金属サイディングとは、金属を材料としている外壁材のことです。今回の記事では金属サイディングの特徴やメリット、デメリット、価格などについてお伝えしていきます。
また金属サイディングよりも普及している窯業系サイディングとの比較もしていますので、金属サイディングと窯業系サイディングのどちらを使うかで迷っている方も必見です!
- 金属サイディングとは?
- 金属サイディングのメリット・デメリット
- 金属サイディングのメンテナンスと費用
- 金属サイディングと窯業系サイディングの比較
- 代表的なメーカーの金属サイディングの特徴と価格
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目次
そもそも金属サイディングとは?
金属サイディングとはなんでしょうか。金属サイディングとは、外壁工事の際に使う外壁材のことです。まずは金属サイディングの特徴や、サイディングの種類についてお伝えしていきます。
サイディングとは?
サイディングとは外壁に張るパネル型の素材のことです。サイディングには金属系のサイディングのほか、窯業系サイディング、木質系サイディング、樹脂系サイディングがあります。
価格が安くデザイン性が豊富な窯業系サイディングがシェアの7割ほどを占めていますが、金属製サイディングのメリット面が注目されて近年金属系サイディングのシェアも伸びつつある状況です。
金属サイディングとは?
近年住宅の外壁に使用される金属サイディングは、主にガルバリウム鋼板が使われている金属サイディングです。ガルバリウム鋼板の金属サイディングは耐久性に優れ、耐用年数が多いため人気があります。
ただし金属を使用しているため見た目がメタリックになりがちで、デザインの幅も窯業系サイディングに比べて狭いです。また価格もやや高いので、金属サイディングを使う人はまだそれほど多くありません。
- サイディングとは外壁に張り付けるパネルのこと
- 金属サイディングとは金属を使ったサイディングのこと
金属サイディング以外の種類や特徴について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてください。
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外壁を金属サイディングにする6つのメリット
軽量
金属サイディングは他の外壁材に比べると軽量です。そのため地震などの振動によるダメージが少なく、地震などの振動で外壁が破損しにくいというメリットがあります。リフォームの際には重ね張り工法ができるのも、重量が軽い金属サイディングならではの特徴です。
また軽量のため工事作業がしやすく、モルタルの外壁工事や窯業系サイディングの工事に比べて工期が短くなるというメリットも。また建物にかかる負担も少なくなるので、建材の劣化が進みにくくなります。
断熱性
暖房や冷房の効率を上げたい場合は、金属サイディングを採用することで室内の温度を効果的に保つ効果が期待できます。凍害にも強いので、寒い地方で暖房効率を上げたい場合に適した外壁材です。
耐震性
金属サイディングは耐震性にも優れている素材です。金属サイディングの重さは、窯業系サイディングの4分の1、モルタル外壁の10分の1の重さと非常に軽い素材です。
そのため、建物の柱やはり等の躯体にかかる負荷が少なく済み、地震による影響が受けにくくなります。また、金属サイディングは地震が起きると柔軟に対応するという特徴もあります。
そのため、脱落にも強く、ひび割れの心配もいらないのです。
ひび割れに強い
金属サイディングはモルタルなどの外壁塗装に比べて、ひび割れを起こしにくいという特徴があります。モルタルなどはひび割れを起こすと修繕する必要がありますが、金属サイディングはひび割れを含めて破損しにくいので修繕の機会が減るというメリットがあります。
ただしひっかき傷や一部に強い衝撃を受けると破損しやすく、破損した箇所から錆が始まるというデメリットもあるため注意が必要です。
防音性
カバー工法は金属系サイディング以外では一部の窯業系サイディングでしかできない施工方法です。楽器などの音漏れを防ぎたい場合に適した工法でしょう。
凍害に強い
金属サイディングは凍結に強いというメリットもあります。金属サイディング以外の建材では、水分が外壁の内部に染み込むと、その水分が凍結して素材が破壊されることがあります。
一方金属サイディングでは内部に水が入り込みにくい構造のため、凍害を防ぐことが可能です。寒い地方の断熱効果とともに、冬季の凍害防止にも有効な外壁材でしょう。
- 金属サイディングは軽いので扱いやすい
- 金属サイディングは断熱材が入っているので断熱効果が高い
- 金属サイディングはひび割れを起こしにくい
- カバー工法で外壁工事をすると防音効果が高まる
- 商品によってはメーカー保証があることも
- 水が染み込みにくいので凍害に強い
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外壁を金属サイディングにする4つのデメリット
デザイン性がやや劣る
金属サイディングは窯業系サイディングやモルタルなどの外壁材に比べると、デザインの自由度が低くなります。金属質な印象がどうしても強くなってしまうため、メタリックな外観が苦手な人には受け入れにくいかもしれません。
窯業系サイディングはレンガや木目調など、様々なデザインや質感があるのに比べると、金属系サイディングのデザインは豊富とは言えない状況です。
やや高額
錆びる
金属サイディングは耐用性が高い外壁材ではありますが、経年劣化することで錆が出ることもあります。金属が錆びるとその部分の強度が弱くなるため、穴が開いたり風雨が染み込んで雨漏りしたりして建材の劣化を早めてしまいます。
傷が付きやすい
金属サイディングの強度は強いですが、表面に引っかき傷のような傷がつきやすいという特徴もあります。表面に傷がつくと、そこから風雨や紫外線が浸入して劣化が進んだり、錆が広がったりといったことが起こりやすくなります。
- デザイン性は窯業系サイディングなどに比べると劣る
- 材料価格がやや高額
- 金属なので傷がつくなどすると錆びる
- 金属なのでひっかき傷などがつきやすい
金属サイディングの施工にかかる費用
外壁を金属サイディングに施工するときには、複数の工程が必要です。では金属サイディングの施工には、どれぐらいの費用が必要なのでしょうか。
建物の状況や広さによっても金額は異なりますが、一般的に合計で160万円から260万円程度が相場です。ここでは、外壁工事の工程ごとに必要になる費用の相場をご紹介していきます。
金属サイディングの価格
外壁工事に使用する金属サイディングの単価は、1平米あたり4,000円から8,000円が主流です。商品によっても価格は異なるため、予算に合わせた価格の金属サイディングを選ぶ必要があります。
シーリング
シーリングとは、金属サイディングのつなぎ目を塞ぐための建材のこと。価格は1平方メートルあたり、700円から1,000円程度です。
窓やつなぎ目が多いほど、シーリング材が必要になります。
防水シート
防水シートは、金属サイディングの内側に水が染み込むのを防ぐために使用します。1平方メートルあたり300円から500円程です。
足場費用
屋根や2階部分など、高所を施工する場合は足場が必要です。足場を組むのはDIYでは不可能なので、業者に依頼する必要があります。
足場設置にかかる費用は、1平方メートルあたり700円から1,000円程度です。
手間賃
手間賃は業者の作業に対する費用です。職人の技術力に応じて異なりますが、1平方メートルあたり2,500円から3,600円が相場となっています。
- 金属サイディングの単価は1平米あたり4,000円から8,000円程度が相場
- シーリングや防水シートは1平米あたり1,000円前後
- 業者に支払う手間賃は1平米あたり2,500円から3,600円が相場
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金属サイディングのメンテナンス方法とその費用
以下では金属サイディングのメンテナンス方法と、それにかかる一般的な費用についてお伝えしていきます。
汚れのメンテナンス
金属サイディングのメンテナンス方法として一般的なのが、高圧洗浄機で汚れを洗い流すという作業です。年に1回程度を目安に行い、単価は1平米あたり200円ほど。一般的な一軒家の総額はおおむね3万円から7万円程度だと言われています。
また高所作業をする場合は足場を組む必要もあるため、足場の代金もかかります。足場費用は一般的に10万円から20万円程度が必要になります。メンテナンスにかかる工期は1日から2日程度です。
シーリングの補修
メンテナンスはシーリングが劣化してきたタイミングで行うことが多いです。補修費用は補修の長さによっても異なるものの1メートルあたりの単価は500円から1,200円ほどとなっています。
また高所作業には足場を組む必要があるため、足場の費用も追加で必要に。足場の費用はおおむね10万円から20万円ほどです。工期は1日から3日程度かかります。
外壁塗装
金属サイディングの塗装がはがれてきた場合もメンテナンスが必要になります。外壁塗装にかかる費用は材料費によって異なりますが、30坪ほどの住宅で70万円から100万円程度が目安です。
また塗料の単価は一般的に1平米あたり2,000円から4,000円ほどになります。塗装が必要な広さにもよりますが、工期は12日から15日程度です。
重ね張り工法
重ね張り工法とは、既存の外壁の上から金属サイディングを貼り付ける工法のことです。既存の外壁が修復不可能なぐらいに劣化した場合適用されます。
費用は30坪程度の住宅で190万円から260万円程度が相場です。案件の難易度次第ですが、工期はだいたい10日から14日程度でしょう。
張り替え工法
張り替え工法とは、既存の外壁をすべてはがした上で、金属サイディングを張る工法のことです。既存の外壁の劣化が激しい場合に検討されます。
外壁をすべてはがす作業が発生するので、重ね張り工法よりも費用はかかります。30坪程度の住宅で210万円から270万円程度が相場です。また工期は12日から17日程度が目安となっています。
- 汚れのメンテナンスは年1回高圧洗浄機で洗い流す
- 塗料がはげてきたら塗装しなおす
- 外壁材の劣化が大きい場合はカバー工法で張り替えする
- 外壁材の劣化が重度の場合は張り替え工法で張り替えする
サイディングのメンテナンス法や費用については、以下の記事でも徹底解説しています。
金属サイディングはこんな人におすすめ!
金属サイディングはその特徴から、向いている状況があります。どんな状況や環境だと、金属サイディングのメリットを最大限活かすことができるのでしょうか。
ここでは金属サイディングが向いている環境や状況をお伝えしていきます。
寒い地域に住んでいる人
金属サイディングは断熱性能が高く、凍害に強いというメリットがあるため寒冷地での使用に向いている外壁材です。
実際、東北や北海道などの寒冷地では、外壁材に金属サイディングが多く使用されています。
カバー工法をしたい人
金属サイディングは、薄くて軽量という特徴があります。軽量なので建物の重量を大きく上げることがなく、既存の屋根に重ねて施工するカバー工法にも最適な屋根材です。
屋根を重ねて施工することで、既存の屋根との間に隙間ができ、防音性能を高める効果も期待できます。
耐震性が高い住宅にしたい人
先ほどもお伝えした通り、金属サイディングは軽量です。耐震性能は建物が軽量であるほど向上するので、屋根材を軽量な金属サイディングにすることで耐震性のアップにつながります。
金属サイディングは地震が多い環境や、大きな道路が近いなどで振動しやすい環境での使用に適しています。
金属サイディングが不向きな場合とは?
耐久性が高いなどメリットが多い金属サイディングですが、そのデメリットから不向きな環境もあります。
例えば金属サイディングは錆びにくい加工が施してありますが、それでもまったく錆びないというわけではありません。塩害がある地域など、金属が錆びやすい環境での使用は不向きです。
また、金属サイディングは人気商品なのでデザイン性はある程度ありますが、窯業系サイディングなどに比べれば劣ります。デザインにこだわりが強い場合は金属サイディング以外の屋根材を選んだ方が満足度が高くなるでしょう。
- 断熱性能と凍害に強い性質があるので寒冷地での使用に向く。
- 軽量なのでカバー工法ができ、耐震性も確保できる。
- 塩害があり錆びやすい地域での使用は向かない。デザインにこだわりがある場合も向いていない。
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金属サイディングに使用される素材の種類
ひと昔前までは、金属サイディングと言えばトタンのことでした。近年の金属サイディングには、主にガルバリウム鋼板とアルミがよく使用されています。
ここでは、ガルバリウム鋼板とアルミの主な特徴についてお伝えしていきます。
ガルバリウム鋼板
「ガルバリウム鋼板」とは、アルミ・亜鉛・シリコンを組み合わせてメッキを施した合金の外壁材です。
ガルバリウム鋼板は金属サイディングの主流となっており、近年流通している金属サイディングのほとんどがこの素材で出来ています。金属サイディングの中でも錆びにくく、耐久性が高いというのが特徴です。
耐用年数が長いことから、多くの住宅で使用されている外壁材。人気がある金属サイディングなので、複数のメーカーが様々な商品を開発、販売しています。
ガルバリウム鋼板について詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
アルミ
アルミはガルバリウム鋼板が主流になる前に、金属サイディングに使用されていた素材です。価格が安く軽量ではあったものの、錆が広がりやすく強度も弱いという難点がありました。
アルミの種類によっては、錆びやすい、強度が弱いといったデメリットがないものもあります。ガルバリウム鋼板かアルミサイディングにするかは、地域性やかけられる費用によって判断すると良いでしょう。
- ガルバリウム鋼板は金属サイディングの主流。錆びにくくて耐久性が高いのが特徴。
- アルミはガルバリウム鋼板が主流になる前に金属サイディングの主流だった素材。
- アルミは高級な素材は錆びにくく強度もあるが、安価なものだと錆びやすく強度も低い。
金属サイディングと窯業系サイディングを徹底比較!
窯業系サイディングとは?
窯業系サイディングは幅広い用途や費用面での安さのため、サイディング全体の7割のシェアがあります。住宅用の外壁材として、一般的に普及しているのは窯業系サイディングです。
金属サイディングvs窯業系サイディング
金属系サイディングには、軽量で耐震性が高いということのほか、水を吸収しにくいため雨漏りがしにくい、環境にやさしく再利用可能といったメリットがあります。またデメリットは金属脂質でデザインが画一的、窯業系サイディングよりもやや価格が高い、錆びる可能性があるといった点です。
一方窯業系サイディングには、金属系サイディングに比べて形や色が豊富でデザイン性が高い、金属系サイディングよりも低価格、錆びないといったメリットがあります。またデメリットは、金属系サイディングよりも重い、水を吸収しやすく雨漏りしやすい、再利用ができないので環境にやさしくないといった点です。
特徴 | 金属サイディング | 窯業系サイディング |
重量 | ◎ | △ |
デザイン性 | △ | ◎ |
価格 | △ | ◎ |
耐水性 | ◎ | △ |
錆びやすさ | △ | ◎ |
環境への配慮 | ◎ | △ |
【メーカー別】代表的な金属サイディングを紹介!
また、金属製サイディングには多くの場合、メーカーによる保証がついています。一般的に10年程度の保証期間がついているため、他の建材と比べると長期間に渡り補修費用を抑えることが可能なので、比較をする際には保証の有無も確認してみてください。
ニチハの「センターサイディング」
ニチハの「センターサイディング」は、セルフクリーニング機能がついています。そのため高圧洗浄機などによる洗浄のメンテナンスの回数を減らすことが可能です。
またフルカラーのインクジェット塗料を使用して、レンガやブロックのリアルな質感を追求。金属サイディングのデメリットとされているデザイン性の乏しさをカバーしています。
材料価格は1平米あたり4,000円から7,000円程度です。
旭トステムの「金属Danサイディング」
旭トステムの「金属Danサイディング」は、汚れが自動で落ちやすくなるセルフクリーニング機能に加え、細かい陰影を作り出すことができるデザイン性と、ガルバリウム鋼板を使って高い耐久性を確立しています。
塗膜保障が10年から15年設定されているので、長期間に渡り塗膜のメンテナンスを心配する必要がありません。材料価格は1平米あたり、5,000円から7,000円程度です。
アイジー工業の「アイジーサイディング」
アイジー工業の「アイジーサイディング」は、デザインが豊富でレンガ風模様、木目調など様々な模様が選べます。また耐久性の高いガルバリウム鋼板を使った金属サイディングです。
また金属サイディングがやや価格帯が高い中、価格が安いベーシックシリーズという金属サイディング製品も提供。ベーシックシリーズ以外の金属サイディングには、変色や赤サビ、穴に対しての10年保証がついています。
材料価格は1平米あたり3,900円から6,000円程度です。
ケイミューの「はる・一番」
ケイミューの「はる・一番」は深い造形のあるデザイン性が特徴です。リュウコク柄やレンガ柄など、高級感と落ち着きのあるデザインが複数のカラー展開で提供されています。
また「はる・一番」は従来のガルバリウム鋼板に「遮熱性フッ素焼付塗装」という特殊な塗装を施し、高い耐久性を実現した商品です。材料価格は1平米あたり5,400円から8,700円程度となっています。
- ニチハの「センターサイディング」はインクジェットでリアルな質感を追求
- アイジー工業の「アイジーサイディング」はデザイン性が豊富で耐久性が高い
- ケイミューの「はる・一番」は高級感のあるデザインと、低価格シリーズを提供
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金属系サイディングはカバー工法に最適!
金属系サイディングは軽量で耐久性が高いという特徴がある外壁材です。軽いために工事のための手間がかからず、比較的短期間で工事を終わらせることができます。
また軽量で工事がしやすいことから、従来の外壁の上に金属サイディングを貼り付けていくカバー工法にも適しています。外壁を塗り替えるよりも安く工事ができ、耐久性もアップするので張り替えの際におすすめの外壁材です。
サイディングの費用について気になる方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
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