リシン仕上げ外壁とは?基礎知識からメンテナンス方法まで一挙解説!

リシン仕上げ外壁とは?基礎知識からメンテナンス方法まで一挙解説!

外壁を仕上げる方法にリシン仕上げというものがあります。どのような工法なのでしょうか。

今回の記事では、リシン仕上げとはどういう塗装か、またそのメリットやデメリットについてもお伝えしていきます。リシン仕上げについて興味がある方は、ぜひご一読ください。

この記事でわかること
  • リシン仕上げ外壁とは?
  • リシン仕上げ塗装の種類
  • リシン仕上げのメリットとデメリット
  • リシン外壁のメンテナンス方法
  • 塗り替えのときの注意点
  • おすすめのリシン塗料
  • リシン仕上げの工事手順
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リシン仕上げ外壁とは

リシン仕上げ外壁とは
リシン仕上げ外壁とは、どのような工法を言うのでしょうか。

ここでは、リシン仕上げの概要や他の仕上げとの違いについてお伝えしていきます。

モルタル外壁の仕上げ方の一種

リシン仕上げとは、モルタル外壁の仕上げ方の1種です。

工事は、骨材と塗料を混ぜ合わせた材料を吹き付ける工法で行われます。表面がザラザラしているのが特徴で、指でなぞると引っかき傷ができることもあります。

20年ほど前に主流だった外壁塗装ですが、現在はサイディングが主流になっており、新築でリシン仕上げが行われることは少なくなっています。

リシン仕上げの外壁は都度メンテナンスをしないと劣化してしまうので、劣化症状が出たら塗り直しなどの作業が必要です。

他の仕上げ方との違いって?

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外壁を仕上げる方法はリシン仕上げ以外にもありますが、リシン仕上げの特徴のひとつに凹凸が目立つというのがあります。

外壁材をポンプで吹き付けていく行程を取り、吹き付け塗装の工事の中では費用が安い方です。また塗料単価も安いので、外壁を安く仕上げたいという場合に向いています。

ただし耐用年数は4年から6年と、現在主流のサイディングに比べるとかなり短いです。塗り直しなどのメンテナンス費用を考えると、最初からサイディングで施工した方が結果的に安くなることもあるでしょう。

まとめると…
  • リシン仕上げとは外壁の塗装の1種
  • 凹凸があり触るとザラザラする
  • 他の外壁塗装よりもコストが低い

リシン仕上げの種類

リシン仕上げの種類
リシン仕上げにはいくつかの種類があります。どのような種類があるのでしょうか。

ここでは、リシン仕上げの種類とその特徴についてお伝えしていきます。

リシン吹き付け

リシン吹き付けとは、骨材と塗料を混ぜてエアガンで吹き付ける一般的なリシン塗装方法です。

一度に多くの面積を塗装でき、手間もそれほどかかりません。工事費用も比較的安く抑えることができます。

近年行われるリシン仕上げの外壁は、一度リシンを厚塗りにしてから剣山などで傷をつけていくという工法です。

人の手で模様がつけられるので、オリジナリティのあるデザインの外壁に仕上がります。

弾性リシン

弾性リシンとは、塗料に弾力性をもたせてひび割れを防止しやすくなったリシン塗装です。

リシン仕上げのデメリットである割れやすさを軽減する効果が期待できます。リシン仕上げの割れやすさについては、以下の章で詳しくお伝えします。

まとめると…
  • リシン吹き付けはリシン仕上げで一般的な塗装方法
  • リシン吹き付けは工事費用が安い
  • 弾性リシンは塗料に弾力性を持たせた塗料で塗装する方法。ひび割れを防ぐ効果がある。

リシン仕上げのメリット

リシン仕上げのメリット
リシン仕上げの外壁にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、リシン仕上げ外壁のメリットについてお伝えしていきます。

透湿性・通気性が高い

リシン仕上げの外壁は、透湿性や通気性が高いという特徴を持ちます。

そのため壁に含まれる水分を排出しやすく、建物内部の劣化がある程度抑えられます。

湿度が高い地域では壁の内部に水分が入ると、カビや藻が発生してしまうこともあるのでリシン仕上げで壁の水分を外に逃がすのは耐久性を上げるのに役立つでしょう。

費用が安い

価格で選ぶ
リシン仕上げの工事は、他の外壁仕上げや塗装工事に比べて低価格というメリットもあります。

ローラー塗装と比べても塗装費用としてはかなり低価格です。外壁塗装にコストをかけたくないという方にも、メリットがある塗装方法と言えます。

ただし耐用年数が低いのでメンテナンスを頻回にしなくてはいけない塗装方法でもあり、初期費用だけでコストを考えるのは注意が必要です。

デザイン性が高い

外壁をリシン仕上げにすると、壁に凹凸が生じます。凹凸の形状は吹き付ける方法などによって変わってくるので複数のデザインの中から選ぶことが可能です。

ローラーなどによって塗装をすると平らで変化がない外壁になりがちですが、リシン仕上げで塗装することでデザイン性の高い外壁に仕上げることができます。

また剣山などで後から人の手で模様をつけるという工法もあり、高級感の高い外壁に仕上げることも可能です。

まとめると…
  • 透湿性は通気性が高いので壁の中に湿気がこもらない
  • リシン仕上げはローラー塗装などに比べると低価格
  • 凹凸など複数の模様をつけられるなどデザイン性が高い工法

リシン仕上げのデメリット

リシン仕上げのデメリット
リシン仕上げにはメリットもありますが、デメリットもあります。主にどのようなデメリットがあるのでしょうか。

ここでは、リシン仕上げのデメリットについてもお伝えしていきます。

凹凸が多く汚れやすい

外壁をリシン仕上げすると、凹凸ができます。この凹凸に汚れが付着しやすく、平面的な外壁よりも汚れやすいというデメリットがあります。

汚れがたまることでカビや藻が発生しやすく、外壁の耐久性を落とす結果につながることもあるので注意が必要です。

外壁の耐久性を維持するには定期的に高圧洗浄などを依頼して、定期的に外壁をきれいに保つ必要があります。

耐用年数が短い

リシン仕上げの外壁は、現在主流となっているサイディング外壁に比べると耐用年数が非常に短いです。

仕上げの膜が割れやすいうえに、耐久性が低いアクリル塗料を使っているため、シリコンやフッ素塗料で塗装した外壁よりも耐久性が低くなっています。

耐用年数の高い塗料や低汚染性の塗料を使って耐用年数を上げることもできますが、一般的には10年程度が限度とされています。

メンテナンスや環境によっては、10年もたないこともあるので注意が必要です。4年程度経過すると劣化が進む場合もあるので、4年経過したら一度メンテナンスを兼ねた点検を業者に依頼すると良いでしょう。

ひび割れしやすい


リシン仕上げの外壁はひび割れを起こしやすいというデメリットもあります。

リシン仕上げにすると外壁が硬くなり、ひび割れが起こりやすくなるので注意が必要です。

ひび割れを緩和するために、伸び縮みしやすい弾性塗料を使うという方法もありますが、ひび割れが起こった場合は都度補修が必要になります。

リシン仕上げをした壁面のひび割れを放置すると、雨などの水分が建物の内部に入り込んで建物そのものの寿命を短くする可能性もあるので定期的な点検や補修が欠かせません。

まとめると…
  • 凹凸があるので汚れがつきやすい
  • 耐用年数が低く長持ちしない
  • 壁面が硬いのでひび割れを起こしやすい

リシン仕上げ外壁のメンテナンス方法

リシン仕上げ外壁のメンテナンス方法
リシン仕上げをした外壁はどのようにメンテナンスをしていけば良いのでしょうか。

ここでは、リシン仕上げの外壁のメンテナンス方法をお伝えしていきます。

ひび割れの補修

先ほどもお伝えしたとおり、リシン仕上げの外壁は硬いのでひび割れを起こします。

ひび割れにも程度があり、浅いひび割れ程度なら隙間をシーリング剤で補修する程度の補修で済むこともあります。

ただし、シーリング補修のみ行うと、ひび割れが目立ってしまうため塗装も合わせて行うのが望ましいでしょう。

深く亀裂が入ったようなひび割れの場合は、シーリングだけで補修することは難しく、セメントでの補修が必要になります。

深いひび割れを放置しておくと、水が内部に入り込んで建物の劣化が進んでしまう可能性が高いので、早急に補修が必要です。

塗り替え

塗装
リシン仕上げも塗装の1種なので、通常の塗装と同様に劣化します。

チョーキングなどの劣化症状がみられる場合や、耐用年数が経過している場合は、塗料の塗り直しが必要です。塗り直し作業はフィラーなどの厚みのある下塗り材を塗ってから、通常の塗装を行います。

外壁の劣化が著しい場合は、リシンを吹き直すこともあります。リシンを吹き直す場合は、壁の内側にカビなどの劣化症状が出ていないかを確認してもらうことが大切です。

壁の内部に劣化が進んだ状態でリシンを重ねて吹き付けると、家屋の劣化がさらに進んでしまう可能性があります。

まとめると…
  • ひび割れを起こしやすいのでひび割れの補修は適宜必要
  • ひび割れを放置しておくと水が内部に流れ込んで家屋が劣化するので要注意
  • 耐用年数が短いので頻回の塗り直しが必要になる

リシン仕上げ外壁の塗り替え時のポイントは?

リシン仕上げ外壁の塗り替え時のポイントは?
リシン仕上げの外壁を塗り替えるときには、どのようなポイントに気を付ければ良いのでしょうか。

ここでは、リシン仕上げ外壁の塗り替え時に注意すべき点をいくつかお伝えしていきます。

塗装前の外壁の洗浄

塗装をする前に外壁の汚れを落とす必要があります。ひび割れなどを起こしていて水漏れするようなら、先に水漏れの箇所を補修します。

高圧洗浄機を使って洗浄するのが一般的です。カビや藻などが外壁に付着している場合は、それらの汚れを効果的に落とすことができるバイオ洗浄を検討しても良いでしょう。

どのような洗浄方法で洗浄をするかは、外壁の汚れ具合によって異なるので業者と相談しながら決めるのがベターです。

低汚染塗料を使用する

外壁に汚れがつきにくくする低汚染の塗料というものがありますので、外壁の汚れをつきにくくしたい場合はそういった塗料を使うという方法もあります。

リシンは凹凸があり汚れやすい外壁なので、汚れにくい機能のある塗料を使って塗り直しをするのもおすすめです。

リシン仕上げに適した低汚染塗料を選ぶときは、業者と相談してから決めると失敗が少なくなります。

単層弾性塗装である

塗装
リシン仕上げした外壁は、多くの場合単層弾性塗装です。単層弾性塗装とは、中塗りと上塗りは通常の塗装をします。

単層弾性塗装以外に複層弾性塗装という塗装がありますが、下塗りのあとに弾性塗料で中塗り2回、上塗り2回と工程が多くなるため価格が高くなってしまいます。

複層弾性塗装で作った塗膜は確かに耐久性が高いですが、工期も長くコストも高くついてしまうので一般的な住宅のリシン塗装は単層弾性塗装で塗装を行われることが多いです。

まとめると…
  • 塗装をするまえに壁面を洗浄し破損部分は補修する
  • 凹凸があり汚れやすいので低汚染性の塗料を使って塗装すると汚れにくい
  • 単層弾性塗装で塗装するのが一般的
  • 複層弾性塗装の方が塗膜が丈夫だがコストが高く工期も長い

おすすめのリシン塗料

おすすめのリシン塗料
リシン仕上げに使われる塗料は多くの場合アクリル塗料です。

ここでは、リシン仕上げに使用するおすすめの塗料をご紹介していきます。

日本ペイント株式会社「ニッペリシン」

ニッペシリンは日本ペイントの販売するアクリル塗料です。正式にはアクリル樹脂エマルション系砂壁状仕上塗料(水性)という分類になります。

対応下地はコンクリート、モルタル、ALCなど。塗料の単価は2工程で1平方メートルあたり1,180円です。

耐用年数は非公開ですが、4年から6年程度と推定されています。

塗料分類 アクリル樹脂エマルション系砂壁状仕上塗料(水性)
対応下地 コンクリート、モルタル、ALCなど
塗料単価 2工程で1平方メートルあたり1,180円
耐用年数 4年から6年程度と推定(非公開)

エスケー化研株式会社「ソフトリシン」

ソフトリシンはエスケー化研が販売する塗料で、弾性アクリル塗料(水性の弾性アクリルリシン)です。

コンクリート、セメントモルタル、ALCパネル、PC部材、スレート板、GRC板、押出成形セメント板、各種旧塗膜などの下地に対応しています。

塗料単価は3工程で、1平方メートルあたり1,850円、耐用年数は4年から6年程度です。

塗料分類 弾性アクリル塗料(水性の弾性アクリルリシン)
対応下地 コンクリート、セメントモルタル、ALCパネル、PC部材、スレート板、GRC板、押出成形セメント板、各種旧塗膜など
塗料単価 3工程で、1平方メートルあたり1,850円
耐用年数 4年から6年程度
まとめると…
  • リシン塗料はアクリル塗料がほとんど
  • コンクリートやモルタルなどに使用されることが多い
  • 塗料単価は1,000円から2,000円程度
  • 耐用年数は約4年から6年程度

リシン仕上げ外壁の塗装手順

リシン仕上げ外壁の塗装手順
リシン仕上げの外壁はどのような手順で塗装されていくのでしょうか。

ここでは、リシン仕上げの塗装手順をお伝えしていきます。

足場を設置する

外壁を塗装するときは、足場を設置します。足場は高所で安定して塗装作業をするために必要です。

足場を設置したら、メッシュシートを使って養生をし、周辺住宅などへの塗料の飛散を防止します。

足場にかかる工事期間は約1日から2日程度です。

下地処理をする

塗装をするための下地処理をしていきます。高圧洗浄機などで下地の汚れを落として、ひび割れや目地など補修が必要な箇所には補修を施していきます。

洗浄にかかる日数は一般的に1日から3日程度です。

下塗りをする

サイディング 工事
下地に塗料が密着するように、下塗り材を塗っていきます。下塗りを行う工事期間は約1日から2日程度です。

中塗りをする

下塗りが乾燥したら、中塗りをしていきます。

リシン仕上げでの中塗りは、リシンの1回目の吹き付け作業です。作業日数は1日から2日程度かかります。

上塗りをする

中塗りが乾燥したら仕上げの上塗りをしていきます。リシンの2回目の吹き付け作業です。

こちらも作業日数は1日から2日程度です。

最終チェックや仕上げ

上塗りが乾燥したら、塗り漏れがないかチェックします。また、吹き付け作業では塗装できない細かい部分の塗装を行います。

塗り漏れのチェックや細部の塗装には、1日から2日程度かかります。

足場の解体

足場
最終チェックが終了したら最後に足場を解体して終了です。足場の解体は1日程度かかります。

  1. 足場を設置する
  2. 高圧洗浄機などで洗浄し下地の下処理をする
  3. リシン塗料を密着させるための下塗りをする
  4. 中塗りでリシン塗料を吹き付ける(1回目)
  5. 上塗りでリシン塗料を吹き付ける(2回目)
  6. 塗り残しをチェックしたり細かいところを塗装して最終仕上げ
  7. 足場を解体して終了

リシン仕上げの外壁は需要は少ないが高級感を出せる

近年の外壁の主流はリシン仕上げではなく、サイディングにうつっています。20年ほど前はリシン仕上げが主流でしたが、サイディングの方がメリットが大きいのでリシン仕上げの需要は少なくなってしまいました。

現在でも残っているのは厚みのあるリシン仕上げをひっかいて模様を作る工法です。この方法で外壁を仕上げると外壁に高級感を出すことができます。

リシン仕上げの外壁は耐久性が低いので、メンテナンス作業が欠かせません。定期的にメンテナンスを行い、ひび割れなどを見つけたら早期に補修していくことで外壁を長持ちさせていきましょう。

 
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