寄棟屋根とは、屋根の形の名称のひとつです。では寄棟屋根とは、どのような形の屋根を指すのでしょうか。
今回の記事では、寄棟屋根の形状や主な特徴、メリット・デメリットなどについてお伝えしていきます。寄棟屋根に興味がある方はぜひご一読ください。
- 寄棟屋根とは?
- 寄棟屋根のメリットとデメリット
- 屋根の形状の種類とその特徴
- 寄棟屋根はどんな人におすすめか?
当サイトでは、外壁・屋根塗装の見積もりシミュレーションを無料で行っています。初めて外壁塗装を検討している方は、まず下記ボタンより、最新料金相場を確認しましょう。
目次
寄棟屋根とは?
寄棟屋根とは屋根の形のひとつです。どのような形のことを言うのでしょうか。
ここでは、寄棟屋根の概要や特徴などについてお伝えしていきます。
\料金相場を30秒でチェック/
寄棟屋根ってどんな屋根?
寄棟屋根は「よせむねやね」と読み、寄棟造(よせむねつくり)とも呼ばれることもあります。日本の住宅において、人気のある屋根形状のひとつです。
屋根の形状は、四面の屋根材から成り立っています。斜面の数が切妻屋根は2面なのに対し、寄棟屋根は4つの斜面があることになります。
寄棟屋根の構造
寄棟屋根の構造は、屋根のてっぺん部分から4つの方向に傾斜がついている形状です。
建物の正面側となる側(長い側)の屋根は台形の形をしており、短い側となる屋根は三角形の形をしています。
上空から見ると、長方形に見えるのも特徴のひとつです。
- 寄棟屋根は4つの斜面で構成された屋根形状
- 三角形2面と台形2面で構成され上空から見ると長方形をしている
- 日本の住宅でよくみられる屋根形状
寄棟屋根のメリット
寄棟屋根にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、寄棟屋根の主なメリットについてお伝えしていきます。
外壁の劣化を抑制する
屋根の形状を寄棟屋根にすると、外壁の劣化を抑えることができます。切妻屋根など、「屋根がない方向」は一般的に外壁が傷みやすい傾向がありますが、寄棟屋根の場合はすべての方向に屋根がついているので、どの側の壁も屋根で守られます。
また、どの方向にも屋根のよる軒があるため、その下の外壁は紫外線や雨風のダメージを受けづらいのも特徴のひとつです。
見た目が落ち着いている
寄棟屋根の形状は、切妻屋根に比べるとどっしりとした重厚感があり、どの方向から家を見ても屋根に覆われた安定感のある外観になります。また、屋根材を瓦素材にすると「和風」な外観の家にすることも可能です。
寄棟屋根は洋風の住宅とも相性が良いので、和風洋風の双方に対応できます。派手さはないけれど、落ち着きのある印象を与えることができる屋根形状です。
屋根の耐久性が高い
寄棟屋根は4面に屋根があるため、雨が四方に分散されます。そのため屋根の耐久性が高くなり、どの方向から風が強く吹いても安心感が得られる形状です。
台風の後の「屋根剥がれ」や「軒の損傷」などの被害が少ないのも、寄棟屋根のメリットのひとつとなっています。切妻屋根のな2面の屋根に比べると耐風性が高く、雨風のリスクを抑えることが可能です。
- 4方向に屋根があるので外壁にあたる雨風が少なく劣化を抑制できる
- ほかの屋根形状にくらべてどっしりとした安定感があり落ち着きがある
- 雨が4方向に分散されるので屋根自体の耐久性も上がる
\料金相場を30秒でチェック/
寄棟屋根のデメリット
寄棟屋根にはメリットも多いですが、デメリットも存在します。
ここでは、寄棟屋根の主なデメリットをお伝えしていきます。
メンテナンスの費用が比較的高い
4つの屋根面をつなげる必要があるため、接合部分の施工が複雑になり、施工やメンテナンスに費用がかかります。また、部材もほかの屋根とは違ったものが必要です。
屋根面が増えることから、工期、人件費ともにかさむケースも多く、メンテナンス費用もかかります。また接合部分も複雑になるため、職人の技術力も必要になります。
雨漏りの心配がある
4枚の屋根を接合しているため接合部分が多くなり、その部分から雨水が浸入しやすくなります。そのため、切妻屋根などの屋根よりも、雨漏りのリスクは高めです。
また寄棟屋根の接合は単純な接合ではないため、接合やメンテナンスなどに手間と技術が必要になります。
屋根裏が狭くなる
2面の屋根で構成されている切妻屋根は形状が三角のため、屋根裏のスペースもそれなりにあります。
しかし、寄棟屋根の屋根裏は十分なスペースを取りずらいため「屋根裏部屋」や「屋根裏収納」などで屋根裏のスペースを利用しにくいというデメリットも。
屋根裏のスペースを十分にとって、思うような利用をしたい人には不向きなこともあります。
ソーラーパネルの設置には適していない
ソーラーパネルの設置には、ある程度の面積が必要です。しかし屋根を4面に区切っている寄棟屋根の場合、面の数が多いのでひとつひとつの面積が狭く、ソーラーパネルを設置できる面積が確保できないこともあります。
太陽光発電システムの設置を考えている場合は、形状を寄棟屋根にするかどうかを慎重に考えて選ぶ必要があるでしょう。
通気性があまりよくない
寄棟屋根は屋根裏の構造上、切妻屋根などと比べると通気性があまりよくないという特徴があります。
湿気がこもりやすい地域の場合、屋根の内部に結露が発生するなど腐食や劣化が進む原因になってしまうこともあり注意が必要です。
湿気の多い場所で寄棟屋根にする場合は、通気性の良い構造にするなど工夫が必要なこともあります。
- 4つの面があり接合も複雑なので施工やメンテナンスに費用がかかる
- 接合部分が多いので雨漏りのリスクが大きい
- 切妻屋根に比べて屋根裏の面積が狭く活用しにくい
- 1つの斜面の面積が小さいのでソーラーパネルを設置しにくい
- 屋根裏の通気性が悪いので結露がつきやすく注意が必要
形状別!屋根の種類と特徴
屋根は形状によってその特徴が変わってきます。
ここでは、屋根の形状の種類やその主な特徴をご紹介していきます。
切妻屋根
切妻屋根は「きりつまやね」と読み、2枚の屋根面でできるシンプルな屋根です。いわゆる三角屋根のことを指し、日本でも多くの住宅がこの屋根の形状をしており、代表的な屋根形状となっています。
シンプルな構造で接合部分が1か所なので、雨漏りがしにくく、施工やメンテナンスのコストも抑えることが可能です。
片流れ屋根
片流れ屋根とは、1枚の屋根からできており勾配も一面だけの屋根のことを言います。屋根が一方向にだけ傾いているデザインはシンプルでデザイン性が高く、家の外観をおしゃれにしたい場合によく採用される屋根です。
また建物の面積が小さい狭小住宅でも採用されやすい形状でもあります。屋根の面積が広く取れるので、ソーラーパネルの設置も容易です。
一方で、雨や雪が一方向に集中しやすいので、雪による損傷や雨漏りなどが起こりやすいというデメリットもあります。
陸屋根
陸屋根は「りくやね」「ろくやね」などの読み方があります。陸屋根は傾斜のない、平らな屋根のことです。屋根が平坦なので、強い風などで屋根があおられる心配がありません。
また屋根が平らなので、屋上スペースとして活用できるというメリットが。ただし防水対策が悪いと、屋根に水が溜まって雨漏りしやすくなるデメリットもあります。
また木造建築の場合は、構造上施工が難しい形状です。マンションなどの鉄筋コンクリート造の建物で採用されるケースが多くあります。
方形屋根
方業屋根は「ほうぎょうやね」と読みます。屋根面が4つあり、寄棟屋根の一種です。
三角の形の面が繋ぎ合わされており、上空から見ると正方形の形状をしています。
寄棟屋根の台形部分の屋根が三角になっており、形としては三角錐を想像するとわかりやすいかもしれません。
入母屋屋根
入母屋屋根は「いりもややね」と読み、寄棟屋根の上に切妻屋根が乗ったような屋根形状です。伝統的な和風の家によくみられます。
施工やメンテナンスが複雑なため、双方にコストがかかります。
屋根形状 | 主な特徴 |
切妻屋根(きりつまやね) | 2面の屋根で構成されているシンプルな屋根形状で、日本の住宅における一般的な形。 |
片流れ屋根(かたながれやね) | 1面の斜面で構成される屋根形状で、外観がおしゃれになる。狭小住宅でもよく採用される。 |
陸屋根(りくやね、ろくやね) | 屋根が平な形状。屋上として屋根のスペースを活用できる。 |
方業屋根(ほうぎょうやね) | 三角錐の形をしており、上から見ると正方形の形になる。寄棟屋根の一種。 |
入母屋屋根(いりもややね) | 寄棟屋根に切妻屋根が乗った形状で和風建築に主に見られる。メンテナンスに費用がかかる。 |
寄棟屋根はどんな人におすすめ?
寄棟屋根はどんな人におすすめなのでしょうか。
ここでは、寄棟屋根が向いているタイプの人をご紹介していきます。
落ち着いた雰囲気の家にしたい
寄棟屋根にすると、家全体が落ち着いた雰囲気になります。そのため家の外観を落ち着いた印象にしたい方にはピッタリの形状です。
また、屋根面が4つあるので屋根面積が広く見えます。モダンで格調高い佇まいを意識したい人におすすめです。
屋根の耐久性を重視したい
寄棟屋根は雨風に強い特徴があるので、屋根の耐久性や耐風性を重視したい人に向いています。
屋根に降った雨が4方向に分散するため、雨が多い地域の家にもおすすめです。メンテナンスの費用をかけてでも、雨風の被害を抑えたいという方にも向いている屋根です。
- どっしりとした落ち着きが出るので家の外観を落ち着いた雰囲気にしたい人向け
- 屋根の耐久性が高くなるので、屋根を長持ちさせたい人にもおすすめの形状
寄棟屋根は落ち着いた外観と耐風性が特徴
寄棟屋根は落ち着いた外観と高い耐風性が特徴です。一方で構造が複雑になるため、メンテナンスのコストがかかります。
家の敷地面積によっては、寄棟屋根以外の形状が良いこともあります。他の屋根との違いも検討しながら、目的に合った形状の屋根を設置するようにしましょう。
寄棟屋根を選ぶときは、家族の意見や施工業者からのアドバイスを慎重に判断し、メリットとデメリットをよく理解して選ぶことが大切です。
\料金相場を30秒でチェック/