「コロニアル」とは屋根を作る屋根材の一種です。軽くて扱いやすいため、多くの屋根で使用されています。
今回はこの「コロニアル」はどんな性質を持った屋根材なのか、またどんなメリット・デメリットがあるのかなどについてお伝えしていきます。
- コロニアルの特徴やそのメリット・デメリット
- コロニアル屋根のメンテナンス方法やそのタイミング
- コロニアルと他の屋根材との比較
- 代表的なコロニアルの商品名と製造時期
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目次
屋根材「コロニアル」とは?
「コロニアル」は屋根を作るときに使われる屋根材の一種です。
屋根材として比較的普及率の高い建材ですが、どのような特徴があるのでしょうか。
この章では、コロニアルの主な特徴について、お伝えしていきます。
コロニアルとは
つまり一般に「スレート材」と言えば、「コロニアル」のことを指していると思っても良いでしょう。ただし、近年ではガルバリウム鋼板のスレートの方が普及率が高いので、ガルバリウム鋼板を指すこともあります。
コロニアルが普及したのはなぜ?
この商品が屋根材として普及した要因は、価格が安くて軽量であり、デザイン性が高いという特徴を持つことです。
コストを抑えて建物を建てるときに、一番使いやすい屋根材として全国的に普及しました。
スレート瓦やカラーベストとの違い
スレートとは、セメントや繊維質の物質を混ぜて成形した薄型の屋根材全般を指し、スレート瓦もこのスレートとほぼ同じような意味で使われます。コロニアル及びカラーベストはケイミュー株式会社が販売する、スレート材の商品名です。
- コロニアルはケイミュー株式会社の販売するスレート材の商品名
- 安価で軽量かつ豊富なデザイン性で多くの住宅に普及した
- コロニアルもカラーベストもケイミューの商品名
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屋根材コロニアルのメリット
この章ではコロニアルのメリットについて、主なものをお伝えしていきます。
価格が安い
価格の安さはコロニアルのメリットの1つです。屋根材としては特に価格が安く、1平米あたり5,000円から6,000円程度のコストで済みます。
他のスレート材であるガルバリウム鋼板・ジンカリウムなどは、最低価格が6,000円程度です。コロニアルを使えば、コストを抑えて屋根を作ることができます。
耐震性が高い
建物の耐震性を高めたい場合は、コロニアルなどの軽量な屋根材で屋根を作る必要があります。
デザインが豊富
コロニアルは塗装しやすい屋根材なので、デザイン性が高いという特徴もあります。
好きな色に塗装ができるため、自宅のデザインにこだわりたい場合は便利な屋根材です。
施工できる業者が多い
施工の技術も特別高い技術が必要なわけではないので、施工費用も抑えることが可能です。
- コロニアルは安価で軽量、かつデザイン性が高い
- 扱いやすい建材なので施工できる業者が多い
屋根材コロニアルのデメリット
コロニアルには様々なメリットがある一方で、デメリットもあります。
この章では、コロニアルを使うことで発生するデメリットについてお伝えしていきます。
色褪せしやすい
コロニアルは耐久性を保つために、表面に塗装が必要です。紫外線や風雨などによって塗装が劣化してくると、色褪せを起こして屋根の色が変わってしまうこともあります。
早ければ数年程度で色褪せが起こるので、定期的に塗り直しなどのメンテナンスが必要になります。
ヒビが入りやすい
コロニアルにヒビが入っているのを見つけたら、なるべく早く補修する必要があります。
メンテナンス頻度が高い
コロニアルは紫外線や雨風によって塗装が劣化しやすいため、定期的な塗装やメンテナンスが必要になります。
早いと数年程度で劣化が始まるため、少なくとも10年に1度は再塗装やメンテナンスを行うことが大切です。
雨漏りが起きやすい
水がスレートの内部にたまって流れなくなると、屋根材の下の構造材も劣化が進んでしまうので気を付けなくてはいけません。
雨漏りが起き始めたら、かなり傷みが進んでいるので早急に補修やメンテナンス作業を行う必要があります。
- 色褪せしやすいので定期的な塗り直しが必要
- 耐久性が低くひび割れや破損などが起こりやすい
- 定期的にメンテナンスをしないと雨漏りが起こりやすい
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屋根材コロニアルの劣化症状とは?
コロニアルが劣化したらメンテナンスが必要なのですが、ではコロニアルの劣化症状とはどのようなものなのでしょうか?
ここではコロニアルの劣化症状について、主なものをご紹介していきます。
色褪せ
コロニアル表面の塗装が太陽光や風雨によって劣化すると、塗装の色が薄くなる色褪せが起こります。
色が薄くなる、塗装の表面に粉が浮く、などの症状が出てきたら塗装が劣化していると判断してください。
塗膜の剥がれ
塗膜の剥がれを見つけたら、早急に塗り直しなどのメンテナンスを行いましょう。
ひび割れ
コロニアルは薄くて軽いため扱いやすいですが、その分強度が弱くひび割れを起こしやすいという特徴もあります。
コロニアル自体がひび割れを起こすと、屋根の下の構造材の方にも劣化が進みやすくなるため注意が必要です。
ひび割れが起こっているのを見つけたら、すぐに補修することが大切です。
反り
コロニアル自体の劣化が進むと、スレートが反り返ってしまう「反り」という現象が起こります。スレートに反りが起こると、隙間から雨水が入りこみやすくなるので気を付ける必要があります。
反りが起こっているのを見つけたら、耐用年数が近づいている証拠です。葺き替えなどを検討しても良いかもしれません。
- 色褪せや剥がれは塗膜の劣化症状
- 屋根材自体が劣化するとひび割れや反りが起こる
屋根材コロニアルのメンテナンス時期とは?
では、コロニアルのメンテナンスはどんなタイミングで行ったら良いのでしょうか。ここではコロニアルのメンテナンスのタイミングについてお伝えしていきます。
コロニアルのメンテナンス時期
コロニアルのメンテナンスは、塗り直しと葺き替え、重ね葺きが主なメンテナンスとなります。一般的に塗り替えは10年に1度行われ、葺き替えや重ね葺きは20年から30年に1度必要です。
なお重ね葺きは1度行うと次回はできないので、重ね葺きができるのは1回のみとなります。
検査の時期
定期的に必要なメンテナンスや検査を行うことで、スレートの耐用年数を長くすることも可能です。
- 塗り直しは10年に1度、葺き替えや重ね葺きは20年~30年に1度必要
- 5年に1度検査すると効果的なメンテナンスができる
屋根材コロニアルのメンテナンス方法
コロニアル屋根に定期的なメンテナンスを行うことで、長く使用できるようになります。では、コロニアル屋根にはどんなメンテナンスを施したら良いのでしょうか。
ここでは、コロニアル屋根の主なメンテナンスの内容をお伝えしていきます。
塗り替え
塗り替えを行うことで、色褪せを防ぎ見栄えを良くすることができるほか、塗膜を新しく作ることによって、コロニアル自体の劣化速度を遅らせることができます。
コロニアル屋根の塗装法や費用については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
カバー工法
カバー工法とは、既存の屋根の上に新しい屋根をかぶせるように設置する工法のことです。古い屋根を撤去する葺き替え工事と異なり、費用を安く抑えることができます。
30坪の住宅だと、概ね170万円から240万円程度の費用が必要です。ただしカバー工法ができるのは1度だけで、カバー工法をすでに行った屋根にさらにカバー工法を行うことはできません。
葺き替え
30坪程度の住宅の場合は、180万円から260万円ほどが相場です。カバー工法を1度行った屋根を撤去する場合は、通常の撤去よりも手間がかかるのでその分費用が多くなります。
- 塗り替えは10年に1度の頻度で行い、費用は30坪で40万円から70万円
- カバー工法は既存の屋根に新しい屋根をかぶせる工法で、概ね170万円から240万円
- 葺き替え工事は古い屋根を撤去して新しい屋根を作る工法で、180万円から260万円ほどが相場
屋根補修の詳細については次の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてください。
屋根材コロニアルの代表的な商品を紹介
ニューコロニアル
ニューコロニアルは昭和54年に製造された、古いコロニアル商品です。アスベストという、人体に有害な物質を含んでいるため、現在では製造が禁止されています。
古い住宅ではまだ使われている可能性があり、その場合はカバー工法や葺き替え工法などで屋根を新しくする等の対策が必須です。撤去の際にはアスベストを処理する資格を持った業者に依頼する必要があります。
コロニアルNEO
コロニアルNEOは平成13年に製造されたコロニアル商品です。人体に有害なアスベストが問題になったため、アスベストを含んでいない商品として製造販売されました。
ただし耐久性が低いという問題点があったため、現在では製造も販売もされていません。この建材を屋根材として使っている場合は、劣化状態を確認して補修や葺き替え工事などを行うことが望ましいでしょう。
コロニアルクァッド
コロニアルクァッドは2019年現在主流となっているコロニアル製品です。アスベストを含まないためアスベストの危険性がないほか、コロニアルNEOより耐久性を向上させたものになっています。
主力商品として2019年現在も製造、販売されている商品です。
コロニアル遮熱グラッサ
コロニアル遮熱グラッサは遮熱性が高いコロニアルです。遮熱機能を重視する建物への使用に向いています。2019年現在も製造販売されている商品です。
- ニューコロニアルはアスベストを含むコロニアルで現在は製造されていない
- コロニアルNEOはアスベストは含まないが耐久性が低く現在は製造されていない
- コロニアルクァッドは主力の商品で耐久性が高く現在も製造されている
- コロニアル遮熱グラッサは遮熱性が高いコロニアルで現在も製造されている
コロニアルと他の屋根材を徹底比較!
ここでは屋根材として使われている、コロニアル以外の屋根材の特徴やコロニアルとの違いについてお伝えしていきます。
ガルバリウム鋼板との違い
一方で、価格がコロニアルよりも高く、防音性が低いというデメリットもあります。またガルバリウム鋼板は金属を主材料としている関係上色数が少ないというデメリットもあり、デザイン性ではコロニアルの方が高いです。
そのほか金属が主材料なため断熱性が低く、夏などは気温が上がりやすいという特徴もあります。
トタンとの違い
ただし金属板のため防音性が低く、雨音などが響きます。また断熱性が低いため夏暑くて、冬寒いというデメリットも。耐用年数は低く、劣化が早いため、メンテナンスが頻繁に必要です。
コロニアルの方が材料単価は高く軽量さでは負けますが、防音性、遮熱性、耐久性の面で優れている屋根材と言えるでしょう。
瓦との違い
コロニアルは瓦と比較するとメンテナンスの頻度が高くて手間がかかるというデメリットがある一方、軽量で安価かつ断熱性に優れ、デザイン性が高いという点で有利です。
アスファルトシングルとの違い
一方コロニアルはアスファルトシングルよりも安価で、断熱性に優れているというメリットがあります。
- ガルバリウム鋼板は軽量で耐久性が高いがコストが高くデザイン性が低い
- トタンは軽量で安価だが耐久性が低く遮音性や耐熱性も低い
- 瓦は耐久性が高くメンテナンスの頻度も低くて良いが高価でデザイン性が劣る
- アスファルトシングルは軽量かつ安価でデザイン性も高いが、断熱性はコロニアルに劣る
コロニアル以外の屋根材の種類や特徴についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひチェックしてみてください。
屋根材コロニアルとアスベスト
ここではアスベストの概要やその害、アスベストを規制する法律などについてお伝えしていきます。
アスベスト(石綿)とは?
このアスベストが肺に侵入すると、呼吸器を中心に体に深刻な悪影響を及ぼす可能性があり注意が必要です。
かつては、アスベストの危険性が認知されておらず、屋根材などに多く使用されていました。古い住宅や建物では、まだアスベストを含んだ建材が使用されている可能性があります。
撤去や工事の際には、アスベストが周囲に拡散しないよう、専門の資格を持った処理業者に委託しなくてはいけません。
平成24年から全面的に使用禁止
アスベストの危険性が認知された昭和61年からは、アスベストを含んだ建材の製造がほとんど禁止されていました。しかし、法律で完全に禁止されたのは平成24年になってからです。
それまでに製造されていた建材には、微量であってもアスベストを含む可能性があります。古い建物の工事を行う際は、製造年数などを調べてアスベストの安全性を確認した上で、工事を行うことが大切です。
アスベストの健康被害
アスベストを含んだ建材を解体する際には、専門の業者に依頼してアスベストの被害を受けないように気を付けましょう。
- アスベストは人体に有害な物質で古いコロニアルに含まれている可能性がある
- 平成24年からは法律でアスベストを含む建材の製造が禁止されている
- アスベストが人体に入ると、肺の線維化や肺がんなどを引き起こす恐れがある
コロニアルは安価で軽量な扱いやすい屋根材
コロニアルは安価で軽量な上、どの業者も取り扱った経験があるメジャーな屋根材です。どの業者に依頼しても品質の高い工事をしてくれる可能性が高いので、工事を依頼しやすいというメリットがあります。
デザイン性も高く、おしゃれで低価格な建物を作るときに重宝しますが、一方で耐久性が低くメンテナンスの頻度が高いというデメリットも。
コロニアルは気軽に使える屋根材ですが、美しい状態を保って長く使うためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。塗装や補修などをこまめに行い、コロニアル屋根を長持ちさせていきましょう!
屋根塗装の費用について気になる方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
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