樹脂系サイディングってなに?価格や人気メーカーまで徹底解説!

サイディングボードというと一般的には窯業系サイディングが主流となっていますが、実はこれ以外にも金属や木材などさまざまな材質のサイディングが存在します。

その中でも、国内ではもっともマイナーなのが今回ご紹介する「樹脂系サイディング」です。

樹脂サイディングはあまり広く知られていない外壁材ですが、他の外壁材と比較しても非常に優れた機能性を持つサイディング材なんです。

この記事では、そんな樹脂系サイディングの基本的な特徴とともに、施工費用やおすすめ商品まで詳しくご紹介していきます。この記事を読めば、樹脂系サイディングに関する知識はバッチリです!

この記事でわかること
  • 樹脂系サイディングとは?そのメリット・デメリット
  • 樹脂系サイディングとその他のサイディング材の違い
  • 樹脂系サイディングの施工費用や工期
  • 樹脂系サイディングのおすすめ製品
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「樹脂系サイディング」って一体なに?

樹脂系サイディングとは一般的に「サイディング」というと、セメントと木質系成分を混合して作られた「窯業系サイディング」を指します。窯業系サイディングは、国内の新築戸建て住宅の約80%で使われているという、圧倒的人気の外壁材です。

実はサイディングボードには、窯業系以外にも

  • 金属系サイディング
  • 木質系サイディング
  • 樹脂系サイディング
といったさまざまな種類が存在します。この中でも特にマイナーなのが樹脂系サイディングで、国内のシェアはわずか1%ほど。

今回はこの樹脂系サイディングに焦点を当てて、その意外な魅力について解説していきます。

サイディングの基礎について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
サイディング外壁とは?種類やメリット&デメリットまで徹底解説!サイディング外壁とは?種類やメリット&デメリットまで徹底解説!

樹脂系サイディングとは

サイディングボード
そもそもサイディングとは、ボード状の外壁材のこと。塗り壁などの外壁材に比べて手軽に施工できるため、現代の戸建住宅においては圧倒的にメジャーな外壁材です。

そんなサイディングの一種である樹脂系サイディングとはその名の通り、塩化ビニル樹脂を主原料としたサイディングボードです。

すでにお伝えしている通り国内ではかなりマイナーな外壁材ですが、アメリカなどでは広く普及しているんだとか。

樹脂系サイディングはメンテナンスが必要ない?

もっともメジャーな窯業系サイディングは、耐水性などの問題から必ず塗装する必要があり、この塗装自体も定期的に塗り替えを行う必要があります。

一方の樹脂系サイディングは、他のサイディング材と比べて非常に耐久性が高いのが魅力。

残念ながら耐メンテナンスが完全に不要というわけではありませんが、さまざまな外壁材と比較してもたいへん丈夫な外壁材です。

樹脂系サイディングのメリット

樹脂系サイディング メリット
国内では知らない人も多い樹脂系サイディングですが、実は他の外壁材と比べてもとても高機能な外壁材なのです。

続いては、樹脂系サイディングならではの魅力についてご紹介していきます。

軽くて建物への負担が少ない

樹脂でつくられたサイディングということでイメージもわきやすいかと思いますが、樹脂系サイディングはとっても軽量。

モルタルやタイルなどの重厚な外壁材に比べて軽量なのはもちろんのこと、国内で最も普及している窯業系サイディングと比べてもその重さはなんと約1/10!

重い外壁材を用いると、耐震性がダウンしてしまいます。軽量で住宅への負担が少ない樹脂系サイディングは、地震の多い日本にぴったりの外壁材なのです。

シーリングのメンテナンスが不要

コーキング
窯業系サイディングなどでは、ボード同士をつなぎ合わせる「シーリング」という作業が必要になります。

このシーリングに用いられるシーリング材は紫外線などの影響によって劣化しやすいため、外壁材そのものよりも頻繁にメンテナンスしなければなりません。

一方、樹脂系サイディングの中にはシーリングを使わないものもあるため、こういったタイプの商品を選べばシーリングのメンテナンスが不要になります。

定期的なメンテナンスは費用がかかるだけでなく、こまめに状態をチェックしたり業者に依頼したりといった面倒さも負担になってしまうもの。こういった負担から解放されるのも大きなメリットといえるでしょう。

耐久性が高い

お家長持ち
何度もお伝えしている通り、樹脂系サイディングはほかの外壁材と比べても非常に耐久性が高いのが最大の強みです。

窯業系サイディングはその耐用年数が20~30年といわれており、これは樹脂系サイディングともあまり変わりありません。

しかし、窯業系サイディングは耐水性などの問題から表面に塗装を施す必要があり、この塗装は10年程度で劣化してしまいます。そのため、実質的には10~15年に一度のメンテナンスが必須ということになります。

一方で樹脂系サイディングは塗装が必要ないため、外壁塗装のメンテナンスが必要ありません。加えて、先ほどご紹介したようにシーリング材の補修も必要ない場合が多いため、窯業系とは違って本当に20~30年メンテナンスしなくても大丈夫だった、という事例も少なくないのです。

変色しにくい

窯業系サイディングなどの場合、サイディングボードに塗料を吹き付けることで着色するため、経年劣化によって変色してしまう場合があります。

しかし、樹脂系サイディングは形成する前に樹脂そのものに顔料を練りこんでいるため、時間がたっても色落ちが起こりにくいというメリットも。

窯業系サイディングは豊富なデザインが魅力の一つですが、せっかくこだわって選んだ色でも退色してしまってはガッカリですよね…。樹脂系サイディングであれば、そういった心配がなくいつまでも美しい外壁をキープすることができます。

吸水性が低く凍害が起こりにくい

外壁と雪
外壁の大敵はずばり「水分」。雨風や湿度の変化にさらされると、外壁材が膨張・収縮を繰り返し劣化の原因となってしまいます。また、寒い地域では水分を含んだ外壁が凍って膨張することでひび割れなどを引き起こす「凍害」と呼ばれる症状も。

樹脂系サイディングは塗装を施さなくても非常に耐水性が高いため、凍害をはじめとした劣化を防ぐことができるのです。

実際、国内でも北海道などの寒い地域では、こういったメリットが評価されて徐々に樹脂系サイディングが浸透しつつあります。

まとめると…
  • 非常に軽量で耐震性が高い
  • 耐久性が高く、シーリングも不要なためメンテナンスの手間がかからない
  • 変色が起こりにくく、長期間きれいな外観を保つことができる
  • 耐水性に優れ、寒冷地の凍害防止などにも効果的

樹脂系サイディングのデメリット

樹脂系サイディング デメリット
ここまで高機能なら迷わず樹脂系サイディングを選べばいいじゃないか!と思ってしまいますが、実際のところはそうもいかないのが現状です。

続いては樹脂系サイディングのメリットだけではなく、デメリットについてもみていきましょう。

取り扱っている業者が少ない

すでに何度もお話ししている通り、樹脂系サイディングは国内ではあまり普及しておらず、施工に詳しいはずの業者であっても樹脂系サイディングの存在を知らないという人すらいるほど。

そのため、そもそも樹脂系サイディングを取り扱っているという業者がかなり限られてしまうのが最大のデメリットです。

取り扱いがある業者であっても、施工経験が少ない業者では不安が残ります。樹脂系サイディングを施工するうえでは、業者選びが最大のネックとなるでしょう。

デザインが少ない

デザイン
樹脂系サイディングは施工業者が少ないだけではなく、サイディングボードの生産も少ないため、他のサイディング材と比べると圧倒的に商品数が限られます。

デザインやカラーバリエーションがかなり限られてしまうため、気に入ったデザインの樹脂系サイディングが見つからない、ということで樹脂系サイディングの施工をあきらめる方もいるようです。

また樹脂自体に着色が施されているため、変色しないメリットがある一方で細かいデザインは再現できません。

窯業系サイディングであればタイル風・木目風などさまざまなデザインを手軽に再現することができますが、樹脂系サイディングは単色のデザインしかないため、やや物足りない印象を受けてしまうことも。

施工費が高い

施工業者が少なく、サイディング材の生産も少ないということで、必然的に設置費用もやや高額になってしまいます。

ただし、窯業系サイディングでは設置後のメンテナンス費用が掛かることなどを踏まえると、長期的に見れば費用面でのデメリットはそこまで大きなものではないといえるでしょう。

まとめると…
  • 施工を行ってくれる業者が見つかりにくい
  • デザインのバリエーションが限られてしまう
  • 初期費用はややかさむが、長期的に見ればコストパフォーマンスはまずまず

どうして樹脂系サイディングは普及していないの?

樹脂系サイディングどうして普及しない?
鋭い方はお気づきかもしれませんが、樹脂系サイディングのデメリットはそのほとんどが「国内で普及していない」ことによって生じるもので、外壁材としてのデメリットはほとんどありません。

ここまで高機能な外壁材であるにもかかわらず、なぜ広く浸透しないのでしょうか?

デザイン性の低さ


樹脂系サイディングが普及しない原因の一つとしては、やはりデザイン性の低さが挙げられます。

今後商品のバリエーションが増えたとしても、その特性ゆえに凝ったデザインの外壁材は製造することができません。現在主流の窯業系サイディングと比較して圧倒的に劣るのがデザイン性といえるでしょう。

住宅業界の「思惑」も影響…?

なぜ?
樹脂系サイディングの最大の強みが耐久性ですが、耐久性がアップすると困ってしまうのが外壁メーカーや修理業者。

耐久性が高いと修理や外壁張替えなどの頻度が下がるため、外壁を販売したり修理したりする業者の仕事が減ってしまいます。加えて、樹脂系サイディングには塗装が必要ないため、外壁塗装業者にとってみればこれが普及すると死活問題に。

自分たちの仕事を守るため、あえて樹脂系サイディングを浸透させない…という思惑もあるかもしれませんね。

まとめると…
  • 窯業系サイディングに比べてデザイン性がかなり低い
  • メンテナンス頻度を減らしたくないという業界の思惑も…?

樹脂系サイディングと他のサイディングを徹底比較!

樹脂系と他のサイディング徹底比較
外壁は一度設置したら10年以上使うものですので、導入時の初期費用だけにとらわれるではなく、長期的に見てコストパフォーマンスのよい外壁材を選びたいものです。

続いては、樹脂系サイディングとその他のサイディング材について、その費用や耐用年数を比較してみましょう。

種類 単価(/㎡) 耐用年数 備考
窯業系サイディング 4,000〜5,000円 20〜30年 外壁塗装が必須
金属系サイディング 4,500〜5,500円 20〜30年 外壁塗装が必要な場合も
木質系サイディング 5,000〜8,000円 15〜30年 取扱業者が少ない
樹脂系サイディング 4,500〜9,000円 20〜30年 設置にかかる費用が高い

サイディングの価格についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。
サイディングの価格相場を徹底比較!施工費用を安く抑えるポイントも紹介!

樹脂系サイディングの費用と施工期間

樹脂系サイディング費用
施工のハードルがやや高い樹脂系サイディングですが、やはりご自宅の外壁を樹脂系サイディングにしたいという場合、実際の施工にかかる費用や施工期間が気になりますよね。

ここからは、実際に樹脂系サイディングを施工した場合にかかる費用のおおよその相場や施工期間についてご紹介します。

樹脂系サイディングの施工費用

費用
外壁材の施工にあたってやはり気になるのがコスト面ですよね。

樹脂系サイディングの設置にかかる費用は、30坪の住宅を例にとると約150~300万円程度が相場となります。メジャーな窯業系サイディングはおよそ100~200万円程度が相場ですので、これと比べるとやや高額といえるでしょう。

ただし、窯業系サイディングをはじめとした他のサイディング材では、設置だけではなく塗装やシーリングなどを行う必要があり、これらは10年程度を目安にメンテナンスを行わなければなりません。

外壁塗装は1回の施工に約100万円程度かかりますので、こういったメンテナンス費用まで含めて考えると、樹脂系サイディングのコストパフォーマンスは決して悪くないといえるでしょう。

樹脂系サイディングにリフォームする場合の施工期間

今あるご自宅の外壁を樹脂系サイディングにする場合、2つの施工方法があります。それぞれ施工期間が異なりますので、1つずつ見ていきましょう

カバー工法(重ね張り)

カバー工法とは、古い外壁を撤去せず、上から新しいサイディング材を貼り付ける工法です。

外壁を撤去する必要がありませんので比較的手軽に施工できますが、それでも工期は7~14日程度かかります。

張り替え

一方、既存の外壁をすべてはがして新しい樹脂系サイディングに張り替える工法もあります。古い外壁の材質によってはカバー工法ができない場合もありますので、そういった場合には張り替え工事を行うことになります。

こちらの場合には、古い外壁を撤去する手間がかかりますので工期も10~18日程度と若干長めです。また手間がかかる分、費用もカバー工法に比べると高額になります。

サイディングの重ね張り工法・張り替え工法についてさらに詳しく知りたい方には、以下の記事もおすすめです。
サイディングの張り替え費用は?そのメリットを重ね張りと徹底比較!

樹脂系サイディングの費用を抑えるには?

樹脂系サイディング費用の抑え方
樹脂系サイディングはメンテナンスの費用が最低限しかかからないため、比較的コストパフォーマンスに優れた外壁材です。そうはいってもやはり大きな出費になるため、少しでもその費用を抑えたいところ。

施工の費用を抑えるには、どのような点に注意すればよいのでしょうか?

オープンジョイント工法で施工する

ここまでに解説しているような、シーリングを行わない施工方法を「オープンジョイント工法」と呼びます。

このオープンジョイント工法で施工すればシーリング材のメンテナンスが必要ないため、施工後に発生するメンテナンス費用を抑えることができます。

自社施工の会社に依頼する

業者 ポイント
大手のハウスメーカーなどは自社で工事をせず、下請け業者などを使っている場合があります。この場合は仲介手数料がとられるため、余計な施工費用が上乗せされてしまうケースも…

施工を依頼する際には、自社施工の業者を探すと余計な費用をかけずに依頼することができます。

樹脂系サイディングの人気メーカー&製品

樹脂系サイディング人気メーカー&製品
最後に、樹脂系サイディングの代表的な製品についてご紹介します。樹脂系サイディングの施工を検討している方はぜひ参考にしてみてくださいね!

ゼオン化成「ゼオンサイディング」

ゼオンサイディングゼオン化成の「ゼオンサイディング」は国内でもっとも代表的な樹脂系サイディングです。

オープンジョイント工法での施工が可能なため、コストを抑えたい方におすすめ。またデザイン性が低いといわれる樹脂系サイディングですが、ゼオンサイディングは5種類のデザインがあり、それぞれカラーバリエーションも豊富なため、納得できるデザインを見つけやすいのも魅力です。

エポックス株式会社「永久美人」

エポックス株式会社の「永久美人」は、永久というだけありその耐久性が最大のポイントです。なんとメーカー保証30年ということで、その耐久性への自信はかなりのもの。

最高級の高耐久酸化チタンを配合した樹脂を使用しているだけでなく、施工もメーカーで行うというこだわりぶりですので、施工例の少ない窯業系サイディングでも安心して設置できます。

高機能な「樹脂系サイディング」知らなきゃもったいない!

国内ではかなりマイナーな外壁材である樹脂系サイディングですが、他の外壁材と比べても費用対効果が非常に高い優れた外壁材です。

これだけの機能性を備えていますので、今後徐々に普及していく可能性は高いはず。皆さんもぜひ樹脂系サイディングの施工を検討してみてくださいね!

 

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外壁材の種類の選び方は?メーカー、人気ランキングまで詳しく紹介!

 
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