80坪の外壁塗装の費用相場は？工事費や塗料別の費用・依頼する際の注意点

大きな住宅である80坪の外壁塗装費用は200万円を越えることもあり、なかなか手を出せない人も多いでしょう。また、住宅の大きさ的に注意しなければならないポイントもいくつか存在します。

本記事では、80坪の外壁塗装の費用相場と工事費の内訳、塗料の種類や依頼前の注意点を解説します。

【戸建て】80坪の外壁塗装の費用相場

外壁塗装の費用相場は、以下の条件で変わります。

• 外壁面積
• 塗料の単価
• 建物の構造

また、屋根塗装を抱き合わせで施工することで価格も変化します。額面は大きくなりますが、総合的には30～50万円の節約になるのです。60坪～100坪の費用相場は次のとおりです。

80坪の外壁塗装は、単体で250万円程度、屋根塗装とあわせると350万円を越えることも珍しくありません。費用相場を理解しておけば、予算立てができるようになるでしょう。

最終的な費用は塗装業者によって異なりますが、上記の表を参考にしておくと良いでしょう。

【80坪】外壁塗装の費用の計算方法

外壁塗装にかかる費用は、以下の計算式で算出できます。

外壁面積の算出には延べ床面積を使用します。坪数に1坪当たりの面積である3.3㎡を掛けます。さらに外壁面積を算出するためには係数である1.2を掛ける仕組みです。

あくまで概算であるため正確な費用ではありませんが、上記の式を用いることで80坪住宅の外壁塗装の費用を算出できます。

上記式では塗料の単価を2,000円、その他工事にかかる費用を100万円としています。実際の費用は業者によって変動します。概算の算出方法として覚えておきましょう。

【工程別】80坪の外壁塗装の工事費

前章で記載した「その他工事の費用」は、外壁塗装だけを行う場合と屋根塗装を同時に行う場合で異なります。80坪の住宅の場合のそれぞれの工事費について解説します。

外壁塗装のみ

外壁塗装のみ依頼する場合、工事費には以下の項目が含まれます。

各項目の詳細を見ていきましょう。

足場代

足場代は先に使用した延べ床面積の計算の際に、係数を1.3にする必要があります。外壁よりも一回り大きく計算しなければなりません。単価は1㎡あたり700～1,000円ですが、縦に長い場合はもう少し高額になるでしょう。

飛散防止ネット

塗料が飛散しないために足場の外側に設置するネットです。足場と同じ計算式で算出しますが、単価が200～300円と少額であるため全体でみると割合的には小さくなります。

高圧洗浄

塗装前の外壁を洗浄する高圧洗浄は、単価以外にも依頼主側で水道代金を負担する必要があります。最大でも15万円以内で収まるでしょう。

付帯塗装工事

外壁とは別の素材を塗装する際に必要な費用です。軒天や雨戸などが対象で、住宅の事情で前後します。付帯塗装が必要な箇所が多いと、自然と総額も高くなるでしょう。

諸経費

現場監督費や廃棄物処理費用の総称です。外壁塗装の際に出たごみを処分するほか、老朽化した部分を処分する費用も含まれます。こちらも住宅事情によって異なります。

各項目の詳しい内容は、下記リンクの記事で紹介しています。こちらも参考にしてください。

外壁塗装と屋根塗装

屋根塗装を同時に行う場合は、以下の3つの項目が追加されます。なお、足場などは外壁塗装と抱き合わせて見積もるため、多少の追加費用はあっても金額が倍増することはありません。

外壁塗装同様、屋根面積に応じて費用が変動します。なかには屋根の状況で使用する工法が変わる可能性もあります。詳しく見ていきましょう。

タスペーサー

屋根と屋根の間に挟み込んで使用する板状の道具です。雨漏りを防ぐ効果があり、屋根塗装では必ず使用します。タスペーサーが使用できない場合は、縁切りと呼ばれる別の工法に代わります。

下地補修

ひび割れ補修やサビ落としを行う工程です。下地をきれいにしておかなければ、塗装しても塗料が剥がれ落ちてしまう可能性があります。こちらも屋根塗装では必ずかかる費用です。

屋根塗装

屋根塗装にかかる費用です。外壁塗装同様、使用する塗料によって費用が変動します。選択できる塗料は外壁塗装とは異なるため注意しましょう。

屋根塗装の工程や手順、工事日数についてはこちらの記事で記載しています。

【塗料別】80坪の外壁塗装の費用目安

外壁塗装は使用する塗料に多様な種類があり、どの塗料を選ぶかによって工事費の総額も変わります。以下に、塗料ごとの単価や80坪の外壁塗装費用目安をまとめました。

アクリル塗料

アクリル塗料は、外壁塗装で使用される塗料の中でも安価です。耐久性が低いため頻繁なメンテナンスを必要とします。発色がいいためイベントなどの短期で使用されることはありますが、一般住宅で使用されるケースはあまりありません。

ウレタン塗料

ウレタン塗料も、アクリル塗料と同じく安価で手配できる塗料です。光沢感があるという違いはあるものの、汚れやすく紫外線に弱いという特徴から、こちらも一般住宅で使用されることは稀です。

耐用年数も短く、コストパフォーマンス的にもあまり選ぶメリットがないでしょう。

シリコン塗料

現在の外壁塗装で、スタンダードになっているのがシリコン塗料です。種類が豊富で業者が塗装に独自ノウハウを持っていることもあります。

平均的な耐用年数で80坪の家に使用しても問題はないものの、コストを考えるとそこまでおすすめできない側面もあります。

ラジカル塗料

販売されて間がないものの、下地にも使用されるほどの耐久性があるのがラジカル塗料です。濃い色こそないものの光沢の有無を選択できるなど、バリエーションもそろっています。

しかし、耐用年数に関しては実績が少ないため、やや信頼性に欠けるのがネックです。

フッ素塗料

フッ素塗料は、虫歯の治療やフライパンの加工に用いられるフッ素を混ぜた塗料です。耐用年数が長いため、80坪という大きな住宅でも抜群のコストパフォーマンスを誇るでしょう。

ただし、それに比例して単価は高く、まとまった資金が必要になります。

光触媒塗料

光触媒塗料にはセルフクリーニング機能が備わっており、汚れやカビにめっぽう強いという特徴があります。単価こそ高いものの、耐用年数を考えれば決して高い買い物ではないでしょう。

取り扱っている業者が少ないため、光触媒塗料を希望する場合は業者探しが難しくなる可能性もあります。

無機塗料

耐用性が非常に高く、柔軟性があるのが無機塗料です。ひび割れしやすく、塗装には技術も必要になりますが、光触媒に匹敵するほど汚れに強いという特徴も持っています。

耐用年数も抜群に高いため、80坪の大きな住宅でメンテナンスの手間を減らしたい方に有効です。

アクリル100％塗料

アクリル100%塗料は、オーストラリアから輸入されている塗料で、耐久性の高さに定評があります。ひび割れに強いものの、日本での実例は少ないため、日本の気候での耐用年数には誤差があるかもしれません。

ハイブリッド塗料

ハイブリッド塗料はその名のとおり、有機塗料と無機塗料を混ぜ合わせた塗料です。両者のメリットを持ち合わせており、80坪の住宅に使用するにも適していると言えるでしょう。

反面、製造元によって配合量に差があります。そのため性能が安定しない可能性も否定できません。

80坪の外壁塗装の依頼で注意すべきこと

80坪というと一般住宅では大きな部類に入り、30・40坪の住宅の外壁塗装とは異なる注意点があります。以下に主な注意点をまとめました。

• 塗料等の違いで費用の差が大きくなる
• 工期が通常より長引く場合がある
• 業者によっては80坪に対応できない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

塗料等の違いで費用の差が大きくなる

80坪ともなると塗装面積も非常に大きくなり、塗装費用も高くなります。80坪の場合にかかる費用を、シリコン塗料とフッ素塗料で比較してみましょう。

その差は歴然で、40～60万円ほどの差が発生しています。40坪の住宅と比較すると、差がさらにわかりやすくなります。

微々たる差に見て取れますが、塗料の量が増えるだけで数十万円単位で費用に差が生まれるのです。80坪の外壁塗装を実施する際は、予算と塗料の種類に注意しましょう。

工期が通常より長引く場合がある

80坪の外壁塗装と40坪を比較すると、工期が長引く可能性もあります。以下の表を見てください。

40坪が2週間程度なのに対し、80坪になると3週間前後と長くなります。塗装面積が大きくなることや、足場組に時間がかかることが主な要因です。基本的には長期工事になるため、近隣住民への理解を求めたほうが良いでしょう。

もし上記の工期より短い日数を提示された場合は要注意です。日数が短いということは、どこかで作業を省略している可能性が高いです。

工期が短くても丁寧に施工してくれる業者もありますが、基本的には3週間ほどの時間がかかると思っておくと良いでしょう。

業者によっては80坪に対応できない

冒頭でも触れたとおり、80坪の住宅は大きな部類に入ります。そのため、外壁塗装業者が対応していない可能性もあるのです。

通常の外壁塗装は3～4人程度で実施します。しかし、外壁面積が大きくなればそれだけ人員も必要になるため、小さな業者では対応できないと言われてしまうかもしれません。

また、業者によってはすでに予定が詰まっており、人員がさけずに断られる可能性もあります。

まとめ

80坪の外壁塗装は費用だけに注意を払うだけではいけません。業者探しや工期など、30・40坪の外壁塗装では特に問題にならなかったことを気にかける必要があります。

業者探しからだと時間がかかる可能性もありますが、じっくり予算や工期を考えて探すようにしましょう。