スプレー塗料とは、塗料が入っているスプレー缶のことで、ボタンを押すだけで誰でも簡単に塗装ができます。気軽に塗装できるので、DIYなどで人気があります。
しかし、スプレー塗料の種類や使い方を良く知らない方はいるのではないでしょうか。そこで当記事では、スプレー塗料の種類や相性、使い方、塗装のコツについて詳しく解説しています。
ラッカースプレーとアクリルスプレーの違いや注意点も紹介しているので、スプレー塗料を使用する時の参考にしてください。
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目次
スプレー塗料の種類と相性
スプレー塗料の種類 | 乾燥時間 | 特徴 |
---|---|---|
ラッカースプレー | 約10~30分 | 速乾性の高いスプレー塗料で色が豊富 |
アクリルスプレー | 約1~3時間 | 水に薄めて使用でき、乾燥後は耐水性を持ち雨に強くなる |
ウレタンスプレー | 約2~4時間 | 熱に強く仕上がりに光沢がある。電気器具やオートバイにおすすめ |
水性スプレー | 約30~60分 | 水性なので悪影響が少なく安全性が高い |
スプレー塗料とは、スプレー缶に入っている塗料を指します。一般的にはラッカーやアクリルのスプレー塗料が有名です。
スプレー上部のボタンを押すことで、霧状の塗料が出てきます。均一に塗装できるので、塗装経験が少ない初心者の方でも綺麗に塗装できます。
スプレー塗料で重ね塗りするときの相性
ラッカー | アクリル | ウレタン | 水性 | |
---|---|---|---|---|
ラッカー | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
アクリル | ✕ | 〇 | ✕ | 〇 |
ウレタン | ✕ | 〇 | 〇 | 〇 |
水性 | ✕ | ✕ | ✕ | 〇 |
スプレー塗料の下塗りと上塗りの相性表です。ラッカー塗料を下塗りで使う場合はアクリル、ウレタン、水性の全ての塗料で上塗りができます。アクリル塗料やウレタン塗料、水性塗料は、上塗りできない塗料があるので注意しましょう。
相性の悪い塗料で上塗りすると、塗料が溶けてしまうので、塗料の種類はよく確認してから使うのがおすすめです。
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ラッカースプレーの特徴と使い方
使いやすさ | ★★★☆☆ |
---|---|
用途 | 木工品 / 鉄製品 / プラスチックなど |
乾燥時間 | 約10~30分 |
ラッカースプレーは、速乾性の高いスプレー塗料で、スプレーの中でも最も有名です。塗装後は10分~30分程度で乾くので、手軽に塗装できます。
色も豊富で自分の欲しい色を手に入れやすいのも魅力の1つです。
ラッカースプレーの使い方
ラッカースプレーの使い方・手順
- ゴミやほこり、油汚れ、錆びを取り除く
- 塗装しない箇所を養生する
- サンドペーパーで全体的に磨く
- スプレー缶を振って混ぜる
- ムラが出ないように薄く数回に分けて塗る
ラッカースプレーを塗る時は、まず初めに塗装箇所のゴミやほこりを取り除きましょう。油汚れは洗剤、錆びはワイヤーブラシなどを使用して掃除するのがおすすめです。汚れを除去した後に、塗装しない箇所は養生して汚れないようにしましょう。
養生後は、サンドペーパー(紙やすり)などで軽く磨くと、塗料を塗りやすくなります。塗装する時は、ムラが出ないように薄く塗り、数回に分けると綺麗に塗れるのでおすすめです。
アクリルスプレーの特徴と使い方
使いやすさ | ★★☆☆☆ |
---|---|
用途 | 木工品 / 鉄製品 / プラスチックなど |
乾燥時間 | 約1~3時間 |
アクリルスプレーは、アクリルが原料となっているスプレーです。木工品や鉄製品、プラスチックなど様々な製品を塗装できます。
水溶性なので、水に薄めて使用でき、乾燥後は耐水性を持ち日光や雨に強くなります。乾燥時間は、1時間~3時間程度です。
アクリルスプレーの使い方
アクリルスプレーの使い方・手順
- ゴミやほこり、油汚れ、錆びを取り除く
- 塗装しない箇所を養生する
- サンドペーパーで全体的に磨く
- スプレー缶を振って混ぜる
- ムラが出ないように薄く数回に分けて塗る
アクリルスプレーを塗る時は、ラッカースプレーと同様に、初めに塗装箇所のゴミやほこりを取り除きましょう。油汚れは洗剤、錆びはワイヤーブラシなどを使用して掃除するのがおすすめです。汚れを除去した後に、塗装しない箇所は養生して汚れないようにしましょう。
養生後は、サンドペーパー(紙やすり)などで軽く磨くと、塗料を塗りやすくなります。塗装する時は、ムラが出ないように薄く塗り、数回に分けると綺麗に塗れるのでおすすめです。
ウレタンスプレーの特徴と使い方
使いやすさ | ★★☆☆☆ |
---|---|
用途 | 電気器具 / オートバイ / 自転車など |
乾燥時間 | 約2~4時間 |
ウレタンスプレーは、熱に強く仕上がりに光沢があるスプレー塗料です。熱が発生する電気器具やオートバイなどの塗装に使用されます。
耐久性が高いので、日光や雨に晒される時間が長い箇所などに使用しましょう。乾燥時間は2時間~4時間程度です。
ウレタンスプレーの使い方
ウレタンスプレーの使い方・手順
- ゴミやほこり、油汚れ、錆びを取り除く
- 塗装しない箇所を養生する
- スプレー缶を振って混ぜる
- ムラが出ないように薄く塗る
- 塗装したら表面を乾かしてから重ね塗りを行う
ウレタンスプレーを塗る時は、ゴミやほこり、油汚れなどを取り除きましょう。塗装しない箇所は、テープなどで養生すると塗料がはみ出しても汚れる心配がないです。
養生が済んだら、ムラが出ないように全体的に塗装を行いましょう。1回塗装したら表面が乾いたタイミングで重ね塗りをするのがおすすめです。
水性スプレーの特徴と使い方
使いやすさ | ★★★★★ |
---|---|
用途 | プラスチック / 鉄 / 木 |
乾燥時間 | 約30~60分 |
水性スプレーは、水性塗料が入っているスプレー缶で、比較的人体への悪影響が少ないスプレー塗料です。安全性が高いので屋内でも塗装できます。
乾燥してしまう前なら、水拭きや水洗いで塗料を洗い流せるので、塗装でミスしてもやり直しが簡単です。乾燥時間は30分~60分です
水性スプレーの使い方
水性スプレーの使い方・手順
- ゴミやほこり、油汚れ、錆びを取り除く
- 塗装しない箇所を養生する
- サンドペーパーで全体的に磨く
- スプレー缶を振って混ぜる
- ムラが出ないように薄く数回に分けて塗る
水性スプレーは、他のスプレーと同様に、ゴミやほこり、油汚れなどを取り除きましょう。塗装しない箇所は、テープなどで養生すると塗料がはみ出しても汚れる心配がないです。
養生が済んだら、ムラが出ないように全体的に塗装を行いましょう。塗装する時は、ムラが出ないように薄く塗り、数回に分けると綺麗に塗れるのでおすすめです。
スプレー塗料のおすすめ4選
スプレーラッカー
スプレー塗料と言えばスプレーラッカーと言うぐらい、スプレー塗料の代表格の商品となっています。大手メーカーの日本ペイントが製造販売しており、仕上がりが美しいと定評の信頼性の高い塗料です。
不透明タイプですが、綺麗に仕上げるには2回以上の重ね塗りが必要です。また人体に有害な成分は極力少なく抑えられているため、換気をした室内でも使えます。
多くのカラーが展開されており、金色や銀色も販売されています。また、ツヤについても艶アリと艶消しの選択が可能です。
アクリルラッカースプレー
アクリルラッカースプレーは、その名前のとおりアクリル系のスプレー塗料です。美しい光沢が得られ、乾燥が早く、日光や雨にも強いという特徴があります。
人体に有害な鉛化合物や、トルエンが含まれていないため、比較的安心して使用できる塗料です。木材や金属など幅広い素材に使用でき、自転車、バイクなどの塗装にも向きます。
豊富なカラーから選べるので、好きな色で対象の素材を彩ることが可能です。
弱溶剤型2液 ウレタンスプレー
弱溶剤型2液のウレタンスプレーは、2つの溶液を使用するタイプのスプレー塗料です。溶液を混ぜて使用する塗料なので、やや手軽さは損なわれますが、その分塗膜が強くなり、耐酸性、耐アルカリ性、耐油性、耐水性、耐溶剤性に優れます。
また、仕上がりの光沢が美しい上、ぽってりとした肉厚な肉持ちのよい質感が得られます。乾燥までの時間はかかりますが、乾燥後の塗膜は強いです。
金属以外の素材やメッキ面には直接塗装ができないため、プライマーを使用する必要があります。電気器具や機械製品、プラスチックへの塗装に向いているスプレー塗料です。
水性多用途スプレー
様々な用途に手軽に使用したい場合は、水性多用途スプレーが便利です。水性塗料のため人体への影響が少なく、室内での使用にも向いています。
油性塗料の上塗りのほか、非金属や紙、発泡スチロールなど幅広い素材に塗装が可能です。塗料がタレにくく、塗装に不慣れな人にも扱いやすい塗料となっています。
水性の塗料なので、乾燥していないうちは水拭きや水洗いで塗料を落とすことが可能です。塗装がうまくいかなかった場合は、水洗いすることで最初からやり直しができます。
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ラッカースプレーとアクリルスプレーの違い
ラッカースプレー | アクリルスプレー |
---|---|
・耐久性が高い ・約10~30分で乾く ・多くの塗料の下塗りで使用可能 ・薄めるには専用の溶剤が必要 |
・粘着質で柔らかい ・約1~3時間で乾く ・アクリルと水性塗料の下塗りで使用可能 ・水で流せる |
ラッカースプレーは耐久性が高く乾きやすい
ラッカースプレーは、耐久性が高く乾きやすいスプレー塗料です。約10分~30分で乾くので、効率良く塗装を進められます。
また、アクリルやウレタンなどの多くの塗料の下塗りにも使えるので便利なのも魅力です。耐久力があり、効率良く塗装したい方は、ラッカースプレーで塗装してみましょう。
アクリルスプレーは水で薄められるので扱いやすい
アクリルスプレーは、水で薄めることができるので、扱いやすい塗料です。乾く前であれば水で流すことができるので、間違えても修正することができます。
乾いた後は、水を弾く水溶性なので、水がかかる可能性がある箇所はアクリルスプレーで塗装するのがおすすめです。
スプレー塗装のコツ
スプレー塗装のコツ
- 塗装前に下地処理を行う
- 下塗りスプレーを塗布する
- 塗料がつきにくい箇所から塗る
- 垂れてしまっても拭き取らない
- 薄く数回に分けて重ね塗りをする
塗装前に下地処理を行う
塗装前に下地の清掃・処理を行っておきましょう。ホコリや汚れ、軽い凹凸があると、塗料の付きが悪くなり仕上がりや耐久性にも影響します。
塗装する前に対象の素材を拭き掃除したり、サンドペーパーをかけたりして、塗装に適した状態にしましょう。事前の準備を怠らないことで、仕上がりが良くなります。
下塗りスプレーを塗布する
スプレー塗装を行う前に、下塗りスプレーを塗布しておきましょう。スプレー塗料での塗装を美しく仕上げるには、素材に合った下塗り剤(プライマー)での下塗りが大切です。
素材に適したプライマーで下塗りをすることで、塗料の付きが良くなり均一な塗膜を作ることができ、耐久性も高まります。スプレー塗料を有効に使いたいときは、プライマーの手間を惜しまないことが大切です。
塗料がつきにくい箇所から塗る
スプレー塗料で塗装を行う場合は、塗料がつきにくい箇所から先に塗りましょう。素材の違いや場所によってはスプレー塗装が付きにくい箇所があり、スプレー塗装が付着しにくい場合は厚塗りが必要になります。
素材によって適したプライマーも異るため、注意が必要です。異なる素材が含まれる対象素材の場合は、マスキングテープなどで養生してから、そこだけ塗りなおすという方法もあります。
垂れてしまっても拭き取らない
塗っているうちにスプレー塗料が垂れてた場合は、すぐに拭かないようにしましょう。垂れた場所は一度乾燥させて、サンドペーパーなどで削って修正しましょう。すぐに拭いてしまうと色ムラや凹凸などが発生し、仕上がりが悪くなります。
水性スプレーで塗装している場合は、水拭きや水洗いが可能です。水性塗料で塗装をして失敗してしまった場合は、塗料が乾かないうちに水洗いしてやり直しましょう。
薄く数回に分けて重ね塗りをする
スプレー塗装は、1度の塗装での完成を目指すのではなく、複数回に分けて塗装しましょう。1度で綺麗に色をつけるのはプロでも困難です。
スプレー塗装に限った話ではなく、どんな塗装方法でも最低2回塗り(重ね塗り)が基本です。重ね塗りは感想を待たずに行うことができます。薄く塗り重ねる方が失敗する確率が下がるため、おすすめです。
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スプレー塗料を使うときの5つの注意点
スプレー塗料を使うときの5つの注意点
- スプレーはよく振って使う
- 室内で行う場合は必ず換気する
- 人に向けてスプレーしない
- 引火に注意
- シンナーに注意
スプレーはよく振って使う
スプレー塗料は、よく振ってから使用しましょう。購入してすぐや、しばらく使っていなかった塗料の場合、成分が偏ってしまうことがあり、塗料が十分な状態で噴出されない可能性があります。
また、塗料の噴出が疎らである場合は、多めに振るか、室内などのあたたかい場所にしばらく置いておくと良いでしょう。
室内で行う場合は必ず換気する
スプレー塗料を室内で用いる場合は、必ず換気をしながら使用しましょう。換気をせずに使用してしまうと、スプレー塗料に含まれる溶剤の成分が室内に充満し中毒症状を起こす可能性があり、非常に危険です。
また、地下空間や窓がない部屋での作業は避けましょう。通気性の良い場所で作業をしてから、塗装が仕上がり乾燥した状態にして地下などの密閉空間に移動するようにしましょう。
人に向けてスプレーしない
スプレー塗料は人に向けて噴射してはいけません。スプレー塗料に含まれる成分には、人体に有害な成分も含まれている場合もあります。
ふざけて遊んでいて目に入ると、失明してしまう恐れもあるので十分に気を付けてください。スプレー缶を使うときは、慎重に作業を進めましょう。
引火に注意
溶剤系のスプレー塗料は、引火しやすい成分が含まれているため、火気厳禁です。特に屋内で作業している場合は、引火しやすい成分が拡散されにくいので注意が必要です。
また作業中から作業後は、引火しやすい成分が空気中に漂っているため、タバコやライターなどの火気類は絶対に使用しないでください。タバコを吸っての休憩は、片付けや清掃が終了してからにしましょう。
シンナーに注意
使用するスプレー缶の種類にもよりますが、油性のものだとシンナーが入っているため、臭いがきついものが多くなっています。
マスクを着用し直接臭いを吸い込むことをできるだけ防ぐ、という対策をとるようにしましょう。また、室内で行う場合には換気をするというのは、シンナー対策としても有効です。
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