にある防水シートなどにも損傷が及ぶため、早急に補修が必要になります。
雪の重みはかなりのものになるので、大雪が降った場合は屋根からの雪下ろしが必要になります。雪下ろしが頻繁に必要になる豪雪地帯の場合は、雪下ろしが必要のない屋根の構造にするなど工夫しておくと危険な雪下ろしを頻繁に行う必要がなくなるのでおすすめです。
垂木の劣化を放置すると…
垂木が劣化した状態で放置してしまうと、どのようなことが起こるのでしょうか。
ここでは、垂木が劣化したまま放置したときに起こる主な現象についてお伝えしていきます。
雨漏りが起こる
屋根材のひび割れ部分などから、雨水が入り込むことで屋根の内部の建材にも腐食が進んできます。そのまま放置しておくと室内の雨漏りも引き起こす可能性があるので、放置しないことが大切です。
雨漏りが室内にまで及んでしまうと、腐食は家全体に及んでしまいます。そうならないためにも屋根の点検は定期的に行い、損傷がある場合は早急に補修していきましょう。
屋根材が吹き飛びやすくなる
垂木が劣化して形状が変化する、材質が腐食してもろくなるなどすると、垂木に固定されている野地板や屋根材まで耐久性が劣化してしまいます。
そうなると、台風などの強風であおられたときに破損が起こったり、屋根材が吹き飛ばされてしまうことがあるので注意が必要です。
- 雨漏りは垂木が劣化する最大の原因
- 屋根材の損傷を放置しておくことで垂木の劣化が進む
- 雪の重さで垂木が曲がってしまうこともある
垂木の修理方法と費用
垂木が劣化してしまったときの修理方法や、その費用の目安はどれぐらいなのでしょう。
ここでは、垂木の補修方法やその費用の目安についてお伝えしていきます。
新しい垂木で補強する
新しい垂木で補強する場合は、垂木の補修は以下の手順で行われます。
- 屋根材の撤去
- 防水紙の撤去
- 野地板の撤去
- 垂木の補強
- 防水紙の設置
- 屋根材の設置
費用については、垂木一本あたり約1,000円から2,000円程度、他に撤去費用などで20万円~100万円程度かかります。屋根材の再利用はほとんど場合できないので、屋根材や野地板、防水シートなどの費用も必要でしょう。
垂木は屋根の基礎的な部位なので、屋根をすべて交換するぐらいの費用がかかります。垂木が劣化してしまった場合は、屋根をすべて撤去しての工事になります。
大がかりな工事になるので、垂木にまで劣化が進む前にこまめにメンテナンスをしておくことが大切です。
垂木を交換する
垂木の損傷がひどくて垂木を交換する際は、上に乗っている屋根材などをすべて撤去する必要があります。手順としては以下の手順で行われます。
- 屋根材の撤去
- 防水紙の撤去
- 垂木の交換
- 野地板の設置
- 防水紙の設置
- 屋根材の設置
費用は新しい垂木を使用するため、費用は垂木1本あたり3,000円、他に撤去費用として20万~100万円程度、また屋根材の交換もほとんどの場合で必要になるため、屋根全体では200万から400万円程かかります。
- 垂木が劣化してしまうと屋根をまるごと交換する大規模な工事が必要になる
- 垂木を補強する場合は既存の垂木に補強する
- 垂木を交換する場合はすべて新しい垂木に交換する
- 垂木を補強する場合も交換する場合は屋根材をすべて交換するため工事費用は高額になる
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垂木の修理には火災保険が適用される?
台風や強風などの自然災害で垂木が損傷した場合は、火災保険の適用が可能な場合があります。火災保険の条件は保険商品によって違いますので、適用条件を確認しておくと費用を保険から賄えるかもしれません。
また自治体でも屋根の修理費用を補助している場合もあるので、自治体の補償制度などを調べてみてください。地元の実績豊富な工務店の場合、そういった情報を知っていて手続きの仕方もアシストしてくれることがあるので、信頼できる業者に損害補償などについて聞いてみても良いでしょう。
- 台風などの自然災害により垂木が損傷した場合は火災保険から修理費用を賄える可能性がある
- 保険の適用条件によっても変わるので条件を確認する
- 自治体によっては屋根の修理費用を補助してくれることもある
- 地元の工務店に依頼すると手続きなどがスムーズになることもある
垂木は屋根を構成する基礎的な部分
垂木は普段外側から見ることはほとんどない部位ですが、屋根を構成するときに欠かせない部分です。垂木のサイズは上に乗せる屋根材や、軒の長さなどによっても変わります。
垂木は屋根材の下にあるので、めったに腐食することはありませんが、屋根材や防水シートの損傷を放置しておくと雨水が内部に侵入して腐食や劣化が進んでしまうことがあります。
垂木が腐食してしまうと、屋根を全部交換するぐらいの工事が必要です。垂木にまで腐食が進んでしまわないように、普段から屋根のメンテナンスを定期的に行っておきましょう。
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