50坪の外壁塗装の費用相場は?費用の計算方法や安くするコツを解説

50坪を越える住宅の外壁塗装は、100万円以上の費用がかかるため、施工するかを悩んでいる方もいるでしょう。

そもそも頻繁に行うことがない家のメンテナンス事項で、内容がどうなっているのかわからないという方も少なくありません。

本記事では、のべ50坪の住宅の外壁塗装の相場や内訳、塗料ごとの特徴と費用を抑えるための4つの方法を解説します。

外壁塗装が初めての方へ

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50坪の外壁塗装の費用相場

外壁塗装する場合、施工にかかる費用は以下のとおりです。

坪数 外壁塗装のみの
費用相場
外壁塗装と
屋根塗装の費用相場
40坪 2階:110~150万円
3階:130~170万円
2階:140~190万円
3階:170~210万円
45坪 2階:120~170万円
3階:140~190万円
2階:150~210万円
3階:170~230万円
50坪 2階:140~190万円
3階:160~210万円
2階:170~210万円
3階:200~250万円
55坪 2階:160~210万円
3階:180~230万円
2階:200~250万円
3階:230~280万円
60坪 2階:180~230万円
3階:200~250万円
2階:230~280万円
3階:250~300万円

外壁塗装の費用を決めるポイントはいくつかあり、上記の価格帯の中に納まると思っておいていいでしょう。業者により単価が異なる場合もありますが、以下の点が外壁塗装の費用を決定する要素です。

  • 外壁面積
  • 塗料の種類
  • 住宅の構造

住宅の構造とは、主に2階・3階といった階層構造を指します。足場の関係で、階層が高いほど費用は高額になる傾向にあります。

窓やベランダの有無、外壁とは違う部位の塗装の有無も含めて算出されるため、同じ50坪の住宅でも、外壁塗装費用に差が生まれます。

50坪の場合は2階建てで140~190万円、3階建てで160~210万円です。屋根塗装を同時に行うと、費用は高くなりますが、別々でやるよりもある程度節約できる可能性が高くなります。

塗り替えの時期が重なった時は、同時に施行したほうがお得に済むかもしれません。

【50坪】外壁塗装の費用の計算方法

外壁塗装の費用を算出するには、坪数を延べ床面積に直す必要があります。延べ床面積は、坪数に3.3㎡と係数1.2~1.4を掛けることで算出できます。50坪の場合、延べ床面積は以下のとおりです。なお、係数は1.2を使用しています。

50(坪数)×3.3㎡×1.2=198㎡(延べ床面積)

延べ床面積が分かれば、あとは塗料の単価とその他の工事でかかる費用を足して全体の価格が算出できます。同じく50坪で塗料の単価を2,000円、その他の工程費を40万円とした場合、最終的な費用は以下のとおりです。

198㎡×2,000円+40万円=79.6万円

簡易的な計算であるため、正確な金額と比較すると差があります。ただしこの金額を知っておくと、悪徳業者などに騙される可能性が低くなるでしょう。外壁塗装を検討しているのであれば、覚えておいて損はありません。

【50坪】外壁塗装の工事の費用目安

前章で計算式に使用した「その他工程」にかかる費用は、足場や飛散防止ネットなど、さまざまな項目で決定されます。

塗装料金単体と同じく単価に違いがあるため算出しにくいものの、相場を知っておくことで提示される費用に対して抵抗がなくなるでしょう。

以下で外壁塗装の場合のみと、屋根塗装も同時に行う場合の2通りを解説します。

外壁塗装のみ

外壁塗装のみを行う場合、以下の項目が費用として必要になります。

項目 単価 50坪の
費用目安
足場代
(一式)
700~1,000
円/㎡
15~20万円
飛散防止ネット
(一式)
200~300
円/㎡
5~6.5万円
高圧洗浄 100~300
円/㎡
3~5万円
【付帯塗装工事】
軒天 800~1,200
円/㎡
雨樋 800~1,200
円/㎡
破風板 650~1,200
円/㎡
雨戸 2,000~5,000
円/枚
シーリング
打ち替え
900~1,500
円/㎡
シーリング
増し打ち
500~1,000
円/㎡
【諸経費】
現場管理費 3~5万円
廃材処理費等 10~15万円

上記の費用目安は、あくまでも目安であるため業者によって前後する可能性があります。参考数値として見ていただき、業者から見積もりをもらった際の基準にしてください。

足場代

足場代は700~1,000円/㎡を基準としており、計算の際には延べ床面積の算出で使用した係数を1.3にします。外壁から50~60cm離さなければならないという法律に基づくもので、外壁面積とは異なる数値を使用する点に注意が必要です。

飛散防止ネット

塗料の飛散を防止する飛散防止ネットは、単価が200~300円/㎡となっています。足場の外側に設置するため計算式は単価を除いて、足場の費用を求めるときと同じです。

高圧洗浄

塗料を塗る前に行う清掃作業には、水を用いた高圧洗浄が採用されます。単価は100~300円/㎡で、外壁面積によって価格が変動します。なお、水道代は施行を依頼した側の負担です。

付帯塗装工事

外壁以外の塗装に必要な費用を付帯塗装工事と言います。住宅の構造によりますが、この項目についてはかなり差が生じます。

諸経費

現場管理費や廃材処理費、交通費などをまとめたものが諸経費です。付帯塗装工事費同様、住宅の状況によって異なります。見積書を確認し、諸経費の内訳を確認しましょう。各項目の詳しい内容に関しては、以下の記事を参考にしてください。

外壁塗装の工程を詳しく解説!日数はどのくらいかかる?

外壁塗装と屋根塗装

外壁塗装と屋根塗装を抱き合わせる場合、上記の費用に加えて次の項目で費用が追加されます。

項目 単価 50坪の費用目安
タスペーサー 300~900
円/㎡
6~18万円
下地補修 600~1,200
円/㎡
12~24万円
屋根塗装 塗料の種類
による
塗料の種類
による

追加費用にあたりますが、両方同時に行うと足場代を追加で支払う必要がなくなります。額面は大きくなりますが、別々で施工するより安くなるため同時施工をおすすめします。

タスペーサー

屋根と屋根の間に挟み込む板のことで、雨漏りを防ぐ効果があります。屋根の形状によっては使用できないこともあり、その場合は縁切りと呼ばれる工法に変更されます。

下地補修

クラック(ひび割れ)などを補修する工事のことです。屋根塗装を行う上では重要な項目で、見栄えだけではなく屋根の機能を回復させます。

屋根塗装

屋根の塗装にかかる費用で、計算方法は外壁塗装と同じです。外壁と屋根では使用する塗料が異なるため、金額が大幅に異なる可能性があります。屋根塗装の各工程の詳しい内容は、下記の記事で解説しています。

屋根塗装にかかる日数は?工程・手順を詳しく解説!

【塗料別】50坪の外壁塗装の費用目安

外壁塗装の費用を決める重要な要素が塗料です。性能や耐久性に違いがあり、どの塗料を選ぶかは依頼主側で選択できます。以下に、塗料ごとの単価や50坪の外壁塗装費用目安をまとめました。

塗料 耐用年数 単価(㎡) 50坪の外壁塗装の費用
アクリル塗料 3~5年 2,000~3,000円 2階建て:約80~100万円
3階建て:約90~110万円
ウレタン塗料 5~7年 2,000~3,000円 2階建て:約80~100万円
3階建て:約90~110万円
シリコン塗料 7~10年 2,500~3,500円 2階建て:約90~110万円
3階建て:約100~120万円
ラジカル塗料 8~15年 2,500~4,000円 2階建て:約90~120万円
3階建て:約100~130万円
フッ素塗料 15~20年 3,800~4,800円 2階建て:約120~140万円
3階建て:約130~160万円
光触媒塗料 15~20年 4,200~5,500円 2階建て:約120~150万円
3階建て:約130~170万円
無機塗料 20~25年 4,500~6,000円 2階建て:約130~160万円
3階建て:約140~180万円
アクリル100%塗料 20~30年 4,500~6,000円 2階建て:約130~160万円
3階建て:約140~180万円
ハイブリッド塗料 20~30年 4,500~6,000円 2階建て:約130~160万円
3階建て:約140~180万円

アクリル塗料

合成樹脂を主成分としているアクリル塗料は発色がよく、価格が安いため昔は外壁塗装によく使用されていました。しかし、耐久性が低いことや性能がいい塗料が出現したことで、現在では使用されることはほとんどありません。

一時的に必要な費用は抑えられますが、耐久性の低さから塗り替えサイクルが早いためコストパフォーマンスはよくないというデメリットがあります。

塗料の単価(㎡) 2,000~3,000円
耐用年数 3~5年
メリット 安価で発色が良い
デザイン性に優れる
デメリット 耐久性が低い
頻繁なメンテナンスが必要
塗装費用
の相場
2階建て:約80~100万円
3階建て:約90~110万円

ウレタン塗料

ウレタン塗料もアクリル塗料と同じく、あまり需要が高くないのが現状です。耐久性はアクリル塗料よりも高いものの長くはなく、変色しやすいためこまめなメンテナンスは必須です。

密着度は高いものの、こちらも積極的に検討する塗料とは言いにくいでしょう。

塗料の単価(㎡) 2,000~3,000円
耐用年数 5~7年
メリット 光沢感がある
高密着
デメリット 汚れやすい
紫外線に弱く、変色しやすい
塗装費用
の相場
2階建て:約80~100万円
3階建て:約90~110万円

シリコン塗料

製品の選択肢が多く、さまざまなメーカーのものを選択できるのがシリコン塗料の強みです。外壁塗装ではスタンダードな存在であり、耐久性も長い部類に入ります。

経年劣化でひびが入りやすいものの、10年に1回の塗装ができるのであれば検討する余地ありです。

塗料の単価(㎡) 2,500~3,500円
耐用年数 7~10年
メリット 製品数が多く選択肢が多い
メーカー、業者に独自のノウハウがある
デメリット 経年劣化でひび割れしやすい
重ね塗りが難しい
塗装費用
の相場
2階建て:約90~110万円
3階建て:約100~120万円

ラジカル塗料

ラジカル制御の効果を持つ塗料で、下地に使えるほどの耐性を持ち合わせています。ただし耐用年数はメーカーの試算であり、実績が少ないのが現状です。

販売開始から年数が経過していないため、今後の動向次第では塗料のスタンダードになる可能性もあるでしょう。

塗料の単価(㎡) 2,500~4,000円
耐用年数 8~15年
メリット 光沢の有無を選択できる
幅広い下地に使える
デメリット 濃い色の選択ができない
耐用年数があいまい
塗装費用
の相場
2階建て:約90~120万円
3階建て:約100~130万円

フッ素塗装

フライパンの加工に使用されるフッ素を配合した塗料です。フライパンのイメージ通り汚れにめっぽう強く、耐候性が高いという特性があります。耐用年数も15~20年と長いものの、効果が高い反面単価が高いという問題があります。

塗料の単価(㎡) 3,800~4,800円
耐用年数 15~20年
メリット 耐候性がとても高く劣化しづらい
光沢が長持ち
汚れをはじく
デメリット 比較的高額
次回の塗り替えが難しい
塗装費用
の相場
2階建て:約120~140万円
3階建て:約130~160万円

光触媒塗料

光触媒は汚れに強い性能をもち、セルフクリーニング機能を持っていることから管理の手間が少ないのが特徴です。カビや藻にも強いものの、価格が高額なのがデメリットです。

また、扱いが難しいため、業者によっては取り扱っていない可能性もあります。

塗料の単価(㎡) 4,200~5,500円
耐用年数 15~20年
メリット 汚れに極めて強い
カビや藻にも強い
セルフクリーニング機能
デメリット 比較的高価
取り扱い・塗装には高度な技術がいる
塗装費用
の相場
2階建て:約120~150万円
3階建て:約130~170万円

無機塗装

一般的な塗料が有機塗料と呼ばれるのに対し、これらのものを取り除いたのが無機塗料です。柔軟性に乏しく取り扱いも難しいという特徴があるものの、耐用性は非常に高く、不燃性であることから選択されることも多いようです。

塗料の単価(㎡) 4,500~6,000円
耐用年数 20~25年
メリット 耐用性抜群
耐汚染性が光触媒に匹敵
不燃性
デメリット 柔軟性が無くひび割れしやすい
取り扱い・塗装には技術が必要
塗装費用
の相場
2階建て:約130~160万円
3階建て:約140~180万円

アクリル100%塗料

オーストラリアで製造されている高耐久性を売りにしている塗料です。ひび割れへの追従性が高く耐久性が高いものの、耐用年数の基準が本国オーストラリアでの結果であるため、日本での耐久性には疑問が残ります。

塗料の単価(㎡) 4,500~6,000円
耐用年数 20~30年
メリット ひび割れへの追従性が高い
耐久性が高い
デメリット 輸入品のため日本の気候に向いているか疑問が残る
塗装費用
の相場
2階建て:約130~160万円
3階建て:約140~180万円

ハイブリッド塗料

有機塗料と無機塗料を混ぜ合わせた塗料がハイブリッド塗料です。配合量が製造元によって異なりますが、有機塗料と無機塗料のいいところをあわせもっている点が高く評価されているようです。

価格が高いため、予算に余裕があれば選択するといいでしょう。

塗料の単価(㎡) 4,500~6,000円
耐用年数 20~30年
メリット 有機塗料より耐用年数が長い
無機塗料には無い柔軟性がある
デメリット 施工経験のある業者が少ない
配合が製造元によって異なる
塗装費用
の相場
2階建て:約130~160万円
3階建て:約140~180万円

50坪の外壁塗装の費用を安くする方法

50坪の外壁塗装は基本的に100万円を越えてしまうため、少しでも費用を抑えたいという人もいるでしょう。以下に少しでも費用を抑えられる方法をまとめました。ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

  • 相見積もりをとって比較する
  • 自治体の助成金を利用する
  • 火災保険を利用する
  • リフォームローンを利用する

相見積もりをとって比較する

オーソドックスな方法として相見積もりを取る方法があります。1件ずつ問い合わせることもできますが、一括見積もりサイトを利用する方法でも問題ありません。

複数の会社に見積もりをもらっていることが分かると、値下げ交渉に応じてくれる可能性もあります。

また、適正価格を知るためにも相見積もりを取ることをおすすめします。価格に正解はありませんが、少しでも適正な価格を知るためにも重要なポイントです。

電話対応など面倒な対応をする場合もありますが、費用を抑えるためにも重要な方法です。

自治体の助成金を利用する

自治体が募集してる助成金や補助金を使用する方法があります。定員が決まっていたり、予算が設けられたりしますが、利用することでいくらかの補助を受けられるでしょう。

助成金を利用するには、必ず以下の条件をクリアしておく必要があります。

  • 申請先の地域に居住していること
  • 施工する住宅の所有者または居住者であること
  • 申請先の地域で営業を行う業者に工事を依頼すること
  • 税金の未納・滞納がないこと
  • 過去に同じ助成を受けていないこと
  • 工事を開始する前に申請すること

上記に加え、使用する塗料に制限がかかっている可能性があります。また、自治体によっては助成金制度を設けていない場合もあるため、お住まいの自治体のホームページで確認しておきましょう。

火災保険を利用する

火災保険を利用するには、以下の項目をクリアしておく必要があります。

  • 地震や台風などの自然災害、火事といった問題で被害を受けていること
  • 火災保険が設けている免責を越えていること

火災保険が下りる額は決まっていますが、免責額以上を保険でカバーできるのは魅力です。ただし、この方法は悪徳業者が営業先で使用する常套句でもあります。こちらが質問していないのに火災保険を促される場合は注意しましょう。

リフォームローンを利用する

リフォームローンとは、文字どおりリフォームをするために金融機関が用意している金融商品です。年収などによって融資されるか決まります。取り扱っている金融機関によって融資年数や融資基準、金利が異なる点に注意が必要です。

まとめ

50坪の外壁塗装は費用が高額で、決断を渋っている人もいると思います。費用を抑える方法を駆使して、少しでも負担を減らすようにするといいでしょう。

外壁塗装は家を守るために必要な工事です。定期的なメンテナンスをしていなければ痛みが表面化する可能性もあるため、施工の時期になれば前向きに検討するようにしましょう。

 
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