立平葺きとは?メリット・デメリットから工事の注意点まで一挙公開!

立平葺きとは?メリット・デメリットから工事の注意点まで一挙公開!

立平葺きは金属屋根の一種であり、コストパフォーマンスや耐震性の高さなどから、近年人気を集めています。

ですが、住宅関係の仕事でもしたことがないかぎり、立平葺きという言葉を聞いてもピンと来る人はそういないはず。

「立平葺きは他の屋根とどのように違うの?」「立平葺きを選ぶ前に知っておくべきメリットやデメリットは何?」と疑問に感じている方も多いことでしょう。

そこでこの記事では、立平葺きの基礎知識やメリット・デメリットに加えて、施工方法や気になる費用に至るまで徹底解説しています。屋根工事をお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかること
  • 「立平葺き」はどのようなものなの?
  • 立平葺きのメリットとデメリットとは?
  • 立平葺きの工事方法とは?
  • 立平葺きの施工時の注意点は?
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そもそも「立平葺き」ってなに?

そもそも「立平葺き」ってなに?
「立平葺き」と言われても、何のことかイメージがつかないという方も少なくないはず。

屋根と一口に言っても、その工法によって外観や機能性はもちろんのこと、費用やメンテナンスの頻度も大きく変わってきます。

他の工法と比べて、立平葺きにはどのような特徴があるのでしょうか?ここではまず、屋根工事を依頼する前に知っておきたい立平葺きの基礎知識について確認しておきましょう

立平葺きとは

立平葺きとは金属屋根の葺き方のひとつであり、1枚の板を縦に葺いてできた屋根のこと。縦平葺きや縦葺きと呼ばれることもあります。

屋根材と一口に言っても、瓦やスレートなどさまざまな種類がありますが、その中でも金属屋根は軽量なのが特徴的です。

立平葺きに使用されるガルバリウム鋼板は金属製の屋根材の中でも特に軽く、屋根はもちろん住居に重量負担をかけにくいのが魅力的。

こうした特徴ゆえに、立平葺きの屋根は万が一地震が発生したときでも揺れの影響を受けにくく、倒壊のリスクを下げることが可能なのです。

また、一枚一枚貼り付け作業が必要な瓦と違い、立平葺きではガルバリウム板金を垂直にして葺いていくため、スムーズに排水できるというメリットも。

立平葺きと瓦棒葺きの違いって?

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立平葺きと似て非なるものとして、「瓦棒葺き」というものがあります。では、両者はどのような点において違うのでしょうか?

立平葺きと瓦棒葺きは外観が似ているものの、瓦棒葺きは棒の部分である垂木が存在するのに対して、立平葺きは棒がないため瓦棒葺きよりもシンプルな屋根になります

なお、セキノ興産から販売されている「立平ロック」を使用すれば、シンプルでスタイリッシュな立平葺きになると評判です。

まとめると…
  • 立平葺き=1枚の板金を縦に葺いて屋根を作る工法のこと
  • 立平葺きには垂木がないが瓦棒葺きには垂木ある
  • 立平葺きと瓦棒葺きの外観は似ているが前者の方がシンプル

立平葺きのメリット

立平葺きのメリット
以上では、立平葺きの基本情報について簡単にご紹介してきました。では、他の工法と比べて立平葺きには具体的にどのような利点があるのでしょうか?

ここからは、立平葺きならではのメリットを6つ取り上げて解説していきます

コストが抑えられる

基本的に金属屋根は他の屋根材と比べると費用が安く、立平葺きもその例にもれません。

瓦や天然スレートなどと比べると、ガルバリウム鋼板を用いる立平葺きは材料費が安価であり、施工難易度も高くないためコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。

「できるだけコストを抑えて屋根のリフォームをしたい」という方に、立平葺きはピッタリです。

工事期間が短い

瓦のようにその場で職人が一枚一枚調整や貼り付けをおこなわねばならない工法と違い、立平葺きではあらかじめ用意してきた板金を張るだけでよく、簡単な施工ですみます。

現場で必要な加工が少なく、作業が進みやすいので工期が短くなり、結果的に施工費用の節約にもつながるでしょう。

軽量で耐震性が高い

家 耐久性
瓦屋根などと比べると、立平葺きをはじめとする金属屋根は軽量で住宅への重量負担が少なく、耐震性が高くなるのが長所のひとつ。

屋根の重量が増えれば増えるほど地震発生時に揺れがひどくなり、倒壊のリスクが高まりますが、屋根が軽量であればこうしたリスクを軽減できるため安心できます。

緩い勾配でも雨漏りに強い

立平葺きは板金を垂直にして葺く金属屋根のため、緩勾配でも利用可能。隙間がなく排水性が非常に高いため、他の屋根材よりも雨漏りが起こりにくいという長所ももっています。

カバー工法で使える

立平葺きは金属でできている屋根材の中でも特に軽量なガルバリウム鋼板を利用しているため、重量の負担が少なく、今あるの屋根の上から新しい屋根材を張り替える『カバー工法』が可能です。

葺き替えの場合は既存の外壁を解体・除去した上で新しい屋根材を張り付けなければならないため、カバー工法にすると葺き替えよりも工期が短く費用が安くなるというメリットがあります。

メンテナンス性が高い

お手入れ
出っ張りの部分に垂木と呼ばれる木材を使わないため、雨水による腐食を起こしにくく、メンテナンスの費用や頻度が少なくてすむのも立平葺きならではの魅力のひとつ。

施工時の費用も安価であり、メンテナンス費用も安く抑えられるため、長期的に見てもお得だと言えるでしょう。

まとめると…
  • 魅力1:コストパフォーマンスがよい
  • 魅力2:工期が短く施工費用も抑えられる
  • 魅力3:軽量ゆえに耐震性が高く倒壊のリスクも低い
  • 魅力4:排水性が高く雨漏りのリスクが低い
  • 魅力5:軽量なのでカバー工法も可能
  • 魅力6:メンテナンスの費用・頻度を抑えられる

立平葺きのデメリットとは?

立平葺きのデメリットとは?
ここまで見てきたように立平葺きには多くのメリットがありますが、デメリットがないわけではありません。

屋根工事にあたっては、メリット・デメリットの両方をよく検討した上で、ご自身にとって一番好ましい工法を選ぶことが大切です。

そこで以下では、立平葺きのデメリットについて詳しく見ていきましょう

雨音が響いてしまう

まず知っておきたいのが、立平葺きでは雨音が響くためうるさく感じやすいということ。

雨音を吸収しやすい瓦屋根と違い、立平葺きのような金属屋根は雨音が住居内に響きやすいのです。遮音性が高い塗料を使えば、多少は雨音を緩和することは可能。

ですが、根本的な解決にはならないため、どうしても雨音を抑えたいのならば金属屋根の立平葺きではなく、瓦屋根を選択したほうがよいでしょう。

断熱性能が低い

断熱性
屋根材として使用するガルバリウム鋼板は軽量で薄い金属製であるため、断熱性が低いのがデメリットのひとつ。夏は暑く、冬は寒くなりやすいのです。

そのため、立平葺きにしたせいでエアコン代が以前よりも高くなってしまったというケースも…。こうしたデメリットは、屋根裏の断熱材を増やしたり、遮熱塗料を使用することで熱の発生を抑制することが可能です。

屋根の形状によっては施工が難しい

立平葺きでは1枚の板を加工して現場に持ってくるため、複雑な形状の屋根だと現場加工が必要となって費用が高くなってしまうことにも要注意。

屋根にこだわりがあってイメージ通りの形状に仕上げたいという場合には、工事前に立平葺きが現実的な工法かどうかを業者に確認されることをおすすめします。

複雑な構造の住宅ならば、高額な追加工事費を払うか、別の屋根材を利用するのが無難でしょう。

工事の際にスペースが必須

加工済みの大きな金属屋根材を使うため、作業スペースを他の屋根材よりも広く取らなくてはいけないというのも立平葺きならではの欠点だと言えるでしょう。

たとえば多くの住宅が密集している地域にお住まいの場合、作業スペースが確保できずに施工が困難になってしまうことも…。

作業スペースの確保が難しい場合は、敷地外も利用できないか検討する必要があります。

まとめると…
  • 欠点1:遮音性が低く雨音が響きやすい
  • 欠点2:遮熱性が低く夏も冬も快適に過ごしにくい
  • 欠点3:複雑な加工が難しい場合がある
  • 欠点4:大きな板金を使用するため作業スペースの確保が必須

立平葺きの工事の流れ

立平葺きの工事の流れ
メリットとデメリットの両方をよく理解した上で立平葺きを選んだならば、次に知っておくべきはその工事の流れについてです。

カバー工法と葺き替え工法とでは施工内容に若干の差があるので、ここからは立平葺きの工事の流れをケース別について詳しく見ていきましょう

カバー工法

カバー工法による立平葺きの工事手順は、以下のとおりです。

  • 足場の設置
  • 既存の屋根材の補修
  • 防水シートを張る
  • 木材で骨組みを作る
  • 新しい屋根材の取り付け
  • 足場の解体

カバー工法は、既存の屋根材の損傷が軽度である場合に採用が可能です。コーキングによるひび割れの補修などをおこなった後に、新しい屋根材を重ねます。

他方で、既存の屋根材の損傷が激しい場合はカバー工法ではなく、葺き替えを採用するケースが多いでしょう。

葺き替え

屋根 工事
葺き替えでの立平葺きは、以下の手順でおこなわれます。

  • 足場の設置
  • 既存の屋根材を剥がす
  • 下地処理
  • 新しい屋根材の貼り付け
  • 足場の解体

カバー工法との最大の違いは、葺き替えでは既存の屋根を解体・撤去するということ。そのためカバー工法よりも工期が長くなり、費用も高くなります。

ですが、既存の屋根材を剥がして新しい屋根材を張り付けるため、カバー工法よりも重量負担が軽減され、耐震性が高くなるというメリットもあるのです。

立平葺きの工事に関する注意点

立平葺きの工事に関する注意点
満足のいく屋根工事を実現するためには、いくつか気を付けるべき点があります。ここからは、立平葺きの工事の注意点について見ていきましょう

立平葺きが施工できる業者は少ない

屋根専門の業者であっても、立平葺きが施工できるとはかぎりません。立平葺きはもともとは大型の屋根に使うことが多かった工法であったため、対応できない業者も少なくないのです。

経験豊富な板金工事会社に依頼する

経験を積む
工事の難易度がやや高いため、経験が少ない業者だと失敗して隙間ができ、雨漏りを引き起こす恐れがあることに要注意。

クオリティの高い立平葺きの屋根を実現するためには、実績豊富で高い技術力をもった板金工事会社に依頼することが大切です。

まとめると…
  • 立平葺きができる業者が見つかりにくいことも…
  • 施工ミスを防ぐために経験豊富な業者を見つけることが大切

立平葺きのメリット・デメリットの両方を知っておこう

今回は立平葺きの基本情報からその施工方法などについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

軽量で耐震性が高く、施工費用も安価な立平葺きは金属屋根の中でも人気の高い工法です。他方で、薄くて軽いゆえに遮音性や遮熱性が低いといったデメリットも…。

屋根工事にはお金も時間もかかるものですので、後から悔いることがないように、立平葺きを選ぶ前にそのメリットとデメリットの両方をしっかりとおさえておきましょう。

 
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