外壁材の中でも耐用年数が長く、デザインや色も豊富で、人気のサイディングボード。
外壁サイディングボードを釘打ちで留めるのが良くないと聞いたことはあるけれど、理由は分からない、なんて方も多いのではないでしょうか?
この記事では、外壁サイディングボードの留め方について紹介し、釘打ち工法のメリットとデメリットについて説明していきます。
サイディングボードの選択で悩んでいる方、必見ですよ!
- 釘打ち工法のメリット
- 釘打ち工法のデメリット
- 釘打ち工法のリスク
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目次
外壁サイディングボードの釘打ちはおすすめできないって本当?
外壁サイディングボードの釘打ちはおすすめできないってよく言われますよね。
でも、その理由はよく分かっていない、気になっているサイディングボードだと釘打ち工法になる、など、外壁サイディング選びで頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。
これから、その理由について、メリット、デメリットだけでなく、起こりうるリスクも併せて見ていきましょう。
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外壁サイディングボードの取り付け方法を解説!
まずは、外壁サイディングボードの取り付け方法についてお伝えしていきます。
取り付け方法は、大きくわけて2つあります。釘打ち工法と、金具留め工法です。それぞれについて、特徴を見ていきましょう。
釘打ち工法
釘打ち工法は、釘でサイディングボードを打ち付ける従来の取り付け方です。
サイディングボードをステンレス釘で外壁の下地の部分にあたる胴縁に直接固定します。
サイディングボードが14mmの厚さのものにこの工法は使われています。
金具留め具法
金具留め工法は、釘ではなく金具でサイディングボードを固定する取り付け方です。
ステンレス製の金具を胴縁に釘やビスで固定して、固定した金具にサイディングボードを引っ掛けるようにして張ります。
金具留め工法には、2種類あります。
1つは、厚みのある金具で通気層を作る、通気金具留め工法。
もう1つは、非通気金具留め工法。この場合、金具の厚さが数㎜程度になっているため、胴縁を使って通気層を作らなければなりません。
- サイディングボードの留め方は2種類
- 釘で留める釘打ち工法
- 金具で引っ掛ける金具留め工法
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取り付け方法はサイディングボードの厚みで決まる?
サイディングボードにはたくさん種類がありますよね。その取り付け方法は、実は種類ではなくて、厚みで決まるのをご存知ですか?
ここからは、サイディングボードの厚みに合わせた取り付け方について、ご紹介していきます。
14㎜以下は釘打ち工法
サイディングボードの厚みが14㎜以下の場合、厚みがないため、釘打ち工法で留めることができます。
2008年2月20日より、窯業系サイディングボードのJIS規格の変更が行われ、厚さの最低ラインが14㎜以上となりました。
そのため、14㎜以下と言いつつ、ここに当てはまるのは14㎜のみとなっています。
15㎜以上は金具留め工法
サイディングボードの厚みが15㎜以上の場合、厚みがあるため、釘ではなく金具で留めるのが一般的です。
ここに当てはまるサイディングボードは、デザインのバリエーションも多くなり、選ぶ楽しみもより一層広がっていきますよ。
- サイディングボードの厚みで留め方が変わる
- 厚みが14㎜だと釘打ち工法
- 厚みが15,16㎜だと金具留め工法
サイディングの厚みごとの特徴や違いについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
サイディングボードを釘打ちするメリット
サイディングボードの厚みによって取り付け方が違うことを説明してきました。
本題の、サイディングボードを釘打ち工法で留めることについてお伝えしていきます。
まずは、メリットから見ていきましょう。
初期費用が安い
金具留め工法に比べて使うサイディングボードが薄いため、工事費が安くなります。
その分、ほかのところに予算を回すこともできますよ。
- サイディングボードを釘打ち工法で留めると、初期費用が安い!
サイディングボードを釘打ちするデメリット
サイディングボードを釘打ち工法で留めるメリットをお伝えしました。
次は、デメリットの方をお伝えしていきます。
サイディングボードを釘打ち工法で留めるデメリットは、8つあります。それぞれ、見ていきましょう。
釘打ちした周辺が劣化しやすい
まずは、劣化のしやすさが挙げられます。
サイディングボードに釘を打つため、釘を打った周囲からひび割れを起こしてしまうことがあるのです。
また、地震の際にも、そこからひび割れが起こったり、ひび割れが広がっていったりする可能性があります。
近年、地震が頻発していますから、その度にひび割れが、となると不安になってしまいますよね。
外壁のひび割れを放置するリスクについては、こちらの記事で詳しくご紹介します。
耐震性が低い
釘打ちでサイディングボードを固定していると、「逃げ」がありません。
「逃げ」がないと、大地震が来た場合、力を逃がすことができないため、揺れに耐えられなくなり、破損してしまうことがあります。
さらには、地震で固定している釘が緩む可能性も。
釘が緩むと、雨水が内部に侵入しやすくなってしまいます。
釘の頭が見える
釘を打つと、塗料や補修液でのタッチアップ等で目立ちにくいように隠すとはいえ、釘の頭が見えてしまうことがあります。
釘の頭が見えると、デザイン性が低下してしまいます。遠目には分かりにくくても、やはり気づくと目に付いてしまいますよね。
また、その部分に凹凸ができてしまうため、釘打ちの箇所から汚れてしまったり、汚れが目立ちやすくなったりします。
防水性が低い
サイディングボード自体にはあまり防水機能がなく、表面を防水性塗料でコーティングしているんです。
そのため、経年等により、表面のコーティングが劣化してしまうと、水がサイディング内に浸入する恐れがあります。
シーリングの劣化
サイディングボードとサイディングボードをつなぐ「シーリング」というゴムのようなものがあります。
ゴムのようなものなので、経年により、劣化してしまうんです。
サイディングボードには劣化や異変が見られなくても、シーリングが劣化している場合があります。
定期的にチェックして、劣化していたら交換が必要です。
劣化すると、そこからも水が浸入する可能性があるので、気にしておきましょう。
クラックの発生
サイディングボードの釘打ちは職人さんの技術が出るところです。
強く打ち付けてしまうと、とクラック(亀裂やひび割れ)が発生してしまうことがあります。
また、入り組んだ場所に釘打ちを行う場合も、力が大きくかかり過ぎてしまい、クラックが発生する可能性があります。
サイディングボードが反りやすい
サイディングボードを釘留めで打ち付けているため、乾燥や温度による伸縮の影響で、サイディングボードが反りやすくなってしまう傾向があるのです。
反ってしまうと、その際にひびも広がってしまう可能性もあります。
メンテナンスの頻度が高め
およそ10年に1度ほどの頻度でメンテンスが必要になります。
シーリングの交換やひび割れのチェック、表面のコーティングの塗り直しなど、10年に1度程度のメンテナンスが必要です。
その度にメンテナンスの費用が掛かってしまいますから、トータルで見ると、コストパフォーマンスが悪くなってしまうわけです。
- 釘打ち工法のデメリットは多い!
- 釘打ちしたところから劣化してしまう
- 耐震性が低い
- 釘の頭が出てしまっていることも
- 防水性が低い
- シーリングの劣化
- クラックが発生する可能性
- サイディングボードが反ってしまう
- メンテナンス費用がかさむ
サイディングボードを釘打ちすることで起こりうるリスク
サイディングの釘打ちのメリット、デメリットをご紹介してきました。
次は、釘打ち工法で留めることで起こりうるリスクについて、ご説明していきましょう。
外観が悪くなる
業者の技術や塗装方法によっては釘の頭が目立つ場合があります。せっかくデザイン性でサイディングを選んでも、デザイン性を損なってしまうことになるのです。
また、釘打ちされた部分に汚れがつきやすいため、それもデザイン性を損ねてしまいます。
金具留め工法を選択すると、釘を打たないので、仕上がりがより綺麗です。
水の浸食による内部の劣化
釘頭を適切に埋め込まないと、釘穴から、雨が侵入しやすくなります。
また、釘を打った周辺から劣化が進み、ひび割れが発生すると、そこからも雨が侵入しやすくなってしまうのです。
雨水が侵入すると、夏の暑さや冬の凍結による膨張等で変形や反り、ひび割れを起こしてしまう可能性があります。
また、水の侵食が起こると、サイディングの劣化をさらに進めてしまいます。
サイディングボードが腐ってしまったり、カビてしまったりして、劣化が拡大してしまう可能性もあり、見て見ぬふりをできる問題ではありませんよね。
雨が降るたびにドキドキすることになってしまいます。
地震などの衝撃による破損
釘を打った周辺からひび割れが進行するおそれがあります。
また、サイディングボードを釘打ち工法で完全に留めてしまうと、「逃げ」がなくなってしまうため、地震の衝撃を吸収することができません。
衝撃を吸収することができないと、その衝撃をサイディングボードがすべて受け止めることになります。
すると、その衝撃に耐えきれず、サイディングボードにヒビが入ったり、最悪の場合、サイディングボードが割れてしまったりする可能性もあります。
- 釘打ち工法で留めるとこんなリスクが
- 外観が悪くなってしまう
- 水の侵食で内部から劣化してしまう
- 地震の際に破損してしまう
釘打ち工法はおすすめできない!
釘打ち工法は、確かに初期費用が少なくすみます。その分、ほかのこだわりたい部分にお金をかけることができます。
しかし、これまで見てきたように、デメリットが多く、おすすめはできません。
内部からの劣化や、耐震性の低さは、長く安心して暮らすためには、見逃せない部分です。
特に近年、地震の数も規模も大きくなってきていますからね。
15㎜以上になると、14㎜のものよりも選べるデザインも増えますし、耐火性も高くなります。
15㎜以上の外壁サイディングボードを選ばれることをおすすめします。
サイディング外壁の費用について気になる方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
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