汚れやカビがつきにくく、安全性の高い高機能な塗料をお探しならば、水谷塗料の「ナノコンポジット」シリーズがおすすめです。
しかし、「ナノコンポジットとはどのような塗料なの?」「他の塗料と具体的にどのような点が違うの?」と疑問を感じる方も少なくないことでしょう。
そこでこの記事ではナノコンポジットの基礎知識に加えて、種類別の特徴やメリット・デメリット、使用をおすすめしたいケースについて徹底解説しています。
外壁塗装工事をお考えの方や塗装選びで迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
- ナノコンポジットWとはどのようなもの?
- ナノコンポジットWのメリットとデメリットとは?
- ナノコンポジットWの使用方法とは?
- ナノコンポジットWを選ぶべきケースとは?
目次
ナノコンポジットとは?
外壁塗装に用いられる塗料には多くの種類があり、同じメーカーの塗料であっても、商品によって多くの違いがあります。
こうしたさまざまな塗料の中でも、近年特に高い注目と人気を集めているのがナノコンポジットです。ここではまず、ナノコンポジットの基礎知識について確認しておきましょう。
ナノコンポジットとは、水谷ペイント株式会社が販売する世界初のナノコンポジットエマルション塗料のことです。
「ナノ」という言葉が用いられていることからわかるように、最新技術を用いて開発された塗料であり、耐久性や防カビ性・耐火性などの優れた機能と、低汚染性を兼ね備えています。地球にやさしいエコ塗料であり、なおかつ安全性が高い塗料でありながらも極めて高機能であることから、ナノコンポジットは外壁の塗り替え工事で高い人気を誇っているのです。
ナノコンポジットの種類
水谷ペイント株式会社からは、ナノコンポジットシリーズとして以下の5つの商品が販売されています。
- ナノコンポジットW
- ナノコンポジットW 防藻+
- ナノコンポジットF
- ナノコンポジットシーラーⅡ
- ナノコンポジットフィラーN
ここではナノコンポジットシリーズの種類と、それぞれの特徴や価格・耐用年数などについて詳しく解説していきます。
ナノコンポジットW
まずご紹介したいのが、ナノコンポジットWです。アクリル樹脂とシリコン樹脂をハイブリットさせた樹脂構造の中に、ナノレベルで細かくした超微粒子シリカを配合させた塗料になります。
塗料グレードとしてはラジカル制御形塗料に分類され、ナノコンポジットシリーズの中でも最もベーシックと言うべき塗料でしょう。
設計価格 | 3,000〜5,000円/平方メートル |
耐用年数 | 10〜15年(推定) |
ナノコンポジットW 防藻+
ナノコンポジットWに防藻性能を追加した塗料が、ナノコンポジットW防藻+です。
藻の原因となる菌の成長を防ぎ、表面に付着した菌を雨水によって自動的に流し落とすという機能をもっています。
立地的に雨水が当たりやすかったり湿気が多かったりして、藻が発生しやすい外壁にピッタリな塗料だと言えるでしょう。
設計価格 | 3,200〜4,400円/平方メートル |
耐用年数 | 10〜15年(推定) |
ナノコンポジットF
より長持ちする塗料をお探しならば、ナノコンポジットFがおすすめ。
フッ素樹脂エマルジョンを使用したフッ素塗料であるナノコンポジットFは、シリーズの中でも高い耐久性と耐候性を誇ります。
セルフクリーニング機能があり、雨水によって外壁が汚くなるどころか、雨水を利用して汚れを自動的に落としてくれるため、清掃の手間が省けるというメリットも。
設計価格 | 4,000〜6,000円/平方メートル |
耐用年数 | 15〜20年(推定) |
ナノコンポジットシーラーⅡ
ナノコンポジットシーラーⅡは、カチオン系架橋型水溶性アクリル樹脂シーラーです。
ナノコンポジットW、ナノコンポジットF、ナノコンポジットW防藻+といったシリーズ専用の下塗り材であり、主に窯業系サイディングで利用されています。
既存の古い塗料にもピタッと密着して上から重ねる塗料の耐久性を高めてくれるため、塗り直しに最適なシーラーだと言えます。
設計価格 | 800円/平方メートル |
乾燥時間 | 少なくとも2時間以上 |
ナノコンポジットフィラーN
1液型の微弾性下地調整材こそが、ナノコンポジットフィラーNです。
ナノコンポジットW、ナノコンポジットF、ナノコンポジットW防藻+の専用下地調整材ですが、ナノコンポジットシーラーⅡと違い、窯業系サイディングでの利用はできません。
新設・無塗装のコンクリート・モルタル面の塗装時の下地調整・模様付けのほか、樹脂リシン・樹脂系スタッコ・吹付けタイル・単層弾性塗膜の旧塗膜で利用が可能です。
設計価格 | 800〜1,200円/平方メートル |
乾燥時間 | 少なくとも16時間以上 |
もちろんチェックは完全無料&匿名。
いくつかのチェック項目を入力するだけで、塗装にかかる適正価格が簡単にわかりますので、ぜひお気軽にチェックしてみてくださいね!
ナノコンポジットWのメリットとは?
ナノコンポジットシリーズの定番塗料と言ってもよいのが、ナノコンポジットWです。外壁の塗り替えのために好んで用いられていますが、その人気の秘訣はどのような点にあるのでしょうか?
以下では、ナノコンポジットWならではのメリットや魅力についてご紹介していきます。
雨で汚れを流す
塗装直後は美しい外壁であっても、雨水にさらされることで汚れが付着し、汚れが目立ってしまう塗料も少なくありません。
その点、ナノコンポジットWには雨水によって外壁表面の汚れを自動で洗い流してくれるセルフクリーニング機能があるため、安心です。
汚れがつきにくく、清掃の手間も省けるため一石二鳥だと言えるでしょう。
紫外線や風雨の影響を受けにくい
耐候性が高いというのも、ナノコンポジットWが選ばれる理由として挙げられます。シリコン化合物を塗膜に配合することで、色あせが起こりにくい構造を実現しているのです。
紫外線や雨風による色褪せや劣化症状を防いでくれるため、長期にわたって美しい外観をキープできるでしょう。
シリコン以上の高耐久で価格はほぼ同じ
ナノコンポジットWは通常のシリコン塗料よりも耐久性が高いのに、価格は微増でしかありません。
コストパフォーマンスが高く、メンテナンスの費用や頻度を低く抑えられるという点が魅力的です。
そのため、シリコン塗料を選ぶならばナノコンポジットWを選んで外壁塗装をしたほうがお得だと言えるでしょう。
防カビ・防藻性能が優れている
カビやコケの原因となる菌の発生を防ぐ機能があるため、ナノコンポジットWを使用した外壁は綺麗で清潔な外観を維持しやすいというメリットがあります。
湿気や雨量の多い地域にお住いの場合や、立地的に外壁に日光が当たりにくくカビやコケが生えやすい場合には、ナノコンポジットWを使用するのがおすすめです。
燃えにくい
一般的な塗料に比べて燃えにくい性質があるというのも、ナノコンポジットWならではの特徴。
従来の水性塗料では非常に珍しい「JIS A 1321難燃一級」に合格しており、防火認定材料に認定されているほどです。
万が一のときでも安心できると言えるでしょう。
刺激臭がほとんどしない
有機溶剤にはシンナーが使われているため、塗装時にどうしても強い悪臭がしてしまいます。塗装後もしばらくシンナーの臭いがすることも珍しくなく、使用方法を間違えると健康被害を受けるリスクも…。
その点、ナノコンポジットWは水性塗料のため、刺激臭や悪臭がほとんどしません。
またシックハウスの原因となる成分を極力除外しているため、安全性が高く、安心して使用できると言えるでしょう。
乾燥が早く作業効率が良い
ナノコンポジットWは、水分蒸発に富むシリカ微粒子を含んでいるため速乾性に優れています。
塗った塗料が早く乾けばそれだけ作業の進みも早く、従来の水性塗料を使った場合よりも短い工期で塗装工事を終わらせることができるでしょう。
二酸化炭素を削減する
一般的な塗料には樹脂が多く含まれ、塗膜のつなぎ剤としての役割を果たしています。樹脂の存在は非常に重要ではあるものの、精製の際に大量の二酸化炭素を放出するのが難点とされてきました。ご存知の通り、二酸化炭素の発生は地球温暖化につながりますから、エコが望まれる現代においては大きなネックとなっていたのです。
一方、ナノコンポジットWは塗料の中に微粒子のシリカを含むことで、樹脂を大幅に減らした「ナノコンポジットエマルション樹脂」という樹脂を使用しています。それにより二酸化炭素が発生しにくくなり、環境に優しい塗料が実現したのです。
- セルフクリーニング機能がある
- 耐候性が高く、紫外線や雨風によるダメージを受けにくい
- シリコン塗料よりも耐久性が高いのに価格が同程度
- カビやコケが生えにくい
- 安全性が高く刺激臭・悪臭がしにくい
- 乾くのが早いため、作業効率が良い
- 独自に開発した樹脂により、二酸化炭素が発生しにくい
ナノコンポジットWのデメリット
ナノコンポジットWは耐久性・耐候性が高くコストパフォーマンスがよいなど、多くのメリットがありますが、デメリットがないわけではありません。
では、具体的にどのような短所があるのでしょうか?ここからは、塗料選びにあたって事前に知っておきたいナノコンポジットWのデメリットについて解説していきます。
ツヤが選べない
ナノコンポジットWは、ツヤを抑えた上品でマット感のある仕上がりが特徴的な塗料です。こうしたメリットは、裏を返せばツヤの種類が少なく選択肢が狭いというデメリットでもあります。
そのため、ツヤのある外観をお好みの方からすると物足りなさを感じるかもしれません。
彩度の高い色を調色できない
樹脂の都合によって彩度が高い色は選べないというのも、ナノコンポジットWのデメリットのひとつ。
「ビビッドカラーの外壁にしたい」という方にはあまりおすすめできません。他方で、淡い上品な色合いがお好みの方にはおすすめできます。
低汚染性が発揮されないことがある
ナノコンポジットWは安全で低汚染性の塗料として人気を集めていますが、傾斜壁の下端部や笠木など水切りのない部位、汚れが溜まりやすい目地の下部は汚染されやすいことに注意が必要です。
ほかにも、雨がかからない部位や窓廻りで水切りが不十分な場合などは低汚染性が十分に発揮されません。
- ツヤの種類が少ない
- 彩度が高いビビッドカラーが選べない
- 部位や条件によっては低汚染性が発揮されないことも
ナノコンポジットWの使用方法
ナノコンポジットWで外壁塗装をおこなう場合、どのような流れになるのでしょうか?ここからは、ナノコンポジットWの使用方法や塗装の流れについてご紹介していきます。
準備するもの
塗装にあたっては、以下のような道具を準備する必要があります。
- 下塗り塗料
- ハケやローラー
- 養生道具(マスカーやマスキングテープなど)
- ケレン道具(サンドペーパー、スクレーパー、ヘラなど)
面積の広い平坦な部位はローラーで塗装をおこない、細部やムラになりやすい部分はハケを使います。
基本的にはプロの業者に依頼するのがおすすめですが、もしもDIYで塗装をおこなう場合は、軍手や汚れてもよい古い服なども用意しましょう。
希釈について
ナノコンポジットWは、水で4〜8%ほど希釈して使用します。適切な希釈率を守らなければ塗りムラの原因になってしまうので、注意が必要です。
塗装の流れ
外壁塗装は以下のような工程でおこなわれます。
- 高圧洗浄
- 下地処理
- 下塗り
- 中塗り・上塗り
まずは高圧洗浄機などを使用して、外壁の汚れやカビ・コケをしっかりと落とした上で、下地のケレン作業をおこないます。
下地処理が終わったならば、シーラーやフィラーを塗装して下塗り作業をおこなっていきます。十分に乾燥させた後、ナノコンポジットWを2回塗装して乾燥させれば作業完了です。
塗装する際の注意点
ナノコンポジットWの塗装時には、十分な乾燥時間をもうけることが必須です。
気温23度を想定した場合、ナノコンポジットシリーズの専用下地であるナノコンポジットシーラーⅡは塗装後は最低2時間以上、ナノコンポジットフィラーNは最低16時間以上乾燥させる必要があります。
しっかりと乾燥させてから重ね塗りしないと、塗料の性能が低下してしまう上に、塗りムラなどの施工不良を起こしてしまいかねません。
また、湿度が高い日や気温が低い日は乾燥しにくいため、通常よりも長めに乾燥させることが必要です。
ナノコンポジットWはこんな人におすすめ!
数ある塗料の中で、どのようなケースにおいてナノコンポジットWの使用が推奨されるのでしょうか?
ここからは、ナノコンポジットWの使用がおすすめな事例をご紹介していきます。
メンテナンスの手間を減らしたい
ナノコンポジットWには雨水を利用したセルフクリーニング機能があるため、「汚れにくい外壁にしたい」という方に適しています。
悪臭を抑えたい
有機溶剤と違い、水性塗料であるナノコンポジットWにはシンナーなどの成分が含まれていません。そのため「刺激臭や悪臭を抑えたい」「安全性の高い塗料を選びたい」という方におすすめできます。
コストパフォーマンスに優れた塗料を使いたい
ラジカル塗料のため、シリコン塗料よりもコストパフォーマンスが高くなりやすいというのもナノコンポジットWが選ばれる理由のひとつ。
安価さと機能性を兼ね備えた塗料をお求めの方にもピッタリです。
- 清掃の手間を省ける
- 悪臭を抑えられる
- シリコン塗料よりもコストパフォーマンスが高い
高性能な塗料をお探しならナノコンポジットがおすすめ!
今回はナノコンポジットシリーズについて特集してきましたが、いかがでしたでしょうか。
シリーズの中でも耐久性・安全性が高く、エコな塗料でありながら、シリコン塗料とさほど費用が変わらないナノコンポジットWは特に人気の高い塗料です。
外壁の塗り直しに適した塗料でもあるので、外壁のメンテナンスをお考えならば、ぜひナノコンポジットWを候補に入れてみてください。
しかし、外壁塗装の「価格相場」というのはとても複雑。外壁の状態や使用する塗料によって金額が大きく変動するため、素人がその適正価格を見極めるのはとても難しいのです。
中にはその複雑さに付け込み、不当な価格を要求したり手抜き工事をする悪質な業者も…
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