屋根や外壁の場合、自費で補修をおこなうと高額になりやすいため、火災保険を利用できるならばそれに越したことはありません。
ですが、最近では「火災保険を利用すれば無料で補修工事ができる」という誘い文句で、意図的に依頼主に不利な契約を結ばせるといった悪徳業者の被害が多く報告されています。
この記事では火災保険詐欺の手口や悪徳業者の見分け方について徹底解説しているので、被害に遭わないためにぜひご覧ください。
- そもそも火災保険の補償対象や補償内容とは?
- 火災保険詐欺の実態とは?
- 悪徳業者がよく用いる手口とは?
- 火災保険詐欺に遭わないためにはどうすればいいの?
火災保険の補償内容おさらい
何となくわかっているつもりでも、実際には「補償内容についてよく知らない」「どのような場合に保険が利用できるのかわからない」という人も少なくないはずです。
せっかく火災保険に加入していても、補償内容や補償対象をきちんと知っておかなければ、保険金を申請できるケースを見落としてしまうこともあるでしょう。
そこでここではまず、火災保険の補償内容やその対象について確認しておきましょう。
補償内容
火災保険の補償内容は、次の2つに大別されます。
- 建物
- 家財
「建物」とは、建物自体やそれに付帯する部分といった動かせないものを意味します。付帯部分としては、たとえば車庫や門などが含まれます。
他方で、「家財」とは電化製品(テレビ・冷蔵庫など)や家具(テーブルやタンスなど)といった、建物内にあって動かせるものを指します。服やカーテン、現金、自転車なども家財に含まれることを知っておきましょう。
「建物」と「家財」がセットになった火災保険のプランもありますが、「建物」のみ、あるいは「家財」のみのプランもあります。
万が一のことを考えると「建物」+「家財」が安心ですが、その分保険料も高くなるため、加入前にどういった補償内容のプランを選ぶべきか慎重に検討したいところです。
補償範囲
火災保険というと、「火事に遭った場合に補償が受けられる」というイメージがもたれがちですが、その補償範囲は火事以外にも及ぶことをご存知でしたか?
火災保険の補償範囲としては、たとえば以下のようなものが挙げられます。
- 火災:火事による損害
- 落雷:雷による損害
- 破裂、爆発:破裂や爆発による損害
- 風災:台風や風雨による損害
- 雹災:ひょうによる損害
- 水濡れ:漏水による損害
- 盗難:泥棒による盗難といった損害
- 暴力:集団による暴力や、破壊行為による損害
- 飛来物、落下物:車の追突や飛行機の墜落などによる損害
上記の被害はあくまで一例であり、ほかにも対応している場合があることに注意が必要です。また、一部の補償範囲では特約が必要になるケースもあります。
- 補償対象は「建物」と「家財」に大別される
- 「建物」と「家財」がセットになったプランもある
- 補償内容は火事以外にも落雷や水漏れなど多岐に渡る
- 加入前に補償対象・内容や特約などについてしっかり確認することが大切
火災保険詐欺の手口とは?
自然災害によって建物や家財が被害を受けても、火災保険を利用すれば保険金で補修工事をしたり、破損した家具などを買い替えることができるので安心材料になるでしょう。
ただし、最近では火災保険を口実にした詐欺が横行していることを知っておく必要があります。火災保険詐欺の手口として注意したいのが、「リフォーム時に火災保険を利用すれば0円になりますよ」という誘い文句です。
リフォームをする際に、火災保険を使うことを前提で工事契約を結んだものの、火災保険の適用ができないことが工事後に発覚し、全額を自腹で支払うことになったというトラブルが発生しています。
業者は火災保険が適用されてもされなくても工事費が受け取れるうえに、通常の工事より安いとアピールすれば契約をとりやすくなります。
そのため、本来ならば火災保険が適用されない状態でも「保険適用が可能」と誤った説明をして、保険金の受け取りが確定する前に契約へと誘導する業者もいるのです。
また、保険金が下りずに工事を取りやめたいと申し出たところ、高額な解約手数料を請求してくるといった手口も…。こうしたトラブルに巻き込まれないためには、保険金の受取額が確定する前に契約をしないことが大切です。
- 「火災保険適用で工事費用が0円」という誘い文句には注意が必要
- 保険適用とならず、自腹で工事費を支払わなければならないケースもある
- 解約手数料と称して高額な料金を請求する悪徳な手口も
- 解約手数料と称して高額な料金を請求する悪徳業者も
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火災保険詐欺の実態
国民生活センターの調べによると、2008年度から2016年度までの8年間で火災保険に関連した詐欺被害は30倍に増加しています。
12年前の時点で36件だった相談件数が、2016年度になると1200件ほどに急増していることからわかるように、火災保険詐欺は決して珍しいものではなくなってきているのです。
この数字から、火災保険詐欺を他人事として捉えるのではなく、「自分も被害に巻き込まれてしまうかもしれない」という危機意識をもつことが大切だと言えるでしょう。
また、被害者の大半が高齢者であるということも火災保険詐欺ならではの特徴です。ここ数年では、被害者の7割以上を高齢者が占めているという状況が続いています。
特に一人暮らしの高齢者は「相談相手が身近におらず騙しやすい」存在として、悪徳業者のターゲットになりやすいことがうかがえます。
- 火災保険に関連する詐欺被害は近年増加傾向にある
- 高齢者の被害は全体の7~8割にも上る
- 「自分も被害に遭うかもしれない」と危機意識をもつことが大切
なぜ増加しているのか?
なぜ、近年になって火災保険詐欺が増加しているのでしょうか?以下では、火災保険詐欺が横行している背景について詳しく見ていきましょう。
火災保険申請代行をする業者が増えた
火災保険の申請は必ずしも難しいものではありませんが。ですが、人によっては必要書類を揃えて記入するのが煩雑に感じられたり、何をどうすればよいのかわからず申請に戸惑いを感じたりすることもあるでしょう。
こうしたニーズに応えて近年では火災保険の申請を代行する業者が増えたがために、悪徳業者もそこに入り込み、詐欺も増加したと考えられています。
もちろん適切に申請代行をしてくれる優良業者も多くいますが、中には悪徳業者も紛れ込んでいるため、申請代行サービスを利用する際には一定の警戒が必要だと言えるでしょう。
詐欺の手口が巧妙になった
火災保険詐欺の被害が増えれば増えるほど、悪徳業者の手口もより巧妙になり、そのパターンも多様化していることに目を向ける必要があるでしょう。
たとえば火災保険で工事をしないにも関わらず申請代行の手数料だけをとるパターンや、いきなり訪問してきて「0円で工事できます」と契約に持ち込もうとするパターンがあります。
他にも、火災保険で工事できるかわかっていないのに工事契約をせかしてくるパターンなども…。
また、「火災保険を利用して0円で工事できる」といった手法は実際に可能であるために、詐欺との見分けがつきにくいことも被害が増加する理由ではないかと推測でされています。
高齢者が狙われている
火災保険詐欺の相談件数の増加とともに、60歳以上の相談件数の割合も増加していることに注意が必要です。
保険の手続きがややこしいうえに、騙されやすいと判断して詐欺業者が高齢者を狙うため、相談件数が増加している可能性があります。
とりわけ、子どもと同居している高齢者よりも一人暮らしや夫婦のみで暮らしている高齢者の場合、身近にすぐに相談できる相手がいないため、悪徳業者からすると格好のターゲットになるのです。
遠くで暮らしている家族に相談する隙を与えずに、「今すぐに補修をしなければ大変なことになる」と嘘をついて焦らせ、その場で契約に持ち込もうとする手口も横行しています。
- 原因1:申請代行サービスが増加するにつれて詐欺業者も参入するようになった
- 原因2:詐欺の手口が巧妙化・多様化している
- 原因3:「騙しやすい」存在として高齢者がターゲットになっている
火災保険詐欺の被害事例
では、火災保険詐欺で実際にどのような被害が発生しているのでしょうか?
あらかじめ被害の実態を知っておけば、悪徳業者に契約をもちかけられたときに「もしかするとこれは詐欺なのでは?」と気づきやすくなるでしょう。
そこで、以下では火災保険詐欺の主な被害事例を3つピックアップしてご紹介していきます。
クーリング・オフをしたところ、手数料は支払うようにいわれた
雨樋を火災保険で修理できると業者に説明されたので工事を依頼したものの、契約書は受け取らず、その後保険金が支払われたものの、手数料として保険金の35%を支払うように言われたという事例があります。
事前にそのような説明は受けていないためクーリング・オフを希望したところ、「手数料だけは工事をしなくても支払うことが法律で決まっている」と支払いを求められたのです。
実際には、クーリング・オフが適用されれば契約が無効になるため、手数料を含む一切の支払いをする必要はありません。
事前に必ず正式な契約書をもらってその内容をきちんと確認すること、疑問点はそのままにせず質問すること、クーリング・オフに関する正しい知識をもっておくことで、こうした被害を防げるでしょう。
修理の必要がないのに、不具合があるかのように言われた
「屋根が破損しているので調査します」と唐突に訪問してきた業者に調査を依頼したところ、火災保険詐欺に巻き込まれそうになったというケースもあります。
調査の結果業者から「破損が見つかった」「破損は保険で直せる」と言われたものの、その場では家族と相談すると言って契約は延期したとのことです。
その後、詳しい住宅修理に詳しい知人に調査してもらったら、訪問してきた業者が屋根を破損させていたことが発覚し、軽度だったためすぐに直せたという事例が報告されています。
契約したのに工事をしない
屋根の破損を「保険金で無料で修理できる」と言われたため、業者と契約して修理と物置の設置を依頼し、契約は保険金額の20〜40%を支払う内容だったものの、保険金が出ても業者は工事を始めなかったという事例も…。
何度も催促してやっと設置された物置はホームセンターで30万円程度で販売しているようなものだっため、キャンセルしたいと伝えるとまた話が進まなくなったとのことです。
工事費用だけを受け取り、それに見合った工事をしようとせず、はじめから料金を持ち逃げすることを意図する悪徳業者もいます。
- 事例1:クーリング・オフ時に支払い義務のない手数料を請求される
- 事例2:わざと屋根を壊して「破損が見つかった」と嘘の説明をし、契約を迫る
- 事例3:費用を支払ったのに工事をせず、工事費を持ち逃げしようとする
火災保険詐欺に遭わないための対策
ここまで見てきたように、火災保険詐欺の被害件数が増加するにつれて、その手口も巧妙・多様化してきています。
では、こうした詐欺に遭わないためにはどうすればよいのでしょうか?以下では、火災保険詐欺に遭わないための対策をご紹介していきます。
保険金額の確定前に工事契約をしない
まず大切なのが、保険会社から正式に保険金額の確定通知がくる前に業者と契約をしないということ。
保険金額が確定する前に工事契約をしてしまうと、保険金がおりない場合でも自腹で工事をする必要があるからです。
業者との交渉によっては解約も可能ですが、その場合解約手数料の支払いを求められることが多いため、契約は保険金額が確定してからにしましょう。
虚偽の内容で保険金の申請をしない
虚偽の内容で保険金の申請をすると、火災保険の契約を切られる恐れがあります。
また、業者が虚偽の申請をしていることを知った上でそれに加担してしまうと、詐欺罪に問われる可能性も…。
保険金の申請後は保険会社から派遣された調査員によって申請内容が正しいか、申請金額が妥当かどうかを調査されるため、虚偽の申請をすれば発覚するでしょう。
「保険金で修理ができます」と言われてもすぐには契約しない
「火災保険を利用すれば0円で修理ができる」という説明を鵜呑みにして契約するのではなく、他の業者にも確認してみて問題ないかチェックすることも大切です。
本当は保険を利用できないにも関わらず、契約をとるために嘘の説明をする悪質業者もいます。
また、実際に保険が利用できる場合でも必要のない高額な工事をさせようとする業者もいるため、他の業者からも見積もりをとってその内容や費用を比較し、おかしい点がないかチェックするとよいでしょう。
見積もりの記載が雑な場合、後から追加費用を請求したり必要な施工を省いたりすることもあるため注意が必要です。
疑問点があれば遠慮せずに質問し、誠実に納得のいく回答が得られるかどうかも確認してみてください。
加入している保険の内容を確認して保険会社に相談する
保険金で修理できると業者に言われたら、まずは加入している保険の内容を確認し、保険会社に相談する必要があります。
保険の契約内容もよくわからないまま業者に依頼すると、騙されやすくなるからです。
「おかしい」「保険会社の説明と違う」と感じることがあれば、消費者センターや住まいダイヤルなどの公的な機関に相談することも検討してみてください。
- 契約は保険金額が確定してからにする
- 業者に勧められても保険会社への虚偽申請は絶対にしない
- 本当に保険が利用できるか他の業者にもチェックをしてもらう
- 業者の説明を鵜呑みにしない
火災保険詐欺に気をつけよう
今回は火災保険詐欺について特集してきましたが、いかがでしたでしょうか。
火災保険詐欺に関する公的機関への相談件数は年々増加傾向にあり、悪質業者による被害も多数報告されています。
こうした被害に遭わないためには、詐欺の手口や被害事例を知っておくことが大切です。
不本意な形で契約をしてしまった場合には契約を解除できることもあるため、クーリング・オフに関する正しい知識を得ることも必要でしょう。
万が一トラブルに巻き込まれてしまった場合には自分だけで対処しようとはせず、消費者センターなどの公的機関に相談してみてください。
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