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軒天の塗装方法は?軒天塗装にかかる費用やポイントを総まとめ!

大切なお住いを良い状態で保つには、定期的な塗装が必要です。

重要なパーツでありながら意外と見落とされがちなのが「軒天」、つまり、屋根下で外壁から飛び出た部分です。軒天の塗装が剥がれていたり劣化していれば、家自体が古びてみすぼらしい印象になってしまいます。

この記事では、軒天の劣化症状や塗装にかかる費用、DIYで塗装する方法まで、軒天について詳しくまとめてみました。軒天の塗装のご参考にしてくださいね!

この記事でわかること
  • 軒天ってどんな役割があるの?
  • 軒天の劣化症状は? 塗装し直さないとどうなる?
  • 軒天の塗装方法や費用・施工期間は?
  • DIYで塗装できる?
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この記事の監修者
  • 高城 和幸
    和やか株式会社 想いを形に工房 代表
  • 30年の現場経験からお客様に寄り添った提案を心掛けている。お客様に寄り添った提案を心掛ける。 2022年に『一般社団法人木造住宅塗装リフォーム協会』の会員となり、正しい塗装工事を地域に広める活動を続けている。
    外壁塗装ほっとらいん編集部
  • 荒尾 薫
    外壁塗装ほっとらいんの相談・執筆担当
    ・外壁塗装業界でのアドバイザー10年以上
    ・12,000件以上のリフォーム相談に対応
  • 外壁塗装ほっとらいんは全国650社以上の優良塗装業者が加盟する塗装ネットワーク。塗装業者選びに悩む方のための中立的な紹介サービスです。

    軒天とは?その必要性

    外壁や屋根と比べて目立たない存在でありながら、家の印象や美しさを左右するのが軒天です。

    しかし「軒天って何?」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、軒天の必要性について、その役割とともに詳しくご紹介します。

    軒天とは?

    「軒天(のきてん)」とは、屋根の裏側のうち、外壁より外側に飛び出している天井部分のこと。

    軒天井(のきてんじょう)、軒裏(のきうら)、上げ裏(あげうら)などと呼ばれることもあるようです。

    屋根の裏側だけでなく、ベランダやバルコニー床の裏側にある天井部分も軒天に含まれます。

    軒天の必要性

    軒天の役割には、主に以下の3つがあります。

    • 雨や紫外線を遮ることで、外壁材の劣化や雨漏りを軽減する
    • 屋根裏の換気をする(軒天に穴があいている場合)
    • 火災の際は、軒天が火の回りの邪魔をして延焼を防ぐ

    軒天が突き出ているため、外壁材に雨や紫外線が直接当たることを防ぐことができます。屋根と外壁の連結部分は劣化や雨漏りがしやすい箇所ですが、この部分を軒天によって保護することで、劣化の抑制になるのです。

    また近年では、通気性をよくするために穴をあけた軒天もあります。風や空気の通りがよくなることで屋根裏の湿気を抑えることができるでしょう。

    さらに火災時には、軒天があることで屋根に火が燃え移るのを抑制する効果も。軒天が火の燃え広がりを遮るため、被害が軽減する可能性が高くなります。

    まとめると…
    • 軒天とは、外壁の外に突き出た天井裏のこと
    • 軒天には外壁材を守る役割がある
    • 軒天があることによって、火災時の延焼を抑える効果も

    塗装の前に「軒天の材質」をチェック!

    それでは次に、軒天に使われる材質についてご紹介します。材質ごとに異なる特徴やメリット・デメリットを知ることで、適した塗装を行うことができますね。

    ここでは、軒天によく使用される4種類の材質について見ていきましょう。

    ケイカル板

    チヨダウーテから引用

    現在、多くの住宅で利用されているケイカル板は、珪藻土や水酸化カルシウムなどを水で混ぜた素材のこと。正式名称は「ケイ酸カルシウム板」です。

    不燃系素材なので耐火性を備えているのも大きなメリット。さらに、耐熱性・耐久性・防湿性に優れた材質で、デザインが豊富なのが特徴です。

    かつてはケイカル板にはアスベストが含まれていましたが、現在ではアスベスト含有製品は生産禁止となっていますので、お住いにも安心して利用ができます。

    スラグ石膏板

    スラグ石膏板は、鉱物と石膏を混ぜ合わせて製造された材質です。「エクセルボード」とも呼ばれ、ケイカル板と同じく法定不燃材に認定されています。こちらも多くの建築物に利用されている素材です。

    金属板

    金属板の軒天は、ガルバリウム鋼板などの錆にくい材質を使用するのが主流です。軽量で耐火性に優れているのが特徴で、カバー工法などでよく利用されています。耐候性が高く劣化しにくいのもメリットです。

    塗装の際には、錆対策が必要となるでしょう。

    ベニヤ板・合板

    「ベニヤ板」は薄い1枚の木の板のことで、それを何枚か重ね合わせた素材を「合板」と呼びます。

    軽量で加工がしやすく、デザイン性が高いのが特徴。塗装をしやすいというメリットもあります。しかしながら木製なので耐火性・耐水性が低く、その他の軒天材と比較して劣化にも弱いことがデメリットです。

    まとめると…
    • ケイカル板・スラグ石膏板:耐火性に優れているのが特徴
    • 金属板:軽量で耐火性に優れ、劣化しにくい。塗装には錆対策が必要
    • ベニヤ板・合板:軽量で塗装しやすい。耐火性・耐水性が低いのが不安要素

    こんな劣化症状が現れたら軒天の塗装が必要!

    さまざまな軒天材をご覧いただきましたが、どんな材質を使用しても劣化は免れません。では軒天の劣化症状には一体どのようなものがあるでしょうか。

    ここでは軒天の劣化のサインを、緊急性の低い順番にまとめてみました。

    塗装が色あせている

    長い期間、紫外線や熱を受けると塗装の色あせは避けられません。軒天が直射日光を浴びることはあまりありませんが、紫外線の照り返しによって表面にダメージを受け、色が落ちてしまうのです。

    塗装の色あせが目立ってきたら塗装を検討するタイミングです。すぐに問題が起こるわけではありませんが、下地が露出するくらい劣化が進めば、雨漏りなどを引き起こす原因となるでしょう。

    塗装が剥がれてきている

    軒天の表面の塗装が剥がれてきたら、外観にも影響が出ますね。放置し続けると雨などが軒天の下地を腐食させてしまい、屋根や建物の内側にもダメージを与えてしまいます。

    軒天の塗装が剥がれ出したら、できるだけ早いタイミングで塗り直しが必要であると認識しましょう。

    軒天にカビやコケが生えている

    軒天にカビやコケが生え出したら、2つの処置が考えられます。

    1つ目は表面だけがダメージを受けている、劣化症状が軽い場合。この状態ではカビやコケを削り落とし、塗り直すだけで十分です。もう1つは劣化が重度なケースですが、軒天の下地にまで腐食が進んでいる場合は、軒天材そのものを交換する必要があるでしょう。

    カビやコケ程度と軽く考えず、早めのメンテナンスや塗装を検討しましょう。

    錆びている

    金属製の軒天の場合は、時が経てば錆が発生します。放置し続けると、ひどい場合には穴があいて雨漏りや腐食を引き起こすことも。

    定期的にチェックして、症状が進む前に早めに塗装するようにしましょう。

    軒天にシミができている

    軒天にシミが発生している場合は、すでに内部に水が浸入している可能性が高いでしょう。最悪の場合は、雨漏りが発生している事も考えられます。

    この場合は塗装だけでは対処できないため、軒天材の交換や雨漏り修理など根本的な対策が必要となるでしょう。

    まとめると…
    • 軒天の劣化サインは主に5つ
    • 色あせや剥離は軽度のサインだが、塗装のタイミングであると認識しましょう
    • 重度のカビやコケ、シミの場合は雨漏りや腐食の原因に。最悪、軒天材の交換が必要
    • 金属製軒天は錆が劣化サイン。放置すると穴があくので早めに塗装を!

    軒天の塗装を怠っていると…?

    軒天の代表的な劣化サインをご紹介しましたが、定期的にチェックすることでこれらのサインを見つけることは可能です。症状がひどくなる前に塗装を行えば、修理の手間も費用も少なくて済みますが、放置したままにしておくとますます劣化が進み、修理も困難になってしまいます。

    ここでは軒天の塗装を怠っていると、症状はどのように進行するかを見ていきましょう。

    「すが漏り」や雨漏りの原因に

    「すが漏り」とは、屋根に積もっていた雪や氷が室内の暖かい空気によって溶けることで、屋根材の隙間から軒天の内部に浸入する現象のこと。軒天の劣化が進むと軒天内だけでなく室内にも水が入り込み、雨漏りのような状態になります。

    軒天が劣化すれば「すが漏り」だけでなく、雨漏りを引き起こすことも。劣化の放置だけでなく、軒天の手入れを怠った場合でも発生する可能性があります。マメなメンテナンスや塗装をすることで、「すが漏り」や雨漏りを防ぎましょう。

    見栄えが悪くなる

    軒天が錆びていたり、カビやコケがついていたら、シンプルに見栄えが悪いですよね。

    劣化が進めば、汚れも付着しやすくなります。軒天は目立つだけでなく、汚れやすい部位でもあることを認識し、定期的に塗り替えるようにしましょう。

    軒天の下地が劣化して変形・破損する

    軒天の塗装を長い間怠っていると、変形や破損が進みます。そうなると隙間などから虫が入り込んだり、雨水が浸入しやすくなり内部の腐食を招くことに。

    この段階になると軒天材の内側も破損している可能性が高いため、本格的な補修工事が必要となるケースも多いようです。

    まとめると…
    • 雪溶け水や雨が、軒天だけでなく室内にまで浸入する
    • 外観を損なう
    • さらなる変形や破損など、問題が深刻になる

    軒天の塗装方法

    ここでは塗装で補修するためのおすすめ塗料と、一般的な塗装方法をご紹介します。

    ご覧いただいたように、塗装は軽度の劣化に適したメンテナンス方法です。軒天が破損していたり、腐食や雨漏りをしている場合は本格的な修理工事が必要となるのでご注意ください。

    軒天の塗装で用いる塗料

    軒天の塗装は、基本的には水性のアクリルエマルションペイント(AEP)を使用します。軒天材として多く使用されているケイカル板や、ベニヤ板に使用されることが多いようです。

    AEPは水溶性なので水で薄めて使用します。そのため安全性が高く、さらに、のちにご紹介するNADより単価が低いのもメリットです。

    主なAEP塗料は以下の製品です。

    • ビニデラックス300(関西ペイント):ハケ塗りに適した塗料。均一な塗面に仕上がる
    • エコフラット100(日本ペイント):防藻・防カビ・抗菌アルデヒド類吸着機能を備え、環境に配慮した塗料
    • マルチエースⅡ(アステックペイント):防藻・防カビ性を備え、シックハウス対策にも有効。つや消しタイプで落ち着いた仕上がりに

    また最近では、アクリル樹脂系非水分散形塗料(NAD)を使うことも増えています。NAD塗料は接着性や耐水性が高く、さらにヤニ止め効果を備えているのが特徴。改修塗装に使用されます。

    代表的なNAD塗料には以下のような製品があります。

    • アレスセラマイルド(関西ペイント):防藻・防カビ・速乾性の高い塗料。短い工期での使用におすすめ
    • ケンエースG-Ⅱ(日本ペイント):付着性と浸透力に優れたつや消し塗料。防カビ性があり、ヤニ・シミ止めにも効果的
    • セラミタウンマイルド(エスケー化研):低帯電性・高塗膜高度・親水性のある塗膜となり、汚れにくいのが特徴。セラミック成分により耐候性も高い

    塗料の種類や特徴について詳しく知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。

    軒天の塗装方法

    それでは、実際の塗装方法を工程順に見ていきましょう。

    1. 下地調整・補修
    2. 下塗り
    3. 中塗り・上塗り

    「下地調整・補修」は、劣化部分を補修したり、塗膜剥離を起こした箇所をケレンを使って剥がします。その後、サンドペーパーで研磨して、塗料が上に付着しやすいようにするのがポイントです。

    「下塗り」には、主に2つの働きがあります。1つは外壁と上塗り塗料の密着性を高めること、もう1つは塗料が染み込み過ぎるのを防ぐ役割です。代表的な下塗り塗料には「シーラー」「プライマー」があります。金属材質の場合は、この段階で錆止めを塗ります。

    「中塗り・上塗り」は、同じ塗料を2回塗る工程です。1度では十分な厚さの保護膜が得られないため、2回重ねて塗る必要があります。

    まとめると…
    • 現在、よく使用されている塗料はAEP塗料とNAD塗料の2種類
    • 塗装方法は「下地調整・補修」「下塗り」「中塗り・上塗り」の最低3工程が必要

    軒天の塗装はDIYでできる?

    軒天を良い状態で保つには定期的な塗装が必要です。外壁や屋根と違い、軒天は幅も狭いため「塗装ぐらいならDIYでできそう」と考えている方もいらっしゃるかもしれませんね。確かにDIYだと、業者を呼ぶよりも手間も費用もかからずに済むかもしれませんが、本当にDIYで軒点の塗装はできるのでしょうか?

    ここでは、DIYで軒天の塗装をする場合の注意点やリスクについて見ていきましょう。

    塗膜剥がれならDIYは可能

    結論からいうと「塗装が剥がれている程度なら、DIYで修理が可能」です。

    しかし、軒天の塗装は天井を向いて行うことになります。そのため塗料が顔にかかるというリスクがあります。また、無理な姿勢での作業なので、想像以上に手間と時間がかかるでしょう。

    さらに、ご自身で塗装される場合は手順を間違えたり、必要な量のケレンなどができずに短期間で塗装が剥がれてしまう可能性も高いのです。

    雨漏りや施工不良を気にするのなら業者が確実

    軒天の劣化が進んでいたり失敗のリスクを考えるなら、やはり最初から業者に任せるのが確実です。DIYで失敗すると、雨漏りや施工不良の危険性があります。また、外観の中でも目立ちやすいところなので、きれいに塗装できないと見栄えの悪い仕上がりになることも。

    簡単そうな作業に見えるかもしれませんが、軒天塗装は慣れない人にはリスクも高いのです。確実性を重視する方にはプロの業者に依頼することをおすすめします。

    まとめると…
    • 軽度の症状ならDIYでも可能だが、リスクも多い
    • 確実性を求めるなら、業者に任せるのが安心!

    軒天の塗装にかかる費用・施工期間は?

    ここからは、軒天の塗装を業者に依頼した場合の費用や施工期間について詳しく見てみましょう。

    軒天の塗装にかかる費用

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    軒天の塗装の費用は、1㎡または1mあたり900〜1,500円が相場。ベランダ下のように外壁と同じ素材の軒天を塗装する場合は、外壁塗装と同じ価格がかかります。そのため、シリコン塗装の場合だと2,000〜3,000円/㎡が目安となるでしょう。

    軒天の塗装にかかる施工期間

    軒天だけを施工することはほとんどなく、外壁塗装の時に一緒に行うケースが多いようです。そのため、外壁塗装の一部ということであれば、住宅全体の塗装で12〜15日程度が目安。

    もし軒天だけを塗装する場合は、足場を使うケースがほとんどです。塗装以外に足場の設置・解体、さらに養生も必要となるため3〜7日程度かかるのが一般的です。

    まとめると…
    • 軒天のみの塗装は、1㎡または1mあたり900〜1,500円が相場
    • 軒天のみの塗装は足場や養生も必要なため、3〜7日が目安
    • 軒天の塗装は外壁塗装と一緒に行うのが一般的

    軒天の塗装に関するあれこれ

    ここからは、軒天塗装の基本的なあれこれについてご紹介します。細かい情報ですが、知っておくと業者に依頼する時や、見積書を見る時の参考になるでしょう。

    軒天塗装はどんな色を選べばいい?

    軒天塗装に使用される色は、白色が一般的。軒天は太陽光があたりにくく暗い場所のため、白い色を塗ることで見栄え良く見せるためです。

    軒天の塗装費用を抑えるには?

    軒天は、外壁全体の塗装と一緒に塗るのがおすすめです。軒天だけ塗装するとなると、足場費用や養生費用も必要となるため、無駄にお金がかかってしまいます。

    外壁塗装の費用の目安については以下の記事でも詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてください。
    【優良店のみ】外壁塗装の費用相場|坪数別の目安や見積もりのチェックポイント

    軒天塗装の際に見積書で注意するべきポイントは?

    見積書の項目の中に、「付帯部」がある場合は要注意! 「付帯部」とは外壁の広い面以外の細部を指す項目のことで、軒天は「付帯部」の項目に含まれていることが多いのです。

    そのため、「付帯部」と「軒天」の項目が別で存在する場合は、二重計上されている危険性があります。このようなケースでは、業者に「付帯部」にはどのような作業が含まれているかを確認するようにしましょう。

    軒天は高圧洗浄をしてはいけない

    外壁や屋根の塗装前には、高圧洗浄が必要不可欠。しかし、軒天には換気のために穴があいていたり、隙間があることが多いので、高圧洗浄はNGなのです。高圧洗浄をしてしまうと、雨漏りを引き起こす危険性があるので注意が必要です。

    まとめると…
    • 軒天は、見栄えをよくするため白色がおすすめ!
    • 外壁工事の時に一緒に塗装しなおすのが一般的
    • 見積書に「付帯部」と「軒天」の項目があれば、二重計上されている可能性が高い
    • 軒天の高圧洗浄はNG!

    劣化した軒天の塗装は外壁塗装と一緒にやろう!

    軒天の一般的な知識から、メンテナンス塗装の重要性についてご紹介してきました。

    劣化した軒天だけで塗装をすると、足場や養生にも費用がかかり無駄な出費が増えてしまいます。外壁塗装と同じタイミングで行うことが安く抑えるポイントです。

    また、節約を考えるあまりDIYで済ませようとするのも要注意! 顔に塗料が絶えず落ちてきたり、無理な姿勢で作業するのは素人にはハードルが高いでしょう。慣れない人にはリスクが大きいので、確実性を求めるのなら業者に任せるのが安心ですね。

     
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