トタン屋根の大敵は「錆」や「色あせ・色の剥がれ」です。トタン屋根は劣化が始まると錆や色あせが目立つようになります。
劣化した状態で放置してしまうと劣化は進行する一方です。また、放置期間が長くなればなるほど、屋根の美観だけでなく機能性にも問題が生じ始めているかもしれません。
この記事ではそんな悩みを解決する内容になっています。塗装方法の基本的な手順から費用の相場まで解説しているので参考にしてみてください。
- トタン屋根の塗装を自分でやるメリットデメリット
- トタン屋根塗装の費用の相場、おすすめの塗料など
- トタン屋根の適切なメンテナンス方法は?
- トタン屋根の塗装方法はどうすればいいのか?
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目次
トタン屋根の塗り替え時期の目安は?
トタン屋根の塗り替えをした方がいいのかな…、でも具体的にいつしたらいいのか分からない…。
そんな悩みを持っている方は必見です!以下を参考に、塗り替えの時期を検討してみてください。
変色・退色している
今すぐ塗り替える必要はないですが、2〜3年以内に塗装の剥がれや錆が発生する可能性が高いです。そのため、そのような場合は見逃さず早めに対策を打つことをおすすめします。
錆が目立つ
錆が目立つ場合も塗り替えが必要です。錆の主な原因は空気中の水と酸素。そのため、湿度が高いとより錆が発生しやすくなります。
錆びをそのまま放置してしまうと、屋根材がどんどん侵食されていきます。ひどい場合は穴があくこともあり、放置期間が長引けば長引くほど錆や腐食の進行が進むため、早急に対処するようにしましょう。
また、一度錆が発生した場合、塗装をする前に錆の除去を行う必要があります。
塗装が剥がれている
トタン屋根は塗膜剥離しやすい屋根材なので、年数が経つと多くの部位で塗装が剥がれることは避けられません。
剥がれの原因に多いのは、気温が暑い時期に起こる熱膨張です。熱を帯びやすいトタン屋根は、膨張と伸縮を繰り返すことにより、塗膜の劣化が進み剥がれやすくなってしまいます。
このような経年劣化の他にも、業者による施工不良も少なくありません。具体的には、塗装時の乾燥不足、塗装前の下地処理の手抜き、誤った塗料選びや塗装方法などです。
「塗膜」とは、塗った塗料が乾燥する際にできる薄い保護膜のことです。その塗膜が剥がれてしまうと、下地や屋根材にダメージを与えてしまいます。例えば、塗膜が剥がれた箇所に雨水が当たれば、錆の発生や進行につながります。
そのような場合は塗り替えをしないと屋根材が劣化してしまうので、剥がれが目立ち始める前に早めの処置が必要です。
塗装や屋根材がひび割れている
塗装表面のひび割れなら致命的ではありませんが、屋根材まで割れている場合は早急に補修や塗り替えが必要です。
あまりにひどい場合はひとりでできないので、業者に依頼してみることをおすすめします。
チョーキングが発生している
チョーキングとは、塗装した表面の部分が雨風や紫外線、激しい温度変化によって劣化してしまい、塗装の中に含まれている物質が粉のように発生してしまう現象の事を言います。
チョーキング現象は、塗膜が剥がれたことによって発生しますので、防水性や断熱性といった塗料の機能性が劣り、屋根をしっかりと保護することができなくなってしまいます。
チョーキング現象をそのまま放置してしまうと、塗膜が一気に劣化してしまうので、チョーキングが出た時点で見逃さずに塗り替えを行うようにしましょう。
カビやコケが生えている
カビやコケは、日当たりの良い場所よりは陰になっていたり湿っていたりなど、直接日光が当たらない場合に発生しやすいです。また、放置してしまうと胞子がついた場合、湿気により繁殖しやすい環境になってしまいます。
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トタン屋根の塗装にかかる費用、相場はどれくらい?
では、トタン屋根を塗装したい場合、費用はどのくらいかかるのでしょうか?自分でやる場合と業者に頼む場合とでも異なってきます。
30坪程度の住宅なら60〜80万円程度。
※ただし、屋根の勾配や面積によって異なります。
・自分でやる場合
手間賃がかからないため業者の半額程度で可能。
※ただし、足場費用、道具や材料の費用は必要になります。
屋根塗装に必要な費用は、次の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひご一読ください。
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トタン屋根の塗装は自分でもできる?
トタン屋根の塗装を業者に頼む場合、自分でやるより費用がかかってしまう…。自分でできるならやりたい!という人もいますよね。
ただし、自分でやる場合にもメリットやデメリットは存在します。どちらも知った上で、どちらにするか検討してみてください。
自分でやる場合のメリット
まず自分でやるメリットとしては、やはり安い費用で済むことです。先ほども触れましたが、業者に頼んだ場合の約半分の費用でできてしまいます。
また、細かい模様でも自由に作れるので、こだわりのある方は自分でやってみるのもいいかもしれません。
DIYで屋根塗装を検討中の方には、こちらの記事もおすすめです。
自分でやる場合のデメリット
自分でやるデメリットとしては、未熟な技術で塗装すると数年で剥がれるリスクがあることです。一度自分でやったとしても、結局剥がれてしまった場合多くの人は業者に依頼し直すことになるでしょう。そのため、DIYの分だけ費用が無駄になってしまうことになります。
また、夏の屋根の上は地上に比べて5〜10度は気温が高いため、熱中症の危険があります。特に体力に自信が無い方や暑さに弱い方の場合、しっかり体調管理をしながらでないととても危険です。
さらには、1人で作業すると、毎日作業しても3ヶ月〜半年かかるなど、工期が業者の数倍かかってしまう可能性があります。あまり時間を取られたくない方の場合、業者に頼む方が確実です。
- トタン屋根の塗装を1人でやる場合、費用が節約でき、細かい模様でも自由に作れるというメリットがある。
- トタン屋根の塗装を1人でやる場合、無駄な費用がかかってしまう、熱中症の危険がある、時間がかかるなどのデメリットもある。
トタン屋根の塗装にかかる期間
トタン屋根の塗装にかかる期間は、業者に依頼した場合だと2〜3週間かかります。
逆に自分でやった場合は、毎日2〜3時間ほど作業するとして3〜6ヶ月必要です。
半年程かかってしまう場合もあるので、自分でやる際は、そのあたりも考慮してやるようにしましょう。
自分で塗装できる劣化状況の目安
自分で塗装が可能な範囲は、以下のような場合だと考えておいてください。
- 色あせ
- チョーキング
- 錆
- ひび割れ
- 塗膜の剥がれ
※ただし、色あせ以外は下地調整が必須であり、適切な技術がなければ数年で剥がれる可能性が高くなります。確実性を考えるなら業者に依頼するのが最善と言えるでしょう。
塗装だけでは補修できないケース
劣化症状がさらに悪化している場合は、塗装だけでは修復不可能になります。以下のどれかに当てはまる場合は、塗装以外の方法を考えましょう。
- 穴が空いている
- 屋根材が割れている
- 雨漏りしている
錆などで穴があいた場合や飛来物や経年劣化で破損した場合、塗装だけでは補修不可です。雨漏りは塗装業者の専門外なので、外壁や屋根の一般塗装では直せません。そのような場合は雨漏り専門業者に依頼してみましょう。
雨漏りの修理方法や費用については、次の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
塗装以外の補修方法「葺き替え」
塗装以外の補修方法としては、「葺き替え」というものがあり、屋根材を取り替える工法のことを指します。既にある屋根材を新しいものに張り替える補修方法です。
ちなみに、現在の屋根材の上に新しい屋根材を重ねて張る工法のことは「重ね葺き」と呼びます。
葺き替えにかかる費用
一般的に30坪程度の住宅では180〜260万円かかります。すなわち塗装の2倍以上の費用がかかることになるのです。
葺き替えならガルバリウム鋼板がおすすめ
金属屋根の中でも耐久性が高く寿命が長い素材がガルバリウム鋼板です。耐用年数は30〜50年と言われ、屋根素材の中でも長寿命とされています。
- トタン屋根の塗装にかかる期間は、業者に頼んだ場合は2〜3週間、自分でやった場合は3〜6ヶ月程度かかる。
- 基本的に塗装で修復できるが、劣化症状がひどい場合は、塗装だけでは修復できない。
- 塗装以外に葺き替えという補修方法があり、30坪程での住宅では180~260万円かかる。
- 葺き替えをするなら、耐用年数が30~50年あると言われるガルバリウム銅板がおすすめ。
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トタン屋根に使う塗料の種類4つを紹介!
いざトタン屋根を塗装しようと思っても、何の塗料を使えばいいか分からない…。そんな方は、以下でおすすめの塗料などを紹介しているので、選ぶ際の参考にしてみてください。
塗料の特徴と費用
・ウレタン塗料
ウレタン塗料は伸縮性があるため密着性が高く、伸びが良く塗りやすいのが特徴。価格が安価であるのもメリットです。
小さなひび割れ程度であれば塗膜でカバーすることもでき、雨樋や軒天などの付帯部の塗装にも適しています。
・シリコン塗料
シリコン塗料は塗膜が硬く、耐久性・耐熱性・防水性・防汚性に優れているのが特徴です。
性能やもちの良さから考えるとコストパフォーマンスが良いため、塗料選びに悩んだらおすすめの塗料です。
・フッ素塗料
耐久性・耐熱性・防水性・防汚性など、すべての面で高い性能をもつ塗料です。
高性能な分、価格が高いというデメリットも。
・遮熱塗料
遮熱塗料とは、太陽の熱や光を反射する性能を備えた塗料のことです。熱の侵入を妨げるので、室内の温度の上昇を抑える効果があります。
塗料グレードのひとつではなく、シリコン塗料の遮熱機能つき、といったように塗料の性能のひとつとして扱われています。日当たりの良い屋根、直射日光が当たる屋根には特におすすめの塗料です。
塗料の種類 | 耐用年数 | 価格 |
ウレタン塗料 | 5〜7年 | 価格が最も安い |
シリコン塗料 | 6〜12年 | 価格と耐用年数のバランスが良い |
フッ素塗料 | 8〜15年 | 高いがコスパは良い |
遮熱塗料 | 15~20年 | 通常の塗料より1〜3割ほど高い |
トタン屋根におすすめの塗料
では、結局どれを選ぶべき?と言われたら、シリコンの遮熱塗料をおすすめします!価格が安く耐用年数が長いためコストパフォーマンスに優れているためです。
金属屋根は熱を吸収して室温を上げやすい性質があるため、遮熱塗料を使って熱の発生を抑制するのが良いのです。
寿命が長い塗料を選びたいなら、耐久性が高いフッ素塗料が適しています。
トタン屋根には下塗り材選びも重要!
すでにお伝えした通り、トタン屋根の劣化原因のひとつに錆があります。
金属製のトタン屋根は錆対策が非常に重要です。そこで塗装をするときは、下塗り塗料に錆止め効果があるものを選ぶ必要があります。下塗り材にも様々な種類がありますが、トタン屋根に使用する際には、とにかく耐水性や耐久性が高いことを最優先に選ぶようにしましょう。
トタン屋根の塗装を自分でやるときの手順
では続いて、実際に自分でトタン屋根の塗装をやる際の手順を解説していきます。
準備するもの
まず、以下の物を一通り揃えておいてください。
足場の設置
次に足場の設置をしましょう。住宅の構造によっては、屋根塗装でも業者に足場を設置して貰う必要があります。
洗った後の屋根は非常に滑るため、水洗いの際や水や塗料で足元が濡れている場合は落下の危険があるので十分に注意しましょう。
足場設置の費用は10〜20万円程度かかります。
屋根の洗浄
まずは高圧洗浄機でトタン屋根を洗浄します。錆や古い塗装が残っていると、上から新たに塗料を塗ってもしっかり定着しなかったり、塗料の下で錆が広がったりすることがあるため、手抜きをせずにしっかり洗浄しましょう。
洗浄が十分に乾いた後は、「ケレン」という作業を行います。ケレンとは、かわすきやワイヤーブラシ、目の細かいサンドペーパーなどの専用の道具で、洗浄だけでは落ちなかった剥がれかけの古い塗装を剥がしていくことです。屋根の表面を滑らかにすることで塗料のノリが良くなります。また、あえて表面に傷をつけることで、下塗り材の密着性を良くする効果もあるようです。
下地調整・養生
一般的にトタン屋根は釘で固定されていますが、長い間使用していれば釘が浮いてしまったり、釘が外れて釘穴があいてしまうこともあります。そのため状態に合わせて釘を打ち直したり、コーキングで穴埋めをする必要があるでしょう。
また棟の継ぎ目には隙間ができてしまいますから、その部分も忘れずに埋めるようにしてください。
さらに、この時点で養生も行います。養生とは塗料やゴミが飛散しないよう、施工箇所の周辺をビニールシートやマスキングテープなどで保護すること。隣家との距離が近い場合は、塗料が飛び散ったりゴミが散乱しているとトラブルの元となりやすいので、念入りに養生を行うようにしましょう。
下塗り
プライマーなどの下塗り塗料には、上に塗る中塗り塗料を密着させる役割があり、同時に錆止め剤にもなります。
屋根の広い面にはローラーやコテなどを使用し、細かい部分にはハケなどを使って塗装すると手早く簡単に仕上がります。
中塗り・上塗り
下塗り剤が完全に乾燥したら中塗りを行います。必要な厚さを確保するために、仕上げ塗料を中塗り・上塗りと2回塗ります。必ず1回目が完全に乾燥してから2回目を塗るようにしましょう。
内部まで完全に乾燥させるには、大抵1日程かかりますが、天気によっては最短で3時間程度で乾燥する場合もあります。
中塗り・上塗りの塗料は必ず屋根専用の塗料を使用しましょう。屋根専用の塗料は、外壁用の塗料と比べ、耐久性が高いものが多いためです。塗料を塗る際は、ローラーやハケを一定の速度で同じ方向に動かすとムラができにくくなります。
片付け
足場の撤去が必要な場合は業者に依頼してください。ちなみに、足場の設置と解体はセットで依頼することになります。
片付けの場合は、清掃時に塗った場所を踏まないよう気をつけてください。
自分でやる場合に気をつけること
屋根の上は素人が登るようには作られていないため、非常に滑りやすくなっています。滑りにくく動きやすい靴選びが必須ですので、しっかり準備しておきましょう。
また、30℃の外気温だと屋根の上は40℃を超えてきます。暑い日に修理をする場合、水分補給と休憩を繰り返して熱中症には注意しながら作業を進めてください。夏場の屋根塗装はプロでも暑すぎて体調管理が大変と言われるほどです。
トタン屋根のメンテナンス方法
トタン屋根をメンテナンスすることは、屋根を良い状態で保つためには必要な作業です。
メンテナンスをせずに放置してしまうと、著しく劣化してきてしまいます。以下にいくつかのメンテナンス方法を紹介するので、適切なメンテナンス方法を適切な時期に行うようにしましょう。
ホースで洗浄
汚れやカビを落とすだけでも耐久性を維持しやすくなります。
屋根の洗浄は、基本的に足場などを設置して屋根の外側から行いますが、非常に滑るため自分で作業するのは危険です。洗浄だけでも基本的に業者に依頼するようにしましょう。
ひび割れなどを補修
ひび割れなどを定期的に補修することで屋根材の耐用年数を維持できるようになります。最適な補修方法はプロでなければ判断できないため、こちらも業者に依頼した方が安心です。
塗り替え
- トタン屋根のメンテナンス方法には、ホースで洗浄、ひび割れの修復、塗り替えなどの種類がある。
- ホースで洗浄するだけでも耐久性は維持できるが、滑って危険なため、業者に依頼するのが良い。
- ひび割れの定期的な修復も耐久性維持に効果があるが、最適な修復方法はプロでなければ判断できない。
- 全体的に劣化が目立つ場合は、塗り替えが必要。
トタン屋根は簡単なメンテナンスでも業者に依頼するのが最善
いかがでしたか?トタン屋根は自分でできる場合もありますが、無駄な費用がかかる可能性があったり、体調を崩したりや怪我の危険性があったり、リスクが多いと言えます。業者に頼んだ場合高い費用がかかってしまいますが、総合的に考えて、信頼できる業者に任せるのが良いでしょう。
トタン屋根の修理法や費用について気になる方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。
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