屋根の「遮熱塗料」その効果とは?価格や効果を徹底比較!

だんだんと夏に近くにつれて急激に暑さが増してくるなか、『屋根の遮熱塗装って効果があるのかな…』そう思ったことありませんか?実は屋根の遮熱塗装はするのとしないのでは、快適に夏を過ごせるかに大きな差ができるんです。

今回は年々と暑くなっていく夏を快適に過ごせるように、屋根の遮熱塗料の効果その塗装工事にかかる費用の違いについて詳しくご紹介していきます。

快適なサマーライフが過ごせるように遮熱塗装について理解を深めましょう!

この記事でわかること
  • 遮熱塗料の特徴と断熱塗料との違い
  • 遮熱塗料のメリットとデメリット
  • 遮熱塗料の選び方と適した屋根材や住宅構造
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熱伝導と熱伝導率とは?

見出し画像(熱伝導と熱伝導率)まず今回ご紹介する「遮熱塗料」と少し似ている「断熱塗料」の違いを理解するために、熱伝導のメカニズムについて知る必要があります。

熱伝導ってなんだか難しそう…』という方もいると思うので、簡単に熱伝導のメカニズムをご説明します。

熱伝導のメカニズムって?

「熱伝導」という言葉だけを聞くと難しく感じますよね。

簡単にいうと「高温から低温へと熱が伝わること」で、この仕組みによって、常に太陽の光があたっている屋根からその熱が内部に伝わってしまい、内部にいる人は暑く感じるのです。

熱伝導率によって温度が変わる?

遮熱塗料 熱伝導率の説明画像

熱伝導はなんとなくイメージがついたでしょうか?

実はもう1つ、「熱伝導率」という言葉が遮熱・断熱塗装をする上でとても重要なので、塗装工事を考えている人はぜひ把握しておいてください。

熱伝導率は「高ければ高いほど熱を伝えやすく、低ければ低いほど熱を伝えない」というものです。

たとえば、『熱伝導率が高い金属スプーンでアイスを食べると、熱がスプーンを通してアイスに伝わりやすく、アイスが食べやすくなります。逆に熱伝導率が低い木のスプーンでアイスを食べると、熱がなかなかアイスに伝わらずにあまり溶けないので、食べづらい。』というのが熱伝導率の具体的な例です。

この現象を住宅に置き換えると、「熱伝導率が高い屋根ではどんどん内部が暑くなり、熱伝導率が低い屋根では内部が暑くなりにくい」ということです。

ポイントは…

勘のいい人はお分かりかもしれませんが、ここでポイントなのは熱伝導率を抑えることができるかどうかです。

従来の塗料は熱伝導率が高いものばかりでしたが、最近は遮熱・断熱塗料など熱伝導率を抑えることができる塗料が登場してきました。

まとめると…
  • 熱伝導:高温から低温に熱が伝わる
  • 熱伝導率:高いと熱を伝えやすく、低いと熱を伝えづらい
  • 塗料は熱伝導率が低いものがオススメ

遮熱・断熱塗料の違いは?

見出し画像(遮熱と断熱 その違いとは?)

どういう原理で屋根から内部に熱が伝わっているのかがわかったところで、次は遮熱塗料に似た断熱塗料の違いについてご説明します。

遮熱塗料の特徴

遮熱塗料の特徴は「熱を反射する」点にあります。

通常の塗料では塗料の塗膜が太陽光を跳ね返すことができず、太陽光のエネルギーが塗膜を通り越して屋根材にまで達してしまいます。それにより室内の温度が上昇してしまうのです。

しかし屋根に遮熱塗料を塗ると、太陽光を効率よく反射させて屋根材や塗料に太陽の熱が吸収されるのを防ぎ、室内の温度の上昇を抑える効果があるのです。

断熱塗料の特徴

断熱塗料の特徴は「熱伝導を抑える」点です。太陽熱による熱伝導を抑えることができ、室内の温度上昇を抑制します。室内の温度上昇を抑えると同時に、室内の熱を外に逃さないので「夏は涼しく、冬は暖かい」お家になります。

まとめると…
  • 遮熱塗料は「熱を反射する」
  • 断熱塗料は「熱伝導を抑える」

遮熱塗料にするメリット

見出し画像(遮熱塗料のメリット)遮熱塗料と断熱塗料の違いはわかりましたか?次は、遮熱塗料にするメリットについてご説明します。

冷房費用の節約

遮熱塗料 冷房
最近の夏は気温がとても高く、冷房をつけてないと暑すぎて熱中症になったり、脱水症状を引き起こします。ですが、冷房を1日中つけていると冷房費用がかさむので、時々消したりして節約しようとすることもしばしばありますよね。

遮熱塗料を使うことで太陽熱を反射し、室温を上げずに済むので、冷房を1日中つけていなくても過ごしやすい室温を保つことができ、冷房費用の節約にもつながります。

体感温度の低下

遮熱塗料には太陽光エネルギーを吸収しない効果があるので、塗料の塗膜に暑さが浸透せず、太陽光の暑さが家に与える影響を抑えることができます。

遮熱塗料を塗ることでだいたい1〜3℃程度の温度低下が期待できます。夏場の1〜3℃の変化はかなり大きな違いですので、遮熱塗装を行えば劇的に涼しくなります。

地球温暖化対策になる

遮熱塗料 森

近年、地球の温暖化が問題になっていますね。二酸化炭素の排出量が地球温暖化の大きな原因として考えられているため、二酸化炭素排出量の対策として、私たちの身近なところでは冷房・暖房の温度を控えめに設定することが推奨されているのはご存知の通りです。

暑い夏に冷房はもはや必需品ですが、遮熱塗料で室温の上昇を抑制することで冷房を節約する効果が期待できます

遮熱塗料が太陽光を跳ね返すことで室内の温度が1〜3℃上昇するのを抑制できれば、冷房の設定温度もそれだけ抑えることができます。それにより節電と、発電に伴う二酸化炭素の排出量を減らすことにつながります

つまり、遮熱塗料が室内の温度上昇を防ぐことで冷房の使用回数や設定温度が抑えられ、間接的に二酸化炭素の削減につながるのです。

ヒートアイランド現象対策になる

「ヒートアイランド現象」というのを聞いたことはありますか?ヒートアイランド現象とは郊外に比べて、都市部の方が気温が高くなる現象のことです。

遮熱塗装は屋根からの熱の発生を抑制するため、ヒートアイランド現象の対策になるといわれています。

補助金や助成金が受け取れる

遮熱塗料 貯金遮熱塗料が環境に良い、エコな塗料だということはお分かりいただけたと思います。

最近の環境保護の流れから、自治体によっては遮熱塗料を使用したリフォームをする際に助成金や補助金を出してくれることもあります。

熱による屋根材へのダメージを抑える

屋根材や外壁材などは熱の作用を受けることで劣化が進み、本来の耐用年数より早く寿命が来ることがあるといわれています。

遮熱塗料は屋根材の温度の上昇を抑制し、熱の作用を軽減することができるので、熱による屋根材へのダメージを防ぎ、劣化の進行を抑えることにもつながります

特に金属製の屋根材であれば、温度差による金属の熱膨張を防ぐこと効果が期待できます。気温の変化や太陽光が当たることで起こる膨張・収縮は、塗膜の割れやひび割れの原因になりますが、遮熱塗料を使うことで塗膜の破損の防止にも役立つでしょう。

まとめると…
  • 冷房費用の節約と温暖化対策ができる
  • 自治体によっては、補助金や助成金が出る
  • 屋根材の劣化の進行を抑える効果が期待できる

遮熱塗料のデメリット

見出し画像(遮熱塗料のデメリット)遮熱塗料にすると、良いことばかりのような気もしますが、残念ながらデメリットもあります。次に、遮熱塗料のデメリットについて見ていきましょう。

価格が高い

遮熱塗料 お金が飛んでいく絵特殊な機能を持つ塗料なため、一般的な塗料に比べて1〜3割ほど価格が高くなりがちです。

耐用年数や遮熱効果と照らし合わせて、お家にあった遮熱塗料にした方が良いでしょう。

冬は寒くなる

断熱塗料と違い、冬場の熱の発生も抑制するので寒くなりやすいです。冬も暖かいお家にしたい場合は日進産業「ガイナ」という遮熱・断熱特殊塗料があるのでそちらを使うのがおすすめです。

誇大広告に注意!

これは「遮熱塗料のデメリット」というテーマからはややそれてしまいますが、「遮熱塗料」と聞いて実力以上の効果を期待してしまうと、思ったよりは効果を実感できないかもしれません。

中には「夏でも冷房がいらなくなる!」なんていううたい文句まで見られますが、すでにお伝えした通り遮熱塗料の効果は1~3℃程度です。

もちろん気温が3℃下がれば体感でも涼しく感じられるのは事実ですが、5度も10度も涼しくなる…というような効果をイメージしている方にとっては「期待外れ」といえるかもしれません。

塗膜が汚れると効果が減退する

遮熱塗料は、塗膜が汚れていると太陽の光を反射しにくくなります。太陽の光を反射できなければ一般的な塗料の塗膜となってしまい、遮熱効果が発揮されなくなってしまうでしょう。

そのため遮熱塗料を選ぶときは、塗料の親水性にも注意が必要です。親水性が高い塗料はセルフクリーニング効果があり、塗膜に汚れが付着しにくい仕組みになっているので、綺麗な塗膜をキープすることができるでしょう。

また遮熱塗料の塗膜も経年劣化しますから、定期的なメンテナンスが重要です。

まとめると…
  • 特殊な塗料なので価格の高いものが多い
  • 冬場の熱の発生まで抑えるので、冬は寒くなる
  • 塗膜が汚れると遮熱効果が発揮されにくくなる

遮熱塗料を選ぶポイントは?

見出し画像(遮熱塗料 選ぶ際のポイントとは?)遮熱塗料を選ぶときに気をつけないといけないことがいくつかあります。今からご紹介するポイントをしっかりと押さえないと、遮熱塗装をしても効果をあまり感じづらくなってしまうので、遮熱。

日射反射率

遮熱塗料 太陽

塗料ごとに「日射反射率」というものが決まっています。では、日射反射率とは何かというと「どれくらい太陽からの光を反射するか」の割合を定めたものを指します。

遮熱塗料の性能を示す最重要基準ですので、ぜひ覚えておいてください。

遮熱塗料の色

もう1つ、日射反射率と同じくらい重要な基準が遮熱塗料の色です。

黒色は白色に比べて、3割以上も反射率が悪いので、あまりおすすめはしません。では白い屋根がいいのかというとそういうわけでもなく、白色に近ければ近いほど屋根についた汚れが目立つので真っ白な塗料もあまりおすすめはできません。

おすすめ塗料について『屋根の「遮熱塗料」おすすめを徹底比較!』でご紹介していますので、ぜひそちらを参考にしてください。

また、以下の記事でも屋根の色について詳しく解説していますのでこちらもぜひチェックしましょう。
屋根塗装の色、人気は何色?【最新版】色選びのポイントを解説!

塗料の価格

遮熱塗料は価格に比例して性能が良いわけではありません。また、屋根材に応じて塗ることができる塗料が限られることもありますので、費用が高いからといって、遮熱性能がとても良いとは一概に言えません。

塗料の耐用年数

遮熱塗料 白い塗料と刷毛遮熱塗料は日々の汚れによって遮熱性能が落ちていきます。そのため高耐久な塗料(例えば、アステックペイント「EC-100PCM」)などは長く効果が発揮されます。

耐用年数は塗料の種類によっても変わりますが、シリコン塗料が6〜12年程度、フッ素塗料が8〜15年程度なので、シリコンかフッ素の遮熱塗料を使うのが無難といえます。

まとめると…
  • 遮熱塗料は色によって反射率が変化する
  • 遮熱塗料は価格=性能ではない
  • 耐用年数で選ぶならシリコンかフッ素の遮熱塗料が無難

遮熱塗料に適した屋根材や住宅構造

見出し画像(遮熱塗料に適した屋根材や住宅構造)屋根材や住宅構造によっては、遮熱塗料と組み合わせることで効果的に遮熱を行ってくれます。続いては、遮熱塗料の使用を特におすすめしたい住宅の構造や屋根の種類についてご紹介します。

トタン/ガルバリウム鋼板の屋根

トタン屋根は熱を伝えやすいぶん、遮熱塗装をしたときに他の屋根材に比べてより効果がハッキリと分かります。

トタン屋根と同様に、ガルバリウム鋼板も金属で出来ているので、効果を感じやすいです。さらに、ガルバリウム鋼板は錆に強く、遮熱性能がトタンよりもあるので、遮熱塗料と合わせることでより快適なお家になります。

ふきぬけがある住宅

遮熱塗料 吹き抜けの家

通常多くの住宅では、屋根からの暑さを和らげるため天井部分に断熱材が設置されています。しかし天井部分がふきぬけになっている住宅は、屋根からの熱がダイレクトに部屋に届いてしまい、室内が暑くなりやすいです。

このようなふきぬけのあるお部屋であれば、屋根の遮熱機能を高めることが得策。遮熱塗料を用いることで効果的に室温を下げることができます。

「遮熱塗料」おすすめを徹底比較!

見出し画像(遮熱塗料 おすすめを徹底比較!)ここまで読んでいただければ、遮熱塗料の魅力は十分伝わったのではないでしょうか?

続いては、「遮熱塗料を本格的に検討したい」という方のために、代表的な遮熱塗料をいくつかご紹介します。ご自宅のニーズや予算に合わせてどんな遮熱塗料がいいか検討してみてください。

アステックペイント「EC-100PCM」

遮熱塗料 アステックペイント「EC-100PCM」

アステックから引用

紫外線が強いオーストラリアで作られた塗料で、遮熱塗料と言ったらコレというほどの王道的存在。純度を高めた「ピュアアクリル」を作り出すことで、シリコン塗料やフッ素塗料を超える長い耐用年数を実現したアクリル塗料です。

価格相場が不明瞭なため、業者によってはかなり高額な費用になる可能性があります。業者に使用してもらう際は一度確認をとってから使用してもらいましょう。

アステックペイント「EC-100PCM」についてはこちら

日進産業「ガイナ」

遮熱塗料 日進産業「ガイナ」

Amazonから引用

日本の宇宙ロケット技術を転用して作られた遮熱・断熱特殊塗料で、最初にご説明した断熱性も持ち合わせているので、遮熱塗料の「冬に寒い」デメリットが無くなり、「夏は涼しく、冬は暖かい」お家にすることが出来ます。

その遮熱・断熱性の高さから価格が高く、2回塗りで3800円/㎡と追加で下塗り費用がかかります。また、色の種類が少ないため、デザインを重視する人には使いづらくなっています。

しかし、耐用年数が15〜20年と長く、一度塗ってしまえば塗り直しの必要はほぼなくなります。加えて、下塗り次第ではほとんどの材料に施工可能で、日射反射率も最高で89.5%と高いため、とてもおすすめです。

日進産業「ガイナ」についてはこちら

日本ペイント「サーモアイSi」

下塗りにも遮熱塗料が使えるため一般的な遮熱塗料よりも遮熱性能が高いとされているシリコン塗料です。さらに、色の種類も41色と多いので色合いを好みで決めることが出来ます。

ただ、価格が3930〜3940円/㎡(3回塗り、下塗り込み)と少し高いため、広く塗装する場合は費用がかさむ可能性があります。さらに耐用年数もあまり長くないので、塗り直しが必要になります。

日射反射率は43〜91%とバラつきがあるので、使用する際は専門業者に確認をしてから、日射反射率の高いものを使うことをおすすめします。

日本ペイント「サーモアイSi」についてはこちら

エスケー化研「クールタイトSi」

遮熱塗料 エスケー化研「クールタイトSi」

Amazonから引用

一般的な遮熱塗料に比べて価格がやや安いシリコン塗料です。

その特徴はやはりそのお手頃さと言えます。その価格は3700〜3750円/㎡(3回塗り、下塗り込み)と他の遮熱塗料より断然安いです。

しかし、その安さゆえに遮熱性能や適用素材の面で十分に満足出来ない可能性があります。さらに、他の遮熱塗料よりも耐用年数が短い(6〜8年)ため何度か塗り直す必要が出てきます。

エスケー化研「クールタイトSi」についてはこちら

塗装以外でお家を涼しくする屋根の工夫

見出し画像(お家を涼しく!塗装以外の屋根の工夫)遮熱塗料は通常の塗料に比べるとどうしても費用がかさむため、「遮熱塗装までは手が出せないけど、夏は快適に過ごしたい…」そう思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで、遮熱塗装以外の方法でお家を涼しくする屋根の工夫についてご紹介します。

薄い色の塗料を選ぶ

塗料の色によって熱が発生しやすくなることを知っていますか?

塗料の色が白に近いほど遮熱性が高い一方で、黒に近いほど熱を発生させやすくなるんです。

金属屋根を使わない

これに関してはイメージしやすいと思いますが、夏場に金属がとても熱くなっているのを触った経験がある人は多いのではないでしょうか?

冒頭のスプーンの例にもありましたが、金属は熱伝導率が高く熱を伝えやすいため、これを屋根に使用すると室内の温度が高くなりやすくなってしまいます。したがって、遮熱性を重視するのであれば金属屋根を使用しないほうが夏場は涼しくなります。

断熱材を増やす

遮熱塗料 作業中の業者
断熱材を増やすと屋根からの熱が室内まで伝わるのに時間がかかるため、天井に断熱材を追加することでさらに涼しく過ごすことが出来ます。

夏場の暑さを遮熱塗料で乗り切ろう!

遮熱塗料のメリット・デメリットからおすすめ塗料までご紹介してきましたが、いかかでしたか?

遮熱塗料を使用しないで快適に過ごす工夫についてご紹介しましたが、やはり「遮熱塗装をしないで涼しく」というのには限界があります。節電をしながら夏場を快適に乗り切れる遮熱塗装を行うことが夏場の快適ライフの近道といえます。

快適に夏を乗り切りたい!という方はぜひ屋根塗装に詳しい専門業者に一度ご相談ください。

屋根塗装の費用相場について気になる方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
「屋根塗装の単価」費用・相場をくわしく解説!【屋根材別・坪別】

 
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