ALC外壁とは? 外壁材の基礎知識から塗装のポイントまで解説!

「ALC外壁」って、あまり聞きなれない言葉ですね? 「そもそもALCって何?」という方も多いのではないでしょうか?

「ALC外壁」は、新築やリフォームをお考えの方にはぜひ知っておいて欲しい、優れた機能をたくさん備えた外壁材なのです。

この記事ではALC外壁とは何か、そしてALC外壁の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。お住まいに合った外壁材をお探しの方はぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • ALC外壁とは?
  • ALC外壁の特徴や、メリット・デメリットは?
  • ALC外壁と他の外壁材を徹底比較!
  • ALC外壁の施工時の注意点と費用は?

ALC外壁とは?

まずはじめに、ALC外壁の「ALC」の意味についてご説明します。

ALCとは、Autoclaved(気泡の入った) Lightweight(軽量の) aerated Concrete(コンクリート)の頭文字をつなげたもの。高温・高圧で蒸気養生した「軽量気泡コンクリート」のことです。

ALCは高性能なコンクリートで、パネル状に加工された状態で使用されるのため「ALCパネル」と呼ばれています。超高層の建物から一般住宅まで幅広く使用されている外壁材です。

また、「ALC」という名前から最近作られた外壁材のような印象を受けますが、実は100年以上も前から作り続けられている歴史の古い外壁材なのです。

これからALC外壁の基本的な知識をご紹介します。

ALC外壁の材質

ALCパネルはセメント質と無機質素材を原料に、スチール製のパネル型に流し込んで成形したもの。途中、高温・高圧の蒸気釜で十数時間かけて固めて作られます。

外壁材の一種であるサイディングボードと似ていますが、ALCパネルはサイディング材に比べて倍以上の厚みがあるのが特徴です。

ALC外壁の特徴

ALC外壁のもっとも大きな特徴は、ALCパネル材に気泡が入っていることです。実際に ALCパネルの断面を覗いてみると、コンクリートの内部に小さな気泡が無数にあります

通常のコンクリートは施工現場に原料を運び、その場所で固めるので品質が現場作業の精度に依存してしまうところがありますが、ALCパネルは工場で塗装も施されているためムラがありません。

さらに、ALCパネルの生産には日本工業規格の認証が必要で、生産できるのが日本に3社しかありません。そのため製品の出来栄えにムラができず、高品質で信頼性の高い外壁材なのです。

まとめると…
  • ALCは高温・高圧の蒸気で養生された外壁材
  • パネル(ボード)状に加工され、「ALCパネル」と呼ばれる
  • 工場生産なので、ムラのない安定した出来栄え

ALC外壁のメリット

ALCパネルには小さな気泡が無数にあるのが特徴のコンクリート外壁材ですが、それらの気泡によってどのようなメリットが生まれるのでしょうか?

この章では、ALC外壁のメリットについて詳しくご紹介します。

耐久性が非常に高い

ALC外壁のメリットのひとつは素材自体の耐久性です。ALCパネルは医療施設や高層ビルでも使われているほど、高い耐久性があるのです。

一般的なコンクリートは有機材が含まれているため、時間が経つにつれてひび割れが起きたり、反りが出てしまいます。しかし無機材で作られているALCパネルにはそのような心配がありません。

建て替えをせずに長く住み続けたい方におすすめの外壁材といえるでしょう。

耐火性と断熱性を兼ね備えている


ALC外壁は無機物で作られているので炎や熱の影響を受けにくく、有害物質が発生することもありません。火事に対する安全性を重視する方にとっては、とても重要なポイントですね。

また、ALCパネル内部の無数の気泡がパネル内部に空気の層を作って外部からの熱を断つため、季節を問わず室内を快適に保つことが可能に。ALCの熱伝導率は、一般的なコンクリートの10%です。

ALCパネルの断熱性のおかげで夏は涼しく、冬は暖かいお住まいを実現。さらに、真夏や真冬のエアコンや暖房の使用率を減らすことができるので、電気代の節約にもつながるでしょう。

軽量のため耐震性が高い

ALC外壁は、非常に軽量で通常のコンクリートの約1/4くらいの重さしかありません。軽い素材なら職人も扱いやすく、施工のしやすさにつながります。施工がスムーズに行われれば工期も短くて済み、費用を抑えることもできるでしょう。

軽量で建物へかかる負担も小さいため、地震に対する安全性も高いです。さらにパネルの特性をいかした施工法で、より地震に強くすることもできるため、耐震対策を考えられている方にはうってつけの外壁材といえます。

高い遮音性で騒音対策にも最適

ALCは気泡と厚みにより、遮音性に優れているのもメリットのひとつ。防壁材や新幹線のホームなどにも使われているのは、ALCの遮音性によるところが大きいようです。

ご近所の音が気になる方、騒音の多い場所にお住まいの方は新築やリフォームの際にALCパネルの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめると…
  • コンクリート内部に気泡を含んでいることによるメリットが豊富
  • 耐久性・断熱性・耐火性・遮音性が高い
  • 軽量で施工しやすく、工期とコストを抑えられる

ALC外壁のデメリット

ご覧いただいたようにたくさんのメリットを備えるALCパネルですが、優れたメリットがある反面、当然デメリットもあります。

この章では、ALCパネルのデメリットについて見ていきましょう。

唯一の弱点は耐水性

ALCパネルは多孔構造なので、防水性が期待できません。また、内部に小さな穴が無数にあいているため、スポンジのように水を吸収してしまいます。

気泡内に水が入ると膨張し、ひび割れなどの原因となることも。特に寒冷地などでは、吸水した水が凍ることで剥がれ落ちてしまうこともあります。

外壁表面にしっかり防水処理を施し、防水性の高い塗料を仕上げ材に使用することでこれらのデメリットを補うことは可能です。ただし、ALCパネルの耐久性は防水剤の寿命や劣化状態に大きく影響を受けることを認識しておく必要があるでしょう。

パネル間のつなぎ目が多い


耐水性が低いために、シーリングやコーキングと呼ばれるパネル間のつなぎ目が多いこともデメリットとなります。

どうして? と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、つなぎ目が多いということはそれだけ水が入るリスクが高いということです。

ALCパネルはサイディングボードよりもサイズが小さい分、つなぎ目が多くそこで使われているシーリング材が劣化してしまうと、そこから水が浸入しやすくなるためです。

他の外壁材より費用がかかる

ALC外壁は、JIS規格に基づいた安定した品質レベルと総合的な機能性が高い分、外壁材の価格としてはやや高くなる傾向があります。

他の外壁材と比べて工期が短くなるので人件費を抑えることは可能ですが、ライフプランやメンテナンス頻度なども考慮した上で使用することをおすすめします。

まとめると…
  • 水を吸収してしまう
  • つなぎ目(シーリング)が多い
  • 高品質なので価格は高い
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ALC外壁の主な劣化症状は?

ALCパネル自体の耐久性は高いものの水に弱いため、お住まいの環境によっては劣化が進みやすいケースもあります。外壁材の劣化が始まれば、家の寿命や耐久性にも関わるため早めに対処したいですね。

そこでこの章では、ALC外壁に見られる劣化症状についてご紹介します。ALCパネルに以下のような症状が現れたら注意しましょう。

劣化の種類 外壁の状態
チョーキング 塗膜の劣化により、触るとチョークのような白い粉がつく
変色・褪色 紫外線により色が褪せる
ひび割れ コンクリートの表面に細かいひびが入る
カビ・コケ・藻などの付着 パネル内部に雨水が溜まり、微生物が繁殖する
シーリングの劣化 ALCパネルをつなぐシーリングが割れたり剥がれる
破裂 パネル内部に水分が溜まって鋼材が錆び、片々に砕ける

外壁の劣化症状についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
外壁リフォームの種類は?費用は?どこよりもわかりやすく解説!

ALC外壁と他の外壁材を徹底比較!

ALCパネルは優れた機能をもつ外壁材ですが、すべての家や環境に適しているとは限りません。ALC外壁と他の外壁材を比較して、それぞれの特徴やメリット・デメリットを検証してみることで、お住まいに合った外壁材を見つけることができるでしょう。

新築やリフォームの外壁材選びに悩んでいる方は必見です!

ALC外壁vs窯業系サイディング


ALC外壁と窯業系サイディングを比較した場合、機能面ではALC外壁の方に軍配が上ります。

耐久性・耐火性においてはALC外壁の方が優れていますし、窯業系サイディングの厚みが12~17mmであるのに対してALCパネルは37~50mmとしっかりした厚みで、断熱性もALC外壁の方が勝っています。

一方で、窯業系サイディングの色やデザインの豊富さは、おしゃれな外観にこだわる方には見逃せませんね。価格もALC外壁よりも安価なのも魅力です。

機能性を重視するならALC外壁、デザイン性ならば窯業系サイディングといえるでしょう。

ALC外壁 窯業系サイディング
価格
厚み
デザイン性
機能面

ALC外壁vs金属系サイディング


価格こそ金属系サイディングのほうが優れていますが、耐久性、断熱性においては大きな差はありません。ただ、金属系なので「サビが発生しやすい」「傷がつきやすい」というデメリットも。この点ではALC外壁の方が優れているといえるでしょう。

また金属系サイディングは、地域によっては慎重に選ぶ必要がある外壁材です。金属で水分を吸収することがなく凍害には強い反面、酸性雨や塩害の被害を受けやすいので、雨が多い地域や海沿いの住宅ではおすすめではありません。

ALC外壁 金属系サイディング
価格
厚さ
サビにくさ
凍害対策

ALC外壁vsモルタル外壁


ALC外壁とモルタル外壁を比較した場合、施工工期の長さに大きな差が出ます。ALCは工場生産であるのに対し、モルタルは現場で配合・練りを行うため工期が長くなりがちです。また、ALC外壁よりも小さなひび割れが起こりやすい性質があるため、塗る作業にも時間がかかります。

しかしモルタル外壁は、一面が塗り壁であることからつなぎ目がほとんどなく、シーリング材の破損や水の浸入といった心配がありません。こまめな補修が必要なシーリングの手間やメンテナンスコストを削減できるのはメリットです。

モルタルは職人の腕や経験にもよりますが、仕上がり方法にも種類が多く、モルタル独特の味わい深いデザインに仕上げることができるのも魅力のひとつです。

ALC外壁 モルタル外壁
価格
デザイン性
つなぎ目の少なさ
工期
まとめると…
  • ALC外壁は、他の外壁材と比べて機能性が抜群
  • 窯業系サイディングやモルタル外壁と比較すると、デザイン性に乏しい
  • ALC外壁の工期は短いが、他の外壁材と比べて費用が高額

ALC外壁以外の外壁材について興味のある方には、以下の記事もおすすめです。ぜひご一読ください。
おすすめの外壁材はこれだ!機能・色・価格からベストな外壁を解説

「ALC外壁」塗装時のポイントとは?

ALC外壁は、他の外壁材以上に塗料選びが非常に大切です。またシーリングの補修も、外壁を美しく保つには欠かせないポイントとなります。

この章では塗料選びの際の注意点だけでなく、シーリング補修や定期的なメンテナンスの重要性についてまとめました。綺麗な外観だけでなく、ALC外壁の優れた性能を最大限にいかすためにも、ぜひ参考にしてください。

防水性の高い塗料を選ぶ


ALC外壁の最大の弱点は、耐水性が低く、吸水性が高いことです。雨や水の浸透は劣化の原因となります。ALCパネルのこの弱点を補うには、防水性の高い塗料を選ぶ必要があるでしょう。

防水性の高い塗料を選ぶ際は、弾性塗料を選ぶのがおすすめです。弾性塗料は伸縮性が高いので、外壁にひびが入っても塗膜もそれに合わせて伸縮するので、水の浸入を阻止することができます。

ただし、弾性塗料の中には膨張する性質を備えたものもあるため、透湿性の優れたものを選びましょう。塗膜の膨張や剥がれを防ぐだけでなく、外壁材内部の結露の防止につながります。

これらの条件を満たしている商品名としては、DANシリコンセラR(日本ペイント株式会社)があります。上記に加えて中性化防止や防藻・防カビ機能もあるため、ALC外壁の塗装において相性のいい塗料です。

定期的な外壁塗装が必須

ALCに限らず外壁のお手入れはされていますか? 外壁の状況を把握しておかないと、劣化が進んでしまってからでは外壁塗装では対応できず、場合によっては高価な張り替えリフォームが必要になってしまうかもしれません。

普段あまり外壁をチェックしていない方は、定期的にチェックすることをおすすめします。

外壁の表面にひびが入ったり、外壁を触ってみて白い粉がついたら塗り替えのサインです。表面塗膜の防水性が失われるとALCパネル内部に水が浸透し、強度を保つための補強材の劣化につながります。それにより、ALC外壁材のメリットのひとつである耐久性が落ちてしまうのです。

ALCの高い耐久性をいかすためにも、定期的に塗装メンテナンスを行うようにしましょう。

手に白い粉がつく「チョーキング現象」について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
外壁塗装の「チョーキング現象」とは?原因と対策方法を解説します!

ALCの施工にかかる費用は?

ALCパネルの単価は7,500円〜が一般的です。やや高額ですが、それだけ高品質でメリットの多い外壁材であるともいえるでしょう。

ALCはパネルを張りつけて施工するため、シーリングが必須です。欠けたシーリングを補填する「打ち増し」と、既存のシーリングを剥がして新たに張り直す「打ち替え」の2つの方法があります。

1㎡あたりの打ち増しは500〜1,000円、打ち替えは700〜1,300円が相場です。

さらにALCパネルの塗装も必要です。以下の表に塗料別に費用をまとめました。

塗料 1㎡あたりの単価
ウレタン塗料 2,100〜3,100円
シリコン塗料 2,730〜4,140円
ラジカル塗料 2,930〜4,290円
フッ素塗料 3,690〜4,700円

シーリング法や使用する塗料にもよりますが、30坪の一般住宅をALC外壁にする場合のコストの目安は200〜300万円程度になります。

シーリングも同時に補填がおすすめ


外壁塗装だけでなく、ALCパネル間のつなぎ目(シーリング)のメンテナンスも必要です。シーリング材が劣化すると、そこから水が浸入して外壁や構造部材へのダメージに直結します。シーリング材に割れや剥がれを見つけたら、「打ち替え」や「増し打ち」で早めに補修しましょう。

ところで、ALC外壁に劣化が見られないからといって、シーリング補修だけで済ませようと考えてはいませんか?

シーリング補修にも外壁塗装にも、必要となるのが足場です。足場の設置にかかる工期と決して安くない足場代を考えると、同時に補填した方がお得な場合もあります。外壁塗装とシーリング補修はセットと捉えておくと良いでしょう。

まとめると…
  • 水に弱いので防水性が高い塗料を選ぶ
  • 定期的な外壁塗装で防水対策を強化!
  • 塗装時にはシーリング補修も忘れずに

ALC外壁は高機能で魅力的

ALC外壁はパネル内に気泡を含むことで、たくさんの優れた機能を備えています。水に弱いという弱点もありますが、防水対策とメンテナンスを定期的に行うことで、このデメリットも解決できるはずです。

新築や張り替えリフォームを計画している方は、ALC外壁もぜひ検討してみてください。

 

外壁塗装に必要な費用相場について気になる方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
外壁塗装の費用相場が全てわかる!リフォーム価格の計算方法&注意点

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