この記事では、そんな雨漏りについて原因から対策や補修工事、費用相場までを徹底的にまとめました。既にお悩みの方はもちろん、不安に思われている方は是非ご一読ください!
目次
突然の雨漏りの原因は?
見慣れた天井や壁に染みができていたら、驚きますよね? 事前に雨漏りのサインがあればいいですが、なかなか気付けないものです。雨漏りはいったい、何が原因で起こるのでしょうか?
この章では、雨漏りの原因についてまとめました。
屋根材の破損
雨漏りと聞いてまず疑うのが屋根の破損ではないでしょうか?
家全体を覆う屋根が破損すれば、雨漏りするのは当然。突風で屋根の一部が剥がれたり欠けたりしていたら要注意です。
防水劣化
屋根や壁の中にある防水シートの劣化に伴って雨漏りが発生することがあります。屋根や外壁も雨を防いでくれますが、完璧ではありません。
家屋内部への水の浸入を防ぐシートが破れたり、剥がれていれば雨漏りが起こる可能性が高くなります。
塗装の劣化
屋根や壁にはほとんどの場合、塗装で防水処理が施されています。塗料の塗膜が劣化してしまうと、防水の効力が弱まってしまい、雨水の浸入を許すことに。
雨どいの詰まり
雨どいは、屋根に降り注いだ雨水を安全に排水溝や地面へと誘導するためのものです。それが詰まってしまうと本来雨水が通るはずではないところに水が浸入し、雨漏りの原因になることも。
サッシやパッキンの劣化
サッシは窓枠、パッキンは窓枠と壁の隙間を埋めているゴムなどのことです。ここが劣化すると窓のまわりから雨漏りするようになってしまいます。
屋根上に取り付けたものの施工不良
近年よくある事例ですが、屋根の上に何があるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。太陽光発電や太陽光温水器を設置する際の施工ミスが原因で雨漏りすることもあるんです。
2階ベランダ、屋上
屋根同様に、1階部分や屋内の上にある部分になるため、これらも雨漏りの原因となります。屋根ばかりに目が行きがちですが、補修工事や再塗装の際には忘れないでおきたい箇所になります。
- 屋根周りの劣化はもちろん、ソーラーパネルなどの施工不良も雨漏りの原因に
- 雨どいやサッシ、ベランダなど、雨漏りの発生源は屋根だけとは限らない
雨漏り修理をしたのに直らない…その原因は?
雨漏りを見つけたからすぐに業者に頼んで修理してもらった、自身で天気の良い日に補修した…けれども直らない! 実はよくあることなんです。こんな経験をされた方、また今から修繕を検討されている方は、何故こうなるのか? を知っていれば防げる可能性が高くなります!
原因と思っていた箇所が本当の原因ではなかった
「雨漏り」と聞くと「屋根に何かしらの問題が…」と考える方は少なくないと思います。ですが先に述べた通り、実は屋根以外にも原因があることも少なくありません。実は「たかが雨漏り」と思っても原因を見極めるのは、難易度が高く技術と経験が求められます。
修理業者の施工不良
雨漏りの修繕が適切に行われておらず、数週間~数ヶ月で同じ箇所から再び雨漏りを起こしてしまうような時は、施工不良が考えられます。アフターサービスまできちんと保証してくれる業者に頼まないと、たとえ施工不良が原因でも再度修理費用が発生してしまいます。
修理が原因でさらに雨漏りが悪化することも…
嘘みたいな本当の話です。前述した通り、雨漏りの原因を見極めるのは難易度が高く、対処に技術が求められます。症状に合った修理が施されていない、複数の原因に対して全てに対処しきれていないといった理由から、雨漏りが悪化してしまうことがあります。
- 雨漏り修理は難易度が高い
- 施工不良でも保証がない業者もある
- 雨漏りの原因はひとつとは限らない
雨漏りが起きたらまず確認すべきこと
雨漏りが起きてしまったら、まず何をすべきでしょうか? すぐに業者に連絡したとしても、警備会社のように即座に駆けつけてくれるわけではありません。業者が来るまでにできることをやっておきましょう。
雨漏りの発生条件を確認する
まずは、どんなときに雨漏りが起きているのかを確認しておきましょう。
原因ではなく、発生条件というのがポイントです。以下のような点をおさえておきましょう。
- いつから(今日であれば今日の日付を控えておきましょう)
- 天候(雨が降ると起きる、天気は関係ない、雨風どちらも強いと起きる、等)
- どこ(1階の天井から、天井と壁の間から、窓から、等)
- 程度(水滴が垂れてくる、染みが出来ている、水が滲み出てくる、等)
雨漏りの理由として思い当たるものがないか考える
どうして雨漏りが起きてしまったのか、心当たりがあればそれも大事な情報のひとつです。例えば、台風が来たタイミングで、などはわかりやすいですね。他にも家を外から確認して、屋根や外壁に異変が起きていないか、わかる範囲で把握しておくと良いでしょう。
雨漏りではないことも…
水滴が垂れてきたり、染みが出来たからと言って、必ずしも雨漏りではない場合があります。何かというと結露や漏水です。これらが原因の場合は、雨漏りではなくても雨漏りに似た症状が起こる可能性が高くなります。
- 雨漏りの発生条件と状況を事前に整理しておく
- 雨漏りのような症状が起きても、絶対に雨漏りとは断言できない
雨漏りが発生したときの応急処置
続いて、現在雨漏り発生中の方々に向けての応急処置、対処方法になります。「今、何をすればいいの?」と急を要している方は、以下必読です!
ブルーシートなどをかぶせる
よくテレビなどでも見かける光景ではないでしょうか。屋根からの雨漏りであれば、古典的ですが非常に効果的です。
注意点として、素人が屋根に登るのは大変危険なため、屋根に上がることはできるだけ避けること、ブルーシートが飛んでいかないようにしっかりと固定しておくことが求められます。
バケツ・新聞紙・雑巾
水滴が垂れてきているのであれば、二次被害を防ぐためにも水滴を受けるバケツ等を置きましょう。窓や壁の四隅から滲み出てくるような場合は、雑巾や新聞紙等で広がらないように抑えておきましょう。
防水テープを貼る
穴が開いている、ひび割れている等、原因も箇所もハッキリしている場合はこちらも効果的です。貼り付ける際は、貼り付け箇所を綺麗に拭き取ってからでないと、テープの粘着力が落ちてしまうため注意しましょう。
コーキング材を打つ
コーキングの剥がれやひび割れが原因だとわかっている場合の対処方法です。コーキングする場合は、古いコーキングを綺麗に除去してから打つようにしましょう。
また、必要以上にコーキングしてしまうと水の通り道を塞いでしまい、別の箇所から雨漏りしてしまう危険性があるため要注意です。
要注意!! やってはいけない応急処置!!
壁や屋根などに釘を打つことは避けましょう。釘穴からさらに水が入ってくることになったり、家そのものを傷める原因となります。
応急処置のために台風などの最中に屋根に上がったり、外に出たりするのは危険ですので絶対に避けましょう。また、どれもあくまで応急処置であることには変わりありません。なるべく早く信頼できる業者に見てもらい、適切な修繕をしてもらうのがベストです。
- 応急処置は、あくまでその場を凌ぐためのもの
- 悪天候の中での無理な応急処置は禁物
- 応急処置のままにせず、最終的には業者に依頼しよう
雨漏りの修理・調査方法
具体的な雨漏りの修理ですが、修理する前にきちんと原因調査を行います。その調査方法と調査自体の費用相場についてまとめました。
調査①目視調査
実際に目で見て行う調査です。ただ見るだけ、と思われるかもしれませんが、屋根の上に上がって欠けや割れなどの破損状況を確認したりと、数分で終わるような調査ではありません。またプロでなければ気付かない点を見つけてくれるので、侮れない調査です。
目視調査だけなら無料でやってくれる業者も多いですが、原因確定の決め手に欠けることが多いため、基本的には他の調査方法と一緒に行うことが一般的です。
調査②散水調査
読んで字の如く、散水とは屋根の上に水を撒くこと。ホースなどで雨漏りの原因と疑われる場所に水を撒き、雨漏りの程度を調べます。水道は各家庭のものを使うため、水道代は依頼者負担となることがほとんどです。
その費用相場は3万円~35万円とかなりばらつきがありますが、費用の幅は雨漏りを疑う箇所の数や場所に影響します。
調査③発光液調査
正式には「紫外線投射発光調査」といいます。一般社団法人全日本雨漏調査協会が特許を取得した、比較的新しい調査方法です。紫外線に反応する特殊な液体を雨漏りが疑われる場所に流して調査します。
使用する特殊な液体は建材や家、環境に無害な成分のため、安心して使用することができるでしょう。晴天時でも使える方法として注目されています。
調査④赤外線サーモグラフィ調査
サーモグラフィとは、熱の分布を解析する装置のことです。赤外線を使用して、家屋の温度を解析します。これによって、周囲と比べて温度が低くなっている箇所は雨漏りの影響を受けている箇所、と言うことができます。
家の外観や人が入れる場所以外の雨漏りを見つけることができる方法ですが、その費用相場は18万円~50万円と他と比べて費用が高いため、安易にやりづらい調査です。
調査⑤解体調査
外壁や屋根の一部を剥がし、家屋内部を調べる方法です。雨漏りによる浸水の程度や、内部の腐食の度合いを確認します。
表面だけではわからない内部の傷み具合などを確認するもので、解体調査であれば無料で行ってくれるという業者も。シロアリやカビなど、表面には出ていない症状が見つかることもあります。
調査⑥ガス調査
雨漏りの症状が発生している箇所からガスを注入し、経路を辿り、原因を探る調査です。香料調査という、臭い付きのガスを用いる方法もあります。
マンションなどのRC構造に適した調査方法で、一般家屋で行われることはあまりありません。
ここまでの調査方法について、その費用を一覧にまとめました。
調査方法 | 調査費用 |
目視調査 | 無料~¥30,000程度 |
散水調査 | ¥30,000~¥350,000 |
発光液調査 | ¥50,000~¥250,000 |
赤外線サーモグラフィ調査 | ¥180,000~¥500,000 |
解体調査 | 無料~¥100,000 |
ガス調査 | ¥100,000~ |
調査⑦新しい調査
最近では、屋根の上を調べるためにドローンを飛ばす業者もいるそうです。高所作業が無い分、安全そうですが、ドローンは各地域の条例で飛行制限があります。また職人が直接目視をするわけではないため、正確性がどこまで求められるかは未知数です。
ただ見るだけ、と思ったら、意外にも色々な調査方法があります。「これだけあると、どれをやってもらったら…」と悩まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
絶対にやってもらうべきは散水調査です。これは調査時と修理完了後の2回やってもらいましょう!
また調査によっては、調査箇所が増えれば増えるほど費用がかかります。疑わしい場所全て調べてしまいたいところですが、そうすると費用がいくらかかるかは事前に確認しておきましょう。調査でも、調査費用と報告書作成費用、見積書作成費用と別途請求される場合がありますので、注意が必要です。
- 雨漏りの調査方法は主に6つ
- 調査方法によって費用は様々
- 散水調査は必ずしてもらう
- 調査・報告・見積もりはそれぞれ別料金かも
もちろんチェックは完全無料&匿名。
いくつかのチェック項目を入力するだけで、塗装にかかる適正価格が簡単にわかりますので、ぜひお気軽にチェックしてみてくださいね!
雨漏り修理にかかる費用相場・工期は?
実際に修理にかかる費用がどれくらいなのかが一番気になるところですよね。また修理にどれくらいの期間が必要なのか、その際に気を付けることは? と疑問は後を絶たないでしょう。
次の修理箇所それぞれの費用相場、工期について、順に確認していきましょう。
- 屋根
- 外壁
- 窓
- その他
雨漏り修理の費用①屋根の補修
雨漏りで最も原因を疑われる屋根の補修について、部分的な補修と全体的な補修でそれぞれまとめました!
部分的な補修①コーキング補修
屋根や屋根の付帯物を固定するために施されているコーキングは、経年劣化の影響を受けるため定期的な補修が必要です。また、コーキングを増し打ちするのか、打ち換えするのかで費用が異なってきます。
工期:数時間程度
部分的な補修②漆喰の補修
瓦屋根等は前述のコーキングではなく、漆喰が用いられています。漆喰も経年劣化で補修が必要となります。
工期:1日~3日程度
漆喰の補修は熟練の技術を持った職人が必要となります。瓦屋根については「かわらぶき技能士」という国家資格もあり、誰にでもできることではない点をおさえておきましょう。
部分的な補修③棟板金の交換
棟板金とは、屋根の一番高い部分、三角屋根であれば尖っている部分に取り付けられている部材を指します。この部分にひびや破損があると、隙間から水が浸入することになります。
工期:半日~1日程度
交換が必要となる棟板金の大きさや形によって、費用が異なります。家屋によって棟板金の長さが異なるためです。
部分的な補修④谷樋の交換・撤去
谷樋(たにとい)とは、屋根と屋根がぶつかり、谷となる部分のことを指します。谷樋は屋根の排水で要となる部分で、「谷板金」と呼ばれることも。屋根からの雨漏りの原因第1位という調査結果もある、大事な箇所です。
工期:1日~2日程度
谷樋は経年劣化により穴が開いたり、変形したり、釘が浮いたりしてしまいます。そのため、破損した場合は交換が基本。ただ、谷樋が原因で屋根材にまで腐食が進んでいるような場合は谷樋の修理だけに収まらないため、費用がさらに高額になります。
部分的な補修⑤瓦のずれの修理・交換
屋根瓦自体は耐久性が高い素材ですが、それでも台風や暴風雨が原因で破損してしまうことも。このような場合は、瓦自体を修理・交換することになります。
工期:1日程度
施工自体はパテや防水テープで修繕したり、割れている場合はその瓦ごと交換することになります。「それくらいなら自力で」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、踏む場所に気を付けないと新たな破損個所を生む原因になってしまうので注意が必要です。
屋根の部分的な補修についてまとめると以下の通り。
補修方法 | 費用 | 工期 |
コーキング補修 | ¥50,000~¥500,000 | 数時間程度 |
漆喰の補修 | ¥180,000~¥450,000 | 1日~3日程度 |
棟板金の交換 | ¥30,000~¥200,000 | 半日~1日程度 |
谷樋の交換・撤去 | ¥30,000~¥800,000 | 1日~2日程度 |
瓦のずれの修理・交換 | ¥10,000~¥50,000 | 1日程度 |
全体的な補修①カバー(重ね葺き)工法
調査の結果、部分的な補修では追い付かない場合、全体的な補修を行ないます。そのひとつがカバー工法です。既存屋根の上からルーフィングを施工し、新しい屋根を取り付けます。
工期:7日~10日程度
全体補修というよりは、リフォームと考えていただいて問題ありません。ただカバー工法が施工できない場合もありますので、そこは業者に確認が必要です。
全体的な補修②葺き替え工法
リフォームと同じになりますが、屋根そのものを全て取り換えてしまう工法です。下地材などに深刻な傷みがあった場合、補修では追い付かず、屋根そのものを交換してしまいます。
工期:1週間~2週間程度
屋根全体の交換となるため、屋根の大きさや素材、形状によって費用差が大きくなります。また既存屋根の撤去費用も必要です。
全体的な補修③屋根塗装
屋根材の防水塗装が経年劣化により機能が衰えてしまった場合、再塗装が必要となります。ただ、塗装の剥がれが雨漏りの直接的な要因となっていることは少ないようです。
工期:2週間程度
雨漏りは破損やひび割れが主要因のことが多いため、塗装だけで雨漏りが解消すると考えない方がいいでしょう。屋根の大きさや塗料の種類によってかなり価格差が出るため、見積もりが必須です。
屋根の全体補修に必要な費用・工期についても一覧表にまとめました。
補修方法 | 費用 | 工期 |
カバー(重ね葺き)工法 | ¥700,000~¥1,500,000 | 7日~10日程度 |
葺き替え工法 | ¥800,000~¥2,500,000 | 1週間~2週間程度 |
屋根塗装 | ¥400,000~¥800,000 | 2週間程度 |
屋根塗装の費用を詳しく知りたい方には以下の記事もおすすめです!
雨漏り修理の費用②外壁の補修
屋根に問題が無い場合、外壁からの浸水が考えられます。
この章では、部分的な補修と全体的な補修についてまとめました。
部分的な補修①コーキング補修
コーキングや外壁のひび割れに対して、コーキングを増し打ちする補修です。外壁からの雨漏りで一番軽度な場合となります。
工期:数時間程度
コーキングもひび割れも軽度な場合にのみ、可能となります。ひび割れが大きい、深い場合にはこの限りではありません。
部分的な補修②コーキング打ち替え
既存のコーキングを取り除き、コーキングを打ち替える場合です。コーキングも経年劣化で傷みや剥がれが出てくるため、定期的な打ち替えが必要となります。
工期:半日~1日程度
雨漏りの原因となっている箇所によっては足場が必要となるため、その際は費用が高額となります。
部分的な補修③外壁塗装
雨漏りの要因が外壁にある場合、外壁の再塗装で雨漏りが解消できる場合があります。調査結果から業者と相談してみてください。
工期:2週間程度
築年数が浅い物件でなければ、外壁塗装は全体に施すのがおすすめ。塗装も経年劣化するため、一面だけ塗装しても、塗装しなかった面にもいずれは再塗装が必要となります。
外壁の部分的な補修について、費用や工期をまとめると以下の通りです。
補修方法 | 費用 | 工期 |
コーキング補修 | ¥50,000~¥100,000 | 数時間程度 |
コーキング打ち替え | ¥100,000~¥500,000 | 半日~1日程度 |
外壁塗装 | ¥600,000~¥1,600,000 | 2週間程度 |
全体的な補修①カバー(重ね張り)工法
屋根同様に、外壁にもカバー工法が施工できます。カバー工法は既存の外壁の上から下地材を取り付け、新しい外壁を施工する方法です。
工期:10日~20日程度
全体的な補修②張り替え工法
外壁の傷みが酷く、下地材から全て交換した方が良い場合は張り替えになります。その際は、カバー工法にはない既存外壁の撤去・処分費用などが必要です。
工期:2週間~1ヶ月程度
張り替えであれば部分的な施工も可能ですが、既存外壁との耐用年数に差が出るため、経年劣化によるリフォームを検討中であれば、全面張り替えしてしまった方がお得かもしれません。
補修方法 | 費用 | 工期 |
カバー(重ね張り)工法 | ¥1,300,000~¥2,500,000 | 10日~20日程度 |
張り替え工法 | ¥1,200,000~¥3,000,000 | 2週間~1ヶ月程度 |
雨漏り修理の費用③窓の補修
窓からの浸水はわかりやすいかもしれません。窓と天窓(トップライト)について、こちらも症状に応じて、補修か交換かなどについてまとめました。
窓・窓枠(サッシ枠)の補修
経年劣化により窓枠と外壁の間のコーキングが傷んだり、窓枠が変形してしまうと補修が必要になります。
工期:数時間程度
窓枠の交換も可能ですが、経年劣化による補修であれば他の窓も同様に劣化が進んでいる可能性が高いため、ひとつだけではなく全てを交換してしまった方がよいかもしれません。
天窓(トップライト)周囲の清掃
ほとんどの建物で手が届かないところにあるため、日々のメンテナンスができないのが天窓(トップライト)。外側の屋根と天窓の隙間にゴミが溜まってしまい、雨漏りの原因になることも。
工期:数時間程度
天窓だけの清掃で済む場合と、天窓の周りの屋根材の補修・交換が必要になる場合があります。屋根材にも手を加える場合は、費用が倍以上になるため注意しましょう。
天窓(トップライト)の撤去・交換
耐久年数を超えてしまった天窓(トップライト)を交換・撤去することも可能です。雨漏りをきっかけに撤去して塞いでしまう方も多いそうです。
工期:1日~4日程度
メーカーが無くなり、交換ができなくて塞いでしまう方もいるようです。また交換・撤去共に周囲の屋根材を一度外す必要があります。天窓の撤去であれば塞ぐ屋根材も必要です。
補修方法 | 費用 | 工期 |
窓・窓枠(サッシ枠)の補修 | ¥30,000~¥250,000 | 数時間程度 |
天窓(トップライト)周囲の清掃 | ¥30,000~¥40,000 | 数時間程度 |
天窓(トップライト)の撤去・交換 | ¥200,000~¥900,000 | 1日~4日程度 |
雨漏り修理の費用④その他の補修
雨漏りによって必要となる補修はこれだけではありません。この種類の多さが技術と経験が必要とされる理由のひとつです。
天井の補修
屋根や外壁からの浸水が原因で、天井から雨漏りするようになった場合は天井の修理が必要となります。
工期:2日程度
天井から雨漏りしている場合、ほとんどは屋根もしくは外壁から影響を受けているため、天井だけの修繕では済まないことは覚悟しておきましょう。また天井の修繕をしている間は中に入れないため、仮住まいが必要となります。
ベランダ(バルコニー)の補修
ベランダ(バルコニー)からの雨漏りの原因は、経年劣化、手すりや外壁の接合部分の劣化によりできた隙間、施工不良などがあります。
工期:2日~3日程度
ベランダ(バルコニー)だけの補修をするより、家全体で外壁や屋根と同時にリフォームしてしまう方が、足場の設置などを考えるとお得です。また排水溝の詰まりが原因の場合は、清掃するだけで解決することもあります。
屋上(陸屋根)の補修
「屋根」と言うと傾斜のある屋根を思い浮かべますが、「陸屋根(ろくやね)」とは平面上で傾斜がない屋根のことです。モダンな外観で、屋根の上は屋上としても使えるため最近人気の屋根です。
陸屋根は勾配がないため、勾配のある屋根と比べて水はけが悪いというデメリットが…。陸屋根の下に敷いた防水材が劣化したり排水溝が詰まれば、雨漏りの原因となります。
工期:1日~3日程度
防水材の種類によっての価格差と、広さによる価格差があります。また、陸屋根に階段などがついていないケースでは、足場代も別に必要です。
- 雨漏り修理の費用・工期は施工部位によっても様々
- 症状だけでなく、築年数や先のリフォームまで見据えて修理を
雨漏り修理の費用がばらつくのはなぜ?
雨漏り修理の費用や工期には随分と落差があることにお気付きでしょうか? その違いについて説明します。
材料費の違い
お客様の要望や家の構造に沿って修理を行うため、どの家でも全て同じ材料を使うことはほぼあり得ません。
瓦屋根なのかスレートなのかといった、材料の違いによる費用の差が出てきます。
施工の違い
修理箇所が全く同じように見えても、傷み方の深刻具合が異なれば、別の修理方法で行うことになるでしょう。また同じような傷み方でも全体的に施工するのか、部分的に施工するのかでも費用が異なります。
広さの違い
施工する部分の広さ(面積)によっても異なります。屋根や外壁であれば、部分的か全体かでそもそも修理方法が異なってくることもありますが、例えば棟板金の交換の場合、家の屋根の形状に応じて長さが異なります。それに伴い、費用にも差が出てきてしまうのです。
単価と数量の違い
項目ごとに業者によって単価設定が異なります。さらに見積もりを出す場合は、そこに面積や坪数を数量としてかけることになるのですが、その数量の算出方法が業者によってまちまちです。そのため、費用に差が出てきます。
- 雨漏りの症状に対してどんな修理方法を提示されるかで費用が変わる
- 単価設定や数量算出は業者によって異なる
外壁のリフォーム費用については、こちらの記事も参考にしてください!
雨漏り修理は悪徳業者に要注意!
残念なことに、雨漏り修理をうたう業者にも悪徳業者がいます。だからこそ、性急に業者を決めてしまうのはちょっと待ってください! 悪徳業者を避けるためのポイントをしっかりとおさえてから、業者決定をしましょう。
安易に葺き替えをすすめてくる
雨漏りだからといって、全ての原因が屋根にあるとは限りません。部分補修で済ませられる事例も多いのに、葺き替えをやたらとすすめてくるような業者は要注意です。
葺き替えになると大がかりな工事になるため、大金がかかります。築年数が浅く耐用年数も問題無いような場合、このような業者は危険でしょう。
調査の時間が短い
雨漏りの原因をはっきりさせるには技術と経験が必要ですが、だからといって熟練の職人ならひと目でわかる、というものでもありません。原因と共に、どこまで被害が及んでいるのか等、調べることは多々あります。なので、逆に30分以内で調査が終わたり、調査で屋根に上がらない、といった業者は要注意です。
見積書の内容が薄い
どれだけ接客が丁寧でも、書式や形式がちゃんとしていない業者は危険です。見積書の項目や内訳が「一式」としか記載されていなかったら、多額請求がかかっている可能性もあります。「一式」としか記載できない項目もありますが、それしか無いような見積書を出す業者は要注意です。また10万円以上の値引きも怪しいです。
「無料で調査します」と言ってくる業者
前述の調査費用のところでも少し触れていますが、目視調査のみであれば無料でやってくれる業者は多いです。しかし、やたらと無料調査をすすめてくるような業者や、無料と言いつつ無断で他の調査を始めるような業者は、追加分の調査費用や修理とセットで無料になります、といったことを後から言ってくる危険性があります。
見積もりから施工までの期間が長い
見積もりを出してもらってから、施工可能日を聞いた際にやたらと先の日程を提示してくる業者は危険です。雨漏り修理もクーリング・オフできるため、施工開始を待っている間にその期間が過ぎてしまうことも。依頼者都合ではない随分先の契約には要注意です。
- やたらとおすすめしてくる業者は要注意
- 雨漏りはぱっと見で判断できない
- 見積書の内容まできちんと確認を
- 「無料」という言葉に飛びつかない
- 施工を先延ばしする業者は危険
雨漏り修理はどんな業者に頼めばいい?
多種多様な雨漏りですが、ではどんな業者に頼むのがいいのでしょうか? 症状や施工方法のチョイスによっても変わってくるため、きちんと確認しておきましょう。
屋根の状態を写真などで明示してくれる
見積もり依頼して調査をした後、ちゃんと調査結果を言葉だけでなく資料を使って説明してくれる業者は信用できると思います。実際に依頼主の家の屋根に上がって撮影した写真があればベストです。
状況をきちんと説明してくれる
端的な説明で納得できればいいのですが、雨漏りについて知識を有している方は少ないはず。依頼主がわからないことや不安なことに対して、誤魔化したりせずきちんと対応・説明してくれる業者を選びたいですね。
地域密着で実績がある
雨漏り修理は技術と経験が必要です。そのため、実績の有無は大事なポイントになります。
さらに地域密着で長くやっていけている業者というのは評判が良いという表れでもあります。また何かあった時にすぐに駆けつけてくれるというのも地域密着のメリットです。
有資格者がいる
雨漏りに関連する資格が、実はいくつかあります。国家資格として実務経験も必要で難易度の高いものもあるため、有資格者を擁しているかどうかも業者選定のひとつの要素と考えていいでしょう。
- 建築板金基幹技能者(国土交通省)
- 1級・2級・3級建築板金技能士(厚生労働省)
- 1級・2級建築士(国土交通省)
- 1級・2級施工管理技士(国土交通省)
- 屋根外装調査士(全日本板金工業組合)
- 瓦屋根工事技士(全日本瓦工事業連盟)
- 瓦屋根診断技士(全日本瓦工事業連盟)
- 外壁診断士(全国住宅外壁診断士協会)
- 雨漏り診断士(雨漏り診断士協会)
- 雨漏調査技師(全日本雨漏調査協会)
- 雨漏検査技師(全国雨漏検査協会)
- 雨漏り検診士(雨漏り検診技術開発研究所)
施工後の保証やアフターフォローがある
せっかく修理したのに再発したり、別の箇所から不具合が出たりといったことが起こらないとは限りません。ちゃんとした業者であれば、一定の保証やアフターフォローまで対応してもらえます。
- 症状や施工内容について丁寧に説明できるのは経験あってこそ
- 地域密着は地域の方からの信頼の証
- 資格の有無も判断材料のひとつ
- 万が一のためのアフターフォローも大事
雨漏り修理の費用を抑えるコツ
起こってしまった雨漏りに対して、何も手を打たないということはないと思います。でも少しでも安く済ませたいとお考えの方は多いでしょう。実は安くできる可能性があります!
火災保険が適用できる場合も
実は自然災害による被害として雨漏りが起きてしまった場合は、火災保険が適用できる可能性が高いです。火災保険だから火事にしか適用されないと思い込まれている方も多いですが、風や雪、落雷などが原因であれば、修理費用を保険で全額もしくは一部を賄うことができる場合があるのです。その際は「風災」という保険が適応されます。
築年数が10年未満なら住宅瑕疵担保責任保険も
災害が原因でなく、築年数が10年未満の物件で雨漏りが起きた場合は、住宅瑕疵担保責任保険が適用できる可能性が高いです。
この保険は施工不良に対する保険で、ハウスメーカーが健在であれば、ハウスメーカーに修理費用を支払う保険となります。倒産していた場合などは、施主に払われることもあるようです。
複数の業者から見積もりを取る
どんな工事をする場合でも同じかもしれませんが、複数の業者から見積もりを取りましょう。おすすめは3社以上です。
複数の見積書を見比べることで、相場や各業者の特徴なども見えてきます。安すぎる業者も高すぎる業者も危険です。いくつかを見比べて業者選定に臨んでくださいね。
- 自然災害が原因なら、火災保険の「風災」が適用される可能性がある
- 築年数10年未満であれば住宅瑕疵担保責任保険が適用されるかも
- 見積もりは必ず複数社から取る
雨漏りを予防する方法
既に雨漏りしてしまった人はもちろん、まだ雨漏りを経験されていない方も、気になるのはどうやったら雨漏りを防ぐことができるか、ではないでしょうか。日々のチェックで雨漏りを予防して、長く同じ家に住みたいですよね。
慣れないDIYは雨漏りの原因に
実はDIYが雨漏りの原因になってしまうことも…。外壁や屋根などに釘を打ったりするのは大変危険です。釘穴から浸水して雨漏りになってしまうこともあります。
このような場合、水気は内部を通っているため、下地なども張り替えることになる可能性が高いです。穴を開ける行為は素人がやるのは危険性をはらんでいるため、絶対に避けましょう。
2階以上の部分に素人が上がるのは危険
下から見て「何か引っかかってる」等の理由で安易に屋根に上がるのは大変危険です。
元々屋根は上に人が乗ることを想定して作られているわけではないため、瓦屋根であれば割れたり欠けたり、スレート屋根であれば凹んだり、と傷みや劣化の要因になってしまいます。そのため、高所での作業はプロに任せるようにしましょう。
雨樋の点検・清掃
雨樋の詰まりや割れが雨漏りの原因となることもあり、目立たないかと思いきや実は結構重要です。木々の葉や砂などが詰まってしまったり、強風に煽られて歪んでしまっていないかを定期的に確認し、きちんと排水機能を有しているかを確認しておきましょう。
- DIYで外壁や屋根に穴を開ける行為はご法度
- 屋根に上がるのは危険なため、プロに任せる
- 雨樋は定期的に点検・清掃する
雨漏りの対処に焦りは禁物
いかがでしたでしょうか? 雨漏りが起こってしまうと、早く何とかしなきゃと思ってしまう方がほとんどかと思いますが、滅多に起きないことだからこそ、冷静な判断と対処が重要です。
繰り返し雨漏りに悩まされることがないよう、慎重な業者選定と適切な応急処置が求められます。安易に決めてしまって後悔することのないようにしたいですね。
しかし、外壁塗装の「価格相場」というのはとても複雑。外壁の状態や使用する塗料によって金額が大きく変動するため、素人がその適正価格を見極めるのはとても難しいのです。
中にはその複雑さに付け込み、不当な価格を要求したり手抜き工事をする悪質な業者も…
「外壁塗装ほっとらいん」では、厳正な審査をクリアした優良業者のみを無料でご紹介しています。
ご自宅の相場がわからないという方も、今の業者でいいのかな…と不安な方も、ぜひ一度見積もりをしてみてはいかがでしょうか?