「屋根瓦」のメリットとデメリット!種類や選び方のポイントも解説

日本的な屋根というと、屋根瓦をイメージする方が多いのではないでしょうか?

古くはお城や蔵の屋根、最近では近年話題の古民家などでも日本瓦が使われているようです。それだけ瓦は日本人になじみのある屋根であるといえるでしょう。

とは言え、最近では洋風の家にもマッチする瓦も珍しくないようです。どのような屋根材なのか気になりますね。

この記事では、屋根瓦の一般的な知識から選び方のポイントなどをご紹介します。また、他の屋根材との性質の違いについても徹底調査しました。新築やリフォームで屋根瓦に興味のある方、屋根材を比較・検討したい方は必見です!

この記事でわかること
  • 屋根瓦のメリット・デメリット
  • 屋根瓦と他の屋根のを徹底比較!
  • 屋根瓦の種類やそれぞれの特徴は? 選び方のポイントも!
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そもそも「屋根瓦」とは?

私たちの住まいに深いなじみのある瓦ですが、どのような特徴がある屋根材なのかご存知ですか?

この章では、まずは屋根瓦の基礎的な知識についてまとめました。

屋根瓦とは

瓦屋根

「屋根瓦」とは、屋根に使う瓦のこと。瓦の種類には粘土系・セメント系・コンクリート系などがあります。

一般的に屋根瓦は、屋根材の中でも耐久性が高いことで知られていますが、初期費用も高額になることも珍しくないようです。

屋根瓦はどんな人におすすめ?

屋根瓦は耐久性が高いのが大きな特徴です。さらに他の屋根材と比較すると、1回のメンテナンスにかかる値段が安く済むというメリットもあります。

そのため、長持ちする屋根材を探している方にはぴったりの屋根材といえるでしょう。

まとめると…
  • 多くの屋根材の中でも、屋根瓦は耐久性と価格が高いのが特徴
  • メンテナンスに必要な費用が安く済むため、長く使える屋根材を求める方におすすめ

屋根瓦のメリット

耐久性の良さは屋根瓦の優れた点ですが、屋根瓦にはそれ以外にもさまざまなメリットがあります。

その中の代表的なメリットをいくつかご紹介しましょう。

耐久性に優れている

屋根瓦 耐久性

すでにご紹介した通り、屋根瓦の大きなメリットは耐久性の高さです。瓦は粘土を焼いて作られてできているので、非常に丈夫な素材です。

スレート材や金属材は住宅でよく使用されている屋根材ですが、腐食やサビなどが起こるため、定期的な交換は欠かせません。屋根瓦は他の屋根材と比較すると、はるかに耐久性に優れた屋根材であるといえます。

防音性が高い

屋根瓦を使用した屋根は、瓦と屋根の下地との間に空間ができます。その空気層のおかげで室内の音を外に伝わりにくくなるため、遮音効果が高くなります。

同様に、この空気層があることによって外の熱が室内に伝わりにくいので、夏は室内を涼しく、冬は温かく保つことができます。また、瓦を使用すると湿気がこもりにくくなり、結露が発生しにくくなるでしょう。遮音性だけでなく、断熱性が高いのも屋根瓦のメリットなのです。

デザイン性が高い

瓦屋根 洋風

「屋根瓦」というと古風な日本瓦をイメージしがちですが、実は屋根瓦は他の屋根材と比較するとたくさんのタイプがあるのも特徴です。

最近では日本瓦だけでなくさまざまなデザインやカラーの瓦が販売されているので、組み合わせ次第で和風から洋風までさまざまなタイプの家にマッチ。モダンな家やデザイナーズ物件などでも採用されている人気の屋根材なのです。

メンテナンス費用が安い

前述した通り、屋根瓦は粘土を焼いて作られた屋根材。そのため紫外線や雨水の影響を受けにくく、色あせやサビといった劣化症状が起こりにくいのです。

素材自体が丈夫なためメンテナンス頻度も少なくて済み、仮に割れたりヒビが入っても1枚単位で交換が可能。長く使用したい方には、メンテナンスが簡単で費用も少なくて済むのはメリットですね。

まとめると…
  • 丈夫な素材で耐久性に優れている。メンテナンス頻度も費用も少ない
  • 屋根下地と瓦の間に空気層が生じるため、遮音性と断熱性が高い
  • デザイン性に優れ、和風・洋風どちらの家にもマッチする

屋根瓦のデメリット

屋根瓦にはさまざまな優れた特徴や性質がありますが、いくつかのデメリットもあるのです。

この章では、屋根瓦のデメリットについてまとめました。

耐震性が低い

屋根瓦 耐震性

屋根瓦は他の屋根材と比べると重量があります。

地震による家屋への影響は、地盤や家の構造によって変わってきます。柔らかな地盤で家の基礎が弱く、梁や柱が細く壁の量が少ないといった場合は、もし軽量の屋根材を使用していても倒壊する可能性が高いでしょう。

しかし、地盤や構造が同じ家の場合なら、屋根材が軽いほど地震の際の揺れが小さくなります。そのため、他の屋根材と比較して、屋根瓦は耐震性が低いということになるのです。

初期費用が高い

屋根瓦は1枚1枚手作業で張り付けていきます。そのため、他の屋根材と比べると施工費用は高めです。

その後のメンテナンス費用は抑えられるため、長い目で見ると屋根瓦は非常に経済的なのですが、初期費用が高額となることがデメリットとなります。

まとめると…
  • 瓦は重量があるため、耐震性に劣る
  • 手作業での施工となるため、初期費用は高め

屋根瓦と他の屋根材を徹底比較!

最近は屋根材の種類も豊富になり、屋根瓦以外にもたくさんの選択肢がありますね。新築やリフォームで屋根材を選ぶ際は、他の屋根材と特徴やメリット・デメリットを比較してみることも大切です。

複数の屋根材を比較・検討することで、よりご自分のお住まいに最適な屋根材を選ぶことができるでしょう。

この章では、スレートやアスファルトシングル、ガルバリウム鋼板といった一般的によく使用されている屋根材と、屋根瓦の特徴やメリット・デメリットを比較してみました。屋根材選びにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

スレート

スレート屋根

「スレート」は、厚さ5〜6mmの薄い板状の屋根材のこと。素材はセメントで、「化粧スレート」と呼ばれることもあります。

お住いを選ばないシンプルなデザインと豊富なカラーバリエーションで、理想の屋根に近い仕上がりに。普及率の高い屋根材なので、工事や補修に対応できる業者が多いこともメリットです。

スレートの中には瓦よりも高額な価格のものもありますが、瓦よりも軽量で加工がしやく初期費用は安く済むケースも。

しかしスレートの塗膜は紫外線に弱いため塗装補修は欠かせません。素材自体も瓦よりも耐久性が劣るため、定期的なメンテナンスや補修は必須となるでしょう。

アスファルトシングル

アスファルトシングル 屋根

「アスファルトシングル」は、アスファルト性の防水シートの上に石粒を接着した屋根材です。3mmほどの薄いシート状の素材を屋根の下地に大量に張り付けて仕上げます。

屋根瓦と同じくサビる心配がなく、デザインのバリエーションが多いのがメリットですが、軽量すぎて台風のような強風では吹き飛んでしまうこともあるようです。

非常に柔らかい素材なので、瓦のように割れることはほぼありません。軽くて扱いやすい屋根材ですが瓦よりも耐久性が低いため、適度なタイミングでメンテナンスが必要になるでしょう。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板 屋根

「ガルバリウム鋼板」とは、複数の金属で作られた薄い屋根材のこと。ポピュラーな屋根材として全国的に普及しています。

メリットはともかく軽いこと。屋根材の隙間が少ないため、防水性が高いこともポイントです。また、加工が簡単なので、さまざまな形の屋根に対応が可能。緩勾配の屋根でも施工ができます。

瓦より軽量で雨漏りの心配は少ないものの、金属であるためサビやすいというデメリットが。サビを放置すると劣化が進み、隙間からの雨漏りや腐食の原因となるため、定期的なメンテナンスは必要不可欠です。

銅板

銅板 屋根

「銅板」は、文字通り銅で作られた金属系屋根材です。非常に薄くスレート材と比較しても軽い素材でありながら、瓦よりも耐久性が高いのがメリット。

しかし、金属系屋根材の中でも銅板は特に高額です。また薄くて軽いため、瓦など他の屋根材と比較して雨の音が室内に伝わりやすいというデメリットも。屋根のリフォームはそう頻繁にできることではありませんから、強風や大雨で音が気になる方は避けた方が無難かもしれません。

屋根材 メリット デメリット
スレート ・軽くて加工がしやすい

・初期費用は瓦より安価

・紫外線に弱く塗装補修は必須

・瓦よりも耐久性が低い

アスファルトシングル ・軽くてサビない素材

・デザイン性が高い

・軽すぎて強風で吹き飛ぶ

・瓦よりも耐久性が低い

ガルバリウム鋼板 ・防水性が高い

・軽くて加工しやすい

・サビやすい

・定期的な塗装補修が必須

銅板 ・軽い

・瓦よりも耐久性が高い

・高額

・雨の音が室内に伝わりやすい

屋根材の種類や特徴についてさらに詳しく知りたい方は、次の記事もぜひチェックしてください。

屋根瓦の種類と特徴

「屋根瓦」と一口にいっても、1種類だけではありません。屋根瓦には主に次の5つの種類があります。

  • 陶器瓦
  • いぶし瓦
  • 素焼瓦
  • セメント瓦
  • コンクリート瓦

それぞれの特徴や耐用年数、さらに施工費用を順番に見ていきましょう。

陶器瓦

陶器瓦 屋根

「陶器瓦」は粘土を瓦の形に型取り、釉薬(うわぐすり)をかけて高温で焼き上げた瓦のこと。「釉薬(ゆうやく)瓦」と呼ばれることもあります。

形状は「J型(和形)」「F形(平板)」「S形」などがあり、カラーバリエーションも豊富。お住いの形状やデザインに合わせ、和風にも洋風にも使用できるのがメリット。瓦の表面が釉薬でコーティングされているため水が浸み込まず、ほぼメンテナンスフリーであることも優れた点です。

耐用年数は60年程度、1㎡あたりの価格は5,500~16,000円が目安です。

いぶし瓦

いぶし瓦

「いぶし瓦」は粘土を瓦の形に削り、素焼きと蒸し焼きをしてから塗装した瓦です。いぶすことで表面に炭素の膜が生じ、銀色の渋みのある美しい色合いに。昔のお城や寺社などにも使用され、現在でも日本建築の屋根には欠かせない人気の瓦です。

耐用年数は40〜50年、値段は1㎡あたり8,000~13,000円が相場です。

素焼き瓦

素焼き瓦

「素焼き瓦」は文字通り、粘土を焼いて塗装をせずにそのまま使用する瓦のこと。焼き物特有の自然な風合いと耐久性に優れている点が特徴です。

「いぶし瓦」同様、無釉(むゆう)瓦のひとつです。

耐用年数は40〜50年、1㎡あたりの値段は5,000~9,000円が一般的です。

セメント瓦

セメント瓦

「セメント瓦」は、セメントを使用して作られた瓦のこと。「厚形スレート」と呼ばれることもあるようです。

表面を塗装することによってさまざまなカラーバリエーションが楽しめ、「和風」「平形」「S字」といった形状があります。

セメント瓦には防水性がないので、雨漏りなどを防ぐためには定期的な塗装メンテナンスが必要不可欠です。

耐用年数は20〜30年、1㎡あたりの価格は5,000~10,000円が目安です。

コンクリート瓦

「コンクリート瓦」は、文字通りコンクリート製の瓦のことです。セメント瓦との違いは下塗りの材料・原料・形状などで、一般的にコンクリート瓦は波型の形状が多く、表面がゴツゴツした仕上がりになるようです。

防水性・断熱性に優れているで、他の瓦屋根と比べて耐震性が高いのが特徴です。

耐用年数は20〜30年、1㎡あたりの値段は5,000~10,000円が目安です。

瓦の種類 耐用年数 価格(1㎡あたり)
陶器瓦 60年 5,500~16,000円
いぶし瓦 40〜50年 8,000~13,000円
素焼瓦 40〜50年 5,000~9,000円
セメント瓦 20〜30年 5,000~10,000円
コンクリート瓦 20〜30年 5,000~10,000円

屋根瓦の選び方のポイントとは?

屋根瓦の種類をご紹介しましたが、その中からもっとも適したタイプを選ぶのは素人にはなかなか難しいもの。何を基準に選べばいいか分かりませんよね?

基本的に屋根瓦を選ぶ際は、「どのタイプの屋根瓦が優れているか」ということではなく、「どのタイプの屋根瓦が自分の希望に一番近いか? 自分の家に適しているか?」を基準に考えることが大切です。

その点を踏まえて、基準を以下の3つに分けてみました。それぞれの選ぶポイントを詳しくご紹介します。

機能で選ぶ

一見、同じように見える屋根瓦ですが、タイプによって機能性がやや異なることも。

たとえば、防水機能に優れた屋根瓦が希望ならば、釉薬でコーティングした「陶器瓦」が最適。水が浸みないため、雨漏りに強い屋根瓦です。

他にも防音性が高い、耐久性に優れている、などご希望の機能を重視して屋根瓦を選ぶと良いでしょう。

デザインで選ぶ

瓦屋根 デザイン

屋根瓦にはさまざまなデザインがあります。

伝統的な日本建築の屋根をお求めなら「いぶし瓦」、モダンな洋風のお住いに合う屋根ならば「陶器瓦」や「セメント瓦」、自然の風合いの屋根なら「素焼瓦」など、それぞれの瓦の持つ特徴を生かした屋根瓦を使用するのがおすすめ。

理想のお住いに合ったデザインやカラーバリエーションから屋根瓦を選ぶのもひとつの方法です。

耐用年数で選ぶ

前の章でご紹介したように、瓦の種類によって耐用年数は異なります。その家にどのくらいの期間住むつもりであるか、といったライフプランを立てている人なら、耐用年数で屋根瓦を選ぶのも良いでしょう。

耐用年数の長さで言えば「陶器瓦」が最長ですが、材料や施工にかかるコストが高めになることもあります。コストパフォーマンスの良さは「素焼瓦」ですが、家の外観がモダンなデザインだと合わないこともあるかもしれません。

耐用年数だけでなく価格にも幅があります。予算やデザインと相談しながら、最適な耐久性の瓦を選びましょう。

まとめると…
  • 防水性や耐久性など瓦の機能性を重視
  • 家に合ったデザインや形状、カラーを優先する
  • 耐用年数・コストパフォーマンス・価格を基準に選ぶ

屋根瓦の施工を依頼する業者の選び方

屋根瓦には多くのメリットがあり、古くから人気のある屋根材として使われています。しかし、施工する業者の腕しだいでは屋根瓦の性能が正しく発揮されなかったり、屋根や建物の寿命に影響の出るケースもあるようです。

ここでは屋根瓦を正しく施工できる業者を選ぶ際のポイントについてご説明します。

複数の業者に見積もりを依頼する

見積もり 瓦屋根 業者

施工業者を選ぶ時、1社だけで判断するのは危険です。必ず「相見積もり」をして、見積もり内容を比較しましょう。

「相見積もり」とは、同じ条件で複数の業者に見積もりを依頼すること。出してもらった見積もりを比較することで、価格の目安や本当に必要な工事内容が明確になります。

相見積もりで価格が異常に高かったり、見積書の内容が曖昧だったり記載の仕方が大雑把過ぎる業者は、悪徳業者である可能性が高いでしょう。そのような業者は信頼できないため注意が必要です。逆に、相見積もりで業者に相談する際に、素人にも分かるように丁寧に説明してくれる業者は優良業者である可能性が高いといえます。

このように、相見積もりは業者の質を判断するにも非常に有効な方法です。実際に契約をする前には、必ずいくつかの業者に相見積もりを依頼しましょう。

自社施工している業者を選ぶ

建築業者の中には、依頼だけ受けて実際の工事は下請けの業者に任せる場合もあります。下請け業者を使うと仲介料がかかるため、その分の工事価格が無駄に増えることに。

その点、自社施工の業者ならば仲介料が発生しないため、工事費用を抑えることができるのです。同じ内容の工事ならば、誰でも値段を抑えたいと思うのは当然ですね。

訪問営業をする業者は危険

訪問業者 瓦屋根

住宅地を訪問営業する業者もいますが、悪徳業者が多いため避けるようにしましょう。訪問業者の中には「屋根瓦がズレて危険だから早く治しましょう」と不安を煽ったり、「すぐに契約すれば割引ができる」とお得感をアピールする人もいますが、優良業者はこのようなことはいいません。

そもそも優良業者は仕事がたくさんあるため、訪問営業などする必要がないのです。訪問営業する業者は悪徳業者であるか、仕事や対応が悪くお客様が来ない業者であると考えて間違いありません。

これからも長く暮らしていく大切なお住いの工事です。信用できない訪問営業の業者には絶対に依頼しないように注意しましょう。

まとめると…
  • 価格や工事内容、業者の質を判断するために必ず「相見積もり」をする
  • 自社施工の業者に依頼すれば、仲介料が不要なため費用を抑えられる
  • 訪問営業の業者は悪徳業者か不良工事業者なので、契約しないよう要注意!

屋根瓦のメンテナンスと費用の目安

家の耐久性や外観の美しさを保つには、屋根のメンテナンスはとても大切です。

いくら屋根瓦が丈夫で耐久性が高いとはいっても、破損すれば補修が必要となります。破損を長く放置しておくと、雨漏りや腐食の原因になることも。その時になってメンテナンスしても手遅れだったり、補修工事に膨大な費用がかかることも珍しくありません。

では、屋根瓦のメンテナンスのタイミングはどのように判断すれば良いのでしょうか? ここでは、メンテナンスのサインや補修方法、費用の目安についてまとめました。

割れ補修

瓦屋根 割れ

瓦に飛来物が当たって割れてしまったら、すぐに修理が必要です。雨漏りが起きていなくても、割れた部分から雨水が浸入して屋根の下地を傷める原因となります。

下地が傷むと家の内部に雨水が浸入し、腐食が進みます。腐食を放置すると家の骨組みも傷むため、家全体の強度が衰えることに。

たった1枚割れただけ、などと軽く考えず、割れている瓦を見つけたら早めに補修しましょう。

割れ補修の費用は、1枚あたり5,000〜9,000円が目安です。

瓦のズレ

長い期間の風雨や台風、地震によってズレた場合も早めの対応が必要です。

割れた瓦同様、隙間から雨水が浸入し、防水シートが劣化する原因になります。また、しっかり固定されずにズレた状態で放置していては、落下の危険性もあるでしょう。

すぐに雨漏りが起きていなくても、補修業者に早めの依頼が必要です。

瓦のズレの補修費用は、1枚あたり3,000〜10,000円が相場となります。

漆喰の破損

瓦屋根

瓦と棟は漆喰で接合されています。この漆喰が破損したり剥がれると、内部の土が露出して雨水で流れ出てしまうことに。それを放置しておくと、棟が湾曲したり変形し雨漏りにつながります。こうなる前に漆喰のメンテナンスが必要です。

屋根の「棟」とは…?
「棟」とは屋根の面と面が合わさる、屋根の頂上にある山型の結合部分のこと。
頂上にあるものは「大棟」、その端から対角線上に伸びるものは「隅棟」と分けて呼ばれています。

漆喰の破損具合によって対応が変わります。欠けた部分の漆喰を詰め直すだけで済む場合もありますが、広い範囲に渡って破損していれば、既存の漆喰を撤去してから詰め直しが必要になるでしょう。

漆喰の破損の補修費用は、1㎡あたり10,000円です。

葺き替え

屋根瓦 葺き替え

一般的な屋根の補修方法には、既存の屋根材の上から新しい屋根材をつけるカバー工法(重ね張り工法)と、既存の屋根を撤去して新しく葺き替える工法の2種類があります。瓦屋根の場合、瓦がボロボロに傷んでいたり、下地の劣化が激しい場合は葺き替え工法を行います。

葺き替え工法はカバー工法と比べて手間や費用がかかりますが、防水シートなどの下地の劣化状態をチェックすることができるという大きなメリットがあります。この場合、防水シートや漆喰などの部位は新しいものを使いますが、既存の瓦に問題がなければそのまま再利用が可能です。

ちなみにカバー工法の場合は、既存の瓦屋根の上に別の瓦を設置することはできません。瓦屋根をカバー工法でメンテナンスするのであれば、スレートやガルバリウム鋼板など瓦以外の屋根材を使用することになります。

瓦は寿命の長い屋根材ですが、屋根の防水シートは20年程度が寿命です。瓦が傷んでいないからと20年以上放置してしまうと、知らない間に防水シートの劣化が進み、屋根や建物の雨漏りや腐食につながることも。

瓦の耐用年数と、屋根の耐用年数は同じではありません。そのため瓦自体に問題はなくても、20年に一度程度はメンテナンスや葺き替えを検討するようにしましょう。

瓦を葺き替える場合の費用は、30坪で180〜260万円が相場です。

メンテナンス法とそれぞれの費用をまとめると、以下のようになります。

メンテナンスの種類 値段の目安
割れ補修 1枚あたり5,000〜9,000円
瓦のズレ 1枚あたり3,000〜10,000円
漆喰の破損 1㎡あたり10,000円
葺き替え 30坪あたり180〜260万円

ここまでは屋根のメンテナンスにかかる費用の目安をご紹介しましたが、屋根の補修やリフォームには基本的に足場代がかかるので注意が必要です。

さらに、場合によっては既存屋根材の撤去や下地補修、防水シートなどに別途費用が必要になる場合もあるので、見積もりの際によく確認するようにしましょう。

屋根瓦の修理法や費用については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
「瓦屋根」の修理方法まとめ|費用相場や業者の選び方も要チェック!

屋根瓦はメリットが多い屋根材

屋根瓦の特徴やメリット・デメリットについてご紹介しました。

屋根瓦というと「昔ながらの日本屋根」というイメージがありましたが、現在では洋風の家に合うモダンでおしゃれな瓦も多く、デザイン性も高くなりました。また、素材も粘土を焼いたものだけでなく、セメントやコンクリートを原料にしたものも普及しています。

そして最大のメリットは、何といっても耐久性の高さです。初期費用が高いというデメリットもありますが、メンテナンス頻度が低く費用も安く済むため、他の屋根材と比較してもコストパフォーマンスは高いといえるでしょう。

お住いの屋根材に悩んだら、一度、屋根瓦のメリットを検討されてみてはいかがでしょうか。これから長く生活する大切なお住いです。後悔しない屋根材選びをしてくださいね。

瓦屋根の塗装の必要性や塗装費用について気になる方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
「瓦屋根」の修理方法まとめ|費用相場や業者の選び方も要チェック!

 
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