湿気による結露やカビにお悩みの方も多いのではないでしょうか。
一昔前の住宅と違い、近年の住宅は気密性や断熱性が高くなっているため、屋根裏などに湿気がたまりやすくなっています。こうした湿気対策として効果的なのが、透湿ルーフィングの使用です。
しかし、「どんな効果があるの?」「費用はどれくらい?」と透湿ルーフィングについてよくわからないと感じている方も多いことでしょう。
そこでこの記事では透湿ルーフィングの基礎知識に加えて、その特徴や種類、費用の目安に至るまで徹底解説しています。
屋根の結露にお悩みの方はもちろんのこと、ご自宅の湿気対策に興味のある方もぜひ最後までご覧ください。
- 透湿ルーフィングとはどのようなもの?
- 透湿ルーフィングの特徴やメリットとは?
- 透湿と非透湿ルーフィングの違いとは?
- 透湿ルーフィングの施工の流れは?
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目次
透湿ルーフィングとは?
「透湿ルーフィング」という言葉を聞いても、具体的なイメージが湧く方はそう多くないことでしょう。そもそも、透湿ルーフィングとはどのようなものなのでしょうか?
以下では、透湿ルーフィングについて知っておきたい基礎知識をご紹介していきます。
そもそも「ルーフィング」ってなに?
まずは、「ルーフィング」という用語の意味から確認していきましょう。ルーフィングとは、屋根材と野地板のあいだに敷く防水シートのことです。
野地板の上にルーフィングをはることで、雨漏りを防ぐことができます。アスファルトを主材とするものが多いことから、「アスファルトルーフィング」とも呼ばれています。
透湿ルーフィングの特徴
透湿ルーフィングとは、ルーフィングの中でも通気性が高いという特徴をもっているルーフィングのこと。
ポリエチレンなどを主材料として作られており、風を適切に通してくれるので、湿気を排出して結露を防止できるのです。
また、雨のように大きな水の塊は通さないので、一般的なルーフィングと同様に高い防水性をもっています。透湿ルーフィングの人気商品として、たとえば以下のようなものが挙げられるでしょう。
- フクビ化学工業株式会社の「遮熱ルーフエアテックス」
- 株式会社ナガイの「イーストルーSフシルバー2」
- 3セーレン株式会社の「ルーフラミテクト」
反対に、湿気を排出できないルーフィングを「非透湿ルーフィング」と呼びます。
透湿ルーフィングは不人気?
防水効果に加えて結露防止効果も兼ね備えた透湿ルーフィングに魅力を感じる方も多いことでしょう。
ですが、透湿ルーフィングのシェア率は5%しかないと言われており、必ずしも普及率が高いとは言えません。
透湿ルーフィングが「不人気」な理由は、コストの高さにあります。建設会社は工事のコストが高くなることを嫌う傾向があるため、透湿ルーフィングを積極的には選ばないと考えられるでしょう。
ただし、国外では透湿ルーフィングが普及している地域もあります。たとえばドイツを中心とする西欧諸国では、瓦屋根の住宅の多くに透湿ルーフィングが使用されています。
- ルーフィングとは屋根の下地にはる防水シートのこと
- 透湿ルーフィングは通気性が高く、湿気を排出して結露を防いでくれる
- 高機能にも関わらず、高コストゆえに透湿ルーフィングはあまり普及していない
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透湿ルーフィングの種類
透湿ルーフィングは大きく3種類にわけることができます。では、種類によってどのような違いがあるのでしょうか?
以下では、透湿ルーフィングの3つの種類とそれぞれの特徴について解説していきます。
透湿ルーフィング
透湿ルーフィングとは、湿気を通すけれど水は通さないルーフィングのこと。雨漏れのリスクを心配せずに湿気を効果的に逃がせるため、結露対策に役立ちます。
近年の住宅は高気密で良くも悪くも風を通しにくく、屋根裏に湿度が溜まりやすい構造になっています。
そうなると結露が発生し、野地板を腐食させてしまう原因に…。透湿ルーフィングを使用すれば結露を防止し、野地板の寿命を長持ちさせることができるでしょう。
粘着型透湿ルーフィング
シートの片面が粘着テープとなっている透湿ルーフィングのことを、「粘着型透湿ルーフィング」と呼びます。
粘着テープのおかげで釘による打ち付けが必要ないため、釘の場所から雨漏りする心配がありません。
通常の透湿ルーフィングよりも高い防水性をお求めの方におすすめです。
遮熱型透湿ルーフィング
遮熱型透湿ルーフィングとは、透湿性能のほかに遮熱機能も備えたルーフィングのことです。
遮熱性能があるため、屋根の表面温度や室温を抑える効果があります。雨漏りや湿気対策に加えて、夏場の高温対策をしたいという方にピッタリです。
立地的に直射日光が当たって2階が高温になりやすい場合や、気温の高い地域にお住まいの方にもおすすめできるでしょう。
- 透湿ルーフィング:防水性と透湿性を兼ね備えている
- 粘着型透湿ルーフィング:釘打ちが必要なく高い防水性がある
- 遮熱型透湿ルーフィング:透湿効果に加えて遮熱効果もある
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透湿ルーフィングのメリット
費用の高さゆえにあまり普及していない透湿ルーフィングですが、使用することでさまざまなメリットが得られます。
ここからは、透湿ルーフィングを用いる利点について詳しく見ていきましょう。
結露による腐食対策となる
湿気対策を怠ると、耐用年数内であっても野地板が湿気によって腐食し、雨漏りなどのトラブルの原因になりかねません。
その点、透湿ルーフィングは湿気を逃がせる機能をもっているため、結露による野地板の腐食防止に役立ちます。
透湿ルーフィングを使用して適切に腐食対策をおこなえば、野地板を長持ちさせてメンテナンスの頻度や費用を抑えることが可能です。
耐用年数が長い
非透湿ルーフィングの耐用年数が15〜30年に対して、透湿ルーフィングは50年ほどの耐用年数があります。
半世紀近く交換の必要がないため、初期費用は高いものの、コストパフォーマンスがよいと言えるでしょう。
長期的に見ると、非透湿ルーフィングよりも透湿ルーフィングを設置したほうがメンテナンス費用が抑えられる場合もあり、お得です。
軽量である
非透湿のアスファルトルーフィングに比べて6分の1程度の重さしかないというのも、透湿ルーフィングならではのメリットです。
ルーフィングが軽量であれば屋根の耐震性がやや高まるため、地震が発生したときの揺れや倒壊のリスクを軽減できます。
屋根材に重量のある瓦などを使用しているならば、ルーフィングは軽量な透湿ルーフィングをチョイスしてみてはいかがでしょうか。
- 野地板の腐食を予防できる
- 耐用年数が50年ほどで長い
- 軽量なので耐震性が高い
透湿ルーフィングとその他のルーフィングを比較!
「どのルーフィングを選べばよいのか迷ってしまう」という方も少なくないことでしょう。
そこでここからは、透湿ルーフィングとそれ以外のルーフィングを徹底比較していきます。
透湿ルーフィング
透湿ルーフィングについて知っておきたい特徴は、以下のとおりです。
材料費 | 500円〜平方メートル単価) |
耐用年数 | 50年 |
メリット | 軽量、下地の腐食対策になる、耐用年数が長い |
デメリット | 工事費が高い |
透湿ルーフィングは通常のルーフィングと比べるとコストがかかるものの、軽量で耐用年数が50年ほどと長い上に、効果的な結露対策となる点が魅力的。
非透湿ルーフィング
非透湿ルーフィングの基本情報は、以下のとおりです。
材料費 | 200円〜(平方メートル単価) |
耐用年数 | 15〜30年 |
メリット | 工事費が安い、止水性が高い |
デメリット | 下地が腐食しやすい、耐用年数が短い、破れやすい |
非透湿ルーフィングは工事費を安く抑えられるものの、透湿効果は期待できないため結露による下地の腐食を起こすことがあります。
また、耐用年数が透湿ルーフィングの半分以下近くであることや、耐久性がやや低いこともデメリットとして挙げられるでしょう。
透湿ルーフィングの施工の流れ
透湿ルーフィングの施工には瑕疵保険が適用できます。では、透湿ルーフィングを野地裏に貼りつけるにあたって、具体的にどのような作業をおこなうのでしょうか?
以下では、透湿ルーフィングの施行の流れについてご紹介していきます。
屋根通気工法の流れ
湿気を逃がす通気を確保するために、まずは野地板の上に胴縁を設置します。その上で透湿ルーフィングシートを張りつけ、屋根材を施工すれば作業完了です。
通気層をしっかりと確保すれば、その分透湿ルーフィングの透湿効果が高くなります。
ただし、一部の金属屋根は他の屋根材と違って断熱材を使用しておらず、通気層を確保できるため、そのまま透湿ルーフィングを張りつけることが可能です。
そのため、透湿ルーフィングは金属屋根と相性がよいと言えるでしょう。なお、透湿ルーフィングでは太陽光パネルも設置できます。
カバー工法での施工は意味がない
カバー工法は古い屋根の上に新しい屋根を屋根の葺きつけするため、古いルーフィングが邪魔をして透湿ルーフィングの性能が活かせません。
そのため、カバー工法による透湿ルーフィングの張りつけはNGです。
- 作業工程:野地板に胴縁を設置し、透湿ルーフィングを張り付ける
- カバー工法では透湿ルーフィングの施行ができない
湿気対策には透湿ルーフィングがおすすめ
今回は透湿ルーフィングについて特集してきましたが、いかがでしたでしょうか。
結露による腐食を防止してくれる透湿ルーフィングは、通常のルーフィングと同等の防水性に加えて透湿効果も兼ね備えた優秀なアイテムです。
工事費用は高くなりますが、50年ほど耐用年数があるためコストパフォーマンスの点でも優秀だと言えるでしょう。
また、通常のルーフィングの重さの6分の1ほどしかないため、屋根や住宅に重量負担をかけにくいのもおすすめのポイントです。
「長く使えるルーフィングを選びたい」「屋根の結露や湿気をどうにかしたい」とお考えならば、透湿ルーフィングの使用を検討してみてはどうでしょうか。
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