モルタルを外壁に使うと高級感のある外壁にできますが、一方でひび割れ(クラック)が起こりやすいというデメリットもあります。モルタルのひび割れを補修するためには、どのような作業が必要になるのでしょうか。
今回の記事ではモルタルのひび割れができる原因や補修方法、DIYでの修理方法などについてお伝えしていきます。
- モルタルとはどんな建材か?
- モルタルがひび割れする原因やひび割れしやすい箇所
- モルタルの一般的な補修方法
- モルタルのDIY補修は可能か?
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目次
モルタルとは?
モルタルはセメント、砂、水で構成された粘土状の外壁材です。塗り込みながら壁を作るため、目地がなく高級感のある外壁に仕上がります。
また、モルタルには地震や火災に強いというメリットがある一方で、ひび割れしやすいというデメリットがあります。モルタルは水はけが良く、表面も美しいため、外装に使われることが多いです。
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モルタル外壁のひび割れ原因と症状
経年劣化
経年劣化による主な症状 |
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・ひび割れ ・チョーキング(塗料が粉末状になる現象) ・塗膜の膨れ(塗膜の表面が水膨れのようにふくれる) ・塗膜の剥がれ(塗料がぽろぽろと剥がれてくる) |
モルタルは経年劣化により、ひび割れが発生します。モルタルが劣化すると、ひび割れの他にチョーキングや塗膜の膨れ・剥がれなどの症状が現れます。
モルタルの耐用年数は約30年と長いですが、劣化症状は環境によっては約10年で発症します。モルタル外壁を長持ちさせたい方は、定期的に業者に診断してもらうなどのメンテナンスが重要です。
地震
モルタルのひび割れは、地震によって発生する可能性があります。モルタルは圧力にある程度強いものの、ねじれたり引っ張られたりすることでひび割れが起きやすい外壁材です。
そのため地震によりモルタルに対して想定していない方向への力が加わることで、ひび割れが発生するケースがあります。
外部からの衝撃
車の衝突など強い力が一度に加わると、モルタルにひび割れが起こります。車の衝突のほか、重いものを落としたり、家具など重量のあるものをぶつけるなどの衝撃でひび割れることもあります。
施工不良
モルタルは施工不良により、ひび割れを発生させるケースもあります。モルタルの施工では、モルタルの配合や下地の処理が重要で、それらを怠るとモルタルが短期間でひび割れるなどの不具合が起こります。
施工不良によるひび割れは、優良業者を選ぶことで防げます。日本全国各地の優良業者を紹介できるほっとらいんを活用して見積もりを依頼しましょう。
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モルタル外壁の補修方法
モルタル外壁の補修は、ひび割れ部分にコーキング材(補修材)を埋めて、仕上げに外壁塗装を行います。ひび割れが大きい場合は、下地づくり(プライマー)をキレイに行うために、ひび割れ部分をカットして整える作業が必要です。
ひび割れ部分のカットが必要な場合は、素人では作業が難しいため、業者に施工を依頼しましょう。反対にひび割れ部分の傷が小さい場合は、DIYでも補修可能です。
1.ひび割れ部分をカットする
まずモルタルのひび割れが起こった場所をカットします。ただしひび割れが軽度な場合は削る必要がありません。軽度な場合は補修材のみで補修可能な場合も。
ひび割れが奥の方まで入っている場合は、ひび割れを起こした場所をU字状にカットします。U字型にカットすることで、補修材がモルタルに付着しやすくなる効果があります。
2.プライマーを塗る
ひび割れを埋める材料を使う前に、プライマーというモルタルに補修材が付着しやすくなる素材を下塗りします。どのようなプライマーをいつ使うのかは、補修の程度や補修場所などによっても異なります。
3.削った部位を埋める
モルタルのひび割れの程度が3mm以下など軽度の場合は、コーキング剤という補修材で埋めるだけで補修できることもあります。ひび割れが大きい重度の場合は、削った部分をコーキング剤のほかモルタルでも埋めていきます。
ひび割れの補修にかかる費用は、一般的に1平米あたり4,000円から6,000円程度です。なお補修費用はどの程度ダメージがあるかによっても変動します。
4.外壁塗装をする
モルタルの補修が終わったら、モルタルに塗装をします。モルタルの保護や見栄えを良くするため、モルタルを補修したら塗装も行うのが一般的です。
外壁全体の塗装がひび割れなどを起こしている場合は、外壁全体の塗装を行う場合もあります。外壁塗装にかかる工事費用は1平米あたり4,000円から8,000円程度です。工事費は、使用する塗料や工法によっても変動します。
モルタル外壁の塗装については、こちらの記事でも詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてください。
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モルタル外壁のひび割れをDIYで補修できる?
モルタル外壁のひび割れがそれほどひどくない場合はDIYで補修できます。以下にDIYでモルタルのひび割れを補修できるケースについてまとめました。
DIYで補修ができるケース
モルタルのひび割れが3mm以下(ヘアークラック)など、削る必要がないひび割れならDIYでも補修が可能な場合があります。モルタルのひび割れをDIYで補修する手順は、おおまかに説明すると以下のようになります。
- ひび割れにプライマーを塗る
- コーキングで穴を埋める
- 外壁の洗浄をする
- 塗装の下塗りをする
- 塗装の中塗り・上塗りをする
ただしモルタルの補修は業者以外が行うと思ったよりも大変で失敗することも多いため、業者に依頼した方が確実で安全です。自分で補修作業をして失敗したときは、最初から補修を依頼するときよりも費用がかさむことが多くなります。
DIYで補修が難しいケース
DIYで補修が難しいケースは、外壁を削る必要があるケースです。
コーキング剤を埋め込む補修がきくレベルなら、DIYでも補修が可能なこともありますが、ひび割れが大きく、カットしないと補修できない場合には、専門的な知識や技能が必要となり、業者に依頼する必要があります。
ひび割れしている箇所が大きい場合や、外壁の大部分にひび割れが起こっている、塗料の破損が大きいといった場合もDIYでの修復は難しいでしょう。
- DIYで補修できるのは軽度のひび割れのとき
- ひび割れが大きい場合は業者に依頼した方が確実
- モルタルの補修費用は一般的に1平米あたり4,000円から6,000円程度
- 塗装は1平米あたり4,000円から8,000円程度
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モルタル外壁のひび割れの補修費用
モルタル外壁のひび割れの補修費用の相場は、1平米あたり4,000円から6,000円程度と言われています。ひび割れや劣化の仕方、工事の種類によっても違うため、詳細を知りたい方は業者に見積りをもらいましょう。
DIYで補修する場合は、約3,000円で行えます。ただし、DIYでは0.3ミリほどの小さいひび割れを補修できる程度なので、一概に安いとは言い切れません。
業者に頼む際は相見積もりを取る
工事業者の中には、高額な工事費用を請求したり、施工不良を起こして放置してしまう悪徳業者がいます。そういった業者に騙されないためにも、最低3社に相見積もりを取ることが大切です。
見積もりを取って、価格を比較することのほか、工事の質や見積書の内容、営業担当の対応の仕方などを確認し信頼できる業者か判断しましょう。値段が安くても質の悪い工事をする業者もいるので、値段以外のポイントも確認するのが重要です。
3ミリ以上のひび割れは業者に依頼する
ひび割れの幅が3ミリを超えるようなクラックについては、業者に依頼すべき範囲です。大きなひび割れになると、見た目以上にダメージが進んでいる可能性があります。
専門の業者に依頼して、ひび割れや劣化の程度を詳しく調査してもらい、しっかりと補修してもらいましょう。
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モルタルのひび割れを放置するとどうなる?
モルタルのひび割れは、様々な原因で起こります。ではそのモルタルのひび割れを放置していたら、どんなことが起こるのでしょうか。
以下にひび割れを放置した結果起こることを、いくつかまとめました。
雨漏りが起こる
モルタルのひび割れが起こった場所から、雨漏りが起こります。モルタルの内部に金属などの素材が入っている場合は錆の原因になることも。
モルタルで水漏れを防ぎたい場合は、ひび割れを放置しないことが大切です。
隙間風が起こる
モルタルのひび割れは、放置しておくと大きくなってくるため隙間風が入りやすくなります。
モルタルで外気を遮断している構造の場合、モルタルのひび割れを放置しておくと空気の出入りが起こるようになるため気を付けましょう。
虫が侵入する
モルタルで外壁を作っている場合、ひび割れがあると虫なども侵入しやすくなります。
外壁をモルタルだけで作ることは少ないですが、内部に木材がある場合白アリなどの木材を食べ荒らす虫が浸入しやすくなるので要注意です。
建物の劣化が早くなる
モルタルのひび割れを放置しておくことで、雨や風、虫などの侵入を許してしまいます。
風雨の侵入や虫の食害などで内部の建材が腐敗したり錆びたり、食害を受けたりするので注意が必要です。
内部の建材の劣化が激しい場合は建て替えも余儀なくされますし、修繕費用も多くかかってしまうでしょう。
- ひび割れを放置すると雨漏りが起こる
- ひび割れを放置すると隙間風が吹き込むことも
- ひび割れの隙間から虫が侵入する
- ひび割れから風雨がしみこむため建物の劣化が早くなる
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モルタル外壁でひびが入りやすい場所とは?
モルタルを使った外壁ではどのような場所にひびが入りやすいのでしょうか。ひび割れが起こりやすい場所の特徴をご紹介します。
窓の周り
窓のサッシの周辺など、モルタルとモルタルでないところの境目はひび割れが起こりやすい場所です。
そのほかバルコニーや駐車場の境目など、モルタル塗装の終端部分は、ひび割れが起こりやすいのでご注意ください。
気温差が激しい場所
日中と夜間の気温差が激しい場所も、モルタルにひび割れが起こりやすい場所です。温度により膨張と収縮を繰り返すことで、モルタルにひび割れが起こりやすくなります。屋外の日当たりが良い駐車場などは、注意が必要です。
大きな道路が目の前にある場合
家の前に大きな道路がありトラックが通るなど、家の近くに振動が起こりやすい場所があるとモルタルにひび割れが起こりやすくなります。道路のほか電車の線路、工事現場の近くなども振動が起こりやすい場所です。
- モルタルと他の建材のつなぎ目はひび割れしやすい
- 日中と夜間の気温差が激しいところもひび割れしやすい
- 大型ダンプが通る場所も振動でひび割れが起こりやすい
モルタル補修のよくある注意点
モルタル補修を依頼する際にはどんな点に注意したら良いのでしょうか。以下にモルタル補修を依頼するとき、よくありがちな間違いをいくつかご紹介していきます。
「見栄えを気にしないなら外壁塗装は必要ない」は間違い
モルタルの塗装は見栄えのためだけでなく、モルタルを紫外線や風雨から保護する役割も果たしています。「見栄えは気にしないので塗装はなしで」という依頼方法は、モルタルの経年劣化を早めることになるのでおすすめできません。
モルタルを補修する際は、モルタル剤の上への塗装も同時に施工してもらいましょう。塗料によってモルタルの寿命が延びるので、結果的に補修費用を抑えることができます。
ブリード現象が起こる
塗料をコーキング剤の上から塗装すると、コーキング剤に含まれる成分により塗料が劣化して1年程度で黒く変色してしまうことがあります。これがブリード現象と呼ばれる現象です。
DIYでモルタルを補修した際にもよく起こるこのブリード現象ですが、業者の中にはブリード現象にかんする知識がない業者もいることがあるので注意が必要です。
ブリード現象の知識がない業者に依頼すると、せっかくの塗料が短期間で劣化して変色してしまう可能性があります。
補修を依頼する業者は「外壁塗装」
モルタル補修を業者に依頼する場合は、「外壁塗装」を専門にしている業者を選ぶ方が質の高い補修を期待できます。モルタルの補修工事は塗装作業が含まれているため、塗装を専門としている業者が適しているためです。
左官業者や大工でもモルタル補修を請け負っている業者はありますが、塗装は別で依頼する必要があったりモルタル補修の実績が少なかったりすることも多いため、あまりおすすめできません。
また外壁塗装業者の中には塗料が劣化してしまうブリード現象に関する知識がないところも。ブリード現象についての知識がない業者には依頼しない方が良いでしょう。
モルタルとコンクリートとの違いは?
コンクリートはモルタルに比べ、強度が必要な場所に使われることが多く、建造物の基礎などの強い圧力がある場所に使用されます。モルタルは外装に使われるのが主で、コンクリートは建材としての使用が主という点で違いがあります。
- モルタルの塗装は見栄えだけでなくモルタル保護のために必要
- DIYで行うと塗料が黒く変色するブリード現象が起こりやすい
- モルタルの補修を依頼するなら外壁塗装業者が適している
- ブリード現象などの塗装知識が少ない業者は選ばない
- モルタルはコンクリートの表面仕上げやタイルの目地によく使用される
- コンクリートの方が砂利が含まれているぶん強度が強い
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モルタルのひび割れは早めの補修を!
外壁のひび割れ補修は軽度であればDIYでの補修ができることもあります。ただし補修には専門的な知識や技術が必要なことも多く、素人判断で補修をすると失敗することが多いので注意が必要です。
外壁のひび割れは放置しておくと建物の劣化に直結するので、できるだけ早期に確実に補修することが大切。大したひび割れではないからと自己判断で放置や補修をせずに、専門的な知識を持った業者に診断してもらいましょう。
また、モルタル補修を依頼する際は「外壁塗装」を専門にしている業者に依頼すると確実です。ただし「ブリード現象」などの塗装の知識が少ない業者に依頼すると、後で不具合が起こりやすいので注意してください。
外壁塗装の費用について気になる方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
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