外壁塗装をした後に、塗膜の表面にポツポツと小さな穴があいているのに気づいたことはありませんか? これが「ピンホール」と呼ばれる穴ですが、外壁にピンホールがあるというのはあまり良い状況ではありません。
素人にはなかなか分かりにくいピンホールですが、外壁にピンホールが発生するとどのような問題が発生するのでしょうか?
ピンホールが発生する原因や、ピンホールが発生してしまった場合の対処法などについてまとめてみました。
- ピンホールって何? 発生したらどんな問題があるの?
- ピンホールができた時の対処法は? DIYで直せる?
- ピンホールを防ぐにはどうしたらいい?
目次
外壁塗装の「ピンホール」とは?
お住いの外壁をよーく見たら、ポツポツと小さな穴が空いていた…。針の先ぐらいのとても小さな穴ではあるけれど、なぜ外壁にそんな穴があるのか気になりますよね?
実際、ピンホールは小さな穴ではありますが、軽く考えているとお住いに危険な事態を招く恐れもあるのです。
まずは「ピンホール」とは何か、ピンホールがある外壁にはどんな問題が起こるのか、といった基本的な知識から見ていきましょう。
針であけたような小さな穴
ピンホールとは、塗装が終わった後に残っている外壁の小さな穴のこと。塗膜の表面に直径1〜2mm程度の、気泡が潰れたような小さな穴がポツポツと空いていれば、それがピンホールです。
ほんの数個程度なら問題ないという見方もあるようですが、ピンホールが密集していれば要注意! 実はピンホールは、外壁塗装における重大な欠陥なのです。
ちなみに、ピンホール以外の外壁の穴については、以下の記事で原因・対処法など詳しく紹介しています。
外壁の穴を補修する方法|修理費用・DIYで穴埋めするコツも紹介!
ピンホールは小さい穴でも侮れない?
ピンホールが小さい穴だからといって、侮って放置するのはとても危険です。
ピンホールが生じると、外壁の塗膜にあいた穴から水が入り込み塗膜内部が浸食され、外壁そのものの劣化に繋がります。ピンホールの数や大きさによっては、塗膜内に入り込んだ水分が冬場に凍って膨張し、塗膜が剥がれてしまうことも。また、ピンホールから紫外線が入れば外壁の下地に悪影響を及ぼす可能性も考えられます。
いくら小さいとはいえ、お住いの外壁に穴があいているのは見た目にも悪いですよね。外観を美しく保つためにも、ピンホールを放置するのは避けたいところ。外壁の傷みは建物自体の寿命にも影響するため、ピンホールを見つけたら早めに施工した業者に相談しましょう。
ピンホールは事前に防止が可能
ピンホールが発生する原因は、実は人的要因がほとんどであるといわれています。つまり、ピンホールの発生は施工中の人的なミスが原因であることが多いため、丁寧な工事を行うことで防ぐことができるのです。
- 「ピンホール」とは、外壁の塗膜にできた1〜2mm程度の小さな穴のこと
- ピンホールから水分や紫外線が入り込むことで、外壁の劣化を招く
- ピンホールの発生は人的要因が多く、丁寧な工事をすることで防ぐことが可能
施工不良のサイン? ピンホールが発生する原因とは
ピンホールが発生する原因は、施工不良が多くの割合を占めています。
では、何が原因となってピンホールは発生するのでしょうか?
一般的に考えられる要因は以下の通りです。
- 塗料の希釈を誤った
- 厚く塗りすぎた
- 下地の温度が高すぎた
- 下地が完全に乾燥する前に重ね塗りをした
- 下地に穴が空いていた
- 下地から空気や水が漏れていた
- 塗料に異物が混入していた
- 塗装道具の使い方が雑だった
それでは、具体的な内容を順番に見ていきましょう。
希釈の割合を誤った
外壁塗装の際、塗料を「希釈」する必要があります。「希釈」とは、シンナーや水などで薄めて塗料の濃度を下げることをいいます。
塗料に対し定められた希釈の割合を間違えると、塗料が乾燥不良を起こしピンホールの原因となります。
希釈について詳しく知りたい方には、以下の記事もおすすめです。
塗料の希釈とは?希釈率や希釈方法をわかりやすく解説!
1度で厚く塗りすぎた
塗料を厚塗りすると、表面だけが乾燥しても内部はなかなか乾きません。完全に乾燥していない部分は穴が開きやすくなるため、ピンホールの原因になるのです。
施行業者によって適度な厚みになるよう調整が行われれば、ピンホールの発生を避けることが可能となります。
下地の温度が高すぎた
下地の温度が高いと、表面に気泡が生じてピンホールができやすくなります。そのため夏の暑い日などは、塗装工事に不適切だといえるでしょう。
また、気温が低すぎても塗料が乾燥しにくくなります。気温が5℃以下になる真冬日も塗装には向いていません。使用する塗料に適した気温で塗装をしましょう。
塗料が乾燥する前に重ね塗りをした
外壁塗装をする際には、下塗りや中塗りといった重ね塗りをすることがあります。しかし、下に塗った塗料が乾燥する前に仕上げの塗料を重ね塗りすると、乾燥不良を起こしてピンホールができることも。
二度塗り・三度塗りをした場合は十分に乾燥させる時間を取り、完全に乾燥させることが大切なのです。
下地に穴が空いている
ピンホールの発生原因として、下地に穴があいていたケースがあります。既存の穴の上から塗料を塗ると、後にその穴から空気が抜けてピンホールが発生します。
施行中に下地の穴を見つけた場合は、穴を埋めてから塗料を塗ればピンホールを避けることが可能です。
下地から空気や水が漏れてくる
塗料を塗る下地から空気が水が漏れてくる場合も、ピンホールができやすくなります。下地から空気が漏れれば気泡が発生しますし、水が漏れてくれば塗料をしっかり乾かすことができませんね。
このように、下地そのものがピンホールの原因となるケースもあるのです。
塗料に異物が混入した
外壁の表面に異物がついたまま塗装をするのも、ピンホールの原因のひとつです。塗装直後は外壁にくっついたままでも、時が経って異物が取れた時にピンホールが発生してしまいます。
外壁の表面にゴミやホコリ、水分、油分などがついている場合は、きちんと清掃してから塗装を行いましょう。
塗装道具の使い方が雑だった
塗装をする際、ローラーや刷毛などの道具が必要です。それらの道具を適切に使用していない場合も、空気が混入してピンホールが発生します。ピンホールの発生を避けるには、塗料に適した道具を使うことが大切です。
また、使用した道具に問題がなくても、極端に塗る速度が早かったり、塗り方が粗雑な場合もピンホールが発生します。外壁の塗装には塗料に合った道具を使用し、適切な塗り方をすることもピンホールの発生を抑えるためには重要なのです。
- ピンホールができる原因は、希釈の誤り・厚塗り・道具の間違った使用など、施工不良によるものがほとんど
- 下地に穴があいていたり空気や水が漏れる場合は、塗装の前に施工業者による適切な処理が必要
- ピンホールを防ぐためには、施工業者による気温や乾燥の状態の確認が必須
ピンホールが発生してしまったら? その対処法
塗装が終わったはずの外壁にピンホールが発生してしまったら…? そんなお悩みを現在お持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。特にピンホールの穴が無数にあいていたり、広範囲に渡って穴が点在する場合は注意が必要です。
ピンホールが発生した場合の対処法や、一般的な補修方法についてご紹介します。
ピンホールが多発している場合には補修が必要
外壁にピンホールが発生した場合は、再塗装する必要があります。
すでにお伝えした通り、ピンホールがたくさん外壁に発生した場合は、塗装が劣化しやすくなります。放置してしまうと本来のメンテナンス時期より早く補修が必要となりますので、できるだけ早い対処が必須です。
まずは施工した塗装業者に問い合わせよう
基本的にピンホールとは、経年劣化で起こる症状ではありません。業者による施工不良である場合がほとんどなので、無償で補修してもらえることも。ピンホールを見つけたら、すぐに施工した塗装業者に相談しましょう。
ピンホールは小さい穴ですが、目視でも確認が可能です。そのため、施工終了直後にお客様ご自身でチェックしておくことをおすすめします。
ピンホールの補修方法
再塗装の方法は、外壁材の種類やピンホールの発生原因にもよりますが、一般的にはペーパーで外壁表面をならしたり、下地で埋めて表面を整えてから再塗装します。
下地や塗料に原因がある場合、ピンホールの上から塗装するだけでは適切な処置とは言えません。すでにあるピンホールの処理をしなければ、そこに空気が溜まって新たなピンホールの発生原因となります。ピンホールの原因をきちんと把握した上で、適切な補修を行うようにしましょう。
DIYでの補修は要注意!
ピンホールは一見小さな穴なので、DIYで穴を埋めれば簡単に補修できそうに見えますね。しかし、ご自身で対処しようとするのは、あまりおすすめできません。
外壁塗装には塗膜を研磨したり下地を埋めたりと、専門的な技術が必要です。専門知識のない人がピンホールの上から重ね塗りしただけでは、根本的な問題は解決しません。補修したつもりのピンホールが再発したり、別の場所にピンホールが発生する原因になることも。
確実な補修を求めるのであれば、施工業者に連絡して対応してもらうようにしましょう。
ピンホールができやすい状況
施工方法に関わらず、35℃以上の気温での外壁塗装作業はピンホールができやすいといわれています。屋根塗装の場合は、30℃以上で発生しやすくなります。
ピンホールの発生を避けるためには、ピンホールができやすい気温や天候を避けて塗装工事を行うようにしましょう。
- ピンホールを見つけたら、すぐに施工した業者に連絡を! 場合によっては無償で補修してもらえることも
- 補修には、ピンホールを研磨したり下地で埋める方法が一般的
- DIYでのピンホール補修は避けた方が無難
- ピンホールができやすい状況を避けて塗装作業を行う
ピンホールの発生を防ぐには?
ピンホールの原因は、ほとんどが業者の施工不良によるものです。
しかしピンホールの発生によってお住いの外観を損なったり、塗装にダメージを与えたりと、影響は意外と大きいもの。そもそもピンホールの発生を防ぐために、どのようなことに注意すればいいのでしょうか?
ピンホールを発生させないための対策や、予防方法についてまとめてみました。
- 優良な施工業者を選ぶ
- 塗装工事後に外壁や屋根をチェックする
- 高温の日は塗装しない
- 外壁や屋根からの水漏れがないかを確認する
優良な施工業者を選ぶ
お住いを新築したりリフォームすることは、そう頻繁にあるわけではありません。大切なお住いを任せるのですから、誰でも優良な施工業者に依頼したいと思うものです。
適切な工事を行う業者を選ぶだけで、施工工事や建物に関する多くのトラブルを避けることができます。ピンホールの発生を防ぐためには、優良な施工業者を選ぶようにしましょう。
塗装工事後に外壁や屋根をチェックする
ピンホールの発生に、経年劣化はほとんど関係ありません。そのため、塗装が完成した時点でピンホールの有無を確認することができるのです。
ピンホールは細かい穴ではありますが目視でチェックすることが可能なので、依頼主が工事後に確認し、ピンホールが見つかったら早めに業者に伝えましょう。
気温35℃を超える日は塗装しない
塗料は、一般的に気温が35℃を超えると乾燥不良を起こしやすいといわれています。そのため、完成度の高い塗装を行おうと思えば、35℃以上の暑い日を避けて作業することが大切です。ちなみに、外壁塗装は35℃ですが、屋根塗装は30℃を上回った場合は避けた方が無難です。
塗料の乾燥時間をきちんと守って施工工事すれば、ピンホールの発生を抑えることができるでしょう。
塗装前に外壁や屋根から水漏れしていないか確認する
塗料を塗る前に外壁や屋根から空気や水分が漏れている場合は、高い確率でピンホールができます。
そもそも外壁材や屋根材から水漏れしている状態は、建物に問題があると考えて間違いないでしょう。まずはその原因を探し、問題を解決してから塗装を始めるのが適正な手順です。
外壁や屋根から空気漏れや水漏れしていたら、まず先に補修を行ってから塗装するようにしましょう。
- 業者の施工不良や確認不足によるものが多いため、そもそも優良な施工業者を選ぶことが大切
- 塗装工事が終了した時点で、依頼主が目視でピンホールをチェック
- 35℃を超える日は塗装工事をしない
- 外壁や屋根に問題がある場合は、塗装の前に補修を行う
ピンホールを防ぐために!塗装業者の選び方
ここまでピンホールが発生する原因について説明してきました。ピンホールの発生は、基本的には塗装を行った業者による施工不良が原因であることを認識していただけたでしょうか?
簡単にいえば、業者による施工のクオリティーによって、ピンホールができてしまうのです。もちろん、手抜き工事だったり、技術や経験のない職人による施工であれば、ピンホールに限らず塗装後にさまざまな不具合が生じることもあるでしょう。
つまり、きちんとした手段を踏んで、適切な工事を行ってくれる業者を選べば、ピンホールの発生を防ぐことができるのです。では、そのような優良業者を見つけるには、どのような点に気をつけて業者選びをすればいいのでしょうか?
業者選びのポイントには、基本的に以下の5つがあります。
- 相見積もりをする
- 安すぎたり高額すぎる業者には要注意!
- 訪問営業の業者には依頼しない
- 見積書の内容に具体性があるかチェックする
- 自社施工している業者を選ぶ
良い業者選びの参考にしてくださいね!
相見積もりをする
塗装工事を行う際は、「相見積もり」を必ずするようにしましょう。「相見積もり」とは、同じ工事条件で複数の業者に見積もりを依頼すること。複数の業者の見積書を比較して、工事内容や価格が適正であるかを確認するのが相見積もりの目的です。そのため、少なくとも3社以上の業者から見積もりを取るようにしましょう。
見積書を比較・検討することで、必要のない工事が含まれていたり異常に工事費用が高かったりと、詐欺や悪徳業者が判断できるケースもあります。そのような業者はのちに金銭トラブルに発展することも珍しくないので、絶対に依頼しないようにしましょう!
安すぎる・高すぎる業者はNG
価格が安すぎたり高すぎる業者も、依頼するのはやめた方が無難です。
価格が高すぎる場合は、詐欺であるケースが多いといわれています。逆に、費用が安くすむのであれば喜んでしまいがちですが、実は注意が必要! 工事費用が安すぎる場合は、手抜き工事の可能性が高いのです。不適切な手順や施工を行ってピンホールがきちんと補修されていなかったり、再発するなどのトラブルにつながることも考えられます。
適正な工事には、必要な費用がかかるのは当然です。安いからというだけで業者を選ぶのは危険ですよ!
訪問営業の業者には依頼しない
住宅を訪問営業する業者には、高確率で問題があると言われています。そもそも優良な業者は、依頼がたくさんあるため訪問営業などする必要がありません。
訪問営業する業者は詐欺であったり、施工のクオリティーが低くお客様がつかない業者であることが多いのです。そのような業者に、大切なお住いを任せられませんよね?
突然訪問してきて、「見積もりだけでも取らせて欲しい」としつこく迫ったり、「ピンホールが多くてこの建物は危険だ」と不安を掻き立てるような業者は怪しいと思って正解です! 絶対に依頼しないようにしましょう。
悪徳業者の見分け方について詳しく知りたい方には、こちらの記事もおすすめです。
外壁塗装の「詐欺」にご注意!悪徳業者の見分け方・驚きの手口とは?
見積書に具体性があるか確認する
相見積もりでいくつかの業者から見積もりを取ったら、忘れずに確認したいのは、見積もりの内容や金額が具体的に書かれているか、ということ。見積書に、実際に行う作業項目、使用する商品名やメーカー名、数量や単位など、具体的な名称や数字が書かれているでしょうか? 優良業者の場合は、これらがすべて細かく記載されているはずです。
一方、詐欺業者や、いい加減な業者の場合はどうでしょうか? ひどい場合だと「仮設工事」「塗装工事」など大雑把な分類しかされておらず、数量も「一式」という記載のみ。
また、悪徳業者だと見積もり総額を安くするために、数万円〜数十万円単位の多額の値引きをすることがあります。優良業者は、基本的に意味もなく多額の値引きをすることはありません。見積書の具体性とともに、値引き額についてもチェックするようにしましょう。
自社施工をしているかどうかチェック
ゼネコン、ハウスメーカー、ホームセンターなどは、依頼だけ受けて実際の作業は下請け会社に丸投げするケースもよくあります。これらの会社を通して塗装工事を依頼すると、下請け会社への仲介料が加算され費用がかさみます。そのため、施工のクオリティーに対して工事費用が高額になることも珍しくないのです。
その点、自社施工の会社に塗装工事を依頼すれば、仲介料を払う必要がないため費用の節約になります。また、会社によっては、見積もりの段階から実際に施工を行う職人が立ち会うこともあるので、依頼主の希望に沿った仕上がりになる可能性が高いのです。現場に立ち会う人が常に同じならば安心ですよね。
施工費用の節約だけでなく、信頼して塗装工事を任せるためにも、自社施工している会社に依頼するのがおすすめです。
優良業者の選び方や注意点については、こちらの記事でも詳しくまとめています。ぜひご一読ください。
信用できる外壁塗装の口コミサイト3選!評判のいい業者選びのコツとは?
- 相見積もりは必須。工事内容や金額が具体的に記載されているかもチェック!
- 費用が安すぎたり高すぎる業者も避けた方が無難
- 訪問営業の業者は即NGで間違いなし!
- 費用・工事内容ともに、自社施工の業者がおすすめ
ピンホールができるかどうかは業者選びで決まる!
今回はピンホールについてご紹介しました。
ピンホールが発生する原因は、業者の施工のクオリティーによるところが大きいことを繰り返しお伝えしてきました。お住いの外壁にピンホールができるかどうかは、施工のクオリティー次第なのです! 業者選びがいかに大切であることを認識していただけたでしょうか?
これからも長く住み続けるお住いですから、この記事でご紹介した優良業者の選び方を参考に、信頼できて腕の良い塗装業者を見つけてください!
外壁塗装の費用について気になる方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
【令和3年更新】外壁塗装の費用相場はいくら?内訳と計算方法を解説【保存版】
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