セメント瓦とは、主にセメントでできた瓦です。価格が安く扱いやすいなどの理由で、セメント瓦を使った住宅も多くあります。しかし古いタイプのセメント瓦にはアスベストという人体に有害な物質を含む建材もあり注意が必要です。
もしも自分たちの住む家などにアスベストが使われていたときは、どのように対策すれば良いのでしょうか。
今回はセメント瓦やアスベストについての概要のほか、セメント瓦にアスベストが含まれるかどうか、その処理方法などについてお伝えしていきます。セメント瓦に含有するアスベストについて興味がある方は、ぜひご一読くださいね!
- セメント瓦とはどんな瓦か?
- セメント瓦に含まれるアスベストとは?
- アスベストの判定方法にはどのような方法がある
- アスベストへの対策方法には何がある
- スレート瓦にもアスベストが含まれているかも
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目次
そもそも「セメント瓦」とは?
屋根材にはセメントでできた瓦の「セメント瓦」という屋根材があります。
ここではセメント瓦がどのような特徴を持つ屋根材かということをお伝えしていきます。
セメント瓦の基礎知識
セメント瓦とは、セメントと川砂を重量比で1:2から1:3で混ぜたモルタルを型に入れて成形し、塗装したものです。耐用年数が30年から40年と長く、施工がしやすいという特徴もあります。
また日本瓦と違って焼成していないなどの理由で、表面に水が染み込みやすい建材です。そのため、表面に塗装を施す必要があります。表面に施した塗装は、定期的に塗り直してメンテナンスする必要があります。
- セメント瓦とはセメントと川砂を1対2から1対3で混ぜたモルタルを成形し塗装した瓦
- 耐用年数が30年から40年と長く施工しやすく扱いやすい
- 表面が劣化しやすいため塗装する必要がある
セメント瓦の基礎知識については、以下の記事で詳しくまとめています。ぜひご一読ください。
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セメント瓦とアスベスト
セメント瓦には、かつて耐久性を高める目的でアスベストと呼ばれる建材が混ぜられていたことがあります。
ここではアスベストの概要やアスベスト入りのセメント瓦の扱い方などについてお伝えしていきます。
アスベストとは?
アスベストは非常に細かい針のような石粒が集まっているため、肺に入ると人体に悪影響を及ぼします。かつては危険性が認識されておらず、多くの建材に使用されていましたが近年はその危険性が認識されたためアスベスト入りの建材の製造が禁止されている建材です。
解体するときにもアスベストが周囲に飛散し、人体に悪影響を与えるため解体工事も特殊な方法で行う必要があります。
セメント瓦とアスベストの関係って?
2019年現在製造されているセメント瓦にはアスベストは含まれていませんが、かつて製造されたセメント瓦にはアスベストが含まれている可能性があります。
セメントで塗り固められている状態であればアスベストが含まれていたとしても飛散することがないので、人体に悪影響を及ぼすことはありません。ただし解体工事を行う場合は、適切に解体処理を行わないとアスベストが飛散し健康被害を出す可能性があるため注意が必要です。
セメント瓦は解体に要注意
アスベストが含まれている可能性がある瓦は、適切にメンテナンスを行っていればアスベストは飛散しません。しかし解体するときにはアスベストが周囲に飛散する可能性があるため注意が必要です。
アスベストを含む建材を解体するときは、アスベストの解体技術を持っている業者に依頼しなくてはいけません。解体する建物などにアスベストが含まれている場合は、アスベスト専門業者への依頼が必須です。
- アスベストは細かい石の塊で人体に入ると健康に悪影響を及ぼす
- セメントの強度を増すのでかつては多くの建材に使われていた
- アスベストが含まれる建材を解体するときは処理を専門業者に依頼する必要がある
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セメント瓦のアスベスト含有の見分け方とは?
セメント瓦にアスベストが含まれているかどうかは、どのように判断すれば良いのでしょうか。
ここではセメント瓦にアスベストが含有されているかどうかを見分ける方法についてお伝えしていきます。
専門の調査機関に依頼する
建物の建材にアスベストが含まれているかどうかは、アスベスト専門の調査機関に依頼することで判明します。アスベスト専門の調査機関は全国にありますが、調査費用や調査実績がホームページなどで明示されているなど、信用できる業者に依頼することが大切です。
またアスベスト調査の適切な資格がある技術者がいるということも大切な条件です。アスベスト調査に必要な資格は様々ですが、建築物石綿含有建材調査者、社団法人日本作業環境測定協会認定分析技術者などの資格を持っている技術者が在籍しているかを確認しましょう。
メーカーサイトで品番を確認する
建材には品番と呼ばれる番号がついており、これを追跡することでどんな性質の建材かを調べることができます。アスベストの含有についても品番を調べることである程度把握することが可能です。
ただし品番によってアスベストの含有量が判明するかどうかは、メーカーや商品の指針にもよるので一概には言えません。わからない場合は専門の調査機関に依頼した方が確実です。
国土交通省のホームページで確認する
またメーカーサイトのほか、自分で情報を集める方法として国土交通省のホームページがあります。国土交通省のサイトでは、アスベストを含む建材のデータベースを公開しており、品番などを入力して検索することでその建材がアスベストをどの程度含むのかを調べることができます。
- アスベストが含まれるかどうかは調査機関に依頼することで判明する
- 品番をメーカーサイトで検索しアスベストが含有されているかを確認する
- 国土交通省のアスベストデータベースで建材名などを検索する
セメント瓦のアスベストの対策方法
古いセメント瓦の中には、アスベストを含むものも存在します。セメント瓦がアスベストを含む建材だと判明した場合、どのようなアスベスト対策を取る必要があるのでしょうか。
ここではアスベストを含むセメント瓦の対策方法を、いくつかご紹介していきます。
塗り替え
アスベストを含むセメント瓦に、アスベストを抑える効果のある塗料を塗ることでアスベストの飛散を防ぐことができます。一般的な塗料で塗装を行うと、高圧洗浄機などで瓦を洗浄したときアスベストが飛散する危険性があるので注意が必要です。
葺き替え
完全にアスベストの飛散を防ぐには、アスベストを含むセメント瓦を撤去して新しい屋根材を設置するのが最も効果的です。ただし屋根を解体して撤去する際に、アスベストが飛散するので廃棄作業を専門の業者に依頼する必要があります。
専門の業者に撤去を依頼するほか屋根を完全に入れ替えるため、工事費用は割高になりますが、今後アスベストが飛散する可能性がなくなります。
カバー工法
屋根をすべて入れ替えるのが難しい場合は、カバー工法といって既存の屋根の上に新しい屋根材を取り付ける工法もあります。アスベストを含んだ屋根瓦ごと新しい屋根材で覆い隠してアスベストの飛散を防ぎます。
ただし一度カバー工法を行うと、二度はカバー工法ができないため次回は葺き替え工事です。その際既存の屋根と現在の屋根を撤去する必要があるため撤去費用が増してしまいます。
- アスベスト対策用の塗料で塗装する
- アスベストが含まれている屋根を撤去して新しくする
- カバー工法でアスベストを含有している屋根材を覆い隠す
スレート瓦にもアスベストは含まれている?
スレート瓦は薄い板状の瓦で、扱いやすく費用も手頃なので日本全国で多く使用されている屋根材です。
このスレート瓦も主な材料がアスファルトなので、古い建材にはアスベストが含まれている可能性があります。
2004年まではアスベスト入りが使われていた
スレート瓦の主な商品はコロニアルやカラーベストと呼ばれる商品です。これらの商品には2004年までアスベストが含まれていたため、製造年が2004年以前のスレート瓦の場合は含有されていると可能性があります。
アスベストが含有されている可能性のあるスレート瓦を撤去する場合、アスベストの処理業者に撤去作業を依頼することが大切です。アスベストが含まれているか確認したい場合は、調査機関に依頼して調べてもらうことができます。
劣化しにくい場合はアスベスト入りの可能性も
アスベストはコンクリートを強化する機能があります。そのため法律などで規制される前は、多くの建材に使用されていました。そのため、アスベストを含有している建材は耐久性が高いという特徴があります。
他のスレート瓦に比べて長持ちするなどの特徴がある場合は、アスベストが含まれている可能性があり注意が必要です。一方で近年のスレート材はアスベストが含まれていなくても耐久性が高い場合があるので、劣化の速度だけでは判断できない場合があります。
- 2004年以前のスレート瓦にはアスベストが含まれる可能性がある
- 建材が劣化しにくい場合はアスベストが含有されている可能性がある
古いセメント瓦にはアスベストが入っている可能性アり
アスベストはセメントの強度を上げる性質があるため、アスベストの健康被害が広がる以前は多くの建材に使用されていました。しかし健康に悪影響を及ぼすことが判明したため、近年ではアスベストを使用した建材の製造が法律により規制されています。
そのため製造年が新しいセメント瓦にはアスベストが含まれていませんが、古いセメント瓦には含まれていることが多く注意が必要です。もしも使用しているセメント瓦にアスベストが含まれている場合は、メンテナンスや解体時にアスベストの対策を適宜する必要があります。
セメントを使った建材にアスベストが含まれている場合は、周囲にアスベストを飛散させないように対策をしっかり取っていきましょう!
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