日本の家屋の大半は、外壁材としてサイディングを使用しているということをご存知ですか?サイディングは、外壁材の約9割のシェアを占める最もメジャーな存在です。
薄くて軽量なため、家屋に負担をかけないというメリットがある一方で、雨風や紫外線の影響を受けて経年劣化しやすく、定期的にメンテナンスを行う必要があります。
しかし、「そもそもサイディングの耐用年数はどれくらいなのかわからない」という方も多いことでしょう。サイディングと一口に言ってもさまざまな種類があり、耐用年数や貼り替え時期の目安も異なってきます。
この記事ではサイディングの各種類の特徴や耐用年数に加えて、寿命を縮めないメンテナンス方法についてもご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
- サイディングの種類とそれぞれの耐用年数は?
- サイディングのメンテナンスの時期と目安は?
- サイディングの耐用年数を伸ばすコツとは?
- メンテナンスの方法と費用とは?
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目次
サイディング外壁の耐用年数ってどれくらいなの?
戸建てに住んでいる方ならば、おそらくほとんどの場合、外壁にサイディングを使用しているはず。
種類によってサイディングの耐用年数も変わってくるので、ご自宅の外壁材の種類についてきちんと確認しておくことが必要です。
耐用年数を過ぎたサイディングをそのまま放置しておくと、カビやシロアリ、ひび割れ・剥がれといったさまざまなトラブルが生じてしまうでしょう。そうなると外壁の強度が失われて安全性が損なわれることに…。
サイディングの耐用年数を把握しつつ、適切なメンテナンスを行うことで、寿命を延ばしたいものです。
そもそも「サイディング」とは?
住宅関係のお仕事をしてない限り、「サイディング」という言葉を聞いてピンとくる人はそう多くないことでしょう。そもそも、サイディングとはどのようなものなのでしょうか?
簡単に言うならば、サイディングとは薄い板状の外壁材のこと。日本の家屋の9割ほどに使用されている、最もポピュラーな外壁材こそがサイディングなのです。
サイディングについて詳しく知りたい方には、こちらの記事もおすすめです。
サイディングはメンテナンスしないと寿命が縮む?
サイディングを使用して外壁を施工すれば、それで終わりというわけではありません。サイディングは経年劣化の影響を受けやすく、年数が経つにつれて徐々に塗装がはがれていきます。
外壁を守る表面が損傷することで、内部が雨や紫外線で直接浸食されるため、寿命が縮んでしまうのです。
この状態で放置しておくと、外壁そのものが脆く危ない状態になってしまいます。だからこそ適切なメンテナンスを行い、寿命を延ばすことが必要。
そもそも、耐用年数を大幅に過ぎた段階でメンテナンスを行うよりも、適切な時期に適切なタイミングでメンテナンスを行ったほうが、結果的に修繕費が安くつくのです。
- サイディング=最も多く使われている外壁材
- 種類によってサイディングの耐用年数も変わる
- メンテナンスを怠ると耐用年数が短くなるので要注意
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サイディングの種類と耐用年数
サイディングと一口に言っても、その種類は金属系・窯業系・木質系・樹脂系の4つに大別されます。
どの種類のサイディングを選ぶかによって、価格や質感・仕上がりはもちろん、耐用年数も変わってくるのです。
では、具体的にどの種類のサイディングが耐用年数が長く、反対にどの種類のサイディングは寿命が短いのでしょうか?
以下では、サイディングの種類別に特徴と耐用年数をご紹介していきます。
窯業系サイディング
サイディングの種類としてまず挙げられるのが、窯業系サイディング。セメントと木質系成分をミックスして作られたサイディングです。
サイディング外壁材の中でも特に人気が高く、日本の家屋の8割ほどに窯業系サイディングが使われていると言われています。
おしゃれなデザインに仕上がる上に、工期も比較的短いところが人気の秘訣。気になる耐用年数は20〜30年が目安です。
また、木質系成分は2割ほどしか使用されていないため、木質系サイディングと比べるとはるかに防火性が高く、耐震性にも優れているなど、安全面でもバッチリです。
金属系サイディング
金属系サイディングとは、断熱材の表面に金属メッキを施したサイディングのこと。
金属でできているものの軽量なため、家屋に負担をかける心配がなく、耐震性の面でも安心できます。
断熱性にも優れているものの、金属ゆえに雨や潮風の影響でサビやすいというデメリットもあるため、海が近い地域の家屋にはあまりおすすめできません。肝心の耐用年数は20〜30年です。
木質系サイディング
木材で作られたサイディング材のことを、木質系サイディングと言います。金属系サイディングや窯業系サイディングであっても木目調のデザインに仕上げることはできますが、木質系サイディングと比べるとその差は歴然です。
木質系サイディングは天然の木を使用しているため、木のぬくもりを感じることができますし、より美しく高級感のある質感に仕上がるのが魅力的。
ただし、木材ゆえに防水性が低く、カビやコケが生えやすいというデメリットも…。防火性も低いため、一部の地域では木質系サイディングを使用することができません。
なお、耐用年数は15〜25年と、他の外壁材と比べると短めです。
樹脂系サイディング
樹脂系サイディングとは、主に塩化ビニル樹脂を使ったサイディングのことです。
アメリカなど北米ではメジャーな外壁材ですが、日本でのシェアは低く、樹脂系サイディングを使用した外壁材はたったの1~2%と言われています。
ただ、樹脂系サイディングは木質系サイディングのような腐食のリスクが低く、防火性にも優れています。軽量であるという点では金属系と同じですが、サビにくく海岸沿いでも安心して使用できるというメリットも。
また、気になる耐用年数は20〜30年と、やや長めです。
- 窯業系サイディング=耐用年数20〜30年
- 金属系サイディング=耐用年数20〜30年
- 木質系サイディング=耐用年数15〜25年
- 樹脂系サイディング=耐用年数20〜30年
サイディングの耐用年数は短くなる場合もある?
天然の木を使用している木質系サイディングは、他の外壁材と比べるとやや耐用年数が短め。
他方で、窯業系や金属系、樹脂系サイディングはいずれも耐用年数は20~30年ほどですが、紫外線や潮風が強い地域の場合、平均よりも早く寿命が縮まることもあるでしょう。
では、サイディングの耐用年数はメンテナンスとどのような相関関係があるのでしょうか?
メンテナンスをしないと外壁は劣化する
結論から言うと、メンテナンスをしなければ外壁はどんどん劣化していきます。
雨風や紫外線の影響を受けて徐々に塗装がはがれたり、ひび割れが生じるといったトラブルが起きるでしょう。
劣化を放置すると寿命が縮むことも
こうした劣化症状を放置してしまった場合、下地が侵食されてサイディングの寿命は縮むことに…。
外壁そのものの耐久性が低下して脆くなるため、雨漏りの原因にもなるでしょう。見た目的に悪いのはもちろんのこと、機能面・安全面でも問題が生じるのです。
たとえ耐用年数内であったとしても、サイディングに劣化症状が出たならば早めの段階で修繕を行う必要があります。
- メンテンナンスを怠るとサイディングの寿命が縮まる
- 劣化症状が出たら早期にメンテナンスを
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サイディングの耐用年数を保つための対策
同じメーカーの同じ種類の外壁材を使用していたとしても、メンテナンスの有無や程度によって耐用年数に差がつくこともあります。
できるならば、サイディングの寿命を延ばして修繕費を抑えたいところでしょう。では、どうすれば耐用年数を保てるのでしょうか?
ここからは、サイディングの耐用年数を保つために実践したい対策を3つピックアップしてご紹介していきます。
外壁が劣化していないかチェックする
最も寿命の短い木質系サイディングであっても、その耐用年数は15~25年ほど。ですが、耐用年数以内であったとしても、諸条件がそろえば劣化がはじまることはあり得ます。
そのため、10年に1度はシーリングや塗装が問題ないかを点検するようにしましょう。劣化症状が見つかったならば、すぐに修繕を行うことが必要です。
定期的にメンテナンスを行う
「耐用年数を過ぎてからメンテナンスを行えばよい」と気長に構えていると、その間にどんどん外壁の劣化が進んでしまいます。
耐用年数を保つためには、定期的にシーリングの補修や塗装を行うことが不可欠。目安としては、10〜15年に1度の頻度で行いましょう。
こまめにこうしたメンテナンスを行うことで、多額の修繕費がかかるのを防ぐことができるでしょう。
メンテナンススケジュールを立てる
外壁の施工を行う前に、あらかじめメンテナンススケジュールを立てておくとよいでしょう。
20〜30年単位でメンテナンスのスケジュールを立てることで、長期的なコストパフォーマンスがわかるため、予算を組みやすくなります。
逆に言えば、メンテンナンススケジュールを行わないと、いつどれくらいの修繕費がかかるのかわからなくなるため、将来的に困ってしまうことも…。
- 10年に1度は外壁の劣化症状を点検しよう
- 10〜15年に1度はメンテナンスを行う
- スケジュールを立てて将来的な修繕費を想定しておく
サイディングのメンテナンス時期はいつ?
サイディングの種類によってメンテナンスのタイミングも異なります。サイディングの種類別にメンテナンスの時期については、以下のようになります。
外壁材の種類 | シーリング補修 | 貼り替え |
窯業系サイディング | 10年に1度 | 20〜30年に1度 |
金属系サイディング | 10年に1度 | 20〜30年に1度 |
木質系サイディング | 7年に1度 | 15〜25年に1度 |
樹脂系サイディング | 不要 | 20〜30年に1度 |
ここからは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
窯業系サイディング
窯業系サイディングの塗装やシーリング補修に関しては、10年に1度を目安にメンテナンスを行ってください。また、20〜30年に1度貼り替えを行う必要があります。
また、サイディングの塗装については以下の記事でも詳しくお伝えしています。あわせてご覧ください。
金属系サイディング
金属系サイディングは比較的耐久性の高い外壁材ではありますが、それでも10年に1度は塗装やシーリング補修が必要です。
また、金属はサビに弱いため、20〜30年に1度貼り替えを行うことを前提にしましょう。
木質系サイディング
木質系サイディングは他のサイディングに比べると耐用年数はやや短めです。
塗装やシーリング補修は7年に1度を目安に行いましょう。また、張替えは15〜25年に1度ほど行う必要があります。
樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは他の外壁材と比べると耐用年数が長く、メンテナンスが必要ないところが魅力です。
基本的に、塗装やシーリング補修は不要ですが、20〜30年に1度は貼り替えを行う必要があります。
サイディングのメンテナンスに関しては、下記の記事にも詳しくお伝えしています。あわせてご覧ください。
サイディングのメンテナンスが必要な劣化症状
「まだ耐用年数未満だからメンテナンスをしなくても大丈夫」と考えるのは危険です。
劣化症状が出てしまっている場合には、メンテナンスの時期を待たずとも修繕を行う必要があります。
では、具体的にどのような劣化症状が出ていれば早急にメンテナンスを行う必要があるのでしょうか?
色褪せ
ただ、こうした劣化症状は見た目以外には問題がなく、機能性が損なわれるわけではないので、補修しなくても大きな問題はありません。
カビ・コケ
外壁にカビやコケが生えても、致命的な問題にはなりません。とはいえ、カビやコケの根が塗膜に入り込むことで、サイディングの劣化を早めてしまう可能性があります。
チョーキング
塗装のひび割れ
塗装や下地がひび割れる状態のことをひび割れと言います。放置するとひび割れた部分から内部に水が侵入し、腐食が進むおそれがあります。
ふくれ
ふくれとは、文字通り外壁の表面がボコボコと膨れてしまう現象のことです。この状態を放置すると塗装が剥がれてしまい、防水性が低下して雨漏りの原因になってしまうこともあるので注意が必要です。
剥がれ
サイディングのメンテナンスに関しては、下記の記事にも詳しくお伝えしています。あわせてご覧ください。
サイディングのメンテナンス方法と費用
サイディングの劣化症状が出始めたならば、放置せずに適切なメンテナンスを行うことが必要です。
しかし、そうは言っても「どれくらいの費用がかかるの?」と不安に感じる方も多いことでしょう。
そこでここからは、サイディングのメンテナンス方法とそれぞれにかかる概算費用についてご紹介していきます。
シーリング工事
シーリング工事とは、目地のシーリングを取り除いて再充填する工事のことです。ひび割れなどによって外壁内部に水が浸透したり、雨漏れを防ぐことができます。
「打ち増し工事」と呼ばれる、既存のシーリングの上から埋める増し打ち工法のほか、既存のシーリングを撤去して新しいシーリングを埋める「打ち替え工事」という工法もあります。
費用に関しては住宅全体で20〜50万円ほどが目安です。
塗装
塗装とは外壁を塗り直す工事のことです。使用している塗料や外壁の形状、広さによっても価格は変動しますが、一般的な住宅全体だと70万円から100万円程度が目安となっています。
サイディング外壁の塗装については以下の記事で詳しく解説しています!
カバー工法
既存外壁に新しいサイディングを重ね張りする工事のことを、カバー工法と言います。基本的には、軽量な金属サイディングを上から張りつけて行います。
一般的な住宅での費用は住宅全体で160〜260万円程度です。
張替え
張替えとは、既存外壁を剥がして新しいサイディングを張り付ける工事のことです。他の工事に比べると大掛かりな作業になるため、費用は住宅全体で180〜280万円ほどかかります。
サイディングのメンテナンスに関しては、こちらの記事でも詳しくまとめています。
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サイディングのメンテナンスについての注意点
サイディングの寿命を延ばすためには適切なメンテナンスが必要ですが、その方法や業者選びを間違ってしまうと後悔してしまいかねません。
お金だけかかり、肝心のメンテナンス効果が得られないというケースもあるのです。では、実際にメンテナンスを行うにあたってどのような点に気をつければよいのでしょうか?
以下では、サイディングのメンテナンスに関する注意事項についてチェックしていきましょう。
外壁に適したメンテナンス方法を行う
大切なのは、外壁の状態に応じて適切なメンテナンス方法を選ぶということ。劣化が少ないならば、メンテナンスは塗装だけでも問題ありません。
ただし、重度の劣化ならば張替えが必要です。重度の劣化症状が出ているのに、塗装だけで対処しようとすると、すぐに剥がれてしまうため、費用が無駄になるでしょう。
素人が判断するのは難しいため、プロの判断を仰ぎながら、外壁の状態に適したメンテナンスを行うことが大切です。
相見積もりで業者を選ぶ
「サイディングが劣化しはじめてきたけれど、どの業者に修繕を依頼すればよいのかわからない」という方も多いことでしょう。そんな時には、相見積もりをして業者を選んでみてください。
相見積もりとは、複数の業者に見積もりをしてもらうことで比較・検討を行い、よりよい業者に出会うために必要なことです。
相見積もりをすることで、費用が安くて高品質な業者を見抜きやすくなるでしょう。ただし、「他の業者よりも安い見積もりだったから」という理由で飛びついてしまうのは考えものです。
平均よりも安すぎる場合、修繕に必要な工程が行われず雑なメンテナンスになってしまう可能性もあるからです。業者の見積もりを比較し、適正な価格かどうかをよく吟味した上で、信頼できる業者に依頼することが必要です。
保証がある業者を利用する
サイディングのメンテナンスを依頼する業者を選ぶ際には、見積もりの価格だけではなく、保証があるかどうかという点もしっかりとチェックしておきましょう。
保証がない業者の場合、見積もり価格が安くなる傾向にありますが、こうした安さに惹かれて安易に契約をしてしまうと後になってトラブルが起こる可能性があります。
施工後の保証がないと、万が一修繕の不備があった時や、修繕後すぐに塗装がはがれた時でも無償修理をしてもらえなくなるのです。
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適切なメンテナンスでサイディングの寿命を伸ばそう
今回はサイディングの耐用年数とメンテナンスについて特集してきましたが、いかがでしたでしょうか?
金属系・窯業系・木質系・樹木系と、サイディングにはさまざまな種類があり、それによって耐用年数は変わってきます。
また、メンテナンスの期間や費用も種類によって異なるので、ご自宅の外壁材がどの種類を使用しているのかを把握しておく必要があるでしょう。
耐用年数内であっても、メンテンナンスを怠るとサイディングの寿命は縮んでしまいます。美しく耐久性のある状態を保つために、適切なメンテナンスを行ってサイディングの寿命を延ばしましょう。
サイディングの費用の目安について気になる方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
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