フッ素塗料は最も耐久性が高いのですが、その分最も高額であるため、実は家庭用として一般的な塗料とは言い難いです。
しかし、最近徐々に家庭用にも普及しつつあります。「質の高い塗料を使いたい」または「家の美観を保ちたい」という方が使用したいと思われる傾向があるようです。
この記事では、塗装にかかる費用を考えると迷ってしまう…という方のために、このフッ素塗料の魅力についてたっぷりご紹介します!
もちろん、いい面ばかりではなくデメリットについてもしっかり解説しますので、本当に自分の家の外壁に適した塗料であるのか、この記事を読んだ後に是非吟味してみて下さい。
- フッ素塗料の特徴やメリット・デメリット
- 他の塗料と何が違うの?
- フッ素塗料はどんな人におすすめ?
- 代表的なフッ素塗料のメーカーや商品
- フッ素塗料で塗装する際の注意点は?
目次
外壁塗装の「フッ素塗料」の特徴は耐久性!
「そもそもフッ素塗料って何?」、「どんな特徴があるの?」など疑問がたくさんあることでしょう。ここからは、外壁塗装のフッ素塗料についてとその特徴についてご紹介します。
フッ素塗料とは
そもそもフッ素塗料とはフッ素系の樹脂を利用した塗料のことです。フッ素は、フライパンの表面加工や、歯磨き粉にも利用されており、意外にも私たちにとって身近な素材なんです。
少し専門的な話になってしまいますが、エチレン重合体の水素原子をフッ素に置換して結合させたものがフッ素塗料です。近年では日本ペイントが開発した「4フッ化エチレン樹脂」が主に利用されています。
フッ素塗料の特徴①耐摩耗性に優れている
フッ素塗料は摩擦に強く傷つきにくく、塗装したてのツヤを長期間キープしてくれます。その耐久性は、20年でわずか10%しか減少しないといわれているほど!
塗装時のツヤをどれだけ保持できるかという割合を「光沢保持率」といいますが、フッ素塗料の塗膜の光沢保持率は他の塗料と比べてもトップクラスです。
フッ素塗料の特徴②汚れにくい
フッ素塗料は親水性に優れている塗料です。「親水性」とは水に密着しやすい性質という意味で、汚れが付着しても水が接着面に入り込んで汚れを落としてくれます。
たとえば、空気中の塵やホコリといった汚染物質などが外壁の塗膜表面に付着しても、外壁の表面は親水性の高い塗膜でできているので、汚れを洗い流して綺麗な外壁を維持してくれるのです。
また、フッ素塗料は非粘着性でもあります。非粘着性であると汚れを弾き、美観を保つ効果が期待できます。
このようにフッ素塗料は汚れが落ちやすいため、「低汚染性」「耐汚染性」とも呼ばれることもあるようです。
フッ素塗料の特徴③耐熱性に優れている
塗料の「耐熱性」とは、紫外線や太陽熱から外壁などを守る性能のことをいいます。
フッ素系塗料は炭素とフッ素の強い結合によって構成され、紫外線や太陽の光に強いのが特徴です。ウレタンやシリコンといった他のグレードでも耐熱性を備えた塗料はありますが、その中でもフッ素塗料がもっとも耐熱性に優れます。
耐熱性が高い塗料であるため、紫外線や熱によるダメージから外壁を守る効果に優れています。塗料の成分が紫外線によって破壊されにくく、塗膜の色あせや劣化が進みにくいのです。
なお、耐熱性に似た性能に「遮熱性」や「断熱性」がありますが、「遮熱性」とは家の中に外の熱を通さない性能のことで、「断熱性」は家の中の暖かい空気を外に逃がさない性能をさします。
フッ素塗料の特徴④カビに強い
フッ素塗料の塗膜は防藻性や防カビ性が高く、カビやコケが発生を抑える効果があります。
例えば、太陽の光があまりあたらない北側の壁や、水辺に位置するような住宅は藻やカビが発生しやすいですが、フッ素塗料を塗装することで、こういった条件下でもカビやコケの発生を防いでくれます。 カビや藻の付着により建物の外観の美しさを損なうことなく、メンテナンスも楽でしょう。
フッ素塗料の特徴⑤防水性が高い
多くの外壁用塗料には防水性が備わっていますが、フッ素塗料にも高い防水性があります。防水性のある塗料を使うことで、外壁材を雨水などから守ることができるのです。
またメーカーによっては、ゴムのような弾性を備えているフッ素塗料もあります。弾性を備えた塗料を使えば、塗膜の表面に細かいひび割れが生じても、弾性の塗膜が伸びてひび割れを防ぎ、外壁内部への雨水の浸入を防いでくれるのです。
- フッ素塗料の塗膜の光沢保持力は優れている
- 親水性や非粘着性であるため汚れにくい
- 紫外線や太陽の熱から外壁を守る性能に優れ、塗膜の劣化を防ぐ
- カビや藻に強い
- 防水性が高く、塗膜が伸びてクラックを防ぐ弾性塗料もある
フッ素塗料で塗装するメリット
フッ素塗料の特徴を理解したところで、ここからはどんなメリットがあるのかについてご紹介します。
耐用年数が長い
前述した通り、フッ素塗料は他の塗料と比べて耐久性が高く劣化しにくいため、塗り替えまでの耐用年数が長いです。フッ素塗料は「高耐久性塗料」とも呼ばれています。
フッ素塗料は数ある塗料の種類の中でも耐用年数がもっとも長く、15〜20年は効果が持続するとされています。シリコン塗料の耐用年数は10〜15年なので、フッ素塗料は約1.5倍の耐久年数があるのです。
初期投資はややコストがかかりますが、耐久年数が長いことで長期的にみると何度も塗り替えるよりも費用を抑えられた、というケースは少なくありません。
メンテナンスの手間が少ない
耐久性だけではなく耐摩耗性、耐汚染性、防カビ性などに優れているため、傷や汚れに強く、メンテナンスの手間も少ないです。メンテナンスの回数が減れば、手間が省けるだけではなくそれだけ費用も抑えることができるため一石二鳥ですね!
信頼性が高い
フッ素塗料は公共事業にも多用されている塗料であり、耐用年数や劣化年数に対する実績が豊富で塗料の信頼性が高いです。
新しい塗料でフッ素塗料に劣らない機能性を備えたものもないわけではないのですが、新しいというだけあってまだ実績がなく、本当にその効果を得られるのか100%の保証はありません。その点、フッ素塗料は以前から用いられている塗料ということで安心してその効果を期待できます。
- 耐用年数が長くメンテナンスが楽
- 塗料の信頼性が高く、安心して効果を期待できる
フッ素塗料で塗装するデメリット
耐用年数が長く、メンテナンスも楽でありかつ信頼性も高いなどこれだけたくさんのメリットがありますが、もちろんデメリットも存在します。続いては、外壁塗装でフッ素塗料を用いる際のデメリットについてご紹介します。
是非メリットとデメリットをてんびんにかけて、塗装を検討してみましょう。
価格が高い
フッ素塗料はグレードが高い塗料のため、一般家庭でよく使う「シリコン塗料」よりも1割以上も価格が高いです。他にも、アクリル塗料、ルレタン塗料、ラジカル塗料がありますが、これらのどれよりも高く、一回の施工費用が非常に高額になります。
個人住宅用の塗料としては主流ではない
日本の個人住宅の主流はコストパフォーマンスに優れたシリコン塗料です。そのため業者もシリコン塗料をすすめてくる可能性が高く、自分でフッ素塗料を希望しないと使ってくれない可能性もあります。
フッ素塗料が普及し始めた当初は高層ビルなどの寿命が長い建物のためによく使われていました。個人住宅用に使用されることを想定されていないため、フッ素塗料を使いたいと要求しても業者も戸惑ってしまう可能性があります。
また、個人住宅の外壁塗装の主流ではないためどうしても知識と経験を有する職人が少なくなってしまいます。一回でも施工ミスが発生してしまうと、高額な塗装工事ためどうしても事後処理が大変になってしまいます。
フッ素塗料での外壁塗装を依頼したいという際には、きちんと業者の質を見極めて、信頼できる塗装業者に施工を依頼しましょう。
ひび割れしやすい
フッ素塗料は乾くと硬くなる性質であり、また塗膜が硬いためひび割れしやすく補修するのが難しいです。例えば、大きな地震が発生すると、揺れに耐えられずひび割れができやすくなります。
ただし、弾性塗料を利用すれば問題はないと言えます。弾性塗料はゴムのような柔軟性と伸縮性を持つため、衝撃にも対応してくれます。
業者の技術によっては本来の効果が発揮されない
フッ素塗料は高価な塗料です。せっかくフッ素塗料を使用するのであれば、しっかりとその効果を発揮させたいですよね。しかし実際に扱う職人が洗浄や下地処理をいい加減に行ってしまうと、本来の耐用年数よりも早く劣化が始まることもあるのです。
それを避けるには、丁寧に下地処理を行い、塗料の使用方法をきちんと守ることが重要です。
たとえば下地の塗り方が雑だと、上に塗るフッ素塗料がしっかりと密着せず、ひびや剥がれの原因となります。また、洗浄をいい加減に行って古い塗料が残ったままだと、上からフッ素塗料を塗っても古い塗膜と一緒に剥がれ落ちてしまいます。
塗装が剥がれ落ちてしまえば塗り直しが必要になりますが、フッ素塗料は高額ですから何度も塗り直すのは避けたいところ。塗装を長持ちさせるにはフッ素塗料の施工経験が豊富で、正確な施工を行ってくれる業者に依頼するようにしましょう。
質の悪いフッ素塗料もある
実はフッ素塗料は、少しでもフッ素樹脂が混ざっていれば「フッ素塗料」と呼ぶことができてしまいます。そのため「フッ素塗料だから質が良い」と思い込むのは危険です。
悪質な業者の中には、ほんの少ししかフッ素樹脂が入っていない塗料で塗装をしておきながら、「フッ素塗料だから」と高額な塗料代を請求することがあります。しかし、わずかしかフッ素樹脂が混ざっていなければ、本来のフッ素塗料の品質を期待することはできません。
もちろん、素人にフッ素塗料の質の良し悪しを見抜くことは至難の技。施工して数年経った後に「実は質の悪いフッ素塗料だったんだ…」と気づいても後の祭りです。
そういった危険を避けるには、ある程度知名度のある国内メーカーのフッ素塗料を使うのが安全です。取り扱い数や実績などをチェックすることで、信用できる塗料であるかを判断することができるでしょう。
ツヤあり塗料しか選択肢がない
施工直後のフッ素塗料は、非常に強いツヤが出るのが特徴です。ツヤのある家がお好きな方であれば良いのですが、「安っぽい」「派手すぎる」などと好まない方もいらっしゃるでしょう。
施工直後の強いツヤは数年で消えるのですが、ツヤがどうしても嫌なのであれば調整剤で抑えることになります。しかし、フッ素塗料のツヤには汚れや雨を弾く機能があるので、調整剤を混ぜることで耐久性がやや低下することは避けられませんし、完全にツヤを抑えることができるわけでもありません。
せっかく長い耐久性能をもつフッ素塗料を使用するのですから、塗装直後の数年はツヤを我慢して、耐久性を残しておく方が良いかもしれませんね。
- 一般的に使用されるシリコン塗料より価格が高い
- 一般住宅用としてはまだ主流ではないため、知識と経験が豊富な職人が少ない
- ひび割れしやすいが、弾性塗料を利用すれば問題はない
- 職人の施工がいい加減だと、本来の耐用年数にならないことも
- 質の悪いフッ素塗料を使用しながら、高額な塗料代を請求する業者もいる
- 施工直後の数年はツヤが強い
もちろんチェックは完全無料&匿名。
いくつかのチェック項目を入力するだけで、塗装にかかる適正価格が簡単にわかりますので、ぜひお気軽にチェックしてみてくださいね!
フッ素塗料を他の塗料と比較してみよう!
フッ素塗料は卓越した特徴があるけれどグレードが高いということは理解できても、情報を整理できていないという方もいらっしゃるでしょう。
ここからは他の塗料と比較したものをまとめて紹介します。
塗料の種類はおもに4種類!
そもそも塗料の種類がわからない…という方のために、まずは外壁塗装に用いられる塗料の種類についてご紹介します。
外壁塗装に使われる塗料は大きく分けて4種類。グレード(塗料の質)の低いものから、アクリル→ウレタン→シリコン→フッ素 となっており、今回のテーマであるフッ素塗料はこの4つの中でもっともグレードの高い塗料です。
グレードが上がるほど、単価が上がる代わりに耐用年数も長くなります。なお、一番グレードの低いアクリル塗料はその質の低さから現在ではあまり用いられていないため、今回の比較ではアクリル塗料を除いた3種類を比較していきます。
塗料の種類やそれぞれの特徴については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
外壁塗装の「塗料」どう選ぶ?塗料の種類から特徴まで徹底比較します!
価格を比較
まずは一番気になる価格から比較していきます。
塗料 | 平米単価(㎡) |
ウレタン塗料 | 2,200〜2,500円/㎡ |
シリコン塗料 | 2,500〜2,800円/㎡ |
フッ素塗料 | 3,000〜3,300円/㎡ |
平米単価は1平米(1㎡)あたりにかかる費用を指します。
ウレタン塗装はやはり価格の安さが売りです。それに対してフッ素塗料は質が高いためどうしても単価は高くなってしまいます。もっともメジャーに用いられているシリコン塗料は比較的にバランスが取れている塗料といえるでしょう。
これに加えて施工代金や資材・養生代金、足場代などがかかるため、正確な費用の見積もりはしっかりと立てましょう。
耐用年数を比較
続いて、耐用年数を比較していきます。この耐用年数はあくまで目安ですので、居住環境やメンテナンスによって差が生じることもあります。
塗料 | 耐用年数 |
ウレタン塗料 | 8〜10年 |
シリコン塗料 | 10〜15年 |
フッ素塗料 | 15〜20年 |
フッ素塗料は価格が高いだけあり、耐用年数は圧倒的に長いです。逆にウレタン塗料は価格が安いためどうしても他と比べて耐用年数は短いです。
フッ素塗料とウレタン塗料の耐用年数には最長で倍近く差がありますので、単に費用を抑えたい!というだけで安易にウレタン塗料を選ぶと、フッ素塗料で塗装した場合の倍の速度で塗り替えが必要になってしまう可能性も。
目先の費用ももちろん重要ですが、長期的なスパンで費用を考慮するのが賢い選択と言えるでしょう。
利用目的で比較
とにかく工事費を抑えたいならウレタン塗料をおすすめします。弾性があり、ひび割れに強いのが特徴でリーズナブルな価格で施工できる塗料とされています。ただ、耐用年数がほかの塗料より短めなので塗り替え回数が多くなってしまいます。
塗料選びが面倒だったり、人気の塗料を使いたかったりするならシリコン塗料が良いでしょう。スタンダードでありコスパも良いため、初心者でも安心して使える最も使い勝手の良い塗料とされています。しかし、塗膜がひび割れしやすいためフッ素塗料よりはやはり塗り替え回数が多くなってしまいます。
寿命が長い塗料、あるいはメンテナンスの手間を減らしたいならフッ素塗料にしましょう。たくさんの利点が存在するなかである欠点はやはり初期投資のコストが高いところです。
- 費用を抑えたい方はウレタン塗料
- 人気で無難なのが良い方はシリコン塗料
- 寿命の長さを期待している方はフッ素塗料
フッ素塗料はピンポイントの使用もおすすめ!
フッ素塗料は使ってみたいけど、価格が高いから手が出しにくい…という方には部分的にフッ素塗料を使用してみてはいかがでしょうか。
ここからはフッ素塗料をピンポイントで使用できるのはどういう場合かについてご紹介します。
雨どいなどの付帯部
軒天、破風、雨どい、といった付帯部は劣化しやすいため、外壁や屋根をシリコンにして、付帯部だけフッ素塗料で塗るという考えもあります。
外壁全体にフッ素塗料を塗装するとなるとかなり高額になってしまいますが、こういった狭い部分だけ塗装するのであれば値段もそこまで高額にはなりません。
外壁にシリコン、屋根にはフッ素という使い分け
屋根は外壁に比べて雨風や紫外線を受けやすいため劣化が早いです。そのため同じ性能の塗料を外壁と屋根に同時に塗ると、屋根のほうが先に寿命を迎えてしまいます。
外壁と屋根の耐用年数を合わせることで工事費用が安くなるので、外壁をシリコン、屋根をフッ素で塗装すると年数が揃いやすくなっておすすめです。
外壁と屋根を同時に塗装するメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
外壁と屋根は「同時に塗装」が絶対オススメ!その理由・費用とは?
- 軒天、破風、雨どい、といった付帯部などの劣化しやすい場所に特に必要
- 外壁をシリコンにし屋根をフッ素にするのがおすすめ
フッ素塗料はどんな人におすすめ?
ここまで、フッ素塗料の特徴や、メリットデメリットなどをご紹介しました。続いては、実際このフッ素塗料がどんな人におすすめの塗料なのかをお話しします。
ご自身のニーズにあわせてぜひフッ素塗料での外壁塗装を検討してみましょう。
寿命が長い塗料を使いたい人
耐用年数が非常に長いため塗替え時期がシリコンよりも少なくて済みます。
塗り替え時期のことについていちいち考えるのがめんどくさいと思われるのなら思い切ってフッ素塗料にしてみましょう。
メンテナンスの手間を省きたい人
汚れや傷に強いため、フッ素塗料は他の塗料と比べてメンテナンスの手間が少ないです。そのため、メンテナンスについてちょくちょく考える必要がなくなります。
定期的なメンテナンスが面倒…という人にはフッ素塗料は非常におすすめです。
外壁の美観を長く維持したい人
フッ素塗料は汚れやカビに強く、光沢保持率も他の塗料に比べると高いため、外壁の綺麗さを長く維持できます。また、光沢のある仕上がりになるため、ピカピカの新築のようになり得ます。自分の家の美観に特に気を使っている方は、是非ご検討下さい。
トータルコストを節約したい人
フッ素塗料は高額な塗料なので、他の塗料を使用する場合と比べれば初期費用は高くなります。しかしメンテナンスの周期が長いため、塗装補修のたびに必要となる足場代や洗浄代、下地補修代などを節約することが可能です。
20年後、30年後と長期的なコストを考えれば、フッ素塗料を使用する方が費用の削減ができるでしょう。
- 寿命が長くメンテナンスの楽さを求めるのならフッ素塗料にするべき
- マイホームの美観に気を配っている方もまたフッ素塗料にするべき
【メーカー別】代表的なフッ素塗料を紹介!
フッ素塗料を使用してみたいけれどどれが良いのか、そもそも種類はどれだけあるのかわからないため不安だと感じている方のために、ここからは代表的なフッ素塗料をご紹介します。
日本ペイントの外壁用「ファイン4Fセラミック」
日本ペイントの外壁用「ファイン4Fセラミック」は、外壁用フッ素塗料としては特に有名な塗料です。
セメント素地(コンクリート・モルタル)、金属(鉄面・ステンレス・アルミ)硬質塩ビ、FRPの下地に適用可能で、仕上がりのツヤ感もつや有り~3分つやまでバリエーションが豊富。ご自身のニーズに合わせて仕上がりを選ぶことができます。
属性 | 詳細 |
価格 | 3,760~4,300円/㎡ |
耐用年数 | 推定15~20年(メーカー非公開) |
エスケー化研の外壁用「クリーンマイルドフッソ」
こちらも大手メーカーの、エスケー化研の外壁用「クリーンマイルドフッソ」ですが、外壁用フッ素塗料のなかでは比較的価格が安いことが特徴です。フッ素塗料のコストが気になるという方はこの塗料がおすすめ。
こちらも先ほど同様さまざまな下地に適用可能で、ツヤも4種類から選ぶことができます。
属性 | 詳細 |
価格 | 2,800円/㎡(追加で下塗り費用がかかります) |
耐用年数 | 15~20年 |
日本ペイントの屋根用「サーモアイ4F」
屋根用フッ素塗料としては特に有名な塗料が「サーモアイ4F」です。遮熱効果があるなど屋根用塗料としてはトップクラスの品質といえるでしょう。
適用下地はスレート・波形スレート屋根、金属屋根・トタン、住宅用化粧スレート屋根ですが、仕上がりはつや有りしか選ぶことができません。
属性 | 詳細 |
価格 | 4,610円/㎡ |
耐用年数 | 推定8~10年(メーカー非公開) |
エスケー化研の屋根用「クールタイトF」
エスケー化研の屋根用「クールタイトF」は、屋根用フッ素塗料としては価格が安いです。
先ほどのサーモアイ4Fはつやの種類を選ぶことができませんでしたが、こちらのクールタイトFは、仕上がりをつや有り・3分つや・つやなしの3種類から選ぶことができます。
属性 | 詳細 |
価格 | 4,300~4,350円/㎡ |
耐用年数 | 8~10年 |
AGCコーテックの外壁&屋根用「ルミステージ」
AGCコーテックの外壁&屋根用「ルミステージ」はフッ素塗料のなかでも特に耐用年数が長く、10年のメーカー保証があるのが特徴です。一部の施工店しか塗装を許されておらず、外壁塗装に用いられる塗料の中で最高級の塗料といっても過言ではありません。
適用下地は非公開ですが、適用範囲は広いとのメーカー発表があります。
属性 | 詳細 |
価格 | 非公開(一般的なフッ素塗料よりは高いと考えられる) |
耐用年数 | 15~20年 |
フッ素塗料で塗装する際の注意点
フッ素塗料で塗装を行う際には、いくつか注意点があります。ここからは、この注意点についてご紹介しますので、フッ素塗料の使用を検討している方はぜひ参考にしてください。
外壁自体の寿命が近づいているなら他の塗料がオススメ
外壁材や屋根材にも寿命があります。外壁材や屋根材の寿命が近いのに耐用年数の多いフッ素塗料を使うと耐用年数の残りが無駄となってしまいます。
しっかり自身の家の外壁材や屋根材の状態を確認した上で、フッ素塗料を使うかを検討して下さい。
業者選びでフッ素塗料の寿命は変わる
いくらフッ素塗料がグレードの高く、質も良い優秀な塗料だからといって職人を選ばないと考えていたら大間違いです。塗料の性能と同じくらい業者の技術力が重要とされています。
フッ素塗料が個人住宅で使用されるようになってまだそんなに経っていないため、フッ素塗料のノウハウがない業者も実はいます。
フッ素塗料を使っても業者が未熟だったり、手抜き工事をしたりすると数年で剥がれてしまい、せっかくのメンテナンスが楽というメリットが生かされなくなってしまいます。
屋根塗装なら遮熱機能を重視
フッ素塗料にも種類はいくつか存在し、中には遮熱性能を持った「遮熱塗料」があります。夏場の室温を下げる効果が期待できる塗料のため、冷房費用を節約したい人におすすめです。
アフターケアも万全な業者を選ぶ
残念ながら、どれほど優れた業者でも塗装後に剥がれる可能性はゼロではありません。やはり少し扱いにくい塗料であるため、失敗はつきものだと考えましょう。
塗料のメーカー保証など、アフターケアが充実している業者塗料を選ぶことをおすすめします。
- 業者選びは非常に大事!悪徳業者に騙されないように。
- 遮熱機能を兼ね備えている塗料もある
- アフターケアにも気を配りましょう
塗り替えが面倒という人はフッ素塗料で塗装しよう!
価格が高く、個人住宅用としてはあまり主流ではないというデメリットはある反面、耐摩耗性、非粘着性、耐候性、防藻性や防カビ性という特徴を含み、耐用年数が長く、メンテナンスも大変ではない高耐久で高寿命というメリットがあるので、塗り替えが面倒という方にはうってつけな塗料です。
しかしながら、高額なため簡単に決断できるような金額ではありません。本当に自分にあっているかを考え、使用すると決めたとしても業者選びには慎重になりましょう。
外壁塗装の費用について気になる方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
外壁塗装の費用相場が全てわかる!リフォーム価格の計算方法&注意点
しかし、外壁塗装の「価格相場」というのはとても複雑。外壁の状態や使用する塗料によって金額が大きく変動するため、素人がその適正価格を見極めるのはとても難しいのです。
中にはその複雑さに付け込み、不当な価格を要求したり手抜き工事をする悪質な業者も…
「外壁塗装ほっとらいん」では、厳正な審査をクリアした優良業者のみを無料でご紹介しています。
ご自宅の相場がわからないという方も、今の業者でいいのかな…と不安な方も、ぜひ一度見積もりをしてみてはいかがでしょうか?