35坪の外壁塗装の費用相場は?屋根塗装も依頼する場合や塗料別の費用

新築から10年程度経過したり、前回の外壁塗装から間が空いたりしている方の中には、外壁塗装を依頼しようか考えている人もいるでしょう。

坪数や階層構造によって相場が異なる外壁塗装ですが、一般的に35坪の外壁塗装の費用相場は2階建てで80~120万円と言われています。

本記事では、35坪の住宅の外壁塗装をする際にかかる費用相場と内訳、塗料による違いや費用を節約する方法を解説します。

外壁塗装が初めての方へ

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35坪の外壁塗装の費用相場

外壁塗装の費用相場は、以下の4点で大きく変わります。

  • 塗装面積(外壁面積)
  • 塗料の種類
  • 2階建てか3階建てか
  • 屋根塗装の有無

特に階層構造による相場の算出は難しく、同じ坪数でも費用相場が異なります。塗料の種類もですが、外壁面積は住宅の延べ床面積で決まるため、1階と2階を足して35坪なのかワンフロア35坪なのかで金額が変わることを覚えておきましょう。

以上の要素を踏まえ、坪数ごとの費用相場は次のとおりです。

坪数 外壁塗装のみの
費用相場
外壁塗装と屋根塗装
の費用相場
30坪 2階:80~120万円
3階:100~140円
2階:110~160万円
3階:130~180万円
35坪 2階:100~140万円
3階:120~150円
2階:130~180万円
3階:150~190万円
40坪 2階:110~150万円
3階:130~170万円
2階:140~190万円
3階:170~210万円

表内でも記しましたが、35坪の場合は外壁塗装のみで80~140万円、屋根塗装と抱き合わせると110~180万円です。

なお、屋根塗装と別で工事を行うと、その分費用が30~50万円ほど高額になります。同時に出来るのであれば、同じタイミングで依頼したほうが良いでしょう。

家の外壁塗装を行う必要性

家の外壁塗装は、外壁材の種類によって必要かどうかが決まります。以下に、塗装が必要な外壁材と不要な外壁材をまとめました。

塗装が必要な外壁材 塗装が不要な外壁材
・窯業系サイディング
・ガルバリウム
・モルタル
・ALC
・板張り
・漆喰
・レンガ
・タイル
・張り替えて8年以内のサイディング

上記表を見ると、外壁材のほとんどは塗装が必要な素材です。外壁塗装を行わないと見栄えが悪くなったり、チョーキングと呼ばれる粉のようなものが表面に出てきたりします。

また、塗装には外壁の表面を保護する役割もあるため、放置しておくと外壁が崩れてしまう可能性も考えられるのです。

外壁塗装を行うことで、上記のデメリットを解消できます。なによりも外観が美しくなるため、より家を大切にしようという気持ちが出てくるかもしれません。

【35坪】外壁塗装の費用の計算方法

外壁塗装の費用は、以下の計算式を用いることで概算を算出できます。実際には窓やドア、ベランダなどで塗装しない部分もありますが、それらを考慮せずに外壁塗装の費用を算出する際に用いる計算式です。

外壁塗装の費用=外壁面積(坪数×3.3㎡×1.2)×塗料の単価+その他工程の費用

上記の計算式で、35坪の住宅の外壁塗装に必要な費用を算出してみましょう。

(35坪×3.3×1.2)×2,000+30万=57.72万円

外壁面積には、1坪当たりの面積と係数である1.2を掛けて算出した延べ床面積を使用します。係数は住宅によって異なるため、1.2~1.4と差があるため注意しましょう。本記事は、計算で使われる一般的な1.2を使用します。

【35坪】外壁塗装の工事の費用目安

外壁塗装の塗装費用は、2階建てか3階建てかで大きく変わります。また、屋根塗装を同時に行うか否かでも費用相場が変動するのです。以下では、外壁塗装のみの費用と屋根塗装とあわせて施工した場合の費用の2つを解説します。

外壁塗装のみ

外壁塗装のみを依頼する場合は、下表の項目が費用として必要です。実際の価格は住宅の条件によって異なるため、あくまでも目安として覚えておきましょう。

項目 単価 35坪の
費用目安
足場代
(一式)
700~1,000円/㎡ 10~16万円
飛散防止ネット
(一式)
200~300円/㎡ 3~5万円
高圧洗浄 100~300円/㎡ 2~3万円
【付帯塗装工事】
軒天 800~1,200円/㎡
雨樋 800~1,200円/㎡
破風板 650~1,200円/㎡
雨戸 2,000~5,000円/枚
シーリング
打ち替え
900~1,500円/㎡
シーリング
増し打ち
500~1,000円/㎡
【諸経費】
現場管理費 3~5万円
廃材処理費等 5万円前後

足場代と飛散防止ネットの費用算出には、先に紹介した計算式の係数を1.3にして算出しています。外壁よりもひと回り外側に設置する必要があるためです。

法律で、建物から50~60cm離さなければならないと決まっているため、やや大きめに係数を掛ける点を覚えておきましょう。

足場代

足場代は700~1,000円/㎡の相場で、これ以上高額になることはあまりありません。ただし、住宅の階層が高ければ高いほど足場代は高額になります。

飛散防止ネット

塗料が隣家などに飛ばないようにするための目が細かいネットです。足場の外側に設置するため計算方法は足場代を求める式と同じです。屋根までは覆わないため、住宅の外周をぐるりと囲むものだと覚えておきましょう。

高圧洗浄

塗装を美しくするため、汚れを洗い流すのが高圧洗浄です。単価は100~300円/㎡とそこまで高額ではなく、全体に占める割合もそこまで大きくはならないでしょう。ただし、使用する水にかかる水道代は依頼者持ちになります。

付帯塗装工事

屋根材とは別の費用がかかる塗装部分に対してかけられる費用項目です。外壁に使用する塗料と付帯部分の塗料は変わることが多く、基本的には別料金が発生するものだと思っておきましょう。

諸経費

産業廃棄物の処理費用や、現場監督で発生する費用の総称です。遠方から業者が来ている場合は交通費が含まれることもあります。外壁塗装の工数や日程に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひこちらも参考にしてください。

外壁塗装の工程を詳しく解説!日数はどのくらいかかる?

外壁塗装と屋根塗装

屋根塗装も同時に行う場合、上記の項目とは別で以下の項目が必要になります。

項目 単価 35坪の費用目安
タスペーサー 300~900
円/㎡
5~15万円
下地補修 600~1,200
円/㎡
10~19万円
屋根塗装 塗料の種類
による
塗料の種類
による

なお、足場代と高圧洗浄代は、屋根の大きさによって外壁塗装の相場に追加されます。ただし丸々全額が加算されるわけではなく、追加になった分だけが合算される形です。

イチから足場を組み立てる必要がないため、基本的には合わせて施工することでそれぞれの費用を安くできます。

タスペーサー

雨漏りを防ぐために使用される板状のアイテムです。屋根と屋根の間に挟み込んで使用しますが、屋根の形状によっては使用できないこともあります。その場合は「縁切り」と呼ばれる工法が採用されます。

下地補修

屋根の金属部分に付着したサビを落とす工程です。ケレン作業とも呼ばれ、屋根を美しく塗装するために欠かせない作業です。経年劣化で発生したクラック(ひび)を対処する工程も下地補修に含まれます。

屋根塗装

屋根塗装で使用する塗料の費用です。外壁塗装とは異なる塗料を使用することも珍しくなく、使用する塗料の量によって変わります。屋根塗装に関する工程や日数は以下の記事を参考にしてください。

屋根塗装にかかる日数は?工程・手順を詳しく解説!

【塗料別】35坪の外壁塗装の費用目安

外壁塗装の塗料にはさまざまな種類があり、どの塗料を使用するかによって工事費の総額は変動します。以下に、塗料ごとの単価や35坪の外壁塗装費用目安をまとめました。

塗料 耐用年数 単価(㎡) 35坪の外壁塗装の費用
アクリル塗料 3~5年 2,000~3,000円 2階建て:約60~75万円
3階建て:約65~80万円
ウレタン塗料 5~7年 2,000~3,000円 2階建て:約60~75万円
3階建て:約65~80万円
シリコン塗料 7~10年 2,500~3,500円 2階建て:約65~80万円
3階建て:約70~85万円
ラジカル塗料 8~15年 2,500~4,000円 2階建て:約65~85万円
3階建て:約70~90万円
フッ素塗料 15~20年 3,800~4,800円 2階建て:約85~95万円
3階建て:約90~110万円
光触媒塗料 15~20年 4,200~5,500円 2階建て:約85~115万円
3階建て:約90~120万円
無機塗料 20~25年 4,500~6,000円 2階建て:約90~120万円
3階建て:約95~135万円
アクリル100%塗料 20~30年 4,500~6,000円 2階建て:約90~120万円
3階建て:約95~135万円
ハイブリッド塗料 20~30年 4,500~6,000円 2階建て:約90~120万円
3階建て:約95~135万円

アクリル塗料

アクリル塗料は、外壁塗装に使用する塗料の中でも安価な部類に入ります。デザイン性に優れており、発色が良いという特徴があります。反面耐久性はかなり低く、コストパフォーマンスは決して安くありません。特別な事情がない限り、あえて選択する必要がない塗料と言えます。

塗料の単価(㎡) 2,000~3,000円
耐用年数 3~5年
メリット 安価で発色が良い
デザイン性に優れる
デメリット 耐久性が低い
頻繁なメンテナンスが必要
塗装費用
の相場
2階建て:約60~75万円
3階建て:約65~80万円

ウレタン塗料

アクリル塗料と同じ価格帯の塗料がウレタン塗料です。耐用年数はアクリル塗料よりもやや長く、光沢感があるほか密着性が高いという特徴があります。ただし汚れやすい点、変色しやすい点が玉に瑕です。こちらも最近ではあまり選択されることがない塗料です。

塗料の単価(㎡) 2,000~3,000円
耐用年数 5~7年
メリット 光沢感がある
高密着
デメリット 汚れやすい
紫外線に弱く、変色しやすい
塗装費用
の相場
2階建て:約60~75万円
3階建て:約65~80万円

シリコン塗料

コストパフォーマンスが高く、現在一般的とされる塗料がシリコン塗料です。メーカーも多く、扱いやすいことから業者が独自に塗装ノウハウを構築している場合もあります。

比較的耐用年数は長いものの、経年劣化でひびが入りやすいというデメリットもあります。重ね塗りするのが難しく、維持に手間がかかるのが難点です。

塗料の単価(㎡) 2,500~3,500円
耐用年数 7~10年
メリット 製品数が多く選択肢が多い
メーカー、業者に独自のノウハウがある
デメリット 経年劣化でひび割れしやすい
重ね塗りが難しい
塗装費用
の相場
2階建て:約65~80万円
3階建て:約70~85万円

ラジカル塗料

シリコン塗料と価格帯は同じであるものの、高機能に進化したのがラジカル塗料です。下地に出来るほどの耐久性を誇っており、光沢の有無が選択できるという特徴があります。

ただし発売からあまり時間がたっていないため、耐用年数はメーカーの試算した数字であることから多少の差が生まれる可能性があります。

塗料の単価(㎡) 2,500~4,000円
耐用年数 8~15年
メリット 光沢の有無を選択できる
幅広い下地に使える
デメリット 濃い色の選択ができない
耐用年数があいまい
塗装費用
の相場
2階建て:約65~85万円
3階建て:約70~90万円

フッ素塗料

歯の治療やフライパンの加工に使用されるフッ素を配合した塗料です。耐用年数が驚くほど長く、それに見合った耐久性と機能性を誇っています。

汚れをはじくなどフライパンの機能と遜色ありませんが、価格が比較的高いのが難点です。次回の塗り替えで塗料が制限されるのも、フッ素塗料のデメリットと言えるでしょう。

塗料の単価(㎡) 3,800~4,800円
耐用年数 15~20年
メリット 耐候性がとても高く劣化しづらい
光沢が長持ち
汚れをはじく
デメリット 比較的高額
次回の塗り替えが難しい
塗装費用
の相場
2階建て:約85~95万円
3階建て:約90~110万円

光触媒塗料

光触媒塗料の最大の特徴は、光の力できれいになるセルフクリーニング機能を有している点です。単価は高額ですが、外壁をきれいに保つことができることから注目を浴びています。しかし、取り扱いが難しいため業者によっては扱っていないこともある塗料です。

塗料の単価(㎡) 4,200~5,500円
耐用年数 15~20年
メリット 汚れに極めて強い
カビや藻にも強い
セルフクリーニング機能
デメリット 比較的高価
取り扱い・塗装には高度な技術がいる
塗装費用
の相場
2階建て:約85~115万円
3階建て:約90~120万円

無機塗料

一般的な塗料に含まれている有機物質が含まれていない塗料です。耐久性は抜群で最大25年とも言われています。また、対汚染性も光触媒に匹敵する高機能の素材です。しかし、ひび割れしやすく取り扱いが難しいというデメリットもあります。

塗料の単価(㎡) 4,500~6,000円
耐用年数 20~25年
メリット 耐用性抜群
耐汚染性が光触媒に匹敵
不燃性
デメリット 柔軟性が無くひび割れしやすい
取り扱い・塗装には技術が必要
塗装費用
の相場
2階建て:約90~120万円
3階建て:約95~135万円

アクリル100%塗料

アクリル材100%の塗料であり、無機溶剤の弱点であるひび割れへの追従性も高いのが特徴です。ただし、耐久性には疑問が残ります。

アクリル100%塗料はオーストラリアでのみ製造されており、耐久性データも現地のものです。日本の気候では、どの程度維持できるのかがあまりはっきりしていないのが欠点です。

塗料の単価(㎡) 4,500~6,000円
耐用年数 20~30年
メリット ひび割れへの追従性が高い
耐久性が高い
デメリット 輸入品のため日本の気候に向いているか疑問が残る
塗装費用
の相場
2階建て:約90~120万円
3階建て:約95~135万円

ハイブリッド塗料

有機塗料と無機塗料を混ぜ合わせた塗料です。耐用年数が長く、有機塗料と無機塗料のいい点を合わせ持っているという特徴があります。ただし、施工経験を持つ業者が少ない点と、配合量がメーカーによって異なる点が課題とされています。

塗料の単価(㎡) 4,500~6,000円
耐用年数 20~30年
メリット 有機塗料より耐用年数が長い
無機塗料には無い柔軟性がある
デメリット 施工経験のある業者が少ない
配合が製造元によって異なる
塗装費用
の相場
2階建て:約90~120万円
3階建て:約95~135万円

35坪の外壁塗装の費用を抑える方法

外壁塗装はそう簡単にできるものではありません。最大の課題は費用であり、35坪でも100万円以上することも珍しくないでしょう。しかし、まとまったお金がなかったとしても以下の方法を駆使することで外壁塗装費用を抑えることができるかもしれません。

  • 複数社の見積もりをとる
  • 自治体の助成金を利用する
  • 火災保険を適用する
  • リフォームローンを利用する

複数社の見積もりをとる

外壁塗装を依頼する際に、複数の塗装業者から見積もりをとると費用を抑えられる可能性があります。複数業者から見積りを取ることで価格を比較することができ、少しでも価格を安い業者を選べます。

また、比較されているとわかると多少の値引き交渉に応じてくれる場合もあるようです。

自治体の助成金を利用する

条件付きにはなりますが、自治体の助成金や補助金を利用できる場合があります。補助額は自治体によって異なりますが、10~20万円を用意していることが多いようです。助成金・補助金を使用する場合は、以下の条件を満たす必要があります。

  • 申請先の地域に居住していること
  • 施工する住宅の所有者または居住者であること
  • 申請先の地域で営業を行う業者に工事を依頼すること
  • 税金の未納・滞納がないこと
  • 過去に同じ助成を受けていないこと
  • 工事を開始する前に申請すること

以上の条件は、申請をするうえで必須条件であり、どの自治体でも必ず必要とされています。また、使用する塗料に制限がかかっていることも多いため、条件をしっかり確認しましょう。

火災保険を利用する

火災保険を利用することで、費用を大幅に下げられる可能性があります。条件としては、以下をクリアする必要していなければなりません。

  • 地震や台風をはじめとする自然災害、火事などで被害を受けていること
  • 外壁塗装費用が火災保険の免責額を超えていること

この2つをクリアしていなければ、火災保険を利用して外壁塗装を実施できません。また、全額補填されるわけではなく、火災保険ではカバーしきれない免責以上の額が対象です。2

気になる場合は、契約している保険会社や代理店に確認をとってください。

リフォームローンを利用する

リフォームローンを使って費用を抑えることも可能です。リフォームローンはその名のとおりリフォームを実施する際に金融機関から融資を受ける制度です。

特別な融資条件などはありませんが、取扱金融機関によって上限額や返済期間、金利が変わります。業者比較と同じように、複数の金融機関を比べてみるといいでしょう。

まとめ

35坪の住宅を外壁塗装する場合、80~140万円の費用を見積もっておく必要があります。塗料や建物の条件によりますが、おおよその相場を知っておくことで悪徳業者に騙されたり、多額の費用を支払ったりする可能性も低くなるでしょう。

費用を抑える方法もあわせて、外壁塗装前に事前情報として確認しておくことをおすすめします。

 
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