設計単価は施工箇所の単位面積あたりに要する塗料の費用と人件費のことです。しかし、この数値をどうやって業者の選定や予算を立てるのに活用すればよいのか分からず困っていませんか?
そこでこの記事では設計単価の定義や意味、費用の計算方法など、塗装を検討する際に役立つ知識をまとめてご紹介。安心して工事を依頼できるよう、しっかりチェックしてみてくださいね。
- 設計単位の意味
- 設計単位の活用方法
- 業者選定時の留意点
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目次
設計単価の基礎知識
そもそも設計単価とはどのようなものなのでしょうか?ここをしっかり把握しておかないと、塗装費用を計算したつもりでもまったく見当違いの数値が出てきてしまうかもしれません。正確に費用を把握するためにも、言葉の定義から抑えておきましょう。
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設計単価とは
設計単価とは、1㎡あたりの塗装に要する費用のことです。「2回あるいは3回塗りに要する塗料の価格」と「その塗装にかかる人件費」の合計を言います。基本的に塗料のメーカーが公表しています。
あくまで目安に過ぎないため、必ず設計単価通りの費用が発生するわけではありません。しかし、初めて塗装を検討する人が相場を知るうえでは重要な指標となります。
設計単価を知ることの重要性
設計単価を知ることは身を守ることにつながります。というのも、こちらが塗装の相場を知らないのを良いことに、不当に高額な料金を請求してくる悪徳業者も存在するからです。
特に、オリジナル塗料を使う業者の場合は注意が必要です。同じ塗料を使う業者が他にいないため、価格を比較できません。しかし、設計単価を把握していれば、それが相場と比べて不当に高くないか見破ることができるのです。
逆に、業者の見積もり価格が設計単価から分かる金額と同程度かそれより少ないくらいなら、その業者は信頼できるということですね。
設計単価にはどんな費用が含まれる?
設計単価には、塗料そのものの費用と塗装に必要な人件費が含まれます。具体的には以下のとおりです。
- 塗料の材料費
- 各種工具代
- 職人の人件費
設計単価に含まれない金額
塗装に必要なのは、塗料と道具、人材だけではありません。それ以外にも多くのものが必要になります。しかし、それらは設計単価には含まれません。設計単価から分かる以上の費用がかかることはあらかじめ知っておきましょう。具体的には、以下のものが設計単価に含まれない費用に該当します。
- 業者の利益
- 諸経費(交通費など)
- 法定福利費
- 消費税
- 下地調整費
- 足場代
- 設計単価は単位面積当たりの塗料費用・人件費
- 業者の利益や足場代、諸経費は含まれない
設計単価を調べる方法
ここまでは設計単価を知っておく必要性を解説してきました。適正な価格で施工するためにはぜひとも把握しておきたいですよね。では、実際に設計単価を知るにはどうすれば良いのでしょうか。
設計単価を調べる方法は主に2つに分けられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
メーカーのWEBサイトを確認する
基本的に、メーカーのWEBサイトを見れば設計単価を調べられます。塗料の種類や塗装方法ごとに設計単価が記載されているため、自分が施したい塗装工事について調べてみましょう。
ちなみに、設計単価は「設計価格」や「価格」とだけ書かれていることもあります。いずれにしても、数値の単位が円/㎡であれば1㎡あたりの単価であることに違いはありません。
また、単位が㎡ではなく坪で書かれていることもあります。その時は「1坪=約3.3㎡」として計算しましょう。
業者に確認する
Webサイトに設計単価が記載されていれば良いのですが、すべての業者がそうしてくれているわけではありません。記載がない場合は、直接業者に問い合わせることで教えてくれることがあります。また、WEBサイトに書いてあってもより確実に確認したいのであれば問い合わせても良いでしょう。
- 設計単価はWEBサイトに書いてあることが多い
- 書いてない場合は直接聞く
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設計単価から外壁塗装の金額を出すには?
設計単価を調べたら、次はそこから実際の費用を算出してみましょう。この時に考慮すべき費用は以下の4つです。
- 塗装の設計単価
- 面積
- 足場費用や養生など塗装以外の工事費用
- 諸経費
上記の内、足場や養生にかかる費用は相場からある程度算出できます。ただし、足場を組む場所が狭かったり、建物の角が多かったりすると足場・養生が複雑になるため、その分費用が膨らみます。業者によっても差があるため、見積もりを依頼してみなければ分かりません。
一方、塗装の設計単価と面積が分かれば、塗装そのものにかかる費用を算出できます。設計単価は単位面積(㎡)あたりの費用であるため、そこに面積(㎡)をかけることで費用を算出可能です。
たとえば、ある塗料の設計単価が2,000円/㎡、施工箇所の面積が約100㎡だったとしましょう。この場合、計算式は「2,000円/㎡×100㎡=200,000円」となります。ただし、塗料の設計単価は実際の費用より高額に設定されているため、実際の見積価格はその8割程度になります。この例だと、「200,000円×0.8=160,000円」です。
この金額に足場や養生、さらに諸経費を合算すると、一般的な30坪2階建ての家の場合は80~100万円くらいになると言われています。
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塗装業者からみる設計単価
塗装業者にとっては、設計単価は1つの目安に過ぎません。実際に見積もりをしてみると、設計単価とは異なる金額になることが多いです。これはどういうことなのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
設計単価はあくまで目安
業者が出す見積額は、基本的に設計単価から算出される数値より小さくなります。逆に、設計単価よりも高額になることはほとんどありません。
つまり、設計単価は「最大でもこのくらい」という目安なのです。設計単価から算出した数値を予算にしておけば、予算を超過して困ることはほぼ無いと考えられます。
設計単価を使用した見積書例
続いて、設計単価を使用した見積書の簡易的な例を見てみましょう。明細見積書には以下のように記載されます。
名称 | 数量(㎡) | 単価(円/㎡) | 金額(円) |
足場 | 300(架㎡) | 700~900 | 210,000~270,000 |
シート養生 | 300(架㎡) | 300~400 | 90,000~120,000 |
高圧洗浄 | 100 | 180~240 | 18,000~24,000 |
下地調整 | 30 | 120~170 | 3,600~5,100 |
さび止め | 30 | 700~1,000 | 21,000~30,000 |
化粧スレート屋根塗装 | 100 | 1,700~2,500 | 170,000~250,000 |
縁切り | 100 | 240~350 | 24,000~35,000 |
諸経費 | 120,000~160,000 | ||
合計 | 65,6600~89,4100 |
大手メーカー以外の塗料を使う業者には要注意
冒頭でも少し触れましたが、大手メーカー以外の塗料を使う業者にはやや注意が必要です。価格の比較が困難なため、不当に高額な費用を請求されるリスクがあります。そのような危険から身を守るために、注意事項をしっかり確認しておきましょう。
OEM塗料とオリジナル塗料
OEM塗料とは、大手メーカーが販売する塗料の名前を変えたものです。多少中身を改良することはありますが、基本的には大手メーカーが販売するものと変わりません。
これを、自社で作ったオリジナル塗料として喧伝する業者が存在します。そして、オリジナルだから高額なのだと理由を付け、不当に高い料金を請求することがあるのです。
オリジナルとは、ゼロから自社で作り上げたものを指します。他社が作ったものに手を加えた塗料をオリジナル塗料とは呼びません。安易にオリジナル塗料を勧められたら、本当にその塗料でなければならないのかよく検討することが大切です。
ちなみに、OEM塗料自体が悪いわけではありません。たとえば、大手メーカーの塗料に手を加え、地域の気候に適した塗料に改良するのは良い例と言えます。
複数の見積書を取り寄せ比較する
この記事では設計単価にフォーカスし、外壁塗装の費用について紹介してきました。ここまで解説したとおり、設計単価と面積から費用を算出できます。
しかし、足場の設計や建物の周囲の状況などによっても費用は変わるものです。そのため、自身が外壁工事を施したい建物の場合にどのくらいの費用が掛かるのかは、見積もってもらわなければ正確には分かりません。
そこで重要になるのが相見積もりです。「うちの場合はこんなに高いのか」と思っても、別の業者に依頼するとまったく違う価格が提示されることもあります。最低でも3社くらいに見積もりを依頼し、適正価格を見極めましょう。
- OEM塗料をオリジナル塗料と称する業者に要注意
- 3社程度に相見積もりしよう
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設計単価を基に予算を立てよう!
設計単価と施工面積を調べれば、全体の費用を大まかに想定できます。この記事で紹介した計算方法や見積明細書の例などを基に、自身の場合はどのくらいの費用がかかるのかを考えてみましょう。そうすれば、悪徳業者に騙されることなく安心して適正価格で施工を依頼できるでしょう。
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