主な塗料メーカーと代表的な塗料【最新版】選び方のコツも解説!

屋根や外壁塗装の際に必ず必要になるのが塗料です。塗料にもさまざまな種類があり、特徴やメリット・デメリットも異なります。また、似た機能の塗料であっても製造メーカーによって性能や施工法はまちまちで、どの塗料がご自宅に適した塗料を選ぶのは簡単ではありません。

そこでこの記事では、主な塗料メーカーとその代表的な塗料についてまとめました。それぞれの特徴や性能を詳しく解説します。さらに、ご自宅に合った塗料の選び方もご紹介しますので、塗装の際にはぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • 主な塗料メーカーと代表的な塗料
  • 目的別の塗料メーカーの選び方
  • 塗料メーカー選びで注意することは?
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塗料メーカーはどこを選べばいいの?

塗料メーカー どう選ぶ屋根や外壁の塗料は、専門の塗料メーカーによって製造販売されています。塗料メーカーにも大手メーカーから中小規模のメーカーまであり、メーカーの規模によって特徴やメリットも異なるので、大手メーカーの塗料ならどんなものでもいいとは限りません。

そこで実際のメーカーをご紹介する前に、大手メーカーと中小メーカーそれぞれのセールスポイントや商品の特徴などについてまとめてみました。

大手メーカーの特徴

大手の塗料メーカーには豊富な実績とメーカーに対する信頼があるため、安心して使えるというメリットがあります。また比較的に価格が安めで、色や機能の種類が豊富にあるのも大手ならではの特徴といえるでしょう。

中小メーカーの特徴

塗料中小規模の塗料メーカーの中には、ほかにはない優良製品を製造販売している会社が多く存在しています。傾向としては独自性が強い塗料であることが多く、たとえば「ガイナ」や「光触媒」といった商品は中小メーカーで製造されたもの。

塗装の素人である私たちには知名度が低くても、業界内では一目置かれている優良メーカーもたくさんあります。そのためメーカーの規模だけで塗料を選ぶのではなく、塗料の性能もよく知った上でお住まいの屋根や外壁に合った塗料を選ぶようにしましょう。

光触媒塗料について興味がある方は、こちらの記事もぜひご一読ください。
光触媒塗料の効果とは?メリットデメリットを詳しく解説

まとめると…
  • 大手メーカーの塗料は、安価で色や機能の種類が豊富
  • 中小メーカーは、「ガイナ」や「光触媒」など独自性が強い傾向がある
  • 会社の規模や有名・無名だけでなく、塗料の性能や環境への適合性など総合的に選ぶ

主な塗料メーカーとその特徴

塗料メーカーと特徴この章からは、日本で実際に製造販売している塗料メーカーについてご紹介します。

それぞれのメーカーならではの特徴やセールスポイントを知ることで、お住まいに合った塗料選びの参考になるでしょう。

日本ペイント


日本ペイントは、1881年に創立した日本初の塗料メーカー。現在でも業界シェア上位のリーディングカンパニーです。

自動車用・建築用・船舶用・電気機器用・家庭用といった塗料全般の製造販売のほか、表面処理剤や電子部品材料、化学工業製品などの非塗料部門まで幅広く事業を展開しています。

2012年には「ラジカル制御形塗料」という新塗料を開発したことでも有名で、日本国内だけでなく海外でも幅広く展開している会社です。

エスケー化研

エスケー化研
エスケー化研は1955年創立した塗料メーカー。2017年には日本国内の「建築仕上げ塗材」において53%のシェアを獲得した、もっとも多く使用されている会社です。

エスケー化研では外壁・内壁の建築仕上げ塗材、屋根塗材、下地塗材のほか、耐火断熱材、断熱材、各種化成品や省エネ型建材などの製造・販売も行っています。

関西ペイント

関西ペイント
関西ペイントは1918年創立の老舗で、日本の塗料業界で1位の売り上げを誇る総合塗料メーカーです。

1926年には日本初のラッカー「セルバ」を販売したほか、建築用塗料・防食用塗料・自動車補修用塗料・工業用塗料・船舶用塗料などを製造販売しています。

近年では雨でも塗れる塗料を開発したことでも知られています。

大日本塗料

大日本塗料
1929年創業の長い歴史をもつ大日本塗料は、通称「DNT」とも呼ばれる国内3位の総合塗料メーカーです。

大日本塗料は防食技術の開発にも強く、新幹線700系「のぞみ」や羽田空港国際線の滑走路といった重防食塗装や、建材用塗料分野においては業界最大手の地位を築いています。

アステックペイント

アステックペイント
アステックペイントは、オーストラリアで外壁建築用塗料No.1の塗料メーカーです。日本では2000年からアスティックペイントジャパンとして創業を開始しています。

アスティックペイントはひび割れや紫外線に強い塗料の製造を得意とし、「低汚染リファインシリーズ」を自社開発しました。

また、劣化が激しいアクリル樹脂でありながらフッ素塗料なみの耐久性を発揮する「ピュアアクリル塗料」も製造販売しています。

日進産業


日進産業は1977年に創立した塗料メーカー。機械工事や設計・開発、断熱事業を行う会社で、近年では宇宙ロケットの技術を応用し、断熱効果のある塗装材「断熱セラミックガイナ」を開発しました。

ISO認証取得、岩谷直治記念賞、東久邇宮記念賞などの賞を数多く受賞し、国内外で知名度をあげています。

AGCコーテック

AGCコーテック
AGCコーテックは1963年に創業した、AGC株式会社のグループ会社です。

フッ素樹脂塗料に強いメーカーとして信頼が高く、建築用・工業用・防食用各種フッ素樹脂塗料や建築用仕上げ塗料・塗材の販売、電子部材・フィルムなどのフッ素樹脂コーティング材の製造販売などを行うフッ素樹脂塗料のリーディングカンパニーです。

1991年には世界初となる水性フッ素樹脂塗料「ボンフロン水性」を開発したことでも知られています。

TOTO

TOTO
TOTOは1917年に設立された、トイレや洗面台などの衛生陶器や住宅設備機器の製造販売で有名な会社。塗料の販売も行っています。

近年では、太陽光で汚れを落とす「光触媒」技術に特化した塗料の製造にも注目が集まっています。

水谷ペイント

水谷ペイント
水谷ペイントは、2022年に創業100周年を迎えた老舗の建築塗料メーカー。低VOC化対応の水性塗料や、ナノ技術を使った最先端塗料を開発しています。

特に屋根用の塗料を得意とする会社です。

以下に各メーカーの特徴を一覧にまとめました。

メーカー名 特徴や代表作
日本ペイント 新塗料「ラジカル制御形塗料」を開発
エスケー化研 日本国内の「建築仕上げ塗材」において53%のシェア
関西ペイント 雨でも濡れる塗料を開発。国内での売り上げ1位
大日本塗料 防食技術に強く重防食塗装、建材用塗料の業界最大手
アステックペイント 「ピュアアクリル塗料」「低汚染リファイン」の製造販売
日進産業 断熱効果がある「断熱セラミックガイナ」の製造販売
AGCコーテック 世界初の水性フッ素樹脂塗料を開発
TOTO 太陽光で汚れを落とす光触媒効果のある塗料を開発
水谷ペイント 低VOC化対応の水性塗料、ナノ技術を使った塗料を開発

メーカー別!代表的な塗料を紹介


それでは次に、現在使用されている人気の塗料や最先端の技術を搭載した塗料をメーカー別にご紹介します。

どれも「メーカーの顔」とも呼べる優れた機能を備えた塗料です。

パーフェクトトップ

「パーフェクトトップ」は、日本ペイントが2012年に開発した世界初の「ラジカル制御形塗料」です。

シリコンとほとんど変わらない価格でありながら、耐久性が格段に優れているのが特徴。「パーフェクトトップ」はシリコンに変わる今後の主流塗料として期待されています。

「パーフェクトトップ」の特徴や魅力についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひチェックしてみてください。

クリーンマイルドフッソ

「クリーンマイルドフッソ」はエスケー化研が開発した、フッ素塗料の定番ともいわれる人気塗料。フッ素塗料のメリットである高い耐久性や耐候性だけでなく、ホルムアルデヒド放散等級も「F☆☆☆☆」と人や環境に優しいのも高評価の理由としてあげられるでしょう。

フッ素塗料の中でもリーズナブルな価格なので、多くの業者に利用されている塗料です。

アレスダイナミックTOP

「アレスダイナミックTOP」は関西ペイントが開発した塗料で、最大の魅力は雨の日でも塗装が可能な塗料であるという点です。

アレスダイナミックTOPは、独自の緻密・強靭塗膜形成技術により強力な付着力を発揮。これにより悪天候や梅雨の時期はもちろん、湿度の高い場所でも安心して使用することができます。「雨の日は塗装ができない」という従来の常識を覆した商品であるといえるでしょう。

ノボクリーン

大日本塗料が研究・開発した「ノボクリーン」は、人体に有害な「VOC」をゼロにした内装用塗料です。

有機溶剤をいっさい使用していないので、従来の塗料にありがちな塗装時や塗装後の嫌な臭いもほとんどありません。抗菌効果、防カビ性能も備えているのでシックハウス対策にもおすすめ。環境に優しいだけでなく、機能や性能面でも信頼できる塗料なのです。

EC-5000PCM

「EC-5000PCM」は、アスティックペイントが独自開発した「ピュアアクリル」を元に製造した塗料です。「ピュアアクリル塗料」とは600%という驚異の伸縮率で住宅内部に水の浸入を防ぐ塗料のこと。つまりこの商品を使えば、ひびが入っても600%の伸縮率をもつ塗膜が雨水などの浸入を防いでくれます

紫外線にも強く、フッ素樹脂と同等の耐候性も魅力です。

ガイナ

「ガイナ」は日進産業が製造販売する、断熱性・遮熱性に優れた塗料です。JAXAの航空ロケット技術を応用し、塗布するだけで断熱ができる塗料を開発しました。

断熱塗料としては知名度は圧倒的、性能に対する信頼度も高く、夏の冷房・冬の暖房効果を格段に改善できる省エネ塗料であるとして、「第43回 岩谷直治記念賞」「2017年度 省エネ大賞 審査委員会特別賞」を受賞。省エネ性はもちろん、耐久性や安全性にも優れた塗料です。

「ガイナ」の特徴や魅力についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひチェックしてみてください。
ガイナ評判ガイナ(断熱塗料)の評判はどう?失敗例と解決策も紹介

ルミステージ

AGCコーテックが製造販売する「ルミステージ」は、紫外線に強いフッ素を樹脂を原料にしており、フッ素塗料の中でもトップクラスの耐久性があるといわれている塗料です。

一般的な塗料の寿命が5〜10年であるのに対し、ルミステージは15〜20年の長寿命。また、外壁用塗料でありながら、ホルムアルデヒド放散等級が「F☆☆☆☆」と人と環境に優しい塗料です。

ハイドロテクトカラーコート

「ハイドロテクトカラーコート」はTOTOエクセラが開発・販売していた光触媒の代表的塗料。2017年6月26日で生産・販売は中止されていますが、在庫として取り扱っている業者もいるようです。

ナノコンポジットW

「ナノコンポジットW」は水谷ペイントが販売する、ナノ技術を応用した水性高機能エコ塗料です。

雨で汚れが洗い流される「セルフクリーニング機能」で超低汚染性、さらに難燃性、耐候性、一液常温架橋性による強靭な塗膜、速乾性、防カビ・防藻性が特徴。また、廃棄時に排出される温室効果ガスを、従来型のエマルション樹脂の約半分に低減させています。

家を守るという塗料本来の機能はもちろん、地球環境への負担も軽減する塗料です。

塗料メーカーの目的別の選び方

塗料メーカーの選び方各塗料メーカーの塗料についてご紹介しましたが、それぞれどのような目的で使用される塗料なのでしょうか。

この章では、目的別のおすすめ塗料をご紹介していきます。

コストで選ぶ

コストマイホームに使用する塗料をコスト重視で選ぶ場合におすすめの塗料は以下の2つ。

  • 「クリーンマイルドフッソ」エスケー化研
  • 「パーフェクトトップ」日本ペイント

高機能でありながら低価格なのは大手メーカーならではのメリット。どの目的を重視していいかわからない場合も、これらの塗料を選べば失敗は少ないでしょう。

耐久性で選ぶ

耐久性で選ぶならフッ素塗料がおすすめです。建物の主な劣化原因である紫外線に強いため、経年劣化による影響を抑える効果が期待できるでしょう。

  • 「ルミステージ」AGCコーテック
  • 「EC-5000PCM」アスティックペイント

「ルミステージ」はフッ素塗料の中でもトップクラスの耐久性を誇る塗料。なので耐久性を求めるなら断然おすすめです。

「EC-5000PCM」は600%の伸縮率があり、ひび割れに強いのが魅力。フッ素塗料と同等の耐候性があるので、耐久性も長いととらえて良いでしょう。

特殊性で選ぶ

お住まいの場所や気候、環境によっては特殊な機能を備えた塗料を必要とする場合もあります。

  • 「ガイナ」日進産業
  • 「アレスダイナミックTOP」関西ペイント

断熱性能のある「ガイナ」は、塗布するだけで断熱効果が得られる塗料です。使用することで夏の冷房、冬の暖房費用を格段に抑えることができるでしょう。暑さ・寒さが厳しい地域の方には特におすすめです。

「アレスダイナミックTOP」は、雨の中でも塗れる塗料です。施工期間に雨の日が続くと、工期が伸びるだけでなく人件費がかさむことがありますが、「アレスダイナミックTOP」はそのような心配は必要ありません。梅雨の時期に重なっても施工ができるため、予定していた施工期間に大きな影響を与えずに済むでしょう。

まとめると…
  • コストで選ぶなら「クリーンマイルドフッソ」や「パーフェクトトップ」
  • 耐久性で選ぶなら「ルミステージ」や「EC-5000PCM」
  • 特殊性で選ぶなら「ガイナ」や「アレスダイナミックTOP」

塗料メーカーを選ぶ際の注意点!

注意点塗料の特徴やおすすめ塗料についてご覧いただいたところで、塗料メーカーを選ぶときの注意点についてもご紹介します。

快適なマイホームにするには、塗料選びは重要です。メーカーのイメージだけで決めるのではなく、次のポイントにも注意してくださいね。

知名度だけで選ぶのはNG

冒頭で大手メーカーの特徴についてご紹介しましたが、「有名だから安心」というだけで大手メーカーを選ぶのはNGです。知名度が高いメーカーや商品であっても、建材や下地に塗料が適していない場合もあります

また塗料を選びはしたもののお住まいには不要な性能がついていた、というケースも珍しくありません。余計な性能がついていることで家全体に負担を与えたり、その分経費が高くなっていることも考えられます。

知名度ではなく、「マイホームに本当に必要な機能はなにか?」を重視して塗料を選ぶようにしましょう。

施工業者も重要

お住まいに適した塗料を選んでも、また優れた性能をもつ塗料であっても、施工する業者の技術が低いと効果が十分に発揮されません

悪徳業者であれば、コストを浮かすために塗装の回数や希釈度などを守らないこともあります。そうすると、本来の耐久年数よりもはるかに短い期間で劣化が始まってしまうこともあるのです。

悪徳業者に引っかからないことはもちろんですが、施工する業者が使用する塗料に慣れているかも大切なチェックポイントです。見積もりなどの際に施工経験を必ず確認するようにしましょう。

悪徳業者の見分け方や注意点について詳しく知りたい方には、こちらの記事もおすすめです。ぜひご一読ください。
外壁塗装の「詐欺」にご注意!悪徳業者の見分け方・驚きの手口とは?

まとめると…
  • 知名度ではなく、家に必要な機能や性能で塗料を選ぶ
  • 使用する塗料を使った経験が豊富な業者に依頼する

塗料は性能重視で選びましょう!

ご覧いただいたように、「塗料」と一口でいってもさまざまな種類があり、メリットも異なります。

素人の私たちはつい安心感から大手メーカーを選びがちですが、それがお住まいに必要な機能や性能がある塗料とは限りません。中小メーカーの中にも優秀な塗料はたくさん存在しますから、その中からマイホームに最適な塗料を見つかる可能性もあるのです。

企業のイメージや先入観だけでなく、できるだけたくさんのメーカーを実際に調べ、お住まいに合った性能をもつ塗料を選ぶようにしましょう。

 

外壁塗料の選び方について気になる方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。

 
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