塗料には適切な使用方法があります。ほとんどの塗料やペンキは、塗料の缶に入っている原液をそのまま使うわけではありません。「希釈剤」と呼ばれる別の素材を混ぜて使用するのが一般的です。
なぜ、そのような手間のかかることをするのでしょうか?
この記事では塗料の希釈について詳しく解説します。
- 「希釈」の意味や目的は?
- 定められた希釈率を守らないとどうなる?
- 人気塗料の希釈率をご紹介!
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目次
塗料の「希釈」とは?



原液に混ぜる素材は「薄め液」「希釈液」「希釈剤」と呼ばれています。
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塗料を希釈する目的



ここではその理由をご説明します。
塗料を塗りやすくする
塗料は原液のままだと粘度が高いため、そのまま塗ろうとすると非常に塗りにくいのです。ハケやローラーの滑りが悪くムラやシワになりやすく、綺麗に仕上げるのは至難の技。
粘度が高いままだと作業性が低下しますが、希釈することで塗りやすくなる効果があります。
気温や湿度の変化に対応するため



原液をその状況に応じた希釈率で希釈することで、環境に適した塗りやすい粘度にすることができるのです。
施工不良の防止
粘度が高い塗料を無理に塗ると、「ピンホール」を発生させることも。ピンホールは塗膜に小さな穴があく現象で、劣化を引き起こす原因です。
また、塗りムラの原因にもなりやすく、施工不良につながる可能性が高くなります。
ピンホールの原因や対処法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
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吹き付け用の塗料を作る



吹き付け工法とは、簡単にいうとホースやスプレーガンで塗料を噴出させて塗装する工法のことです。
吹き付け用の塗料は水に近い希釈率で薄めるのが一般的。粘度が高いままだと塗料がホースやスプレーガンの穴を通らず、器具に詰まってしまう恐れがあるためです。
- 原液を希釈する理由は、塗料を塗りやすくするため。それにより、施工不良を防ぐ
- 温度や湿度に対応した、環境に適した粘度にするため
- 吹き付け用の道具を使用するには、粘度が高いままと詰まってしまうため
塗料の希釈率とは?



この章では、希釈率について詳しくまとめました。
塗料の「希釈率」とは



水性塗料の場合は水、油性塗料の場合は専用のシンナーが希釈剤として使われます。
希釈率の確認方法
一口に「水性塗料」「油性塗料」といっても、商品ごとに希釈率が異なります。
希釈率はほとんどの場合、商品の缶に記載されています。販売メーカーの公式サイトで確認することも可能です。
塗料の希釈率に幅があるのはどうして?



塗料は温度や湿度によって、水分を吸い込んだり伸びやすくなります。つまり、塗る時の状況によって希釈率を変える必要があるのです。
このためプロの業者の中には、塗り試しをしながら希釈率を判断する人もいます。
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塗料の希釈率を守らないとどうなるの?



耐久年数が短くなる
希釈率を守らないと適度な塗り具合にならず、耐用年数が低下してしまいます。
本来の耐用年数に満たないまま塗料が色あせたり剥がれたりしてしまうため、結局塗り直しのコストがかかってしまうことに。
塗料が持つ効果を発揮しない



施工不良が起こる
希釈率を守らないと原液と希釈剤がしっかり混ざらず、塗りにくくなったり乾燥不良を起こす原因に。それにより、ピンホールや塗りムラなどができやすくなります。
吹き付け塗装ができなくなる



- 間違った希釈率で使用すると、耐用年数や機能性に悪影響が出る
- 乾燥しにくくなるため、施工不良の原因になる
- 粘度が高いとホースやスプレーガンの使用に支障が出る
人気塗料の希釈率をチェック!



ここでは、日本ペイントの人気塗料の希釈率を見てみましょう。
水性シリコンセラUV
「水性シリコンセラUV」は水道水で希釈します。手塗り工法・吹き付け工法ともに希釈率は5〜10%です。
水性サーモアイウォールF



パーフェクトトップ
「パーフェクトトップ」の希釈剤は水道水で、手塗り工法・吹き付け工法ともに希釈率は3〜5%です。
ファイン4Fセラミック



ニッペ ファインフッソ
「ニッペ ファインフッソ」の希釈剤は塗料用シンナーです。希釈率は手塗り工法だと0〜5%、吹き付け工法では0〜10%で、硬化剤の使用が必要になります。
「ファイン4Fセラミック」と「ニッペ ファインフッソ」を使用する際は、別に硬化剤が必要です。
| 商品名 | 希釈剤 | 手塗り工法 | 吹き付け工法 |
| 水性シリコンセラUV | 水道水 | 5〜10% | 5〜10% |
| 水性サーモアイウォールF | 水道水 | 0〜5% | 0〜10% |
| パーフェクトトップ | 水道水 | 3〜5% | 3〜5% |
| ファイン4Fセラミック | 塗料用シンナー | 0〜10% | 5〜10% |
| ニッペ ファインフッソ | 塗料用シンナー | 0〜5% | 0〜10% |
塗料の希釈方法を解説!



希釈量を計算する
前述した通り、塗料の希釈率は商品によって異なります。使用する塗料の分量を定められた希釈率で計算しましょう。
希釈方法



希釈する際の注意点
水性塗料は「汚れていない水道水」、油性塗料は塗料に応じた「専用シンナー」を使用します。シンナーは種類を間違えると施工不良を起こすことがあるので要注意です。
また塗料と希釈剤を混ぜる際は、均一に混ぜることが重要。そのため、プロの業者は必ず専用の撹拌器を使用しています。
- 定められた希釈率を守り、正しく計量する
- 塗料と希釈剤を混ぜる時は、均一になるように混ぜるのが大切なポイント
- 油性塗料の場合は、必ず塗料に応じた専用のシンナーを使用する
塗料の希釈率を守らない業者がいるって本当?



そのような悪徳業者を選ばないポイントも、合わせてご紹介します。
希釈率を守らない悪質な業者も



希釈剤は、水性塗料の場合は水、油性塗料の場合はシンナーで塗料よりもはるかに値段は安く済みます。安い希釈剤で薄めて水増しすることで、材料費を浮かせるのが目的なのです。
このような被害を防ぐためには、依頼主自身も適切な希釈率を把握しておくことが重要です。
業者選びは慎重に



悪質業者に引っかからないためには、このような希釈率の重要性をしっかり理解した上で業者に対応するようにしましょう。また、見積もり段階での説明が怪しかったり、質問に対する明確な受け答えができない業者も要注意です。
信頼できる優良業者の選び方や注意点については、次の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
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希釈率を守って、快適なお住いに!
塗料の希釈に関する基本的な知識をご紹介しました。
「希釈率」と耳慣れない言葉ですが、実はお住いの寿命や劣化に大きく関わってくるとても大切なことなのです。
次回の外壁塗装の際には塗料の希釈率にも注意を払い、正しく使用してください。
外壁塗装の塗料や費用について気になる方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
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