「おしゃれな外観の家を実現したい」とお考えならば、屋根材には洋瓦をチョイスしてみてはいかがでしょうか?
洋瓦とはその名称のとおり、洋風のデザインが特徴的な屋根材のこと。ですが、洋瓦と一口に言っても、実はさまざまな種類があるのです。
「洋瓦には具体的にどのような種類があるの?」「種類ごとの特徴やメリット・デメリットはどのようなものなの?」と疑問に感じている方も多いはず。
そこでこの記事では、洋瓦の基本情報に加えて、種類別の特徴や長所・短所からメンテナンスの目安や方法に至るまで徹底解説しています。
洋風スタイルの家に憧れている方は、ぜひ最後までご覧ください!
- 洋瓦とはどのようなものなの?
- 洋瓦の種類と特徴とは?
- 洋瓦のメリット・デメリットは?
- 洋瓦の劣化症状とメンテナンス方法は?
当サイトでは、外壁・屋根塗装の見積もりシミュレーションを無料で行っています。初めて外壁塗装を検討している方は、まず下記ボタンより、最新料金相場を確認しましょう。
目次
そもそも「洋瓦」ってなに?
そもそも、洋瓦とはどのようなものなのでしょうか?ハウスメーカーやリフォーム関係の仕事に就いている人でなければ、瓦の種類についての知識やイメージがないのは当然のことです。
ここではまず、洋瓦の基本情報についてチェックしておきましょう。
\料金相場を30秒でチェック/
洋瓦とは
簡単に言うならば、洋瓦とは欧米の家屋で一般的に用いられてきた形状の瓦のこと。
日本で伝統的に用いられてきた和瓦は落ち着いた色合いとデザインのものが大半ですが、それとは対照的に、洋瓦はカラフルなデザインが特徴的です。日本における洋瓦の歴史は意外と長く、明治時代にまで遡ります。
約150年前に来日したフランス人のアルフレッド・ジェラールが、横浜を拠点に母国フランスの瓦を製造・販売したことが日本における洋瓦のはじまりであると言われています。
最近では「和風ではなくモダンな洋風の外観の家にしたい」という人も多いですが、そのような願いを叶えてくれるのが洋瓦なのです。
屋根材に洋瓦をチョイスすれば、家の雰囲気がガラッと変わり、おしゃれで洗練された雰囲気に仕上がるでしょう。
洋瓦と和瓦の違い
「洋瓦と和瓦は具体的にどのような点で違うの?」と疑問を感じる方も多いことでしょう。
両者の特徴の違いとして挙げられるのが、和瓦が全体的に重厚な印象を受ける外観になるのに対して、洋瓦はデザイン性が高く、そのバリエーションも豊富であるということ。
伝統的な日本風の外観の家がお好みならば屋根材には和瓦を、モダンで洗練された外観の家にしたいならば洋瓦を選ぶのがおすすです。
- 洋瓦とは:海外で使われるような形状の瓦のこと
- 洋瓦の特徴:カラフルなデザイン
- 和瓦:シックで重厚感がある、洋瓦:おしゃれでデザイン性に富んでいる
洋瓦の種類と特徴①形状
洋瓦と一口に言っても、デザインも特徴も画一的なものばかりではなく、その種類はさまざま。主な種類としては、F型、S型、M型の3つが挙げられます。
では、これらの種類にはそれぞれどのような特徴があるのでしょうか?ここからは、洋瓦の種類とそれぞれの形状の特徴について解説していきます。
「屋根材に洋瓦を選びたいけれど、どの種類を選べば希望のイメージに仕上がるのかわからない」という方は、ぜひ以下を参考にしながら洋瓦選びをしてみてくださいね。
F型
洋瓦の種類としてまず挙げられるのが、F型です。F型の語源は、「平」を意味する英単語の「フラット(Flat)」。
表面に凹凸が少なく、平面的(フラット)なデザインのものが多いため、F型と名付けられました。
また、F型はフランスで生まれた洋瓦に流れを汲むものであり、古くからある洋瓦で、平板瓦と呼ばれることもあります。
他の瓦よりも施工難度が低いため、工期を短くしたい人や、軽やかな印象の瓦屋根にしたい場合におすすめです。
S型
スペイン式のデザインが特徴的な洋瓦は、「スパニッシュ(Spanish)」の「S」をとって「S型」と呼ばれます。
凹凸のないF型とは対照的に、洋瓦の中では凹凸が目立ちやすいのがS型の特徴のひとつ。
大正時代に西洋建築とともに日本に伝来したスペイン瓦ですが、日本の風土や家屋に合うように改良されたデザインであるS形に進化しました。
ただし、施工難易度が高く、F型よりも費用と工期がかかるというデメリットも…。比較的お金と時間に余裕のある方におすすめしたい洋瓦の種類だと言えるでしょう。
ですが、S型の洋瓦はデザイン性に優れているため、家に立体感や高級感を演出したい場合や個性を出したい場合におすすめです。
オリジナリティとスタイリッシュさを兼ね備えた外観の家に仕上がるでしょう。
M型
M型の洋瓦は、半円を重ね合わせた波型の形状が特徴的。波打ったような形状がM字に見えることから「M型」と名付けられました。
フランス式のフラットなF型の進化系とも、スペイン式の凹凸感のあるS型の進化系とも言われています。
製品によって若干の差はありますが、M型の洋瓦は他の瓦よりも軽量なことが多いため、屋根の耐震性を高めたいときにおすすめです。
- F型:フラットな形状、施工難度が低いので工期が短くなる
- S型:凹凸感のある形状、費用が高く工期も長いが高級感のある仕上がりになる
- M型:波型の形状、軽量なので耐震性に優れている
洋瓦の種類と特徴②原料
ここまでは、洋瓦の主な種類とそれぞれの形状の特徴について解説してきました。
洋瓦の主な種類であるF型、S型、M型は、それぞれどのような原料で作られているのでしょうか?また、原料の違いによってどのような差が生じるのでしょうか?
ここからは、原料の違いに焦点を当てて洋瓦の種類別の特徴についてご紹介していきます。
粘土瓦
粘土瓦とは、その字のとおり、粘土を素材にした瓦のこと。F型もS型も、製品によっては粘土を原料として作られます。
なお、粘土瓦は製造工程によって、陶器瓦といぶし瓦の2種類に分けられます。
陶器瓦は表面にうわ薬を塗って焼き上げるのに対し、いぶし瓦はうわ薬を塗らずに蒸し焼きをしてから表面に塗装をおこないます。
他の種類の瓦と比べて耐久性や断熱性に優れており、基本的に塗装のメンテナンスの必要性がありません。
そのため、修繕コストを削減できるというメリットがあります。
セメント瓦
セメントを原料として作られた瓦のことを、原料名をとって「セメント瓦」と呼びます。和瓦はもちろんのこと、F形やS形の洋瓦もセメント瓦として製造されています。
ただし、セメント瓦は粘土瓦より耐久性が低いのがデメリット。
メンテナンスの目安としては、15年から20年ほどのスパンで塗装を行う必要があります。メンテナンスを怠るとセメントの劣化が進んで屋根そのものの耐久性が低下してしまうので要注意。
また、重さがあるので屋根や建物本体の負担となり、耐震性が弱いという弱点も…。
地震大国である日本においては忌避されるこれらのデメリットゆえに、現在はセメント瓦はほとんど生産されていません。そのため、新しい家屋に使用されることは稀です。
モニエル瓦
モニエル瓦とは、コンクリートで作った瓦のこと。日本モニエル株式会社という会社が販売していたコンクリート製の瓦のシェア率や知名度が高かったため、会社名をとって「モニエル瓦」と呼ばれています。
表面に着色スラリーと呼ばれる着色剤がついていますが、経年劣化によってこの着色スラリーが剥がれると、塗装のメンテナンスをしなければなりません。また、粘土瓦より耐久性が低く、15~20年ほどのスパンで塗り直しが必要です。
現在はほとんど生産されていません。そのため、取り扱いや施工が可能な業者の数が限られているというデメリットも…。
既存のモニエル瓦と同じ外観に仕上げるために、新しいモニエル瓦を使ってメンテナンスをしようと思っても、業者に断られることもしばしばです。
金属瓦
決してメジャーではありませんが、一部にはアルミ合金版やフッ素樹脂鋼板・銅板などを使用した金属製の洋瓦も存在します。
金属を原料としているだけあって軽量で、耐震性・防水性に優れているというメリットがありますが、反面、錆びに弱いという欠点も…。
錆びは金属瓦に特徴的な劣化症状ですので、塗装のメンテナンスが必要になります。
また、断熱性・防音性が低いといったデメリットに加えて、アットホームな雰囲気の家屋に馴染みにくいといった特徴をもっているため、一般の住宅に金属瓦が用いられるのは稀です。
- 粘土瓦:耐久性が最も高く塗り直しが必要ない
- セメント瓦:塗装のメンテナンスが必要、耐震性が弱い
- モニエル瓦:塗装のメンテナンスが必要、現在ほとんど生産・販売されていない
- 金属瓦:軽量で耐震性に優れているが錆びに弱い
\料金相場を30秒でチェック/
洋瓦のメリットとは?
ここまでは、形状や原料別に洋瓦の種類とその特徴について解説してきました。
洋瓦と一口に言っても、さまざまな種類のものが存在することがお分かりいただけたことでしょう。
最近では好んで洋瓦を屋根材に選ぶ人が増えていると言われていますが、それはいったいなぜなのでしょうか?
ここからは、洋瓦ならではの魅力やメリットを4つピックアップしてご紹介していきます。
デザイン性が高くおしゃれ
洋瓦の魅力としてまず挙げられるのが、そのデザイン性の高さです。落ち着いた色合いかつシンプルなデザインの和瓦と比べると、洋瓦はカラーやデザインが豊富。
希望する仕上がりのイメージに合わせて洋瓦のカラーやデザインを選べるため、アットホームなログ風ハウスも、高級感あふれるヨーロピアンスタイルの外観も実現できます。
耐久性が高い
優れた耐久性は、洋瓦の特徴のひとつ。スレートや金属屋根に比べて耐用年数が長く、メンテナンスの頻度や費用も少なくなるため、コストパフォーマンスがよいと言えるでしょう。
通気性が良い
洋瓦は内部に空洞があるため、通気性がよく結露しにくいという特徴をもっています。高温多湿な日本においては、通気性の良さは屋根材に必須の条件。
カビやコケが生えにくくなるので外観が損なわれる恐れも少なく、また経年劣化しにくいというメリットがあるのです。
断熱性が高い
洋瓦は和瓦と比べると厚みがあるため、断熱性が高くなるというメリットも。
夏は強い太陽光から家を守り、家屋内を涼しく保ってくれますし、冬は室内の熱を外に逃がさず、温かさをキープしてくれます。
- 魅力1:カラーやデザインのバリエーションが豊富
- 魅力2:耐久性が高いのでメンテナンスの頻度・費用が少なくて済む
- 魅力3:通気性がよく結露やカビ・コケが生じにくい
- 魅力4:優れた断熱性をもっているので一年中快適に過ごせる
洋瓦のデメリット
洋瓦にはメリットが多いものの、デメリットが存在しないわけではありません。
メリットだけを見て洋瓦に安易に飛びついてしまうのではなく、デメリットについてもきちんと理解しておく必要があるでしょう。
ここからは洋瓦の主な欠点について解説していきますので、屋根材を選ぶ際にぜひチェックしてみてください。
費用が高い
瓦は総じて費用が高く、洋瓦も例外ではありません。洋瓦の中でも特にS型は施工難易度が高いため、その分費用が高くなってしまいます。
施工費用の安さという点で屋根材を選ぶならば、洋瓦はデメリットが大きいと言えるでしょう。
重い
洋瓦はスレートや金属よりも重さがあるため、屋根や建物本体に負担がかかりやすく、耐震性に弱いという欠点があります。
日本は地震が頻発する国ですので、こうした洋瓦の耐震性の弱さはネックになるでしょう。
廃版が多い
和瓦と比べると廃版が多いというのも、洋瓦ならではのデメリットのひとつ。
自宅の屋根に使用している洋瓦が破損したり劣化症状が出たため、同じ製品を使って修理をしたいと思っても、すでに生産・販売終了になっているというケースが多いのです。
既存の洋瓦と似た色合い・デザインのものを用いてメンテナンスを行っても、以前とまったく同じ外観を保つのは難しいでしょう。
- 施工費用やメンテナンス費用が高い
- 重さがあるので耐震性が弱くなる
- 既存の洋瓦と同じものを使ってメンテナンスするのが難しい
タイプ別!おすすめの洋瓦の選び方
洋瓦はカラーやデザインのバリエーションが豊富ですが、希望するイメージを実現するためにはどのようなものを選べばよいのでしょうか?
ここからは、お好みのタイプ別におすすめの洋瓦をご紹介していきます。
洋風の家にしたい
「洋風のおしゃれな家にしたい」という方には、デザイン性の高いS型の瓦がおすすめ。
素材は金属やセメント・モニエルよりも、カラーやデザインのバリエーションが豊富な粘土瓦が望ましいでしょう。
費用を抑えたい
施工費用の安さを重視するのであれば、安価な金属製の洋瓦がおすすめ。ただし、金属製の洋瓦は錆びに弱く、こうした劣化症状が出たならばメンテナンスが必要であることに留意しておきましょう。
なお、形状別ではF型が比較的安価な傾向にあります。
- 洋風の外観にしたい→おしゃれなデザインのS型
- 低コスト重視→金属製やF形の洋瓦が安価でおすすめ
洋瓦に起こりうる劣化症状
洋瓦の種類にもよりますが、いつまでも綺麗な状態を維持するためには定期的にメンテナンスを行う必要があります。
劣化症状が出たならば、早めに修繕をすることで症状の悪化を防ぎましょう。以下では、洋瓦に起こりうる主な劣化症状について解説していきます。
ひび割れ
洋瓦の代表的な劣化症状として挙げられるのが、ひび割れです。瓦に微細なひびが入る場合もあれば、粉々に割れてしまう場合もあります。
ひび割れを起こした部分だけを交換すればよく、洋瓦全体を交換する必要はないので、メンテナンス費用は比較的安く抑えられるでしょう。
色褪せ
瓦の塗装が色あせする現象のことを「色褪せ」と呼びます。
色褪せは洋瓦の耐久性そのものに悪影響を及ぼすわけではありませんが、審美性を損ねるため、塗装でメンテナンスを行う必要があるでしょう。
瓦のズレ
強い雨風などで、瓦がズレることもあります。この状態を放置しておくと雨漏りなどのトラブルが発生したり、瓦が落下する危険性があるので要注意。
高所での作業になるため安全面で不安要素が強く、また適切に処置できない場合が多いため、自分で瓦のズレを直すのは避けたほうが無難です。
業者に依頼して、葺き直しなどの処置をしてもらいましょう。
屋根のたわみ
この劣化症状は、瓦だけではなく屋根全体が歪んでいる恐れがあるため、早急に点検を行いましょう。
業者に点検してもらい、できるだけ早く修繕をしてもらう必要があります。
- ひび割れ:症状が出た箇所のみを交換すればよい
- 色褪せ:見た目が悪くなるので塗り直しが必要
- 瓦のズレ:雨漏りや落下のリスクがあるので修繕を依頼する
- 屋根のたわみ:業者による点検・修繕が必須
洋瓦のメンテナンス方法は?
屋根材の耐久性を維持するためには、軽い劣化症状が出始めた段階で適切なメンテナンスを行い、症状が悪化しないように防ぐことが大切。
では、具体的にどれくらいの周期でどのような方法で洋瓦のメンテナンスを行えばよいのでしょうか?
ここからは、洋瓦のメンテナンスの詳細についてチェックしていきましょう。
洋瓦のメンテナンス周期
製品にもよりますが、一般的に洋瓦のメンテナンス周期は10年おきが目安です。
ただし、ひび割れなどの破損が生じたときには、10年以内であったとしてもできるだけ早く業者にメンテナンスを依頼しましょう。
破損した状態を放置しておくと、症状が悪化して修繕費用が高くついてしまう可能性があります。
瓦の交換
ひび割れなどが起きたときには、その症状が出ている数枚だけを交換するだけで問題ありません。
なお、瓦の交換費用は1枚あたり8,000円〜1万円程度です。
塗装
塗膜が剥がれたり錆びたりしたときには、業者に依頼して塗装のメンテナンスをおこないます。
塗装費用は、1平方メートルあたり3,000〜8,000円程度です。
瓦の葺き替え
瓦のひどいズレが生じたりたわみなどの劣化症状が出た場合は、屋根全体の瓦を交換することになります。
葺き替えにかかる費用は、30坪で200〜300万円程度とやや高額です。
- メンテナンスの目安:10年に一度程度
- 瓦の交換:症状が出た箇所の洋瓦のみ交換する
- 塗装:色褪せや塗膜のひび割れ
- 瓦の葺き替え:屋根全体の瓦を新しいものに代える
洋瓦を使っておしゃれな外観を実現しよう
今回は洋瓦の基本情報に加えて、種類別の特徴やメンテナンスについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
和瓦と比べると、洋瓦はカラーやデザインのバリエーションの豊富さが魅力的。
洋瓦にはさまざまな種類があるので、温かみのある洋風スタイルも、高級感のあるエレガントなヨーロピアンスタイルも、希望するイメージ通りの外観を実現できます。
おしゃれな洋風の家をお望みならば、ぜひ屋根材に洋瓦を選んでみてくださいね。
\料金相場を30秒でチェック/