パラペットとは、建物の屋上部分に設置された低い立ち上がり部分のことを言います。このパラペットとは、どのような目的で設置されるものなのでしょうか。
今回の記事ではパラペットの目的や概略、メリットとデメリットなどについてお伝えしていきます。パラペットに興味がある方は、ぜひご一読ください。
- パラペットとは何?
- パラペットのメリットとデメリット
- パラペットの必要なメンテナンス
- 劣化症状に対するメンテナンスと費用
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目次
パラペットとは?
パラペットとは、住宅の屋上にある部位のひとつです。ここでは、パラペットの目的や概略についてお伝えしていきます。
パラペットの意味
パラペットとは、屋根や屋上の端に取り付ける小さな手すりのような部位です。2階建て以上の四角い建物の屋上で、屋根の端が立ち上がっているのを見かけることが多いと思います。
手すりほど高い位置まで立ち上がっているわけではありませんが、確実に屋根の端よりも一段高くなっている部位がパラペットと呼ばれる場所です。
パラペットの役割って何?
では、パラペットは何のために設置されているのでしょうか。パラペットの主な目的は、屋根と外壁の接合部の防水にあります。
屋上部分に降った雨がそのまま外壁に流れていかないように、パラペット部分で足止めをしているのです。もしも雨水が外壁にそのまま流れていくと、外壁の劣化が早まってしまうでしょう。
そのほか、屋上が平な構造の場合は屋上にある物が落下するのを防止の役割もあります。
- パラペットは屋上の端に設置する小さな手すりのような部位
- 屋上からの雨漏り防止や外壁劣化防止に効果がある
- 落下防止にも効果がある
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パラペットのメリット
パラペットを建物の屋上に設置することは、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、パラペットを設置するメリットについてお伝えしていきます。
接合部の防水効果が高くなる
建物の構造上、屋根と外壁の接合部は雨が入りやすい構造をしています。そこにパラペットを設置することで、雨水が入り込みにくくなり、雨水の浸入を防止することができるのです。
特に屋上の勾配が少ない屋根や、屋上を活用するために平らにしている屋根などの防水効果は高くなります。切妻屋根などを採用しない場合は、パラペットの設置は必須でしょう。
落下を防止する
勾配が平に近い、または平な屋上には多くの場合手すりが設置してありますが、さらに細かい物が落下する可能性もあります。屋上にパラペットが設置されていれば、手すりや落下防止の役割も期待できます。
人の落下防止のためには、さらに手すりなどを設置した方がより安全です。とは言え屋上で遊んだボールや、工具などの小物が屋上から落下するのを防ぐのには有効なので、道路に面した場所に建物を建てる場合は特に必要と言えます。
雨が外壁を流れにくい
パラペットは屋上に降り注ぐ雨をせき止めて、雨樋に流す構造になっています。そのため屋上に降った雨が外壁にそのまま流れていくことを防止することが可能です。
外壁に雨水が直接降り注ぐと、雨により劣化が早くなってしまいます。パラペットで雨水を流れないようにすることで、外壁を長持ちさせることが可能になるのです。
水平な屋根デザインにできる
建物の屋上にパラペットを設置すると、建物を屋上が水平なデザインにすることができます。またパラペットの高低を調整することで、建物の雰囲気を変えることも可能です。
パラペットの笠木部分の素材や色を工夫したり、塗装を工夫するといったことを行い、外観を自分好みのものできます。四角い形状にこだわりたい人にもおすすめです。
- 外壁と屋上のつなぎ目からの浸水を防ぎやすい
- 屋上からの落下を防ぐ効果が期待できる
- 雨水が直接外壁に流れるのを防ぐ
- 屋根を水平なデザインにできる
パラペットのデメリット
パラペットには様々なメリットがありますが、デメリットも存在します。
ここでは、パラペットの主なデメリットについてお伝えしていきます。
外壁の通気層が作りにくい
パラペットを作ることで、外壁の通気を塞いでしまうため、外壁内部の通気性が低くなってしまいます。その結果、結露やカビが発生しやすくなり、外壁が内部から劣化しやすくなる恐れがあり注意が必要です。
外壁の内部に水が入り込むと、外壁の内側の建材が腐食するなどして建物自体の劣化が進行してしまいます。結果として建物の耐用年数を下げることになるので、外壁の通気性については注意を払った方が良いでしょう。
軒の出が無いため外壁に雨が当たりやすい
屋根の構造をパラペットにすることで、通常の切妻屋根のような軒がなくなります。そのため、屋根方向以外からの雨水を防ぎにくくなるというデメリットも。
横殴りの雨が直接外壁に当たりやすくなるので、外壁の丈夫が劣化しやすい傾向があります。外壁の劣化が早まると、メンテナンス期間も短くなるため多くのメンテナンス費用が発生するため注意が必要です。
パラペットの端部から雨漏りしやすい
パラペットの端の部分に雨水が当たると、内部に水が入り込みやすいというデメリットもあります。端の部分はこのような弱点があるので、特に防水対策が必須です。
パラペット部分からの雨漏りを防ぐためには、パラペットの部品や雨樋の定期的なメンテナンスが有効です。メンテナンスについては次章でご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
- 外壁の内部にたまった湿気を逃す通気口を作りにくい
- 雨が直接外壁に当たりやすく劣化が早まる可能性がある
- パラペットの端部分から漏水しやすい
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パラペットはメンテナンスが必要?
パラペットにはどのようなメンテナンスが必要になるのでしょうか。
ここでは、パラペットの機能を保つために必要なメンテナンスについてお伝えしていきます。
定期的に状態チェック
パラペットはこまめに点検をしていないと、錆などが発生しやすくなるという特徴があります。そのため、数年に1度はチェックをして、金具部分に錆が発生していないか、雨樋に落ち葉などが詰まっていないかなどを点検する必要があります。
なお、金具部分に錆が発生すると、そこから建材内部に浸水して劣化が早まり危険です。そのほか雨樋に落ち葉などのゴミが詰まると排水がうまくできず、屋上からの雨漏りにつながります。
内樋の掃除
パラペットを設置した屋根は、屋上に降った雨を数か所に集めて地上に流す構造です。雨が集められる場所を内樋といいます。
この内樋にはゴミが詰まりやすいという特徴があるため、定期的に落ち葉やゴミを掃除する必要があります。もしも内樋にゴミなどが詰まって排水できなくなると、そこから雨漏りなどが起こってくるので注意が必要です。
- パラペットの接合部分や雨樋は劣化しやすいので定期的に点検が必要
- 雨を流す内樋は落ち葉などで詰まりやすいのでこまめに清掃が必要
劣化したパラペットの防水工事と費用
もしもパラペットが劣化した場合は、どのような工事が必要になってくるのでしょうか。
ここでは、パラペットが劣化した場合の工事や、その費用についてお伝えしていきます。
つなぎ目・笠木の亀裂
パラペットの外壁とのつなぎ目、笠木の部分は劣化しやすい場所です。これらの場所が劣化すると、外壁や建物内部に雨漏りしやすくなるので補修が必要になります。
コーキングが劣化している場合は、コーキングも交換です。コーキングは1メートルあたり1,000円程度、部品交換については1メートルあたり5,000円~10,000円程度となっています。
笠木部分やつなぎ目は劣化しやすい場所でもあるので、定期的に業者に点検を依頼しておいた方が確実に劣化を防ぐことが可能です。
内樋の劣化
内樋は屋上に降った雨水が集中する場所なので、劣化しやすい場所です。内樋のメンテナンスはこまめな清掃が基本ですが、錆などが発生している場合は補修が必要になります。
清掃を業者に依頼する場合は、1万円~10万円程度、補修する場合は1か所あたり5,000円~3万円程度です。内樋はゴミがたまり詰まりやすい場所なので、こまめに清掃しておいた方がメンテナンスの頻度を少なくできます。
内樋の奥の方にゴミが詰まった場合は、自分で清掃するのが難しいので業者に依頼した方がスムーズでしょう。部品が破損した場合は、その部分から漏水する危険があるのでなるべく早めに補修作業をしてください。
防水シートの破損
パラペットには防水シートも設置してあり、屋根からの雨漏りを防止しています。この防水シートにも耐用年数があるので、劣化症状が進んだ場合や耐用年数を経過した場合は、交換が必要です。
防水シートの交換は、1平方メートルあたり1,000円から3,000円程度必要になります。防水シートの交換はDIYでは難しいので、業者に依頼した方が確実です。
耐用年数を迎えていなくても、環境や状況によっては防水シートが破損して雨漏りを起こすことがあります。雨漏りが起こった場合は、耐用年数を待たず業者に補修を依頼してください。
必要な工事 | 費用 | |
つなぎ目・笠木の部分の劣化 | コーキングや部品の交換 | コーキングは1平方メートルあたり1,000円程度
部品の交換は1メートルあたり5,000円~10,000円程度 |
内樋の劣化 | 内樋の清掃
部品の補修 |
清掃は1万円~10万円程度
補修は1か所あたり5,000円~3万円程度 |
防水シートの破損 | 防水シートの交換 | 1平方メートルあたり1,000円から3,000円程度 |
パラペットは勾配が少ない屋根には必須の場所
パラペットは屋上が平な建物には必ず設置してある部位です。パラペットがないと、外壁に雨水がそのまま流れて外壁の劣化を早めてしまいます。
また、屋根からの落下防止にも役立っている部位です。デザイン的にもパラペットがあった方が見栄えが良く、屋上を活用する建物では必須と言っても良いでしょう。
パラペットにも様々なデザインや、高低があるので建物に合ったタイプのパラペットを設置してみてくださいね!
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