防水工法にはさまざまな種類がありますが、そのうち、国内で32.8%のトップシェアを占めるのがウレタン防水です。(※2017年版、一般社団法人日本防水材料協会参照)
正確にはウレタン塗膜防水と言います。
ウレタン塗膜防水は防水工法の中で比較的単価も安く、塗料を塗ると材料が固まる事で防水材となるので、複雑な建物にも使いやすく、比較的簡単に施工できる防水工法です。
そのため取り扱う業者も多く人気ですが、技術力のない施工業者でも簡単に取り扱えるため、業者選びには注意が必要です。
この記事ではウレタン防水の工法別の目安単価とあわせ、正しい業者選びの方法も紹介しています。ぜひ読んでみてください!
- ウレタン防水とは?
- ウレタン防水の目安単価
- ウレタン防水を行える業者の正しい選び方について
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目次
そもそも「ウレタン防水」とは?
ウレタン防水(ウレタン塗膜防水工法)とは、ウレタン樹脂を使った防水塗装のこと。
液状のウレタン樹脂を塗ると、塗料がゴム状に固まり塗料面が密封され、防水性の高い塗装ができあがります。
暑さや寒さに強い塗料もあり、例えばベランダや屋上、屋根などでよく利用されます。
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ウレタン防水の目安単価【工法別】
ウレタン防水のメリットは、塗料なので防水加工をする形状を問わず簡単に施工ができるうえ、単価が安い点にあります。
逆にデメリットは、他の施工方法に比べて耐久性が低いことがあげられます。
つまり、単価は安いけれど、数年に1度は塗り直しが必要になるということ。
この点をふまえ、ただ安いというだけでは選ばないよう、目安の単価を参考にしてみて下さい。
工法名 | 目安単価 |
密着工法 | 3,500〜5,000円 |
メッシュ工法 | 4,500〜7,500円 |
通気緩衝工法 | 6,000〜8,500円 |
※1平方メートルあたりの価格
ここからは、それぞれの工法について詳しく解説します。
密着工法
- 1平方メートルあたり3,500〜5,000円
防水工事を行う場所にそのままウレタン塗膜防水材を塗る方法です。
簡単な施工のため劣化が早く、数年に1度の頻度で塗り直しが必要となります。
なお、雨漏りをしていたり、築年数が長く水分を含み老朽化している建物に、密着工法を行うことはありません。
メッシュ工法
- 1平方メートルあたり4,500〜7,500円
- 密着工法より1.3~1.5倍程度費用は高い
- 地震などの揺れで亀裂が入るのを防ぐ
密着工法に比べると、地震などで建物が揺れた場合の亀裂に強いメリットがあります。
逆に、下地の影響を受けやすく、正しく下地が処理されていないと、防水層のひび割れや、水分が発生することによる膨れなどが出来るため、注意が必要です。
通気緩衝工法
- 1平方メートルあたり6,000〜8,500円
裏側に溝のある通気緩衡シートをひき、脱気筒(建物から発生した水分の抜け道)をつけ、その上からウレタン防水材を塗る工法です。
劣化の原因となる水分をうまく脱気装置で外に逃がすことで、膨れの発生をおさえます。
単価は密着工法やメッシュ工法と比べてやや高いのですが、築年数がたった劣化の激しい建物や、すでに雨漏りなどで水分を含んだ外壁などの防水に、最も適した工法です。
なお、通気緩衝工法は、防水専門業者しか施工できないのも特徴です。
防水工事にかかる費用一覧
防水工事の費用は工法にかかる費用だけではありません。
防水処理を行うために、下地の清掃、補修、防水塗料を塗るための下地処理、そして塗料の塗布など、工程ごとに費用がかかります。
作業工程 | 費用相場 |
高圧洗浄 | 200円 |
下地補修 | 2,000円(1箇所あたり) |
下地処理 | 100円 |
ウレタン防水 | 3,500〜8,500円 |
足場設置(屋上階段出入り口なしの場合) | 約800円~ |
※下地補修以外は1平方メートルあたりの価格
- 防水工法や工程ごとに、単価や価格の違いがある
- ウレタン防水の単価は一つの目安。住宅に対して、最適な工法を選ぶ必要がある
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ウレタン防水の施工を依頼する業者の選び方
ウレタン防水の施工を行うことができる業者は様々あります。
例えば
- 外壁塗装専門店
- 防水工事専門店
- リフォーム会社
などです。
しかし、様々あるからこそ、業者選びを間違えると、場合によっては、防水施工が得意でない業者や、悪質な業者に依頼してしまい、結果、思ったような仕上がりにならなかったなど、後悔するかもしれません。
そこで、ウレタン防水の施工を依頼する業者の選び方において、2つの大きなポイントを紹介します。
防水施工技能士の資格を持った職人がいる
防水施工に関する国家資格を保有している職人がいる業者は信頼度が増します。
この資格を「防水施工技能士」と言います。
等級は1級と2級があり、1級は上級技能者、2級は中級技能者なので、1級の資格者が多くいる業者は防水施工において、品質がある程度保証されるため、業者選びの1つの基準になると言えます。
さらに、資格者を保有していない業者と違い、下請けを通さず、自社施工ができるため、仕事が迅速で、中間マージンも抑えられます。
まず、防水施工技能士がいる業者なのか、次に自社施工なのかを確認しましょう。
施工実績が豊富か確認する
防水施工技能士を保有する業者であると同時に、防水の施工実績が多数あるか確認しましょう。
資格があっても、実績がなければ、優良業者とはいえません。
例えば、自社のホームページに施工中の写真や動画などをたくさん掲載していたり、問い合わせをすれば、施工実績を画像付きで公開できる業者が優良業者であるといえます。
画像や動画は顕著にその工程を示す証拠となります。
言葉だけではなく、実際の工程を問題なく公開できる業者であれば、優良業者である可能性が高いでしょう。
防水工事といっても、たくさんの業者がおり、残念ながら良い業者ばかりではありません。
多くの業者から優良業者を見つけ出せるよう上記のような特徴をつかんでおきましょう。
- 防水工事を行える業者はたくさんある
- 優良業者を見極めるには防水施工技能士がいると同時に、多数の防水施工実績があることを確認しよう
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ウレタン防水の見積もりで確認すべきポイント
ウレタン防水の見積もりをもらう時は、必ず行ってほしいことが3つあります。
これはウレタン防水施工ができるたくさんの業者の中から悪徳業者を見極め、正しく優良業者を選ぶための大切なポイントとなります。
以下の点に注意して、見積もりをとりましょう。
相見積もりをする
必ず、3社程度で見積り(相見積もり)をとり、費用や工事内容をチェックするようにしましょう。
防水施工は業者によって、金額が異なります。
これは施工期間、サービス内容や塗料の種類、自社施工なのか下請けに依頼するのかなど、業者によって状況が異なるためです。
そこで、外壁塗装専門店や防水工事専門店、リフォーム会社など、防水工事を行える業者を3社程度選び、それぞれ見積りを取り比較しましょう。
相場に近い単価であるか
とった見積もり内容は、今回紹介した相場や他社の値段と見比べてみましょう。
もし、比較してみて価格に大きな差がある場合には注意が必要です。
- 材料費
- 人件費
- 工程にかかる費用
- 塗布面積面積にかかる費用
上記のどれかで、値引き、もしくは上乗せされた費用があるはずです。
安すぎても、高すぎても、必ず何か理由があるはずですので、しっかりと業者に確認をするようにしましょう。
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工程や工法の記載があるか
詳しい工程や工法の記載がない業者は特に危険です。
防水施工や外壁塗装に関する見積書は、一見すると専門用語が多く、理解できない点が多くあるでしょう。
そんな時はまず、不明点をきちんと業者に説明してもらうようにします。
こちらの解釈で、勝手に、わかりやすくするために工程や工法の記載が省かれているんだ、などと、思い込んでしまっては危険です。
細かな項目や工法の記載がない=実際に施工をしない可能性もあるのです。
必ず、どのように防水施工を行うのか、確認をするようにしましょう。
- 相見積もりをとって業者が提示した価格を必ず比較する
- 相場から大きく差がある価格ではないかを確認する
- 工程や工法の記載があるかどうか確認する
ウレタン防水の工事費用を抑えるには?
ウレタン防水の単価や業者の選び方はわかっても、防水工事は基本的に高めの料金がかかります。
しかし、できるだけ優良業者を選んで、安く抑えることも可能です。
ウレタン防水の工事費用を抑えるには、以下の2つの方法が効果的です。
外壁や屋根塗装と一緒に工事を行う
まとめて工事することで足場代や道具の費用を節約できます。
屋根に防水施工をしたい、外壁がボロボロになってきたので外壁塗装をしたいなど、住宅の劣化は同時期に起こるわけではありません。
そのため、劣化する都度、別々に工事依頼をしてしまいがちですが、逆に余計な費用がかかってしまうことも考えられます。
適切な時期を見計らって、住宅を一度で綺麗にしていくことを検討しましょう。
ゼネコンではなく地元業者に依頼する
大手のゼネコンやハウスメーカーなどは、中間マージンがかかるため費用が高い傾向にあります。
そのため、地元の自社施工ができる防水業者に直接依頼をしてみましょう。
例えば、大手の場合、下請けに依頼する中間マージンの費用や、遠距離となった場合の交通費などがかかる可能性がありますが、地元業者で依頼をすると1〜3割程度安くできる場合があります。
また、地元業者であれば地域の気候条件や特性にあわせた情報を熟知した施工を行えますので、品質面でもより安心ができます。
迷ったらまず、地元業者から検討するようにしてみると良いでしょう。
- 防水工事だけでなく、そのほかの必要な工事もまとめて行う
- 地元の自社施工ができる業者を検討する
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ウレタン防水効果を長持ちさせるためのコツ
価格や業者をしっかり選定してウレタン防水をしても、すぐに劣化しては元も子もありません。
ウレタン防水を長持ちさせるために必要な情報をおさえておきましょう。
定期的にトップコートを塗り替える
5〜10年に1度は、トップコートの塗替えを推奨します。
トップコートとは、ウレタン防水の仕上げに塗る塗料のこと。
ウレタン防水をしっかり行った場所の場合、表面のみが劣化していることが多々あり、トップコートの塗り替えだけで、その後も長く防水性能を保つことができます。
逆にいえば、防水性能が劣る前にトップコートをたびたび塗り替えるようにすると、下地のウレタン防水性能を長く活かすことができます。
そのため、5年~10年に1度を目安に、トップコートを塗り替えるようにすると良いでしょう。
優良業者を選ぶ
実績が豊富で腕の良い職人がいる業者を選べれば、材料の耐用年数を最大限に引き出してくれます。
防水工事には国家資格があります。防水技術は腕の良い職人がもつものです。
よって、腕の良い職人がいる業者を選べるかどうかによって、ウレタン防水の仕上がりは決まります。
なお、腕の良い職人をかかえる業者は評判が命ですので、施工もサービスも手抜きせず、慎重に仕事を行います。
そういう業社は細部にわたり丁寧な仕事をするので、適当な見積もりや、いい加減なサービスは提供しません。
そういう優良業者を探すためには、口コミやホームページなど、情報を積極的に確認するようにしましょう。
- 5年~10年に1度、トップコートを塗り替える
- 国家資格を持つ職人が在籍する業者を選ぶ
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ウレタン防水材の主なメーカーを紹介!
ウレタン防水材はたくさんのメーカーから、種類豊富に発売されています。
それぞれに特徴を持っているので、どのようなウレタン防水材があるのか、メーカー情報とともに紹介します。
エスケー化研株式会社
エスケー化研は建築塗料・建築仕上材の総合メーカーです。
外装用塗料、内装用塗料、鉄部用塗料、塗り床材、屋上防水材、屋根用塗料などさまざまな製品を取り扱っています。
主な商品は「エスケー1液NADウレタン」。作業性を重視した塗料のため使いやすく、作業速度が向上します。
ダイフレックス
ダイフレックスは建築及び土木防水・外装材・スポーツ舗装材・舗道材・シーリング材・塗り床材などのシステム開発、製造及び販売事業を行う総合メーカーです。
主な商品は「エコ・ウレックス」。トルエンやキシレンといった有害物質を含まず、環境に優しい塗料です。
AGCポリマー建材
AGCポリマー建材は、ウレタン塗膜防水材、超速硬化ウレタン・ウレア樹脂系スプレー材料、水系硬質ウレタン系塗り床材を製造、販売するメーカーです。
主な商品は「サラセーヌ」。伸長性や耐久性に優れており、ひび割れしにくい塗料です
大関化学工業株式会社
大関化学は、防水にかかわる、さまざまな製品や工法の開発に取り組むメーカーです。
主な商品は「U-HIT」。硬化速度が高くて、乾きやすい塗料です。
大同塗料株式会社
大同塗料は特殊な用途に用いられる塗料の製造販売をおこなうメーカーです。
例えば、学校や体育施設として設置されているプール内の塗装に用いられる、水色の塗料(プールコート)は国内で圧倒的に人気の塗料です。
主な商品は「ハイルーフ U」。価格が安いウレタン防水塗料です。
- ウレタン防水材はたくさんのメーカーから販売されている
- ウレタン防水材にはそれぞれの特徴がある
ウレタン防水の単価を知って優良業者を選択しよう!
ウレタン防水の単価はどれくらいか、目安単価やおすすめの業者の選び方について、理解は深まりましたでしょうか?
ウレタン防水は、外壁塗装と同じく、定期的なメンテンナンスが必要な工事です。
しかし、あまり知識のない状態で業者を選んでしまうと、悪徳業者に依頼してしまう危険性の高い工事でもあります。
全て業者にまかせれば大丈夫とは考えず、必要な知識を準備し、不明点があればしっかり確認をして、優良業者を選択するようにしましょう。
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